ドミニオン新拡張(Adventures)のプレビュー・カードの雑感

ドミニオン新拡張(Adventures)について、プレビューされたカードについて感想でも。
※個人の感想ですので、大幅に間違っている可能性がありますので、ご注意願います。
※ネタバレを避けたい(新カードの使い方は自分で考えたい)という方は読むのを避けていただくようにお願いします。

1)【Lost City】(失われた都市)(5コスト、アクション)
+2カード、+2アクション
/このカードを獲得した時に、他の全てのプレイヤーはカードを1枚引く。

同じ「対戦相手に1枚引かせる」であっても、議事堂では余り気ならないのに予言者は微妙に感じるのは、議事堂は「プレイした時点で、プレイする自分に利益(4枚ドローと+Buy)がある」のに対して、予言者は自分の利益(金貨獲得)も対戦相手の不利益(呪い獲得)も次のシャッフル後に効いてくるものであって「プレイした時点では1枚引いた対戦相手しか利益がない」という点が、拡大再生産のドミニオンでは微妙に感じるところでしょうか。それでも、(次のシャッフル後とはいえ)自分の受ける利益と対戦相手の不利益が莫大なので、予言者は使われることがあるわけですが。
さらに言えば議事堂や予言者の「対戦相手に1枚引かせる」はプレイ時に生じるので、最短でも初手5-2で初手に購入して2周目にプレイした場合となり、4-3(3-4)スタートで2周目に議事堂や予言者を買った場合は、最初のプレイは3周目以降になります。それに対してLost Cityの場合は購入時なので、それこそ初手5-2の1ターン目に買えば、1ターン目でもペナルティーが発生します。

ドミニオンは拡大再生産のゲームと言われますが、特にそれは序盤に顕著となります。
そのため、2周目(3〜4ターン)に金貨を買えたことが勝因になったり、2周目に5金が出なくて(いわゆる、2周目4−4)5コストの強力なカードが買えなかったといったことが敗因になるなんてことが頻繁に起こります。
そう考えると、Lost Cityを2周目に買ったり、それこそ初手に買うのは、かなりリスクの高い行為になると思います。
自分が1ターン目先手番でLost Cityを買ったせいで、後手番の単なる4−3スタートだった対戦相手が5−3スタート(ただし1T目のクリーン・ナップ時にシャッフルが入る/5金では、もちろんLost City以外の使える5コストのカードを購入)とかされたら、かなりそのまま敗北直行のような気がします。
Lost Cityの場合も、対戦相手は購入した時点で利益(1枚ドロー)を受けますが、自身の利益は次のシャッフル後(それなりに高性能なLost Cityというカードをプレイできる)になります。
さらに言えば、そもそも研究所、村系のカードって、序盤はそれ程強くはないという話もあります。デックが出来あがってないので2枚引くより銀貨の方が生産力が高かったり、+アクションがあっても、そもそもそのアクションを消費するアクションが無かったり。
研究所、村系が能力を発揮するのはデックが出来あがった中盤以降で、とはいえその他のカードが揃ってから投入を始めるのも遅いので、通常はデックの出来上がりの進捗状況を見ながら「どのタイミングでこれらのカードを投入するか」を考えることになります。「村を初手に買うのか?」というのは、その辺のことを反映した警句になります。

こうやってツラツラと考えていくと、Lost Cityは高性能なカードではありますが、買う(獲得する)タイミングを考えさせられるカードと言えます。とはいえ、サプライに他に村がなくてコンボを組み立てたてたいような状況だと、買わないわけにもいかないでしょう。
あと主に購入時にペナルティー(対戦相手がドロー)は発動するので、「議事堂・民兵」コンボみたいにペナルティーをごまかす手段にも乏しいといえます。

2)【Magpie】カササギ)(4コスト、アクション)
+1カード、+1アクション
あなたの山札の一番上を公開する。それが財宝カードなら手札に加える。
アクションか勝利点カードならカササギを獲得する。

既にゆるドミにはMagpie、Lost City、Storytellerが実装されています(4/3現在)。素晴らしいことです。
そのため、Magpieについては結構容易に一人回しができます。
途中で爆発的な展開をするにはMagpieが増殖する必要あるけど、序盤にMagpieが増殖するということは財宝カードをゲットし損ねているので拡大再生産的に微妙と、丁度いい塩梅が難しいカードと言えます。
基本的にはMagpieをメインにというより、何か他のことをメインにした際の味付け(共謀者とか改築系とか、銅貨を圧縮できないコンボとか)になるのかなという気がします。

4)【Storyteller】語り部)(5コスト、アクション)
+1アクション、+1コイン
手札より3枚までの財宝カードをプレイしてもよい。
全てのコインを支払い、支払った1コインにつき1枚のカードを引く。

銀行のように相性の良いカードもありますが、基本的にはお金を出すよりもデックを回転してカードをプレイすることが強いデック用になるかと思います。
肉屋のようなカードを使いまわしたり、たくさんカードを引いてカードを並べた上で豊穣の角笛で属州を獲得するようなデックとか。

5)【Guide】(ガイド)(3コスト、アクション−予約)
+1カード、+1アクション
このカードを酒場(Tavern)マットに置く。
/あなたのターンの開始時に、このカードを呼びよせる(Call)ことができる。
その場合、あなたは手札をすべて捨て、カードを5枚引く。

初手に購入した場合、最短で3ターン目にプレイ、4ターン目以降のターン開始時に起動(Call)可能となります。
「デックの回転率をあげる」、「不要な手札をスキップする」(さらにアグレッシブになると求めるカードを引くために今の手札を捨てる)と考えると航海士に似た役目のカードと言えますが、プレイ時の効果がキャントリップで、必要な時まで待機できるところが大きな違いとなります。
「村を初手に買うのか?」(Guideは村でなくキャントリップですが)という警句を持ってきて考えるまでもなく、よっぽど生産力を無視してでもデックを回転させて使いたいカードが無い限り、初手で買うものではないと思います。
必要な時まで置いておけばいいという気楽さはありますが、酒場マット上で待機しているターンがあるため、通常のカードと比べるとプレイ回数は少なくなるカードと言えます。意味のあるなし関係なしに、引き切りデックで常にプレイ、起動(Call)した場合、そのプレイ・サイクルは2ターンに1回(プレイと起動(Call)のターンが交互に来る)となります。この辺は持続に近いというか、手札が良い時は起動せずにマット上で待機し続けることを考えると、よりプレイのスパンは長くなりがちです。
どちらかというと、コンボを組んでいる時の中盤の暇な時に1枚確保しておいて、終盤に手札がhageた時の保険に置いておかれるような使い方になるのかなという気がします。
直接生産力はありませんが、キャントリップであること、必要な時(手札が悪い時)まで待機できることを考えると、中盤たまたま3〜4金しか出なかった際に確保するには悪くないカードです。暇な時に工房系で取る分には、かなり良い感じのカードと言えます。

Callできるのはターン開始時限定なので、手札の一部を使用してからスイッチするような器用なことはあまりできませんが(一応、持続中のAmuletで手札の不要カードを1枚廃棄して青空市場でレスポンスしつつ、もはや不要になった手札はGuideで捨て、捨てた手札から坑道をレスポンスしつつ、新しく引いた5枚で心機一転アクション・フェイズを楽しむ、みたいなことも可能ではありますが)、マット上に複数のガイドが待機していれば、もうゲーム終了まで手札が完全にhageて何もできないターンが来ることはないでしょう。
一応、複数のGuideが待機している場合、1回目のGuide後の手札に不満があれば、別のGuideで更に手札を入れ替えることもできます。

民兵などのアタックを喰らっても、Guideがいれば手札を5枚にできます。それこそ、拷問人ロックで手札が0枚になっていても、Guideが待機していれば、手札5枚で自分のターンを戦えます。王子に秘密の部屋系を仕込んでおいて、ターン開始時に「手札全捨て、Guideで手札5枚回復」といったこともできますし、前哨地ターンに手札が不満なら新たな5枚で戦うことも選択できます。
捨てるということで坑道との相性も良いですね。坑道が手札に来るまでマット上で待機できるので、確実に坑道を捨てることができます。

6)【Duplicate】(複製)(4コスト、アクション−予約)
このカードを酒場(Tavern)マットに置く。
/あなたが6コスト以下のカードを獲得した際に、このカードを呼びよせる(Call)ことができる。
その場合、あなたは獲得したカードと同じカード1枚を獲得する。

このカードもいいバランスのような気がします。コピーできるカードは6コストまでと工房系や祝宴などよりも高いコストに対応していますが、コピーする元のカードは自力で獲得する必要があり、Duplicate自体は仮想コインなどの直接生産力は0なので、自力で5〜6コストのカードを買うためには邪魔になります。
Guideなど(Callはターン開始時限定)と違い、Callするタイミングは「カード獲得時」なので、Dupulicateをプレイした直後(そのターンの購入フェイズなど)でもCallできる点はタイミングに融通が利くと言えます。自分のターン以外での獲得、大使館購入や総督の銀貨ばらまきとか、呪いまきとか大使での屋敷ばらまきとかにも一応対応できますね。
あと購入でなく獲得に対応なので、工房系(密輸人とか)や改築系で獲得したカードなんかにも対応できますね。

初手の購入(Duplicate・銀)で考えると、2周目(3〜4ターン)に5金以上が出る確率は50%にしかなりません。
ただし5コストのカードを2枚獲得する確率は、計算していませんが多分3割くらいではないかと思います。初手「祝宴・銀」の38%には届きませんが、初手「銀・銀」の15%よりは高くなります。とはいえ、いかんせん2周目に5コストが買えない確率が50%(正確には51%だったかも)ある時点で、それ以前の話という感じもします。

このカードも必要な時まで酒場で待機できるので、初手からの購入は微妙ですが、5〜6金がある程度出るようになったタイミング(というより、次のシャッフル後にそうなる見込みのタイミング)で投入すると、カード集めの効率が良くなることは多そうです。
金貨やならず者を購入できたターンまで酒場で待機し、終盤は公領を購入する時まで待機することになるでしょう。
また改築系や密輸人などの抜け道がある際には、かなり効率の良いプレイができそうです。

7)【Coin of the Realm】法貨)(2コスト、財宝カード−予約)
+1コイン
あなたがこのカードをプレイした場合、このカードを酒場(Tavern)マットに置く。
/アクションを解決した直後に、このカードを呼びよせる(Call)ことができる。
+2アクションを得る。

初手に購入した場合を考えると、最短で3ターン目の購入フェイズにプレイして、4ターン目以降マット上で待機ということになります。
プレイした際は1金(銅貨相当)しか産出しないことも含め、「初手に村を購入するのか?」という警句を持ってくるまでもなく、拡大再生産の観点からは初手に購入するものではないですね。そもそも+アクションを必要とするターミナル・アクション自体、まだデックにほとんど入ってないでしょうし。

パッと思いつく状況としては、普通に村鍛冶などのコンボ・デックを組んでいる際に、保険として工房から数枚獲得して、もしもの時のために酒場マット上に保管されているといった感じでしょうか。本当に必要な時まで取っておけるので、このカードが酒場マットにある間は、ドロー・カード不足はともかく、+アクション不足でコンボがスタートしないということはありえないでしょう。

他に村がある時はそういった保険的な使い方も出来ますが、Coin of the Realmしか+アクションがないサプライでコンボを組む場合、特に引き切りだと2ターンに1回しか使えない(1ターン目にプレイしてマットに移り、2ターン目にCallして+アクションを得て、ターン終了時に捨て札になる)ことになります。ただし、通常の村のアクション数の増加が+1アクション分であるのに対して、Coin of the Realmは+2アクション分あるので、引き切りの場合の最終形での必要枚数は、あんまり変わらないように思います。
拡大再生産的に初手Coin of the Realm購入はありませんが、他に+アクションのない4人戦とかだと、獲得競争的に初期から購入されることはあるかもしれません。

また村などは「1アクションを消費して+2アクション(収支としては+1アクション)」に対して、Coin of the Realmは「アクションを消費せずに+2アクション(収支としては+2アクション)」となります。
またアクションの解決直後にCallするか決定し、残りアクション数が0であってもCall可能な点も利便性が高いといえます。例えば「鍛冶屋をプレイして、更に別の鍛冶屋を引いたからCoin of the RealmをCallする」「鍛冶屋をプレイしたけど、財宝カードしか引かなかった(その後プレイするアクションがない)ので、Coin of the Realmは待機させたままでアクション・フェイズを終了する」といったことができます。
というより、Callできるのはアクションの解決直後なので、(他のアクションを挟めばともかく)普通の村のように「Coin of the Realm(のCall)−鍛冶屋」という順番でプレイすることはできませんね(できなくても鍛冶屋のプレイ直後にアクション0状態でもCallできるので問題になることはないと思いますが)。

必要な時まで置いておける特性を利用すると、Coin of the Realmを酒場マットに貯めておいて一気にコンボをスタートするというのもありそうですね。橋とドロー・カードが一緒にあるサプライだと、即死コンボが結構簡単に組めそうな。

8)【Transmogrify】(変換)(4コスト、アクション−予約)
+1アクション
このカードを酒場(Tavern)マットに置く。
/あなたのターンの開始時に、このカードを呼びよせる(Call)ことができる。
その場合、あなたの手札のカードを1枚廃棄し、廃棄したカードよりコストが最大1コイン多いカード1枚を獲得し手札に加える。

プレイ(というかCall)する際の臨機応変度は非常に高いですね。
屋敷を銀貨にするといった基本編から、手札に鍛冶屋はあるけど村がないから村を作るとか、馬上槍試合を買わずに属州を手札に引いたら銀貨を馬上に代えて揃えるとか、Transmogrify2枚待機状態から銀貨2枚を宝の地図2枚に代えたり。
暗黒時代関連でも悪用豊富で、狂信者を狂信者に代えて3枚ドローしてから狂信者をプレイしたり、城塞廃棄して5コストを獲得しつつ、城塞も手札に戻ってきたりといったこともできますね。
Callできるのはターン開始時限定ですが、手札の状況に併せて臨機応変に対応できます。

結局、問題になるのは、実際にプレイできるまでのタイムラグがどれくらいになるのかという点でしょう。
TransmogrifyのCallのタイミングはターン開始時限定なので、初手Transmogrify・銀貨でスタートした場合に2周目(3〜4ターン)にCallするためには3ターン目にプレイする(3ターン目に引く)必要があり、その確率は5/12と5割を切ります。
7/12の4ターン目や(底に沈んで)5ターン目にプレイする場合、Callするのは3周目となります。持続カード同様、3周目の山札にTransmogrifyが含まれないことになり2回目のCallのタイミングは4周目以降となります。これは運よく3ターン目にプレイできた場合の3周目でも、多分5ターンに引けないと4周目のシャッフルに入れないことになります。
やはり持続カード同様にプレイ回数が少なくなる傾向があります。

ただしCallした時は獲得したカードを即座に手札に加えるので、その分、遅れを取り戻しているとも言えます。3ターン目にプレイして4ターン目にCallした場合は、逆に通常の改築系よりも改築で獲得したカードを使用するタイミングが早いことになります。
あとプレイする時はTransmogrify分の手札が減りますが、Callする際はTransmogrifyは待機していた酒場マットから来るし、手札を廃棄した分は即座に改築後のカードが手札に加えられるので、手札の枚数は減らないことになります。改築で良くありがちな、「改築したターンは、改築とその後の購入でカードを2枚獲得したが、改築は屋敷廃棄なので4コストまで、購入は残った3枚の財宝カードで購入するので銀貨までと、何か微妙」といった状況を避けることができます。
結局、初手から買うのがいいかどうかは、その他のサプライや引き次第という結論になりそうですが、Transmogrifyはいろいろと面白い使い方ができそうなカードと言えます。

9)【Amulet】(魔除け)(3コスト、アクション−持続)
現在と、あなたの次のターンの開始時に以下の次のうち1つを選ぶ:
「+1コイン」;「手札からカードを1枚廃棄する」;「銀貨を1枚獲得する」

執事と比較する記事を良く見かけます。持続ターンをあわせると、トータルの効果で2枚廃棄や+2金も選択できるあたりのイメージからでしょうか。
まぁ実際に執事とAmuletがサプライに並んだ場合、どちらが初手に買われやすいかというと、ほぼ執事の方となりそうですが(特に2コストに村落などの有用なカードがある場合)。とはいえ、その辺は実際に執事とAmuletが並んだサプライにぶち当たった時に考えれば良いことですが。

初手に購入するかを考える場合、やはり序盤の持続の弊害は考慮する必要があります。
初手に購入した場合、底った場合は持続でないカードとの差はあまりありませんが、4ターン目に引いてプレイした場合、持続した後の次のターン分の効果を2周目に受けれない上に、シャッフル時に持続中で場に残っているため、3周目の山札含まれません。この辺は序盤の拡大再生産が重要なドミニオンでは結構なマイナスになります。
さらに言えば、2周目の手札(5枚の平均コイン量は5金に満たない)で、強い5コストや6コストのカードを購入するためには、同じ金量でも分割して効果の生じる持続カードより、一括で効果の生じる銀貨などのカードの方が有利になりやすいところがあります。

ただしAmuletの場合、効果が2ターンに分割されることにより生じる柔軟性というのはあります。
例えば執事(序盤は圧縮目的)と比較して考えてみましょう。
初手「執事・銀」(もしくは執事・執事など)の場合、2周目に執事を引いたターンの手札は「執事、屋敷2枚以上、残り銅貨」が最高と言えます。そのターンの購入はパスになることが多いでしょうが、屋敷2枚を廃棄した上で、執事を引かなかった逆側のターン(執事を3ターン目に引いたら4ターン目、4ターン目なら3ターン目)は屋敷が少ない、つまり金量が多くなるので、5〜6コストの強いカードが購入できることが期待できます。
とはいえ、そんな都合の良い手札をそうそう引けるわけはなく、一番多いパターンは「執事、屋敷、銅貨×3」という手札になります。ここで屋敷と銅貨1枚を廃棄すると、そのターンの購入は2コストまでになりますし、逆側のターンの購入も屋敷2枚を引いた場合ほどは期待できません。これが3ターン目で、どうしても2周目に5コストのカードがほしい場合、執事で圧縮ではなく+2金を選択する場合もあり得ます。
これが「Amulet、屋敷、銅貨×3」の場合、このターンは屋敷1枚を廃棄して銀貨を購入し、次のターンは状況に応じて選択肢が広がります。
圧縮だけに絞って考えても、2ターンに渡って1枚ずつの方が屋敷を2枚廃棄出来る確率は高くなります。3ターン目に引ける前提で考えると、初手は執事よりAmuletの方が丸い場合は多そうな気がします。

10) 【Swamp Hag】(沼の妖婆)(5コスト、アクション−アタック−持続)
あなたの次のターンまで、他のいずれかのプレイヤーがカードを1枚購入するたびに呪いを1枚獲得する。
あなたの次のターンの開始時に+3コインを得る。

他プレイヤーがこのカードを持続中にカードを購入するとアタックの効果を受けるカード1号になります。
ちなみにSwamp HagとHaunted Woodsを掘や灯台で防御するためには、これらのアタックがプレイされた際に、防御する必要があり、そのアタック効果(呪いを獲得するなど)を受ける時ではありません。
これらのアタックがプレイされた際に堀をリアクションで公開したり、その時点で自分の場に灯台が持続中であれば、次の自分のターンにカードを購入してもアタック・カードの影響を受けることはありません。
逆に、自分のターンにカードを購入して呪いを喰らったりする際にはリアクションで堀を公開したりするタイミングはありません。
アタックがプレイされたタイミングでリアクションでの掘の公開がなかったり、灯台が持続中でなければ、自分のターンに灯台をプレイしたり、ドローして手札に堀を握りしめていても、カードを購入すれば持続中のアタックの効果を受けることになります。

Swamp Hagについて考えると、プレイした自分への恩恵である+3コイン自体は5コストのカードとしては高めの効果ですが、それを受け取るのが後に来る持続ターンに一括なので、序盤で考えると、モロに持続カードであることの弊害を受けるカードだなという感じです。
まぁ、持続ターンで考えると手札5枚+3金となるので、容易に6金、7金や、それこそ植民地場なら白金貨に届くことも期待できそうですが、その効果が3周目に間に合うのは3ターン目に引いた時のみ(確率:5/12)となります。
しかもプレイするターンのことを考えると、自分への恩恵が何も無く、4ターン目に引いた場合は、+3金で買うカードは3周目に間に合わないばかりか、2周目の購入も足をひっぱていることにになります。

さて、アタックについて考えると、1枚目の呪いは銀貨レベルの購入でも相殺できますが、2枚目の呪いの場合、金貨レベルの購入をしないとプラスになりません。こう考えると、購入して呪いを喰らうかどうかは選択の自由がありますが、いずれにせよかなり場が停滞することになります。
特に4人戦で複数のプレイヤーがプレイすると、呪い対策がない場だと、かなり場が停滞しそうです。

11) 【Hireling】(雇われ人)(6コスト、アクション−持続)
あなたの以降の残りのゲーム中のターンの開始時に+1カードを引く。
(このカードは場に残り続ける)

ついに出ました永久持続カードです。しかもドロー・カードです。毎ターン手札6枚スタート(その他の要因がなければ)です。
コストが上がった分、隊商の上位互換っぽく見えますが、プレイしたターンにはHireling自体は何もしない(+アクションもドローもない)ところは隊商とは違う所でしょうか。
Prince(王子)の例を引っ張り出すまでもなく、確かに毎ターンというのは強いですし、複数のHirelingを重ね掛け(毎ターン手札7枚、8枚・・・スタート)と夢も広がりますが、属州場、特にステロなどの早い展開だと6コストでこの効果は微妙かもしれません。

12) 【Haunted Woods】(魔の森)(5コスト、アクション−アタック−持続)
あなたの次のターンまで、他のいずれかのプレイヤーがカードを購入した場合、そのプレイヤーは自分の手札すべてを好きな順番で自分の山札の上に置く。
あなたの次のターンの開始時に+3カードを引く。

他プレイヤーがこのカードを持続中にカードを購入するとアタックの効果を受けるカード2号になります。
カードを購入するとなると一部の例外を除いて購入フェイズになり、購入フェイズに何も考えずに財宝カードをプレイした場合に手札に何が残っているかを考えてみると、このカードの効果がどれくらいかわかるかと思います。
ゲーム序盤であれば手札に残るのは屋敷くらいでしょう。
この辺の感覚は役人に近いものがあります。「銀、銅×3、屋敷」だと屋敷が戻るけど5コストのカードを買うでしょうし、「銅×2、屋敷×3」とかだと2コストにカードがあってもパスするでしょう。「銅×3、屋敷×2」とかだと、喰らった感が強くなります。
中盤だと屋敷の比率は低くなり、被って使えなかったアクションなどがここに加わることになります。屋敷を廃棄するようなデックだと、終盤に勝利点を買い始めるまでは手札にはほとんどカードが残らなくなるでしょう。
被ったアクションや、余った財宝カードを戻せる(7金で公領買う際に、銀貨を1枚プレイせずに次のターンの手札に送るとか)あたり、幽霊船に近い感覚かもしれません。
お金プレイに近いプレイングをしている場合、勝利点を買い始めるまではHaunted Woodsはそれ程怖いアタックにはならないでしょう。

初手5-2でHaunted Woodsを購入した場合、3ターン目に引いてプレイできたとしても、自身がその恩恵(3ドロー)を受けるのは4ターン目開始時で、ほとんどの場合、その時点の残り山札は1〜2枚なのでシャッフルが入ります。つまり、Haunted Woodsの効果(+3ドロー)で強力なカードを購入したとしても、そのカードを使えるのは4周目以降ということになります(ドロー途中のシャッフルなので、3周目は短くなりますが)。さらに言えば、3ターン目にHaunted Woodsをプレイした際には、仮想コインなどの生産力は何もないので、どちらかというと2周目の購買力は落ちているとも言えます。
こう考えると、初手から購入するのは微妙ですね。
一応、持続ターン開始時に3枚ドローなので、持続ターンの手札は8枚(鍛冶屋をプレイした場合は1枚使って3枚ドローなので7枚)と、ドロー枚数としては狩場、議事堂並みとなります。しかもアクションがある状態で8枚なので、そのターンは結構期待できます。

さて、Haunted Woodsがクリティカルに刺さるシチュエーションが幾つかあります。
例えば、屋敷を廃棄する手段のない環境で、大量にドローできるコンボや状況を作った場合です。村鍛冶系のコンボとか、ループしない策士とかです。
こういったコンボで大量にカードを引いた際に、Haunted Woodsが場に持続していると、引き切ってプレイした後に手札に残った屋敷3枚が山札に戻ることになります。それこそ16金2Buy体制を確立して属州を2枚買った後だと、次のターンの手札は緑5枚確定になりかねません(場合によっては、引き切った後に使用せずに手札に温存できた倉庫なども一緒に戻せて、一縷の望みをつなげられる場合もありますが)。
あと4人戦などで考えられるのが、一人がHaunted Woodsをプレイして持続ターンに3枚引いた時には、別のプレイヤーのHaunted Woodsが持続中というパターンです。ドロー枚数が多い分、手札に残る勝利点の枚数も増えることが予想されます。
また、呪いや廃墟がまかれる環境の場合、呪いや廃墟といったゴミが手札に残ることになるので、更に酷い状況が現出しえますし、ゲーム最終盤の購入した属州が手札に入ってくるころには「普段なら“1点でも”と思って屋敷を買うけど、(勝利点が3枚も戻るなら)パスして次のターンのドローを期待した方がまし。」という場合も出てくるでしょう。
手札が弱くなると効果が強くなる辺りは、幽霊船と同じと言えます。

こうやってツラツラ眺めてみると、Haunted Woodsは、普段は役人とか占い師程度のアタックだけど、一部のデック(圧縮がない場の引き切り系とか)に対しては非常に強い効果があり、あと、呪い場などのグダグダばでは幽霊船同様、さらにグダグダにするアタックなのかなという気がします。
プレイする自分自身への恩恵については、持続ターンに+3ドローは効果としては大きいのですが、序盤で考えると1ターン遅れる(持続ターンに来る)のが致命的かなと思います。
あと、秘密の部屋とか策士ループとかは完全にHaunted Woodsのアタックをスルーすることになりますね。

ではでは。