海辺

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、陰謀(123)、錬金術、繁栄(1234)、収穫祭、異郷(1234)、暗黒時代(総説123)、ギルドプロモ

なんか今やることではないような気もしますが(新拡張の話を書くとか)、取りあえず個別カード解説最後の海辺になります。
基本的に新拡張(Adventures)には対応していませんのでご注意願います。

【持続カードについて】
持続カードは、プレイしたターンの終了時(クリーンナップ・フェイズ)に捨て札にならず(次のターンまで場に持続する)、次のターン(の開始時)にも何らかの効果をもたらすカードになります。

持続カードの特性としてまず挙げられるのが、持続中にシャッフルが入る危険があることです。この場合は次の山札に持続カードは含まれなくなり、その分プレイ回数(正確には手札に来る回数)が減ることになります。通常のカードであれば、「底」(山札の底の方にあって、手札を引いてる途中にシャッフルが入る)にあった場合にのみプレイ回数(手札に引く回数)が1回減るわけですが、持続カードの場合は「底」で引いた時だけでなく、その1ターン前に引いてプレイした場合も1回減ることになります。
また持続カードの一部の効果は、プレイした次のターン、つまりプレイしてから1ターン遅れて生じます。
いずれも特に序盤、初手に購入した場合の2周目(3〜4ターン目)に影響が大きくなります。

初手に持続カードを買った場合、3ターン目に持続カードを引いてプレイできた場合と、4ターン目の場合で、結構な差が出ます。
灯台で説明すると、3ターン目に灯台を引いてプレイした場合、4ターン目の終了時に灯台は捨て札になるために3周目の山札に含まれますし、3ターン目と4ターン目の両方で+1コインの効果を受けます。
これが4ターン目に引いてプレイした場合、4ターン目の終了時に灯台は場に残っているため、3周目の山札には入りませんし、+1コインも4ターン目に受けただけでシャッフルが入ります。次のターンの+1コインは5ターン目、つまり3周目の山札を作った後で受け取ることになります。
この1コインの差で「2周目の3、4ターン目とも4金しか出ず、5コストのカードが買えず」といったパターンもあり得るわけで、この差は拡大再生産のドミニオンでは大きな差となる場合も多いでしょう。
ちなみに底に沈んだ場合(初手に購入して、2周目の山札の底の方にあって、5ターン目にはじめて引く場合)は、持続カードも持続でないカードもそれ程差はないでしょう。

3ターン目と4ターン目で差が大きなカードは、持続カードだけでなく他にも結構ありますが(3枚ドローしたり、3枚山札を見るカードとか、役人などの山札の上に獲得したカードを載せるカードとか)、持続カード全般にもそういった性質があるということです。
2周目に限らず序盤ではデメリットになりやすい性質といえます。
特に新拡張の持続カードは持続ターン(プレイした次のターン)に大きな効果を持つものがあるので、その辺を考慮する必要が大きくなります。

またプレイした際と、持続したターン(の開始時)で同じ効果が生じる持続カードも結構ありますが、基本的には持続ターンの方が効果としては強くなりやすくなります。プレイしたターンは、その持続カードの分だけ手札とアクションを1ずつ消費していることになりますが、持続ターンはその消費なしで効果を受けることになります。
船着場を例にとると、(他のカードの影響がなければ)船着場をプレイしたターンは(船着場をプレイした分1枚減って2枚引き)手札が1枚増えた6枚になり、アクション数は船着場をプレイしたことで0になります。それに対して持続ターンは、手札は7枚になった上で、アクション数が1ある状態でプレイを始められることになります。

その他、支配がプレイされる環境では、支配される側も支配する側も持続カードは使いづらくなるでしょう。

あと持続カード全般のルールについて説明しておきます。
王子(Prince)をプレイして、その対象として4コスト以下の持続カード(もしくは街道などと併用した場合は5コストも)をこめた(王子の効果で脇に置いた)場合、次のターン開始時に、そのカードがプレイされますが、そのターンのクリーン・ナップ時に持続中であるために捨て札にならないので脇(王子の領域)に戻ることが出来ず、以後、持続カードをこめた王子はゲーム終了時まで対象としたカードを失った状態で残り続けます(持続カードは次のターンの終了時に捨て札になりデックに戻っていきます)。
画策の場合、「このターンのクリーンアップフェイズの開始時に、あなたは場に出ているアクションカード1枚を選んでもよい。このターンあなたがそのカードをプレイエリアから捨て札に置く場合」と書かれているため、そのターンにプレイした持続カードを画策の対象に選ぶことは出来ますが、そのカードは捨て札にならないので、山札に戻すことは出来ません。持続後の次のターンであれば捨て札に落ちるので、画策で山札に戻すことが出来ます。

玉座の間、宮廷の対象として持続カードをプレイした場合、その玉座の間や宮廷も、あたかも持続カードであるかのように持続カードと一緒に場に残り、次のターンの開始時にその持続カードの効果が2回(3回)発生します。
また行進の対象に持続カードをプレイした場合、持続カード自体は廃棄されて場にありませんが、行進は場に残り、次のターンの開始時に廃棄された持続カードの効果が2回発生します。行進の後ろが空だと持続時に何の効果だったかわからなくなるため、廃棄された持続カードを横置きなど通常と違う置き方をして持続終了後に廃棄しているのを見かけることがありますが、通常のサプライだとこれもあまり問題ありませんが、廃棄置場と関連する墓暴きや盗賊のようなカードがプレイされている場合は問題になることがありますので注意が必要となります。
また「玉座の間(1)−玉座の間(2)−持続カード」のように、玉座の間や宮廷、行進の重ね掛けから持続カードがプレイされた場合、持続カードに直接かかっているカード(例の場合は玉座の間(2))のみが持続カードとともに残り、さらに上流(例の場合は玉座の間(1))のカードは、そのターンのクリーン・ナップ時に捨て札となります。一度ルールの変更があった(過去は玉座の間(1)も場に残っていた)ので、注意が必要となります。

共謀者は「このターンに」とわざわざ明記されているため、前のターンにプレイされて持続中のカードは数えられませんが、行商人や囲郭村は「場に出ている(in play)」と書かれているため、持続中のカードも数えます。ちなみに、「祝宴」のようなプレイされた後に場に残らないカードでは、共謀者では数えられ、行商人、囲郭村では数えられません。
次のターンに何も効果を及ぼさない場合、その持続カードは持続しません。策士をプレイした際に手札が0枚であった場合、その策士は(次のターンまで持続せずに)プレイしたターンの終了時に捨て札になります。
新拡張(Adventures)では、Gear(2枚引いて、最大2枚までのカードを次のターンに持ち越す)で持ち越すカードを0枚にした場合、Gearは持続せずに、プレイしたターンの終了時に捨て札となります。

【2コスト】
原住民の村(げんじゅうみんのむら:Native Village)
海辺・2コスト・アクション

【能力】
+2アクション
次のうち1つを選ぶ:「あなたの山札の一番上のカードを、あなたの原住民の村マット上に、裏向きにして脇に置く。」;「あなたのマット上にあるカードすべてを手札に加える。」
あなたは自分のマット上にあるカードをいつでも見ることができ、そのカードはゲーム終了時にあなたの山札に戻す。

関連の強いカード
+)橋/オアシス/薬師、地図職人、中庭、ゴミあさり、真珠採り、願いの井戸、秘術師、伝令官、見張り、航海士、医師、偵察員、浮浪者、開発/(対抗)役人、大衆、占い師、海の妖婆、幽霊船/書庫系

平均的には「ドローのない使いづらい村」ですが、たまに原住民マットを使った疑似圧縮や疑似ドローで面白いことが出来ることがあります。
有名なのが「原住民の橋(橋から原住民の村と橋を買いあさり、どんどん原住民マットにカードを送り込み、十分量の村と橋が送り込まれたら引き出してプレイする即死コンボ)」でしょう。
上手くプレイすれば不要なカードを原住民の村に送り込んでデックの回転を良くすることも期待できます。例えば引き切りデックで、引き切った後にオアシスをプレイして勝利点を捨ててから原住民の村をプレイするようにすれば、毎ターン購入した勝利点カードを原住民マットに送り続けることが出来、デックの強度を維持し続けることが出来ます。
その他に山札のトップを確認する方法としては薬師や地図職人に始まり、様々な方法があります。例に挙げた中では医師や偵察員、浮浪者、開発などは山札のトップが不要なカードでないことが多いので、微妙かもしれませんが。
一応、役人などのアタック・カードを受けた後に不要な勝利点カードを収納するのにも使えます。
原住民の村を使う上で難しいのは、何枚くらい原住民の村を投入して、マットの上がどうなったら引き出すのかの判断かなと思います。
マットに送る場合は手札が減るので、特に+購入などから大量に原住民の村を購入した場合は書庫系との相性が良くなることがあります。

真珠採り(しんじゅとり:Pearl Diver)
海辺・2コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたの山札の一番下のカードを見る。あなたは、そのカードを山札の一番上に置いてもよい。

関連の強いカード
+)秘術師、原住民の村、見張り、医者、借金、賢者、農村、男爵夫人

基本的にはキャントリップの上に重要なカードの底沈みを防ぐカードと言えます。
ただ山札2枚(1枚ドローして1枚見る)に影響するため、たまに残り山札1枚で手札や場が強い場合に、逆に「シャッフルが入るために使えない」ということもあります。
底のカードを見た後に山札のトップに持って来た場合、山札のトップが分かった状態になります。そのため、秘術師でドローすることも出来ます。
また底のカードが不要なカードの場合、トップに持ってきて原住民マットに送ったり、見張りや医者、借金(銅貨の場合)で廃棄したり、賢者や農村をプレイして流したり、男爵夫人で捨てるなどして、無駄ドローを減らすことに利用することも出来ます。

停泊所(ていはくじょ:Haven)
海辺・2コスト・アクション−持続

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたの手札のカード1枚を、裏向きにして脇に置く。あなたの次のターンの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。

関連の強いカード
+)手札の偏り、植民地場、コンボ、隠遁者、策士、伯爵/手札調整、ターミナル・アクションの調製、宝の地図、馬上槍試合、浮浪者/移動動物園、書庫系、寵臣、馬商人/

ターン間の手札枚数の偏りをつけると考えればプチ策士ともいえ、中庭のように一部のカードを次のターンに先送りして手札調整も出来と、かなり出来るカードになります。
あとは停泊所獲得の手間がその効果に値するのか、デックが手札の偏りや手札調整が必要なデックなのかといったところを考える必要があります。

白金貨に届かせるためにまずは強引に9金出したい植民地場や、コンボ・スタートのためにキー・カードを同時に手札に納めたい場合などに有用と言えます。
隠遁者を狂人化する際や策士をプレイする際には有用なカードなどを先送りし、次のターンの狂人や伯爵廃棄の際に手札を増やしてくれます。
ターミナル・アクションが多めのデックでも中庭のように一部を次のターン送りにして調整したり、宝の地図、馬上槍試合(と属州)、浮浪児などを揃えるのにも役立ちます。

プレイ時に手札が減ることから移動動物園、書庫系、寵臣や馬商人とも相性が良くなります。

灯台(とうだい:Lighthouse)
海辺・2コスト・アクション−持続

【能力】
+1アクション
現在と、あなたの次のターンの開始時に、+1コイン

                                                • -

このカードが場に出ているかぎり、他のプレイヤーがアタックカードを使用しても、あなたはそのカードの影響を受けない。

関連の強いカード
+)アタック・カード/書庫系/念視の泉/改築

アタックに対する対抗策であるとともに、2ターンに分かれますが2金を産み出すカードでもあります。2周目(3〜4ターン)に5金以上を出す手段としては銀貨に劣ることが多いですが、中盤以降は安定性も含めると銀貨以上の効果となることも多くなります。
手札が減ることから書庫系との相性が良くなります。
念視の泉で引けてアクションを消費せずに連打出来るため、+購入のあるような場では重宝されることがあります。
銀貨相当と考えると、銅貨や呪いを改築する際の改築先としても有用なことがあります。

抑留(よくりゅう:Embargo)
海辺・2コスト・アクション

【能力】
+2コイン
このカードを廃棄する。サプライのいずれかの山札1つの上に、抑留トークン1枚を配置する。

                                                • -

プレイヤーはカードを購入するとき、その山札に置いてある抑留トークン1枚につき、呪いカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)集めると強いカード、念視の泉、錬金術師、寵臣、伝令官など/金貨、属州
−)望楼、交易人/仮面舞踏会、大使、その他の廃棄カード/改築系、工房系、金貨獲得カード、値切り屋、石工、豊穣の角笛/他の呪いまき

基本的に集めると強いカード、念視の泉や錬金術師、寵臣、伝令官などへの対抗策として使われます。特に念視の泉などのポーション・コストを含むカードの場合、抑留のある場では初手にポーションを買いづらいところがあります。
また交易場のような1枚ほしいカードについて自分が先に獲得した後(例えば初手5-2の場合など)に、他プレイヤーの購入を牽制するために使われることもあります。
また、遅れている側(コンボ構築中とか)が、場の動きをペース・ダウンさせるために取り敢えず金貨や属州におくこともあります。
いずれにせよ、抑留を獲得するためにひと手間かかり、実際にプレイするまでの間隔があることを考えると、結構、抑留を購入するかどうか、またそのタイミングの判断は難しいものがあります。
あと初手5-2の際に2コストにロクなカードが無い場合に購入される場合もあります。

呪いに対処できるカード、特に獲得時に対処する望楼、交易人があると抑留の効果は限定的となります。手札に望楼、交易人がある時に抑留されたカードを買えばよいということになります。通常の呪い対策(仮面、大使、廃棄カード)も対抗策となります。
また購入時にしか抑留トークンの効果はないため、抑留したカードを購入以外の方法で獲得出来る場合は、効果は限定的になります。
購入でない獲得方法としては、改築系や工房系、(金貨に置いた場合は)予言者などの獲得カード、値切り屋のおまけ効果、石工の追加払い、豊穣の角笛による獲得などがあります。
逆に、自分がこういった方法を利用できるデック構築をした場合(対戦相手はそうでない場合)は、抑留を使うチャンスとも言えます。

また、他の呪いまきカードによって呪いが山切れした場合は、抑留トークンは無意味となります。
玉座の間、宮廷、行進の対象として抑留をプレイした場合、プレイした抑留が廃棄されるのはコストではなく処理なので、+2金と抑留トークンを置く効果が2回(3回)発生します。

【3コスト】
漁村(ぎょそん:Fishing Village)
海辺・3コスト・アクション−持続

【能力】
+2アクション
+1コイン
あなたの次のターンの開始時に、
+1アクション
+1コイン

関連の強いカード
+)コンボ/書庫系

2ターンに渡って+2アクション(余剰の+1アクション)を生じるため、アクションを連打するデックでは非常に安定性を増してくれるカードになります。
またドローこそありませんが、灯台同様に2ターンに分かれてですが2金を産み出してくれます。
手札が減ることから書庫系との相性も良くなります。

灯台同様、2周目(3〜4ターン)にどうしても5コストのカードを購入したい場合、初手銀貨に比べて初手漁村は少し確率が悪くなります。
ただ特に4人戦の場合、漁村購入が遅れると、あっという間に売り切れて確保する漁村の枚数が減ることになります。
その辺のメリット・デメリットを秤にかけ、今後のデック構築の手順も考えながら、初手を漁村にするか銀貨にするか考える必要があるでしょう。

倉庫(そうこ:Warehouse)
海辺・3コスト・アクション

【能力】
+3カードを引く
+1アクション
カード3枚を捨て札にする。

関連の強いカード
+)コンボ/書庫系、寵臣、策士/隠遁者/宝の地図/移動動物園、救貧院/坑道/会計所/(対抗)呪い、廃墟、大衆、占い師、海の妖婆
−)民兵

手札1枚減る代わりに幅広いサーチ能力、手札調整能力を享受することになります。
村とドロー・カードが一回揃えば後はどうにでもなるコンボ・デックなどでは良い潤滑油となります。
手札が減っても構わない書庫系、寵臣、策士(策士を探してくる際には手札が減って良く、策士ターンは捨てる手札に困らない)、隠遁者(隠遁者を探して狂人化する際には手札が少なくても良く、不要カードは捨て札に落ちていて良い)などとの相性は良くなります。
宝の地図を揃えるのにも使えますし、手札の調整まで含めて移動動物園、や救貧院との相性は良くなります。
捨てるということで坑道プレイに使えますし、銅貨を捨てながら会計所をサーチすることが出来るので、会計所プレイにも適しています。

民兵系のアタックなど、手札が減るカードがプレイされる環境では、更に倉庫で手札が減ることは(書庫系や寵臣が無ければ)微妙なことが多いでしょう。
高圧縮を行う場合や引き切りの場合、引くカードよりも捨てるカードの方が多くなることもあります。引き切りの場合、開始時の安定性のために入ってることが多く、引き切った後に使う必要がある場合は少ないですが、高圧縮の場合、邪魔になることはあるかもしれません。
逆に引き切りなどから最後に見張りや医者をプレイして不要カードを廃棄したい場合に利用されることもあります。
倉庫自身も含めた地下貯蔵庫や秘密の部屋系、宿屋といった「手札の枚数を減らすカード」を複数枚投入する場合は、デックのバランスを考える必要があるでしょう。
捨てるカードに困らないということで、呪いや廃墟が横行する環境では倉庫の利用価値も高まるでしょう。また大衆、占い師、海の妖婆などのデック・トップを汚すアタックに対しては、倉庫で引いてその不要カードを捨て札にすればいいので、対抗策の一つとなるでしょう。

大使(たいし:Ambassador)
海辺・3コスト・アクション−アタック

【能力】
あなたの手札1枚を公開する。公開したカードと同じカード最大2枚までを、あなたの手札からサプライに戻す。その後、他のプレイヤー全員は、それと同じカードを1枚ずつ獲得する。

関連の強いカード
+)2人戦/植民地場/(対抗)呪い
−)避難所場、廃墟/支配/庭園、会計所/秘密の部屋系/礼拝堂、高圧縮/望楼、交易人

2人戦で双方が大使をプレイした場合、一度天秤が傾くとドンドンその差が拡がります。
片方は圧縮の効いた回転率の高いデックでプレイし、他方はデックが膨れて反撃(大使)も散発になる上に、反撃する以上の回数で相手が打ち返してきます。
逆に4人戦の場合、大使プレイヤーが1人(または2人で1人が沈んだ場合)であれば同様のことが起こりえますが、大使プレイヤーが複数になると、大使プレイヤー同士が足を引っ張り合うために抜け出す(デックに圧縮がかかって回転率があがる)ことが出来なくなります。3人が大使プレイしている間に残る一人が大使以外のプレイをして、デックが汚れる前の2〜3周目(大使プレイヤーは大使をプレイする関係上、あまり購買力が伸びない)に買ったカードの威力で押し切る場合も多くなります。
また、4人戦だと屋敷や呪い(複数人が大使をプレイした場合)が山切れするけど、2人戦だとなかなか山切れしないというのもあります。銅貨がまかれる分には、デックの出力として8金は厳しくても、4〜5金くらいは期待できます。

2人戦では最強カードの一角として君臨しており、大使がサプライにある場合は、初手は「大使・大使」か「大使・(4コストの)キャントリップ」がデフォルトになります。
また2周目に「大使・銅貨×3、屋敷」という手札を引いた場合は、サプライにもよりますが、屋敷ではなく銅貨×2を戻す(圧縮する枚数を優先する)方が良い場合は多そうです。

圧縮の強い植民地場でも重要性は上がるでしょう。
また魔女などの呪いまきに関しては、大使がサプライにあると使用する気が起きないことが多いでしょう(大使戦に勝った方のプレイヤーが、止めに使うことは多そうですが)。
あと4人戦などで、ある程度リードしている場合に属州をばらまいて強引にゲームを終了させたり、山切れ近いキー・カードをばらまいて3山切れを引き起こしてゲームを終了させることもできます。
ちなみに、大使のアタックで獲得したカードでも獲得時効果は発動するので、不正利得などをばらまくと、阿鼻叫喚となることでしょう。

避難所はサプライに無いため、大使で戻すことが出来ません(そもそも戻す先がない)。そのため、避難所場では大使の価値は少し落ちます。2人戦だと、「大使・大使」スタートが「大使・その他スタート」がデフォルトになるくらいの差でしょうか(銅貨は戻せるため)。
褒章カード、傭兵、狂人、略奪品などもサプライに無いカードなので、大使で戻すことは出来ません。
廃墟に関しても種類が多いため、対処しづらいところはあります(別々の種類の廃墟は一緒に戻せない、撒かれるのも同名の廃墟だけ)。

2人戦の場合は支配があるとプレイングに注意が必要となります。支配されたターンに手札に大使があると属州や金貨などの大切なカードをばらまかれることがあります。とはいえ、2人戦で大使を無視すると、支配とかいう話になる前にそのまま圧殺されることもあります。
中盤に廃棄方法があったら大使を廃棄することを考えるといったくらいでしょうか。

その他、大使に対抗する手段としては、庭園や会計所や秘密の部屋系(保管庫)でゴリ押しするというのもあります。大使プレイ自体は自身の体制が整うまでに時間がかかるため、大使のアタックを喰らう環境でも使えるカードで、リードを拡げるべくプレイすることになります。
礼拝堂クラスの高圧縮であれば、大使を上回る速度で圧縮できることが期待できます。
望楼、交易人も大使でまかれるカードへの対策となりえます。ただ交易人の場合、(銀貨で)デックが膨れていくことになり、デックの回転率が下がっていくことになるので、何らかの目算がないと、最終的には押し切られる可能性があるので注意が必要と言えます。

密輸人(みつゆにん:Smugglers)
海辺・3コスト・アクション

【能力】
あなたの右隣のプレイヤーが、前のターンに獲得したコストが6コイン以下のカードと同一のカードを獲得する。

関連の強いカード
+)2人戦/金貨、公領/街道系/弟子、引揚水夫、改築系
−)上家とプレイ方針が違う(宝の地図、庭園)/ポーション・カード/策士、前哨地/植民地場、7コストのカード、行商人

ある意味、上家次第のカードなので4人戦だと支配同様に席順による有利・不利を感じることもあります。上家の引きが悪くていいカードを買ってくれないと、役立たずになります。
逆に2人戦の場合は、ほとんどの場合、序盤は有益なカードになります。上家が良いカードを買ってくれない場合は、唯一の対戦相手の調子が悪いということで、相対的に自分の勝利が近づいていることになり、問題ないことになります。

メインのターゲットは金貨や終盤であれば公領になりますが、ほぼ同様のデックを目指している場合は、だいたい密輸できればうれしい場合が多いでしょう。
逆にプレイ方針が違ってもらってもうれしくないカードが多い場合(宝の地図を買い始めたり、庭園プレイを始めたり)、避けた方が良いでしょう。
ただ、自分が弟子や改築系を使用している場合は、プレイ方針が違っても利用できることは多くなるでしょう。

また上家が初手にポーションを買った場合も、初手の密輸人は避けた方が良いかもしれません。
策士、前哨地のようなカードを上家がプレイしている場合も、当たり外れが大きくなるので注意は必要になります。
植民地場は白金貨などが対象外となるため、序盤はともかく中盤以降は密輸人は使いづらくなるでしょうし、7コストのカードが活躍する場や、行商人が大量に買われるような場(行商人は密輸できない)でも同様でしょう。

基本的には手番の遅いプレイヤーの救済に働くことが多いカードですが、例外的にラス手番の人が初手2-5の場合、1番手が3ターン目に密輸出来ることを期待する場合もあります。
一応、下家が密輸人を使っている場合は、金貨と銀行や属州購入で悩んだら銀行や属州を優先したり、5コストのドロー・カードと村2枚で悩んだら村を優先したりといったことは考えてみてもいいかもしれません。

街道(村があれば橋や王女も)と併用すると、7コスト以上のカードも密輸することが出来るようになります。
対象のカードは対戦相手が獲得したカードなので、4人戦でたまに見かけますが、上家が密輸したカードを更にその下家が密輸するようなことも起こりえます。
プレイした場合(ゴーレムや伝令官からのプレイも含む)、対象となる6コスト以下のカードがあれば必ず獲得しますが、ない場合(上家がパスしたり、7コスト以上のカードしか獲得していない場合)は何も獲得出来ないことになります。
ただ、たまに密輸できるものが無いのに密輸人をプレイしているのを見かけますが、上家のプレイヤーは下家が密輸人を持っているかどうか考えてプレイしている場合もありえる(次のターン密輸人持ってないことがばれて、プレイを楽にする)、理由(行商人のためとか)がない限りは密輸人の空撃ちはやめた方が良いでしょう。

見張り(みはり:Lookout)
海辺・3コスト・アクション

【能力】
+1アクション
あなたの山札の上から3枚のカードを見て、その中の1枚を廃棄し、その中の1枚を捨て札にする。残り1枚を、あなたの山札の一番上に置く。

関連の強いカード
+)書庫系、寵臣/青空市場、坑道/秘術師、借金、農村、賢者/薬師、地図職人、密偵、願いの井戸、中庭、航海士、医者/ネズミ、封土、避難所場(草茂る屋敷)、狂信者、狩場/(対抗)役人、占い師、大衆、幽霊船、海の妖婆

最大の問題点は、見張りをプレイした瞬間には対象になる3枚が分からないという点で、たまに事故(山札に十分に銅貨や屋敷の残っているはずなのに、「属州、金貨、重要なアクション・カード」がめくれるとか)が起こることがあります。
酷い事故を含めて運の要素の大きいカードで、廃棄したい屋敷などと一緒に見張りを引く場合と、見張りで廃棄したいカードがめくれる場合でかなりの差が生じます。

プレイすると手札が減るけどアクションは維持されるため書庫系や寵臣との相性が良く、廃棄・捨て札が生じることで青空市場や坑道との組み合わせも考えられます。
山札のトップがわかるということで、秘術師や(銅貨を戻しての)借金との組みわせも考えられますし、戻したカードも農村や賢者で流すことも考えられます。
薬師、地図職人、密偵、願いの井戸(外した場合)や、村の後の中庭、航海士、医者(医者は用途が被っているので微妙ですが)などと併用すれば、安全(廃棄する対象があること)を確認してから見張りをプレイすることが出来ます。願いの井戸と併用する場合は、その後に見張りをプレイすることを考えて宣言する(廃棄したい銅貨などを宣言せずに、引きたいカードを宣言するなど)と良いかもしれません。また高圧縮で見張りを連打するようなプレイングの場合、1回目の見張りで戻すカードは、2回目も考えて戻した方が良いでしょう。
薬師との併用の場合、薬師をプレイした後で溜まっている不要な屋敷などを一掃するのにも使えることがあります。

薬師との併用に限らず、見張りには山札操作の側面もあり、2枚山札を削ってデックの回転率をあげるカードとも捉えられます。
特に見張り後に鍛冶屋のようなターミナル・アクションのドロー・カードをプレイする場合、手拍子で戻すカードを決めずに、一度考えた方が良い場合は多いでしょう(強いアクションを捨てて銅貨を戻した方が良い場合も出てきます)。
ネズミ、封土、草茂る屋敷などの廃棄時効果のあるカードを廃棄するのにも使えますし、役人などの山札のトップを汚すアタックに対して、そこを逆手にとって効率よく廃棄を進めるのに利用することが出来ることもあります。

アクションを消費せずに手札を減らして廃棄するということで策士や隠遁者(策士プレイや狂人化の際には手札が減っても困らない)との相性が良い場合もあります。
ただ策士その他の引き切りデックの場合、山札がないと廃棄出来ないという話はありますし、逆に引き切ってからオアシスや倉庫で廃棄したいカードを捨てて(倉庫なら1枚は次のターンにまわしたいカードを加え、捨て札にしたい坑道を混ぜることも可能)から見張ることも出来ます。

【4コスト】
海の妖婆(うみのようば:Sea Hag)
海辺・4コスト・アクション−アタック

【能力】
他のプレイヤー全員は、自分の山札の一番上のカードを捨て札にし、その後、呪いカード1枚を獲得し、自分の山札の一番上に置く。

関連の強いカード
+)2人戦
−)望楼/灯台、堀/廃棄カード、礼拝堂、再建、隠遁者/仮面舞踏会、大使/よろずや/医者、見張り、改良/(対抗)秘術師、原住民の村、賢者、農村/(対抗)秘密の部屋系、地下貯蔵庫/庭園系

呪いまきの中でも、初手から購入出来、まいた呪いが山札トップと置き換わるため、対戦相手にダメージを与えるのが早く、アタックとしての効果は高いカードと言えます。
逆にプレイする自分自身へのプラス(ドローや仮想コインなど)が何もないカードでもあります。
2人戦の場合、自分が海の妖婆を使用せず対戦相手のみ使用した場合、殴られ放題となります。そのため、2人戦で海の妖婆がサプライにある場合、明確な対抗手段がなければ初手海の妖婆がデフォルトになります。
逆に4人戦の場合は、海の妖婆に行くプレイヤーの人数によっては、明確な対抗手段がなくても無視しても戦える場合は十分あります。その他の呪いまきや廃墟、大使などの場合と同様で、特に4人戦で他の3人全員が海の妖婆に向かった場合などはその傾向が強くなります。
2人戦で海の妖婆を無視して対戦相手のみ使用した場合、呪いが0枚と10枚に分かれる、つまり対戦相手は呪いがないきれいなデックを保つので、デックを組むとか以前の大きな差がつきますが、4人戦だと、海の妖婆を使用するプレイヤーも残り2人からの呪いを6〜7枚は被弾する(自分は呪い10枚喰らう)ので、海の妖婆を選択したプレイヤーのデックもそれなりに汚れることになり、この呪い3〜4枚の差は、初期のデック構築の差で十分埋まることがあります。

対抗策としては、通常の呪い・廃墟まき同様、望楼や灯台、堀、礼拝堂などの廃棄カードや仮面舞踏会、大使、よろずやなどになります。
アタックを受けた直後に山札に載っていることが確定しているので、仮面舞踏会や医者、見張り、改良などで対処しやすくなります。
あと根本的な対処ではないですが、山札のトップが呪いなのが分かるので、秘術師であてたり、原住民マットに隔離したり、賢者、農村で流したりすることも考えられます。
また、呪いでデックが汚れた際の対処として、秘密の部屋系や地下貯蔵庫での対応が考えられます。
あと山札から捨てるということで、一応坑道のリアクションが取れることがあります。あまり実用的ではないですが、秘密の部屋を使っていたり、海の妖婆の上家に占い師や大衆、役人をプレイするプレイヤーがいたら考えてもいいかもしれません。
また、4人戦なら海の妖婆を無視して庭園に進むという選択肢がある場合があります。

海賊船(かいぞくせん:Pirate Ship)
海辺・4コスト・アクション−アタック

【能力】
次のうち1つを選ぶ:「他のプレイヤーは全員、自分の山札の上から2枚のカードを公開し、その中の財宝カード1枚をあなたが選び廃棄し、残りを捨て札にする。誰かが財宝カードを廃棄した場合、あなたはコイントークン1枚を得る。」;「このゲームであなたが海賊船で得たコイントークン1枚につき、+1コイン。」

関連の強いカード
+)4人戦/画策、倉庫、停泊所など/村、玉座の間/宮廷
−)仮想コイン、寵臣、共謀者、祝祭、保管庫、救貧院など/秘密の部屋/2人戦/灯台、堀/騎士、破壊工作員、詐欺師

海辺発売直後に「最強」「禁止カード」と言われていた頃が懐かしくなります。
他プレイヤーの妨害(泥棒効果)をしながら海賊船が成長するのが利点ですが、逆に海賊船のコイン・トークンが溜まるまで時間がかかる遅いデックで、仮想コインで対抗すれば泥棒効果は銅貨圧縮で対戦相手のデック構築のお手伝いにしかなりません。特に2人戦では砲撃しても「ヒットなし」の確率がそれなりにあるため(酷い時には3ターン目のアタックで屋敷が2枚めくれて外れることもあり得ます)、さらに遅くなります。
逆に4人戦の場合は、3人中1人がたまたま屋敷2枚とかめくれて外すことはあっても、3人全員が一斉に外す確率はかなり低くなります。

まずはサプライに実戦で使えるレベルの仮想コインがない(もし仮想コインがあっても、村がなくて連打出来ないとか)ことが海賊船使用の前提となります。
特に圧縮があり、仮想コインのコンボが組めるようなサプライは海賊船にとって最悪で、あっという間に海賊船の餌となる財宝カード(銅貨)が消滅して、海賊船が全く成長しないこともあります。

仮想コインがサプライにない場合、2人戦だと対戦相手が1人だけなので、対戦相手が海賊船を使ってきても、海賊船を連打出来るような状況でなければ、自分は海賊船を無視しても十分対戦出来ることは多いでしょう。
これが4人戦で3〜4人が初手から海賊船を使う場合、1人のプレイヤーが海賊船を連打出来ないとしても、かなりの速度でデック内の財宝カードが枯渇します。
その状況で財宝カードを補充するのは微妙となると、各プレイヤーの財宝カードが枯渇、海賊船が成長できなくなり、微妙な展開になることもあります。

実際に海賊船をプレイする場合、成長が遅いことを考えると初手から海賊船に入る必要があります。
画策や倉庫などのアクションを消費せずに海賊船のプレイ回数をあげてくれるカード(更に言えば海賊船とコストの違う2〜3コスト帯のカード)は重要となります。
また村があれば、海賊船が手札に被っても連打出来ますし、海賊船が3〜4コインまで育てば属州に届くことになります。

一般の使い方とは違いますが、仮想コインが他にない場で宮廷入りの引き切りデックを組み上げた場合に、最後に金量確保&対戦相手の妨害を目的に、毎ターン、宮廷・海賊船をプレイする例を見たことがあります。

苦手とするのは、寵臣をはじめとした仮想コインを出すアクションで、村などもあって仮想コインを連打して8金出るようなサプライになります。
海賊船の遅さを考えると植民地場も苦手でしょう。
灯台や堀も嫌ですが、秘密の部屋も、砲撃が通らなくなるため、非常に苦手とします。
デックの根幹を海賊船に頼っているので、破壊工作員や騎士、詐欺師も苦手とします。
海賊船を喰らう側で考えると、青空市場や坑道(リアクションで金貨を取れる)も一応対策となり得ます。

巾着切り(きんちゃくきり:Cutpurse)
海辺・4コスト・アクション−アタック

【能力】
+2コイン
他のプレイヤーは全員、銅貨1枚を捨て札にする(手札に銅貨がないプレイヤーは、手札を公開する)。

関連の強いカード
+)先手番/仮面舞踏会
−)後手番、4人戦/圧縮カード

民兵と比較されることも多いカードですが(実際に比較するのは両者がサプライに並んだ時だけ考えれば良いのですが)、民兵系との一番の違いは「連打されると効果がどこまでも積み重なっていく」ところでしょう。
特に4人戦の2周目では1番手と4番手でものすごい格差が生じる(4番手は銀貨すら買えない)ことがあります。そして、ドミニオンは序盤の格差がそのまま拡大再生産されるゲームとも言えます。
また、有名な「村・村・仮面舞踏会(銅貨パス)・巾着切り・村・仮面舞踏会(銅貨パス)・巾着切り・・・(以下略)」もこの性質を利用したものと言えます(民兵系で同じことをしようとすると、デックを絞った上で宮廷などのサポートが必要になります)。

まぁ、もし民兵と巾着切りが同じサプライに存在した場合は、比較するより、民兵の後に巾着切りがプレイされるようにすれば、更に酷い場になるでしょう。

対象が銅貨であるので、圧縮カードなどで銅貨が無くなる場では、あっという間にただの2金カードになるでしょう。鉱山系のカードがある場合や、名品などで銀貨があふれるような場も同様と言えます。
銅貨を捨てさせるため、民兵ほどではありませんが、移動動物園の発動を助けることもあるでしょう。

航海士(こうかいし:Navigator)
海辺・4コスト・アクション

【能力】
+2コイン
あなたの山札の上から5枚のカードを見る。見たカードすべてを捨て札にする。または、見たカードすべてを好きな順番にあなたの山札の上へ戻す。

関連の強いカード
+)借金、投機/坑道/へそくり、会計所/策士/(村+)願いの井戸、見張り、浮浪者、伝令官、秘術師、医者、原住民の村/薬師

航海士が「1点カード」と評価されたのも、今は昔、懐かしい思い出です。
ターミナル・アクションということもあり、基本は単独でステロ気味に使うことが多いですが、一応山札を見て並べなおせることから、いくつかのカードとの組み合わせが考えられます。

使いやすいのは借金、投機といった財宝カードとの組み合わせになります。
航海士で見たカードを上から「不要な勝利点、銅貨、必要なカード」と並べなおせば、その後の借金のプレイで不要な勝利点を流し、銅貨を圧縮し、次のターンに必要なカードを引くことが出来ます。
坑道を捨てるのにも使えます。ただ倉庫などと違い、航海士と坑道を一緒に引くとどうしようもなく、その分確率が低く、航海士で山札から捨てられる場合と航海士と一緒に坑道を引いた場合の差がかなり大きく、運の要素の大きいプレイングとなります。

デックの回転率をあげるので、へそくり、会計所などとの併用も考えられます。
他のドロー・カードとの併用が前提ですが、策士ループの際に仮想コインを担当するカードとしては、策士もサーチ出来るので優秀と言えます。
その他、村との併用が必要ですが、山札を確認した上で願いの井戸、見張り、浮浪者、伝令官、秘術師、医者、原住民の村をプレイすることで望む効果を得ることが出来ます。
逆に薬師プレイ後に溜まった不要な勝利点カードなどを流したり、(村+)中庭後に戻した不要なカードごと航海士で流すようなことも出来ます。

これらの組み合わせは「プレイ出来れば勝てる」といった類の効果ではないので、航海士がサプライにある時、使う時に検討材料の一つにするくらいで良いかと思います。

島(しま:Island)
海辺・4コスト・アクション−勝利点

【能力】
このカードと、あなたの手札にあるもう1枚のカードを脇に置く。ゲーム終了時に、このカードの効果で脇に置いた2枚を、あなたの山札へ戻す。

                                                • -

2勝利点

関連の強いカード
+)鉄工所/金物屋、浮浪者、岐路/大学、石工/避難所場(納屋)/行進、玉座の間、宮廷)/隠し財産/シルクロード

複合勝利点でワンショットの圧縮カードといえます。使用時にはアクションを消費しますが、一度使えば1枚+自身も圧縮されるので、勝利点としてデック内で邪魔になることは少ないといえます。
2周目(3〜4ターン)に急いで買わないといけない5コストのカードが無い場合、初手「島」は悪くないスタートとなります。

鉄工所は獲得時に島が複合勝利点である利点を享受できるカードと言えます。
金物屋も複合勝利点である利益を受けれますし、浮浪者、岐路、あと一応偵察員といったカードは勝利点である点を利用できますが、島はプレイするとデックから取り除かれるので、鉄工所ほどのインパクトはないかもしれません。
またアクション・カードであることから大学や石工(の追加支払い)で獲得することが可能です。
避難所場では購入時に納屋が廃棄できる(+プレイ時に1枚圧縮)のも大きいといえます

行進、玉座の間、宮廷の対象としてプレイした場合は、1回目のプレイで島ともう一枚は脇(島マット上)に置かれますが、2回目(3回目)には島は既に場にありませんが、手札から1枚を取り除くことになります。
行進の場合、島と手札2枚を脇に置いた上で5コストのカードを獲得することになるため、かなりお得感があります。

ついでにルール的な話を続けると、島をプレイした際に手札が0枚の場合は、島以外は何も脇に置かれないことになります。
また、島マットに置かれたカードは全て公開情報なので、他のプレイヤーも中身を確認することが出来ます。
また島をプレイした場合は、その処理で脇に取り除かれるため、共謀者のアクション回数には数えられますが、行商人や囲郭村では数えられません。

中盤に購入しやすい勝利点であることから隠し財産との相性も良く、シルクロード・プレイでは勝利点の枚数を増やすのに役立つでしょう。
一応、上家が貢物をプレイしている時には島はマイナスになり得ますが、普通は島は消えていくので、そこまで気にしなくてもいい場合が多いような気がします。

隊商(たいしょう:Caravan)
海辺・4コスト・アクション−持続

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたの次のターンの開始時に、
+1カードを引く

関連の強いカード
+)2人戦/工房系、護符

ある意味、「次のターンに研究所」と言えるカードと言えます。
序盤は、効果が1ターン遅れる、持続でシャッフルの際に場に残りやすい、とよく比較される研究所に比べると劣る点が多いですが、十分な量集まると、研究所を大量に集めた場合と余り変わらないロクでもなさになります。
デックによってはむしろ安定性が増す分隊商の方が良くなる場合もあり得ます。

研究所との大きな違いとしては、4金なので(5金より)買いやすく、工房(系)で獲得できるところかなと思います。
カードを集めやすい2人戦では、隊商と工房系がサプライにあると、まずは工房スタートというのがデフォルトになります。

カードを引くことから地下貯蔵庫などのカードとの相性は良くなますし、逆に書庫系や寵臣などとの相性はいまいちになることが多くなります。

宝の地図(たからのちず:Treasure Map)
海辺・4コスト・アクション

【能力】
このカードと、あなたの手札にあるもう1枚の宝の地図カードを廃棄する。あなたが宝の地図2枚を廃棄した場合、金貨カード4枚を獲得し、自分の山札の上に置く。

関連の強いカード
+)礼拝堂、圧縮/倉庫、地下貯蔵庫、停泊所、見張り、中庭、武器庫/策士/望楼、玉璽/伝令官/(対抗)幽霊船
−)ゴーレム、伝令官/詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊

使い方としては、初手から倉庫などと一緒に運ゲーに挑む場合と、デックを組んで確実に取りに行く場合があるかと思います。
特に初手「宝の地図・礼拝堂」は2周目に2枚目の地図を買えるか若干の運が必要ですが、礼拝堂の圧縮が進めば確実に地図が揃い、揃ったあたりではデックの圧縮もかなり進んでいるため、かなり早い展開になります。

序盤に揃えようと頑張る場合は、どうしても運の要素が強くなり、揃わないとその間は後れを取るため、揃ってもそれが中盤にずれ込むと、そこまでコツコツとデックを組んでいた方が結果が良い場合もあります。
序盤に揃える方法としては、倉庫、地下貯蔵庫、停泊所などとの併用からが考えられます。
中庭はこのターンの金量を確保しつつ戻せ、見張りは残りの山札を考えて、戻す、取り敢えず捨て札にするといったことが選べますし、武器庫は残りの山札を考えて宝の地図を載せるか、サポートのカードを載せるか選択できます。
策士がある場合は策士で強引に揃えることも考えられます(策士ループを考えているなら、多分金貨はいらないので、宝の地図もいりませんが)。

コンボ的には、望楼や玉璽の効果で宝の地図を2枚購入(もしくは+護符の効果でコピー獲得)から次のターンに一気に揃えるという動きも出来ます。一応、「玉座・開発(銀貨2枚廃棄)」とかでも宝の地図を揃えることが出来ますね。
あと、伝令官の過払いで捨て札から2枚引っ張ってくるのもあり得ますね(伝令官自身は宝の地図と相性が悪いですが)。
また引き切りデックが出来上がった時点で、インスタントに金量を確保するために利用されることもあります。
一応、対戦相手の宝の地図が揃っていない場合は、幽霊船などはサポートになる可能性はあり得ます。

宝の地図をプレイした場合は、揃っていようがいまいが廃棄は義務であるため、ゴーレムや伝令官を繰り出すようなデックでは使いづらいところがあります(都合よく、手札に2枚目の地図があれば話は別ですが)。また不要になった宝の地図は、アクションを消費しますが、プレイして自棄することも可能です。
また2枚目の地図は手札から廃棄する必要があり、2枚廃棄されないと効果を発揮しないため、玉座の間の対象として宝の地図をプレイすることは意味がないことが多くなります(共謀者をプレイするためとか、その後の書庫で引く枚数を増やすなどの別の意味があることはあり得ますが)。
浮浪児などは揃うまで画策で戻し続けることも出来ますが、宝の地図はプレイした時点で廃棄されるため、この手は使えません。
パン屋、改築、宝の地図が揃ったサプライで議論になっていましたが、この場合は初手に宝の地図を2枚購入するより、改築を1枚入れて屋敷を宝の地図にする方が良いのではなという話になっていた記憶があります。改築の場合、その後、金貨を属州に改築するのに使えるという話もあります。

初手「宝の地図」の注意点ですが、揃うまで宝の地図は役立たずであるため、デック自体は弱いままとなります。
そのため、詐欺師や破壊工作員で宝の地図をヒットされると、その遅れを取り戻すのにかなり時間がかかってしまいます。
詐欺師などがあるサプライでは、初手から宝の地図に行くかは慎重に検討する必要がありますし、逆に対戦相手が初手に宝の地図を取った場合は、詐欺師などで対抗することを考えてもいいでしょう。

引揚水夫(ひきあげすいふ:Salvager)海辺・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを購入
あなたの手札のカード1枚を廃棄する。そのカードのコスト分のコインを得る。

関連の強いカード
+)願いの井戸、オアシス、中庭/不正利得/行商人、国境の村、金貨獲得カード、青空市場/大市場、植民地場/従者、封土、ネズミ、狂信者、狩場/工房系、密輸人/銅貨、呪い、廃墟の廃棄
−)避難所場/(注意)街道系(橋)

大きな役目を2つあげるとすると、序盤に屋敷を廃棄しつつ購入を進めることと、終盤に金貨などの高コストのカードを廃棄して強引に属州を購入することになると思います。

初手に購入した場合、2周目に屋敷と揃わないとかなりまずい点は男爵と一緒と言えます。
そのため初手に引揚水夫を購入する場合、3コスト以下のキャントリップ系や手札調整カードを相方にするか考えることになります。ただし5金出すためには「引揚水夫、屋敷、銅貨×3」を揃える必要がるので、初手「引揚水夫・倉庫」は、3ターン目に倉庫を使う場合は4金しか出ず、4ターン目はシャッフルが入りと、微妙かもしれません。

廃棄するカードと同コストのカードを購入出来ると考えると、獲得時効果のあるカード、というか名指しで言うと不正利得との相性が非常に良くなります。属州廃棄で属州の枚数を減らすことも出来ます。
廃棄するカードのコストを利用することを考えると、行商人や国境の村、金貨を獲得するようなカードとの相性が良くなります。青空市場は引揚水夫プレイ時にリアクション出来るため、相互に相性が良いといえます。
強引なカード廃棄から大市場や白金貨を購入出来ることもありますし、従者、封土などの廃棄時に効果のあるカードの廃棄にも使えます。
工房系、特に密輸人や大学などの高コストのカードを取れるカードと併用すると仮想コインを稼げることもありますし、詐欺師などの対策にもなることもあります。
銅貨や呪い、廃墟の廃棄方法としてはあまり効率が良くないですが、引き切りコンボを組むような時に、屋敷や銅貨などの不要カードを廃棄しつつ、+購入を叩き出してくれるので重宝することがあります。

避難所場だと屋敷(2コスト)と違って廃棄しても1金しか出ないので微妙な時があります。
あと+購入があるので常に悪くなるとは限りませんが、街道系のコスト変化カードと併用する際は注意が必要になります。特にコンボ系でアクション数に余裕がある場合は、街道をプレイする前に引揚水夫をプレイした方がいい場合はあり得ます。

【5コスト】
策士(さくし:Tactician)
海辺・5コスト・アクション−持続

【能力】
あなたの手札すべてを捨て札にする。この方法で1枚以上のカードを捨て札にした場合、次のターンの開始時に、
+5カードを引く
+1カードを購入
+1アクション

関連の強いカード
+)策士ループ、秘密の部屋系(保管庫、物置など)、闇市場/各種コンボ/植民地場、馬上槍試合、宝の地図、銅細工師、荒れ場/前哨地/坑道、停泊所、見張り、大学、隠遁者
−)ゴーレム、伝令官/貧民街/支配

大きな役目を2つ上げるとすると、単純に手札をかたよらせて強引に高額カードを購入する場合と、策士ループを形成する場合になるかと思います。

手軽にループを形成する方法としては秘密の部屋系になります。プラスで研究所系のドロー・カードで手札を1枚増やす必要がありますが、「(持続:策士)研究所−秘密の部屋(8枚捨てる)−策士(手札1枚捨てる)」で毎ターン8金のループが出来ます。
保管庫はドローがついているので策士と保管庫だけでループ可能なのでかなり早くなります。物置は手札は増やしてくれませんが、地下貯蔵庫能力付なので策士などのパーツをサーチしてきてくれます。
一般に策士ループでは財宝カードは単なる邪魔にしかなりませんが、闇市場と併用すれば、財宝カードを利用しつつ策士ループを実施することが出来ます。
また8金出すことにこだわらないループ(毎ターン、倉庫で捨てた公領を建て直しで属州にするお仕事とか、改築系を連打して属州に育てるなど)もあります。
そもそも手札10枚から始まるため、通常の5枚に比べてパーツも揃いやすい上に2アクションでターンが始まるため、各種コンボも格段に始動しやすくなります。

ループしない場合で考えると、強引に高額カードを購入するような場合としては植民地場で白金貨や、馬上槍試合のために属州を買う場合、7コストの強力なカードを購入する場合などが考えられ、カードを揃える場合としては馬上槍試合と属州を揃えたり、宝の地図を揃えることも期待できます。
策士・銅細工師のコンボも、単純ですが結構な速さが期待できます。前哨地と組合わせるのも面白いでしょう。

また、策士発動(プレイ)ターンを有効に利用するパターンとしては、坑道(策士プレイ時に捨て札になるし、策士ターンには倉庫などの捨てるカードと揃いやすい)や、策士ターンに有効なカードを送りこむ停泊所、手札は減るけどアクションは減らない見張り、大学なども相性は悪くないです。村が必要ですが隠遁者の狂人化が出来ると効率が良くなるでしょうし、中庭なども重要なカードを戻すことに使えます。
あと策士発動ターンも、手札が無くなるだけで購入フェイズなどが無くなるわけではありません。共謀者などのコンボ後に策士を発動したなら追加の共謀者などが買えることもありますし、コインは出ていないけど行商人は買えたりすることもあります。

プレイされると手札が無くなるのは義務なので、ゴーレムや伝令官などとの併用はやりづらいところがあります。一応、ゴーレムや「玉座の間−伝令官」からは複数策士同時起動の夢も見られますが。
ちなみに、「玉座の間−策士」は、2回目の策士時に手札がないので1回しか発動しません。
また策士プレイ時に手札が0枚の場合、持続は発動しません。「玉座の間−策士」の場合は、2回目の策士が持続しないため、玉座の間は場に持続しないようです(その他の持続カードの場合、持続カードと一緒に、そのカードに効果を及ぼしている玉座の間も場に残る)。

策士ループの場合、常に策士が手札に残るため、貧民街は手札公開の共同墓地にしかなりません。他の村があれば、そちらを選択すべきでしょう。
支配がプレイされる環境では、支配持続時に支配されると、ひどい目にあうでしょう。
手札が10枚になることを考えると、策士発動時は書庫系や寵臣、移動動物園は「手札を補充する効果」は使えないので、その分は割り引いて考えるべきでしょう。

また引き切りコンボの場合、策士から入ればまず引き切れるでしょう。これは策士の時に限ったわけではないですが、建て直しや医者、金物商、見張りなどは引き切ると効果を発揮することが出来ません。また狩猟団も手札が多くなると単なるキャントリップ+宰相になることも多くなります。
これらのカードは引き切る前にプレイすべきですが、運悪く最後に引くとプレイしても効果なしとなります。
逆に、倉庫やオアシスなどの捨てる手段があると、望む効果を誘導することが出来る場合もあります。
あと引くカードが増えると賢者の石の効果も減りますが、まぁそういったデックで賢者の石をプレイすること自体、まずないでしょう。

商船(しょうせん:Merchant Ship)
海辺・5コスト・アクション−持続

【能力】
現在と、あなたの次のターンの開始時に、+2コイン

仮想コインで2ターンに分かれて2金ずつと、合計すると4金と算出する金量は金貨より多くなります。ただターン毎の平均金量は高くなりますが、8金や9金といった突出した金量に到達する確率は金貨より低くなるでしょう。
基本的な能力のため、コメントすることは少ないですが、アクションであるため、複数プレイしたり他のアクションとプレイする際には村が必要となり、玉座の間などの恩恵を受けることが出来ますし、泥棒や海賊船の妨害を受けることはないと言えるでしょう。

前哨地(ぜんしょうち:Outpost)
海辺・5コスト・アクション−持続

【能力】
あなたは、このターンのクリーンアップフェイズに、カードを(5枚ではなく)3枚しか引くことができない。
このターンの後に、追加の1ターンを得る。この効果で、あなたは追加ターンを、1ターンまでしか得ることができない。

関連の強いカード
+)書庫系、移動動物園、寵臣/画策、地図職人、薬師、航海士、偵察員、中庭/持続カード、錬金術師/策士/ゴーレム、念視の泉、会計所
−)支配

日本語版は「この効果で、あなたは追加ターンを、1ターンまでしか得ることができない。」となっていますが、元の英語版は「This can't cause you to take more than two consecutive turns.」となっていて、支配の追加ターンと重なると話がややこしくなります。
例えば上家のプレイヤーAが「村−支配−支配」とプレイして、「プレイヤーB(支配1回目)」「プレイヤーB(支配2回目)」とプレイして(プレイヤーBにプレイさせて)、支配2回目のプレイ中に前哨地をプレイさせた場合、前哨地で考えると追加ターンとしては1回目ですが、連続ターンとしては既に1ターンを得ていて次は2ターン目になるため、前哨地の追加ターンの効果は発生しません。
ちなみに、追加ターンは発生しませんが、手札3枚しか引けない効果は発動します。
上家が支配をプレイする環境では、ロクなことにならない印象があります。

手札3枚スタートで考えると、手札を補充する書庫系や寵臣、移動動物園などとの相性が良くなります。特に画策はそれらのカードを前哨地ターンに送り込むことが出来ますし、地図職人などはそれらのカードが前哨地ターンに引けることを確認してから前哨地に入ることが出来ます。持続カードや錬金術師があれば、前哨地にもそれなりの成果を出せるでしょ。策士との相性も良くなります。
また、そのカード1枚ぶっ放せばどうにかなるカード(ゴーレム、念視、会計所)などとも相性は良くなります。

探検家(たんけんか:Explorer
海辺・5コスト・アクション

【能力】
あなたは、自分の手札から属州カード1枚を公開してもよい。そうした場合、金貨カード1枚を獲得し、自分の手札に加える。公開しなかった場合、銀貨カードを1枚を獲得し、自分の手札に加える。

関連の強いカード
+)属州場、公爵、封土/荒れ場、引き切りコンボ/抑留
−)植民地場

植民地場では圧倒的に弱くなるカードになります。植民地を公開したら白金貨を獲得しても良いような気がしますが。
属州場では勝利点カードを買い始めてもデックの金量平均が落ちないため、それなりに役に立ちます。
銀貨獲得装置と考えれば、公領・公爵、封土などで役に立ちますし、呪いなどの荒れ場にも強くなります。
引き切りコンボを組んだ後に、最後の金量確保役として使われることもあります。
特に改築を入れている系だと「金貨獲得→属州に改築」が出来ます。
あと、金貨銀貨獲得装置と考えると、財宝カードに抑留を置くプレイも考えられます。

バザー(ばざー:Bazaar)
海辺・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+2アクション
+1コイン

高い村ですね。工房系(大学除く)では取れません。
能力は基本的なものなので、特にコメントはありません。
コンボを組む際にバザーしか村がないと、デックを組む手順が難しいことが多いですね。

船着場(ふなつきば:Wharf)
海辺・5コスト・アクション−持続

【能力】
現在と、次のターンの開始時に、
+2カードを引く
+1カードを購入

最強カードの一角ですね。
取り敢えず船着場がサプライにある場合、サプライに村がなければ船着場を3〜4枚入れたステロ、村があれば村と船着場を連打するデックがデフォルトになるでしょう。
手札が増えるので、地下貯蔵庫、倉庫系や狂人、銀行などとの相性が良くなりますし、書庫系、寵臣、移動動物園、策士みたいなカードとの相性は微妙になります。

宝物庫(ほうもつこ:Treasury)
海辺・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
+1コイン

                                                • -

あなたがこのカードをプレイエリアから捨て札に置くとき、あなたがこのターン勝利点カードを購入していない場合、このカードを山札の一番上に置いてもよい。

関連の強いカード
+)玉座の間、宮廷/共謀者、行商人/荒れ場/前哨地/祭壇、大学
−)寵臣、支配/特殊勝利点(大広間、島、シルクロード、公領・公爵、貴族、ハーレム)

一度プレイすれば、その後は勝利点を買わなければ継続して金量の底上げを受けることが出来ます。とはいえ、5コストのカードなのでそれが十分な効果かどうかは微妙なことが多いような気がします(1回転に1回しか使えなくても、より強い効果でより早く有意なポジションが必要なことも多いような)。

毎ターン、キャントリップをプレイ出来るということで、玉座の間や宮廷が対象のアクション無しで寂しい思いをすることも少なくなりますし(宝物庫プレー後に引く場合もありますが)、共謀者や行商人のアクション数を稼ぐことにも使えます。
また低コスト域でのダラダラとした戦いが続く呪いなどの荒れ場に強く、前哨地ターン中でもある程度の効果を見積もることが出来るようになります。
祭壇や大学があるサプライの場合、取り敢えず取るものが無くなったら宝物庫を取っておけば良いとなります。

継続性で考えると、寵臣や支配がプレイされる環境では宝物庫は流されたり、山札に戻されないでしょう。逆に寵臣をプレイしているプレイヤーには、寵臣が切れた後にデックを更に強化する場合には、寵臣のチェーンの合間にプレイできるので、悪くない選択肢になります。
あと早めから勝利点を購入するような場合(貴族、大広間など)も、それ程魅力的ではないでしょう。
また錬金術師同様、複数枚宝物庫を抱えている場合に民兵系の攻撃を喰らった場合、「どのカードを捨てたらいいのかの見通しが悪くなる」という問題はあります。

幽霊船(ゆうれいせん:Ghost Ship)
海辺・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+2カードを引く
手札を4枚以上持っている他のプレイヤーは全員、手札枚数が3枚になるまで、手札のカードを自分の山札の上に置く。

関連の強いカード
+)総督、議事堂/荒れ場
−)書庫系、移動動物園、救貧院、寵臣、貧民街/伝令官、ゴーレム、金物商/浮浪者、願いの井戸、秘術師、念視の泉/見張り、建て直し、借金、投機、冒険者、農村、原住民の村/航海士、収穫、熟練工、地下墓地、宰相、ゴミあさり/宝の地図、浮浪児/(注意)その他のアタック、占い師、泥棒、破壊工作員/支配

嫌いなカードとしては、かなり上位にあげられることの多いカードのように思います。
山札に戻すため、手札に強いカードがある場合は手札を偏らせるのに利用できる場合もなくはないですが、単に弱い手札(全部勝利点とか)を引いた際に喰らうと次のターンも弱い手札となるため、かなりのストレスを感じます。これが民兵だと、このターンのダメージはありますが、次のターンは心機一転なわけですが。
この辺りが、嫌われる原因かなと思います。
特に総督場などで、対戦相手が総督連打から最後に幽霊船を放ってきた場合、よっぽど圧縮がかかってるデックやゴミあさりのようなリセット・ボタンがあるデックでなければ、「敗けることが確定している未来」が見えることが多く、その辺も民兵に比べるとストレスが高くなる要因に思います。
弱い手札に強いと考えると、荒れ場での攻撃力が高いカードと言えます。荒れ場でイライラしているところに、更にイライラさせられるので、その辺も嫌われる原因かなと思います。

一応、手札が減ることを考えると、対抗策として書庫系や移動動物園(被ったカードを戻す)、貧民街(他のアクションを戻す)などが考えられます。ただし、民兵のように不要な銅貨や屋敷を捨てられるわけではないので、限定的(書庫で被ったアクションを捨てられる以外、幽霊船を打たれなかった時にプレイしたのと同じ効果になる)と言えます。
寵臣は、寵臣で流した後に必要なカードを次の手札にまわすことに使えることはあります。
枚数が減る効果は救貧院で有利に使えることはあるでしょう。

山札2枚が分かることを利用すれば伝令官や金物商、ゴーレムで望む効果を得る為に利用できることがあります。特に村が無くて、+アクションがこれらのカードからしか得られない場合に重要なことがあります。
その他に願いの井戸、浮浪者、秘術師なども、逆用とまではいきませんが、幽霊船のダメージを低減するのに役立つことはあります。
念視の泉も、アクション2枚とか、不要なカードとアクションを戻せば、ダメージは少なめでしょう。特に圧縮が進んで念視の泉デックが出来上がった状態だと、幽霊船はほとんどダメージにならないこともあり得ます。
山札が分かっていることから、見張り、建て直しや借金、投機、冒険者、農村、原住民の村をプレイする際の助けにすることも出来ます。
見張りや建て直しや借金の場合、丁度廃棄したいカードを戻せることもあるでしょう。
航海士、収穫、熟練工、地下墓地、宰相、ゴミあさりなどは、戻した不要なカードを流し去ることが出来ます。
宝の地図、浮浪児や浮浪児を揃えるのに、幽霊船を逆用することも出来ます。
宝の地図が揃った直後のターンには幽霊船を打ちにくいですし(金貨3枚残して、さらに次のターンに金貨が引ける)、浮浪児から傭兵がまかり通る世界では、幽霊船も単なる2ドロー・カードになることがあるでしょう。

幽霊船の場合、山札に戻すため、その他の山札にアタックするアタックと併用される場合(4人戦なら複数のプレイヤーで連続で使用される場合)に注意が必要になります。
2つ上家のプレイヤーが幽霊船をプレイした場合に、1つ上家のプレイヤーが破壊工作員をプレイしそうなら属州を戻すのは危険ですし、逆に占い師をプレイしそうなら属州を戻すべきでしょう。その他、泥棒系を打たれる場合や、大衆や占い師で流される場合など、それらを想定して手札を戻すべきでしょう。

また、他に民兵系のカードがプレイされると、幽霊船は効果を発揮しません。コンボなどで民兵と幽霊船をプレイする場合は、順番を考える余裕がある場合は、他プレイヤーの状況を見てどちらを先にプレイするか考える必要があります。
また、その他のアタックと同様に、支配と併用している場合、支配前に幽霊船を打つか、逆に幽霊船をプレイしたら支配をプレイするのをやめるかなどは考える必要があります。民兵と違って捨て札を見ることも出来ないので、判断はより難しくなるように思います。