陰謀3

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、陰謀(12)、錬金術、繁栄(1234)、収穫祭、異郷(1234)、暗黒時代(総説123)、ギルドプロモ

陰謀の残りです。

【5コスト】
改良(かいりょう:Upgrade)
陰謀・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたの手札からカード1枚を廃棄する。廃棄したカードよりコストが1コイン多いカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)植民地場/城塞/ネズミ/青空市場/従者、封土、狂信者、地下墓所、狩場/書庫系、望楼/願いの井戸、移動動物園/寵臣、念視の泉など/大市場、(対抗)抑留/7コストのカード/行商人+白金貨/街道、橋/詐欺師/(対抗)呪い、廃墟
−)避難所、救貧院/伝令官、ゴーレム

一つ目の大きな役割として屋敷・銅貨への対処で、屋敷を銀貨などの有用な3コストに変換し、銅貨を廃棄(圧縮)します。
改良自体はキャントリップもどきなので複数枚投入しやすく、特に植民地場では重要度があがるでしょう。
似たような役割として、呪い、廃墟の廃棄にも使えます。
海の妖婆や拷問人には対処しやすいところがあります。
廃棄するものが無くなれば改良で別の改良を6コスト(金貨や大市場など)に変えることも可能です。

改良系(再建、開発を含む)を使用する場合、サプライに救貧院がないかは要チェックになります。救貧院がある場で銅貨(呪い、廃墟)を廃棄すると、救貧院を取らされることになります。
避難所場でも似たようなこと(2コストのカートを取る必要があり、2コストの王国カードが無いと屋敷を取ることになる)が起こりえます。

城塞と一緒にある場合、城塞を改良で叩くことで追加の改良が入手できるので危険です。
似たような例でネズミもあげられます。
その他、廃棄ということで青空市場と併用したり、従者、封土などの廃棄に利用したりも考えられます。

プレイ後に手札が1枚減ることから書庫系と相性がよいです。特に望楼は改良の廃棄で獲得したカード(屋敷廃棄で銀貨など)を山札に載せて望楼で回収のような動きが出来ます。
屋敷の廃棄で3コストが入手出来、銅貨を廃棄することから願いの井戸、移動動物園と相性が良く、プレイの合間に挟め、圧縮で強くなることから寵臣などとも相性が良くなります。
改築系ということで大市場や抑留トークンの載ったカードの獲得にも利用出来ます。

7コストのカードをプレイしている場合、最終局面では7コストのカードを改良して属州を獲得することも検討すべき時があります。
植民地場で行商人と一緒にある場合は、手軽に白金貨を獲得する方法になりえます。
街道などでカードのコストを下げている場合、銅貨や呪いを改良すると、2コスト(屋敷)やそれ以上のコストを獲得しないといけない場合があります。街道を10回プレイした後に改良をプレイすると、植民地以外の全てのカードを植民地に改良出来ます。
コスト依存なので、改良自身がヒットされなければ詐欺師でデックを荒らされても何とかなることはあるでしょう。
プレイした場合は廃棄・獲得は義務になります。交易場や再建程危険ではありませんが、伝令官やゴーレムと併用している場合、自爆には注意が必要となります。

以前、5コストのアクション・カードを改良して国境の村を獲得して、廃棄したのと同じ5コストのカードを取るプレイを見たことがあります。
これは何かやっているように見えて、村(ただし6コスト)を獲得しているだけになります。他に6コストを活かす方法(7コストのカードがあるとか、弟子があるとか)があれば有用な場合もありますが、5コストのカードの使用機会を奪ってまでと考えると、微妙なことが多そうです。
これが改良でなく行進であれば、5コストのアクションが2回プレイされた上で国境の村と廃棄されたカードの再獲得が可能なので、十分意味があることはありそうですが。

交易場(こうえきじょう:Trading Post)
陰謀・5コスト・アクション

【能力】
あなたの手札からカード2枚を廃棄する。そうした場合、銀貨1枚を獲得し、あなたの手札に加える。

関連の強いカード
+)属州/封土/青空市場/大市場/(対抗)呪い、廃墟、拷問人、予言者
−)ゴーレム、伝令官

属州場の初手(5-2)としては勝率ベスト10にも数えられることがある強力なカードとなります。
屋敷や銅貨を圧縮しつつ、(礼拝堂などとは違って)交易場を使ったターンも十分な買い物ができ、デックの構築を進めることが出来ます。
銀貨4枚で属州が購入できることもあり、属州場で序盤から使用した場合は圧倒的な結果を残せることが多いでしょう。
植民地場でも2枚の屋敷・銅貨を1枚の銀貨に変換するのでダメとは言いませんが、属州場に比べると微妙なことも多いでしょう。

廃棄方法、及び銀貨獲得方法として封土との併用が考えられれ、廃棄ということで青空市場、銅貨廃棄ということで大市場がサプライにある場合、役立つことが予想されます。
呪いや廃墟まきへの対抗手段としても利用出来、特に手札が増える拷問人や予言者の対策としては使いやすいとことがあります。

プレイ時の廃棄は義務であり、2枚廃棄のため、ゴーレムや伝令官と併用しにくいところがあります。
屋敷廃棄から建て直しと、銀貨獲得から寵臣などとも、相性は良くないでしょう。

公爵(こうしゃく:Duke
陰謀・5コスト・勝利点

【能力】
あなたが所有する公領1枚につき、勝利点1になる。

関連の強いカード
+)2人戦/銀貨獲得系(役人など)、名品、値切り屋、工房系/秘密の部屋系、馬商人、物乞い/伯爵、祭壇/隠し財産/祝宴
−)植民地場/圧縮、金貸し/騎士、破壊工作員、盗賊/抑留/馬上槍試合

公爵が場にある場合に公領・公爵プレイに進むかどうかですが、2人戦の属州場では公領・公爵に向かうことが規定路線になり、4人戦だと公領・公爵に向かう人数次第となります。
逆に植民地場の場合、ほとんどの場合で公爵は無視することになります。

公領・公爵が強い(ことが多い)のは、8金ではなく5金を出し続ける目安がついた時点で公領を買い始めるため、属州よりもかなり早いタイミングで購入を始められるところにあります。逆に時間をかけてほぼ毎ターン8金出るまでデックを育てた場合、そこから公領・公爵にすすむより毎ターン属州を購入した方が勝利点は高くなります(10金+購入とかあると、また話は変わりますが)。「6金出たからもったいないから金貨を買う」といったことを繰り返していると、気付いたら公領を買い始めるのには遅く、属州に行くにもデックが中途半端ということもあり得ます。
とはいえ、何も考えずに「とりあえず5金出たら公領」とやっていると、あっという間に5金も出ないデックになりえます。

5金出せばいいデックの場合、属州(8金必要なデック)のように金貨までは必要なく、銀貨で十分ですし、銅貨でも十分役に立ちます。銅貨を圧縮する暇があったら、その分でサポート・カードや公領を買った方が役に立つことは多いでしょう。
役人などの銀貨獲得系や工房系、値切り屋などは、デックの出力を5金を保つために役立ちます。
秘密の部屋や馬商人も5金出すのに役立ちます。
物乞いはかなり特殊で、「物乞い・物乞い」の初手から入って、3ターン目以降は5金出る時は公領を買っても、何とかなります。5-2なら「公領・物乞い」で入って2周目に物乞いを足せば十分なことがあります。物乞いの場合は、他にも物乞いを使うプレイヤーがいる場合は銅貨切れにも注意を払ってプレイする必要があります。
伯爵は公領を直接獲得出来、公領が尽きた後も+3金あれば公爵を取るのに役に立ちますし、祭壇は公領・公爵を獲得出来ます。
隠し財産は6コストと高めですが、1度購入出来れば、かなり継戦能力を高めてくれます。
工房系と併設の場合は祝宴も役に立つことは多いですし、航海士のようなカードも使い勝手はいいでしょう。

2人戦の場合は、とりあえず公領が売り切れるまで互いに公領を買い続け(4-4に分かれることが多い)、その後に公爵メイン、属州メイン、ハイブリッドに分かれるように思いますが、だいたいがハイブリッド(8金出たら属州、5金なら公領)というプレイが多くなるように思います。
4人戦の場合も公領・公爵に進む場合は「まずは公領」(公領が切れるまでは公領獲得優先)が基本ですが、3山切れが近い場合や、属州側の人数が多くて公領が切れる前にゲームが終了しそうな場合は「3枚差の法則」(「公領−公爵」の数値が3からなるべく離れないように購入する、例えば公領・公爵で併せて7枚なら「公領5、公爵2」の時に勝利点が最大値となる)に従って購入することになります。

植民地場の場合、よっぽど公領・公爵に有利な追加要素がない限り、植民地の勝利点の大きさにはかなわないことが多くなります。
勝利点が確定しづらいということで、騎士や破壊工作員がプレイされるとやりにくくなりますし、抑留も苦手と言えます。盗賊があると、かなりややこしくなります。
馬上槍試合がある場合も、ややこしくなります。
呪いや廃墟場の場合は、自然と公領場になりやすいですが、公爵まで行く前に3山切れでゲームが終わることも多そうです。

拷問人(ごうもんにん:Torturer)
陰謀・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+3カードを引く
他のプレイヤーはそれぞれ、次のうち1つを選ぶ:「カード2枚を捨て札にする」;「呪いカード1枚を獲得し、自分の手札に加える」

関連の強いカード
+)村/4人戦
−)書庫系、望楼、よろずや/交易人/仮面舞踏会、大使、交易場/庭園/坑道/移動動物園

要注意かどうかは村があるかどうか、いわゆる拷問人ロックが可能かどうかによります。
村なしの単発の場合、それ程問題ないことが多いですが、4人戦の場合は複数人が使うと拷問人ロックに近い状態になることはあり得ます。
逆に2人戦だとデックを作り込めるので、金物商や伝令官から複数連打してくる拷問人ロック・デックを組み上げることができる場合もあります。

民兵系と考えれば書庫系で対応できます。
特に望楼の場合、自分のターンの望楼の効果を高めるために要らない手札を捨てることができ、捨てるカードが無い状態なら呪いを獲得→廃棄で対応できます。
よろずやも、不要な手札を捨て、1枚ですが取った呪いをすぐに廃棄出来るます。

交易人は呪い獲得を銀貨獲得(この場合は捨て札に行く)に変換できますし、仮面舞踏会や大使は呪いを他プレイヤーにまわせます。
交易場も手札に取った呪いをその場で対処できることがあります。
民兵と考えれば坑道や移動動物園も対処となりますし、呪いまきと考えれば庭園も対策になることがあります。
再建や礼拝堂、ネズミなどの廃棄系も対応になりえます。

幾つか対策がありますが、堀、灯台や望楼のような場合を除くと、2人戦などで完全にデックを作られた場合は対策が決壊することもありますので、注意が必要です。
また他の民兵系と組み合わさると対応が難しくなることがあります。

呪いが尽きるとアタック効果はなくなる(むしろ、馬商人や書庫系に逆用されるだけ)ので、他の呪いまきと併存する場合や、呪いに対する簡単な対処法(望楼など)がある場合は、考える必要があります。
秘密の部屋系(望楼)や倉庫、地下貯蔵庫などは手札を増やすのに逆用されることもあります。

2人戦の場合、村と拷問人が山切れした状態になると、気付くと呪いが尽きると3山切れになるため、呪いを取れない(手札がどんどん減る)というシチュエーションがあります。
そうならないように、事前に対応する必要があります。

寵臣(ちょうしん:Minion)
陰謀・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+1アクション
次のうち1つを選ぶ:「+2コイン」;「あなたは手札すべてを捨て札にし、+4カードを引く。そして手札が5枚以上の他のプレイヤーは全員、自分の手札を捨て札にし、カードを4枚引く」

関連の強いカード
+)寵臣/2人戦/圧縮/キャントリップ、共謀者/村系/倉庫、地下貯蔵庫、オアシス、村落/闇市場、馬商人、前哨地、策士/大学、祭壇/玉座の間、宮廷/(対抗)民兵系、泥棒系/(対抗)錬金術師、画策、宝物庫
−)呪い、廃墟、抑留/交易人、山賊の宿営地、役人系/(対抗)寵臣、書庫系、馬商人、物乞い、秘密の部屋、坑道

手札にある寵臣のうち1枚を除いて+2金でプレイして、最後の1枚を4枚ドロー(流すとも言う)にしてアクションをつなげていく、いわゆる「寵臣プレイ」が主眼となるわけですが。
4人戦では寵臣が早々に分割されるために効果的でないことも多いですが、2人戦では一人5枚は確保できるので十分プレイ可能になります。
寵臣プレイ時には、最後の手札で引く以外は財宝カードは邪魔なカードにしかならず(勝利点はゲーム終了時以外邪魔)、寵臣を集中して引くほど効果が高くなるため、圧縮との相性も良くなります。
また寵臣プレイの途中で引いた際にプレイ出来るためにキャントリップ系のカードの価値も高くなります。これは、十分な村を投入すれば、ターミナル・アクションに対しても言えるようになります。手先や広場などは使いやすいことが多いでしょう。
ドローでプレイすれば手札は4枚になるため、倉庫や地下貯蔵庫などの手札を捨てるカードとの相性も良くなります。
他に村が必要ですが闇市場(寵臣で流す前に手札の財宝カードをプレイ出来る)や馬商人(手札を捨てた後に寵臣でドローする)も使えることがあります。また前哨地ターンの3枚の手札の中に寵臣があれば、その後もほぼ通常ターン同様にプレイ出来るところから、前哨地と組み合わせることも考えられます。
4人戦だと寄り道している間に寵臣自体が無くなる危険性がありますが、2人戦だと大学や祭壇を経由することで、より寵臣を確保することが可能となることがあります。あと大学は+アクション、祭壇は圧縮効果もついています。
玉座の間や宮廷は+2アクション付きの追加の寵臣として働いてくれます。玉座の間で寵臣をプレイする場合は、一般的には他のキャントリップや寵臣をプレイした後に玉座の間・寵臣をプレイするのが良いでしょう。そうすれば、まず1回目をドローに使い、その4枚に不満があれば更に2回目もドローに使うことが出来ます。特に「玉座玉座」からのプレイのような場合は、一度冷静に順番を考えてからプレイしましょう。

特定のカードをサーチする場合、寵臣自身が4ドローとも言え、デックの回転率は高くなります。そのため、海の妖婆のようなカードを使う回転率をあげるのにも役立つことがありますし、デック内のカードの組みあわあせ(村とターミナル・アクションとか)が揃う確率も通常より高くなります。
寵臣をプレイする側は残りの手札に不満があれば流し(ドローに使い)、満足であれば+2金で使うため、流して自分に不利となることはあまりないですが、寵臣を喰らう側は寵臣をプレイするプレイヤーの思惑で流され、何が流され(寵臣をプレイする側は不満な手札が流れるだけ)、何を引くかもランダムなため、やはりその差は大きいように思います。

基本的に寵臣で手札を流すため、その他のドロー系で手札を増やすことは重要でないように思われがちですが、流す前に引いた分の寵臣やキャントリップをプレイ出来るので役立ちます。寵臣は寵臣が集中するほど、効果が高くなります。
ただし、ドローして引くカードが次の寵臣で流されるだけの銅貨や屋敷が多いという(圧縮がかかっていない)状況であれば、ドロー系のカードと寵臣の相性はあまり良くない(ドロー・カードの効率があまり良くない)ということになります。
特に策士などはその傾向が強くなりますが、10枚引いて寵臣を集中させ、さらに最後はドローに使ってデックを回して行けば、圧縮が無くても策士ループを完成させることは出来るでしょう。もちろん圧縮が伴うと、その効率は更に段違いに上がります。

金貨などの財宝カードも寵臣プレイでは邪魔になることもありますが、状況次第と言えます。
寵臣が10枚近く集まり、圧縮もされ、寵臣だけで引き切れるような展開で市場のような+購入もあるという場合なら、最終の金量を上げるために役立つでしょう(それ以前に、その状況なら対戦相手は投了しているでしょうが)。
逆に、4人戦などで寵臣が2〜3枚ずつ4人で分割された場合、寵臣だけに頼ったプレイは無理なので、金貨などの財宝カードに頼らざるを得なくなるでしょう。その中間くらいだと邪魔に感じることもありそうです。
そういう時は、交易人、山賊の宿営地、役人系などの財宝カードを獲得する系は使いづらいことは多いでしょう。

流せば手札が4枚になるため民兵系の効きは悪く、泥棒系は圧縮の手助けをするだけになるでしょう。ただし義賊は銅貨をまいて圧縮の邪魔が出来る可能性はあります。
逆に寵臣がプレイされる環境では錬金術師、画策、宝物庫などは山札に戻して手札に引いたカードが寵臣で流されるため割引いて考えた方が良いでしょう。
デックの構造上、圧縮の逆である呪いまきや廃墟まきには弱く、数を集める必要があるので抑留にも弱くなります。

一応、書庫系や移動動物園なども対処にはなりえます。ただ民兵系(選んで捨てる)と違い、新たに引く4枚は無作為なので民兵などに対する対処に比べると効果は低いでしょう。
馬商人(手札が増えていなければ、リアクション時に手札が4枚になる)や、物乞いは寵臣の流す効果を無効化することが出来ますし、秘密の部屋は2枚カードを山札に送り込むことが出来ます。
ルール的な話をすると、リアクションの順番は「寵臣のプレイ宣言」「リアクション宣言、処理」「寵臣のモード(+2金か流すか)宣言」となるため、秘密の部屋でリアクションする時点では、対戦相手が流すのかどうかはわからないところがあります。
手札を捨てるという意味では坑道も対抗策になります。また、寵臣プレイヤー自身が坑道を利用することも可能です。
ただし、物乞いや行動のリアクションは財宝カードを獲得するため、自身も寵臣をプレイしている場合は微妙かもしれません。
ある意味、寵臣に対する対応策は自身も寵臣をプレイすることとも言えます。

破壊工作員(はかいこうさくいん:Saboteur)
陰謀・5コスト・アクション−アタック

【能力】
他のプレイヤーは全員、自分の山札からコスト3コイン以上のカードが出るまで(上から順に)公開し、そのカードを廃棄する。そのプレイヤーは、サプライからそのカードよりもコストが2コイン以上少ないカード1枚を獲得してもよい。公開した残りのカードは各プレイヤーの捨て札に置く。

関連の強いカード
+)街道系/密偵系/役人、占い師、大衆/幽霊船/宮廷/(対抗)高圧縮/(対抗)特殊勝利点、公爵、庭園
−)行商人、城塞、名品、工房系、銀貨獲得系、物乞い、秘密の部屋、青空市場、画策/ネズミ、封土、狂信者、狩場、地下墓所/国境の村、農地/盗賊、墓暴き/低コストのカード、中庭、愚者の黄金、村落、救貧院、念視の泉

使うプレイヤー自身にプラスがないため、差し引き(他プレイヤーに与える打撃と、自身が破壊工作員の代わりに自分に有益なカードを使っていた場合のプラス)で考えるとマイナスのことが多く、基本的には弱いカードに分類されているカードだと思います。
特に4人戦だと対戦相手のうち1人くらいは破壊工作員の被害が少ないプレイヤーが出てきて、破壊工作員を使っているプレイヤーはそのプレイヤーには勝てないという問題があり、「勝てないくせに場を乱して勝者を決める」となると心理的にも購入しづらいところもあります。
また騎士などと違い金貨を破壊しても銀貨(相当)を取られるため、止めを刺しづらいという話もあります。

逆にどういう時に使われるかというと、先にデック回転体制が整ったプレイヤーが逆転を防ぐためにダメ押しの時に使う場合が多いのかなという気がします。特に宮廷系のコンボの場合に、「宮廷・宮廷・ドロー・何とか・ついでで破壊工作員」みたいな感じで宮廷・破壊工作員を挟まれると阿鼻叫喚となるような気がします。
また普通は誰も手を出しませんが、4人戦などで複数人が破壊工作員を使うと泥沼になることがあります。誰かが破壊工作員を買った場合、勝っているプレイヤーは乗るべきではないですが、敗けているプレイヤーは、敢えて泥沼を求めて載ってみるのも一つの手と言えます。ほとんどの場合は「そのまま順当に敗ける」でしょうが、たまに波乱が起きて順位が変動することもあるでしょう。

また騎士などと違い、アタック対象のカードをサーチしてくる能力が高いので、初手に購入されると、大変ウザい思いをすることがあります。
拡大再生産の世界であるドミニオンにおいては、初手破壊工作員のような手は余り認められたくはありませんが(実際、敗けることが多いですが)、たまにサプライや対戦相手のプレインングによっては相手を抑え込んでしまう場合もあります。

ルール的な話をすると、破壊工作員は「3コイン以上」と記載されているので、錬金術師やゴーレムのようなポーション・コストを含むカードも対象に含まれます。ゴーレム(P+4コスト)を破壊された場合は、P+2コスト(念視の泉など)やPコスト(ブドウ園など)を取ることも出来ますし、単なる2コストの屋敷や0コストの銅貨を取ることも出来ます。
「3コイン〜6コインのカード」と記載されている騎士や盗賊の場合、ポーション・コストを含むカードは対象にしませんので注意が必要です。

あと細かい話をしますと、街道系(橋など)と併用すると、よりピンポイントに高コストのカードを狙い撃ちすることが出来ます。
密偵系(主に念視の泉)と併用することで、属州を狙って破壊できる確率は高くなります。
役人や占い師、大衆などの山札のトップに勝利点を持ってくるカードと併用されると、属州や公領がヒットされる確率が高くなるでしょう。これは4人戦などだと、同一プレイヤーがプレイしなくても、プレイヤーAが大衆をプレイした後でプレイヤーBが破壊工作員をプレイみたいな協力攻撃もありえます。
破壊工作員のプレイされる場では幽霊船を喰らって手札を山札に戻すときにも注意が必要となります。
高圧縮プレイは、破壊工作員で重要なカードがヒットされる確率が高くなるので破壊工作員は苦手としますし、公領・公爵や庭園などの特殊勝利点は勝利点の元を破壊されると計算しづらくなります。

行商人を獲得しやすい場では、あまり苦労せずに取った行商人が金貨に変換されるだけで微妙な感じでしょう。城塞をヒットすると、山札から対戦相手の手札に城塞を送り込むことになります。名品や工房系、銀貨獲得系でデックが銀貨などで膨れ上がっている場合は、真に重要なカードをヒットする確率は低いでしょう。
物乞いでリアクションすればリアクションで取った銀貨の1枚が破棄されるだけですし、秘密の部屋の場合、屋敷などの不要なカードを1枚を山札から捨て札に落とした上で、銀貨などの最低限の犠牲で対応されるでしょう。
青空市場は何かを破壊する代わりに金貨を獲得されます。
画策は真にヒットしたい重要なアクション・カードを山札に戻しませんし、ネズミ、封土などの廃棄時に効果のあるカードも、あまりヒットしたくないですし、国境の村や農地もヒットし甲斐がないことも多そうです。
盗賊や墓暴きがあると、廃棄されたカードを回収できるため、色々と面倒なことが置きそうです。
また中庭などの低コストのカードは破壊工作員で触れないために対応できない場合があります。属州などの勝利点購入が始まれば対象が増えますが、その時点では既に手遅れという場合も多そうです。

貢物(みつぎもの:Tribute)
陰謀・5コスト・アクション

【能力】
あなたの左隣のプレイヤーは、自分の山札の上から2枚のカードを公開し、捨て札にする。あなたは、その2枚のカードのうち、異なる名前のカードごとに…
アクションカードの場合:+2アクション
財宝カードの場合:+2コイン
勝利点カードの場合:+2カードを引く
(カード名が同一の場合、そのカードの種類のボーナス1つのみを得る−)

関連の強いカード
+)密偵系/(注意)役人、占い師、大衆、廃墟まき/複合勝利点、大広間など/
−)呪い、海の妖婆/避難所場/坑道

一番の問題点はプレイした時点ではその効果がはっきりしないところでしょう。「+アクションが出るなら貢物をプレイするけれど、ないなら別のアクションをプレイしたい」という悩みが結構多くなります。

序盤で考えると、貢物の効果は「2金(銅貨2枚)」「2金+2ドロー(銅貨・屋敷)」がほとんどとなりますが、中盤以降は下家のプレイング次第となります。
下家が圧縮からアクション連鎖をプレイしてるならアクションが期待できますし、庭園プレイならドローやお金となることが多いでしょう。

一応、密偵系と併用すれば望む効果を引出しやすくなります。そのためにわざわざ密偵を買うことはまずありませんが、念視の泉デックを組んでいる場合はたまにあります。
幽霊船で手札を戻す場合も、上家が貢物を使っている場合は、カードを戻す際に考慮した方が良いかもしれません。
大衆や役人、占い師がプレイされている場であれば、ドローになることが多くなります。
ドローを期待して貢物を使うのなら良いのですが、アクションがほしい場合は貢物では難しいという話になります。これは自身が「村−大衆−貢物」みたいに併用している場合は当然ですが、4人戦などで他プレイヤーがこれらのカードをプレイしている場合にも言えます。
同様に廃墟がまかれている環境だと、アクションが生じやすくなります。
レア・ケースですが、下家が6枚以上錬金術師を持っている場合は、貢物が確定でアクションになることがあります。

下家が複合勝利点(大広間や貴族など)を多用している場合は、貢物の効果が強くなることが期待できます。
逆に呪いがまかれている環境だと、貢物で呪いがめくれても何も起こらないので貢物の効果は弱くなります。特に4人戦で自分の上家が海の妖婆をプレイした後に貢物をプレイすると、貢物でめくれる2枚の内1枚は呪い確定となり貢物の効果は弱く、単に下家の無駄ドローを飛ばしただけとなることもあります。
避難所場の場合も、納屋がめくれても何も起きず、共同墓地がめくれても序盤はあまり必要ない+アクションが湧くだけなので、序盤は貢物を使いづらいでしょう。
まれに礼拝堂などの高圧縮で下家の山札が0枚や1枚になるような場合も、(そのタイミングだけで、その後勝利点などを買い始めると回復しますが)貢物の効果は弱くなるでしょう。さらに稀ですがゴールデン・デック(司教で廃棄し続けるため、山札なしの状態がかなり続く)や一部の原住民の村デックなどは、山札0枚や1枚をかなりの期間続けられるので、注意が必要と言えます。

【6コスト】
貴族(きぞく:Nobles)
陰謀・6コスト・アクション−勝利点

【能力】
次のうち1つを選ぶ:「+3カードを引く」;「+2アクション」

                                                • -

2勝利点

関連の強いカード
+)岐路、偵察員、浮浪者/金物商、変成/村系、書庫系/隠し財産、交易路/石工、石切場/(対抗)占い師
−)貢物/役人/(注意)建て直し

勝利点であることから岐路、偵察員、浮浪者との相性は良くなりますし、複合勝利点であることから金物商との相性も良くなります。・・・一応、変成で貴族をばらすと、金貨と公領が得られますね。
+2アクションも選択でき、それこそ貴族を大量に集めて「貴族(+2アクション)−貴族(+3ドロー)」みたいなプレイングもできますが、基本的には+アクションは他の村などで供給して、貴族はドローに使用した方が効率は高くなるでしょう。そういう意味でも岐路との相性は良いといえます。
逆に書庫系と組み合わせる場合は+アクションで使いやすいでしょう。

アクションであることから石切場で取りやすく、6金過払いの石工(8金)でも獲得可能です。
勝利点であることから隠し財産を使って購入すれば金貨を獲得しますし、貴族が買われることを考えると、貴族がサプライにあると交易路は使いやすくなるでしょう。

占い師は「自分の山札から勝利点または呪いカード1枚が公開されるまで」と記載されているため、実は占い師のアタックで貴族がめくれると、貴族が山札のトップに載ることになります。対して大衆は「公開したアクションと財宝カードを捨て札」と記載されているので貴族は捨て札になりますし、役人の場合も山札に戻す対象カードとなります。
道化師のアタックで貴族がめくれた場合は、「勝利点」という判断が最初にされるため、呪いを獲得することになります。
上家が貢物を使っている場合は複合勝利点の貴族は使いづらいところがあります。
また建て直しを使う場合は、併用できないこともないですが、貴族も建て直しの対象となるため、プレイングが難しくなります。

ハーレム(はーれむ:Harem)
陰謀・コスト・財宝−勝利点

【能力】
2コイン
2勝利点

関連の強いカード
+)岐路、偵察員、浮浪者/金物商/隠し財産、交易路/(対抗)占い師/鉱山系、造幣所、冒険者
−)泥棒、海賊船/植民地場/貢物/役人/(注意)建て直し

勝利点であることから岐路、偵察員、浮浪者との相性は良くなり、複合勝利点であることから金物商との相性が良くなるのは貴族と同じになります。・・・変成で廃棄した場合は、金貨と変成が得られますね。
勝利点であることから隠し財産を使って購入すれば金貨を獲得しますし、ハーレムを買われる展開だと交易路は使いやすくなるでしょう。
占い師のアタックでハーレムがめくれた場合は、勝利点と判断されて山札のトップに戻されます。
道化師のアタックでハーレムががめくれた場合は、「勝利点」という判断が最初にされるため、呪いを獲得することになります。
上家が貢物を使っている場合は複合勝利点のハーレムは使いづらいところがあります。
また建て直しを使う場合は、併用できないこともないですが、ハーレムも建て直しの対象となるため、プレイングが難しくなります。

財宝カードであることから、鉱山、収税吏で獲得可能ですし、造幣所でコピーすることも可能です。また冒険者、投機との併用も可能です。
逆に財宝カードであることから泥棒で盗まれ、海賊船で廃棄されます。また「2勝利点、2コイン」という効果は、属州場で最後の差になる場合はありますが、植民地場では明らかに力不足のことは多いでしょう。