異郷2

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、繁栄(1234)、収穫祭、暗黒時代(総説123)、ギルドプロモ異郷1

ということで異郷2(4コスト)です。

【4コスト】
義賊(ぎぞく:Noble Brigand)
異郷・4コスト・アクション−アタック

【能力】
+1コイン
このカードを購入または使用するとき、他のプレイヤーは全員自分のデッキの上から2枚のカードを公開し、公開された銀貨または金貨1枚をあなたが選んで廃棄し、残りをそのプレイヤーの捨て札に置く。財宝を1枚も公開しなかったプレイヤーは、銅貨1枚を獲得する。あなたは廃棄したカードを獲得する。

関連の強いカード
+)念視の泉、密偵、神託/改築系
−)植民地場(白金貨)、特殊財宝カード/秘密の部屋/青空市場/庭園、呪い場/役人、海の妖婆などのアタック/(対抗)救貧院、大使、高圧縮

属州場で考えると「改善された泥棒」といった印象を受けます。
金貨と銀貨しかお金を出す方法がないサプライ(属州場で、特殊財宝カードも仮想コインを出すアクションカードもない場)で義賊があると、胃が痛くなります。

「対戦相手の金貨、銀貨を奪いたい」場合にプレイするカードということで、泥棒と似た感覚でプレイされます。
泥棒同様、義賊がサプライにある場合、(金貨を中心とした)高圧縮のお金プレイは難しくなります。

泥棒との違いは大きく3点あって、一つ目は金貨と銀貨以外の財宝カードに無力ということで、白金貨や特殊財宝カード(玉璽とか銀行とか)には触ることが出来ず、これらのカードがサプライにあると途端に弱くなることがあります。
また銅貨を奪わないことは、「金貨や銀貨を奪う」という観点では「対戦相手を無駄に圧縮しない」とも言えますが、泥棒のように庭園場で「対戦相手の銅貨を奪いつつ、自分の枚数を増やす」といった活躍は出来ません。
財宝カードがめくれなかった場合に銅貨を施すため、逆に「対戦相手を無駄に圧縮をしない上に、圧縮している相手の邪魔をする」という面もありますし、対戦相手が庭園系のプレイをしているなら、まさに施しになることもあります。

泥棒同様、念視の泉などを連打するようなデックだと、義賊を1枚入れておけば、丁度良いタイミング(金貨がトップにあるタイミング)で義賊をプレイ出来ることは多いでしょう。
密偵や(村+)神託でも同じようなことが可能です。ただし、念視の泉のように連打するデックを組むことは少ないと思うので、タイミングが取れることは少ないような気がします。
ただし泥棒と違い、義賊は「購入時」にも効果を発生するので、神託などでトップが金貨であることが確認できた時点で義賊購入を検討するのはありでしょう。

ルール的な話になりますが、義賊の購入時効果は灯台のようなカードで防御できませんし、堀や秘密の部屋でリアクションすることも出来ません(義賊を普通にプレイした場合はリアクション出来ます)。
また廃棄された金貨や銀貨の獲得は義務であり、泥棒のように「獲得しない」ということは出来ません。
また購入時効果なので、工房などでの獲得時には効果が発生しません。

義賊合戦になった場合、奪った金貨はさっさと使いきりたいので、改築、引揚水夫、弟子などのカードがあると利用しやすいでしょう。
銅貨をばら撒くということでは、高圧縮や大使や救貧院をプレイしている対戦相手の邪魔にはなります。高圧縮お金プレイに対しては、金貨、銀貨にヒットすれば大ダメージを与えますし、ヒットしなければ銅貨を撒いてデックを汚すことが出来ます。
ただ、大使相手に漫然と義賊だけで対抗できるかというと微妙ですし、義賊がある上で高圧縮をかけて来るプレイヤーは何らかの対策があるはず(例えば、高圧縮下で数倍の頻度で自分も義賊をプレイするから、奪った分を十分奪い返せるとか)なので、状況を見てプレイする必要があるでしょう。

山札のトップを攻めるアタックの宿命として秘密の部屋には非常に弱くなります。秘密の部屋のリアクション後に銅貨と屋敷とか、銅貨と秘密の部屋がめくれた場合、単純に相手を助けただけの可能性は高くなります。廃棄が関わるために青空市場との相性も悪くなります。相当義賊ヘビーな環境でないと義賊対策のためだけに青空市場が投入されることはないと思いますが(獲得した金貨も義賊で取られる可能性がありますし)、その他の廃棄関連のために青空市場が投入されている環境だと、義賊は使いにくいでしょう。
また相手が庭園プレイや、呪い場などの荒れ場で銅貨すらほしいような状況の場合も、義賊は相手を助けてしまう可能性もあります。
また役人、海の妖婆、大衆、占い師などの山札のトップを汚すアタックがプレイされている環境も、他プレイヤーのアタックで汚れた山札トップを削って対戦相手を助けるだけ(銅貨を撒けるチャンスは増えますが、それが相手の邪魔になっているかも微妙)となることもあります。
幽霊船の場合、他プレイヤーの戻すカード次第ですが、義賊のある場でのうのうと金貨を山札に戻すプレイヤーは少ないと思うので、やはり効率は悪くなるでしょう。

交易人(こうえきにん:Trader)
異郷・4コスト・アクション−リアクション

【能力】
自分の手札のカード1枚を廃棄する。
そのカードのコスト数と同じ枚数の銀貨を獲得する。

                                                • -

あなたがカード1枚を獲得したとき、あなたはこのカードを手札から公開してもよい。そうした場合、獲得するカードの代わりに銀貨1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)屋敷場/封土、庭園/埋蔵金、死の荷車/+購入、従者/石工、開発などの改築系/抑留/(対抗)呪い・廃墟系のアタック、詐欺師、大使、不正利得/青空市場
−)避難所場/民兵

用途としては屋敷のような不要なカードを銀貨に変換することと、呪いや廃墟などのアタックに対抗することの2つがあげられると思います。
銀貨を獲得する枚数が1枚になることから考えて、避難所場では微妙なことが多そうです。
銀貨が必要かというと植民地場では微妙な気がしますが、序番は屋敷廃棄+銀貨獲得でデックの内容向上、それ以降は銅貨の廃棄が出来ると考えると、プラスの場合もある気がします。

呪いや廃墟系へのアタックへのリアクションで考えると、呪いを銀貨に変換していけばその分デックが膨れるため(あと望楼などと違い、呪いがサプライから減らないため)、いつかは交易人でカバーできなくなることが多くなります。どちらかというと完全防御というより、序盤にデック内容を維持して時間を稼ぐという観点になりそうです。あと効率は悪いですが、リアクション出来なくても手札で揃えば呪いや廃墟を廃棄できます。
大使はともかく、詐欺師なんかは、交易人を買ったプレイヤーがいると、かなり使う気が失せるでしょう。対戦相手の屋敷や銅貨を圧縮して代わりに銀貨を獲得されるわけですから。
香具師を始め、序盤に交易人でリアクション出来るかは大きな差になるので、運の要素も大きくなるように思います。不正利得(IGG)場は、一度でも交易人でリアクションされると、10発IGGを買っても呪いがサプライに残ってしまう点で、ゲーム終了条件にも影響を与えることがあります。

注意すべき組み合わせとして封土、庭園といった特殊勝利点との組み合わせでしょうか。封土を交易人に提供すると銀貨7枚になりますね。
屋敷場であれば、公領・公爵へのサポートとしてもかなり良くなります。

コンボ的な使い方としては、埋蔵金や死の荷車獲得時に手札にあれば、処理の根っこの埋蔵金や死の荷車はスルーして、オマケの銅貨や廃墟の獲得時にだけリアクションして、これらを銀貨に変えることも出来ます。
銅貨の購入(獲得)を銀貨に変えるようなことも出来るので、+購入カード(特に従者のような低コストの+購入カード)との相性も良くなります。
石工の屋敷廃棄や開発の避難所廃棄のような、いらないカードを獲得するような改築系のサポートにも使えます。
抑留トークンを置かれたり、自分で抑留トークンを置いた上で、手札に交易人がある状態でそのカードを買うと、呪いではなく銀貨のオマケつきで購入出来ます。

廃棄系なので民兵系のアタックをプレイされると使いづらくなりますが、序盤は民兵を喰らっても屋敷を廃棄して銀貨2枚を獲得すれば十分との話もあります。
廃棄系なので青空市場との相性は良くなります。

さて、面倒なルール的な話を。
交易人のリアクションは「何かの獲得」を「銀貨獲得」に完全に置き換えます。
例えば呪いを撒かれた場合に交易人でリアクションした場合、サプライからその分の呪いは減らず、銀貨が1枚獲得(サプライの銀貨が1枚減る)になります。
予言者のアタックを受けた場合に交易人でリアクションすると、呪いの代わりに銀貨を獲得するので、追加のドローはなくなります。
完全に置き換わるので、銀貨に置き換えられた元のカードの獲得時効果もなくなります。
例えば不正利得の獲得にリアクションして銀貨獲得に置き換えた場合、不正利得の“このカードを獲得するとき、他のプレイヤーは全員、呪い1枚を獲得する”という獲得時効果は発生しません。また不正利得を財宝カードとしてプレイして銅貨を獲得して、その銅貨に交易人でレスポンスすると、獲得した銀貨は手札でなく捨札にいくことになります。

さて普段意識していませんが、カードを購入した場合「購入(宣言)→購入時効果→購入カードの獲得→獲得時効果」の順に処理して購入したカードが獲得されます。
そのため購入時効果のあるカードを購入して、購入したカードを獲得したタイミングでその獲得に交易人でリアクションすると、「購入宣言したカードはサプライから減らず、銀貨を1枚獲得しているのに、購入時効果だけは発生している」という事になります。
例えば農地の購入宣言をして6金を支払い、手札のカードを1枚廃棄して+2コストのカードを獲得してから(このカードに対して交易人でリアクションも可能)、獲得する農地に対してリアクションして銀貨獲得に置き換えるといったことが出来ます。何となく気持ち悪いですね。
購入時効果というと、農地、義賊、隠し財産が場にある場合の勝利点の購入、護符が場にある場合の4コスト以下のカードの購入、ギルドの追加コスト支払いカード(石工、医者、名品、伝令官)などがあげられると思います。
伝令官はともかく、それ以外のカードは元にあたるカードを銀貨に換えた方がいい場面はありそうですね。

香辛料商人(こうしんりょうしょうにん:Spice Merchant)
異郷・4コスト・アクション

【能力】
あなたは自分の手札の財宝カード1枚を廃棄してもよい。
そうした場合、次のうち1つを選ぶ:「+2カードを引く、+1アクション」;「+2コイン、+1カードを購入」

関連の強いカード
+)移動動物園、大市場、救貧院/ならず者、商人ギルド、埋蔵金/(対抗)香具師
−)庭園系/厩舎

金貸し同様、銅貨を廃棄しながら何か出来るカードであるため、非常に人気の高いカードになります。
ちなみに2周目(3〜4ターン目)に5金以上が最低1回以上出る確率は、初手「銀貨×2」(もしくは「金貸し−銀貨」)の場合は91%となりますが、初手「香辛料商人−銀貨」で常に香辛料商人で2ドローを選ぶ場合は65%、5金出る場合は「+2金を選ぶ」としても8割弱程度となります。5金出ないリスクを負う代わりに銅貨廃棄・回転率アップというリターンを受取るということになります。
サプライ次第ですが、それでも(5金出ないリスクを負っても)初手に香辛料商人を選ぶ場合は多いように思います。

特にこれといって凄い組み合わせというのはありませんが、銅貨廃棄から移動動物園、大市場、救貧院(香辛料商人を+購入で使うことも)といったカードとの相性が良くなるでしょうし、「ながら(銅貨を廃棄しながら)」プレイが出来るので、大抵のコンボ・デックにとってはありがたいカードでしょう。
ほとんどの場合、香辛料商人は初手に1枚購入で十分事足りることが多いですが、ならず者、商人ギルド(中盤以降、銅貨購入が増える予定)や埋蔵金の購入を考える場合は2枚目以降を考えることもあるでしょうし、香具師がサプライにあれば香辛料商人の重要性はあがることもあるでしょう(荒れて公領場に落ち着く場合、逆に銅貨廃棄が微妙になることもありえます)。
逆に廃棄カードということで庭園プレイなどとの相性は悪いでしょうし、デックのバランスを崩すと厩舎が使いづらくなることもあります。
また香辛料商人しか+購入のないサプライの場合、銅貨の廃棄具合とデック内の財宝カード比率は考えておく必要がある場合があります。
同じ異郷のカードのため、愚者の黄金と一緒にサプライに登場する機会は若干高くなるように思います。その場合、「銅貨を廃棄しつつ+購入」は強力ですが、初手に「香辛料商人−愚者の黄金」の場合、2周目に香辛料商人をプレイして4金出ない確率はそれなりにあります。
改築などがあるなら、そちらから愚者に入った方が良いことが多いでしょう。

シルクロード(しるくろーど:Silk Road)
異郷・4コスト・勝利点

【能力】
あなたのデッキにある勝利点カード4枚(端数切り捨て)につき1勝利点を得る。

関連の強いカード
+)屋敷場/大広間、島、坑道/岐路、交易路、隠し財産、伯爵、公爵夫人、浮浪者/遊牧民の野営地などの+購入カード/役人、よろずやなどの銀貨を獲得できるカード、値切り屋/鉄工所、工房などの獲得カード/秘密の部屋、地下貯蔵庫、物置、馬商人など/物乞い/改築、石工、開発、偵察員/その他の特殊勝利点(貴族、ハーレム、庭園など)
−)植民地場、避難所場、2人戦/幽霊船、大衆、占い師/破壊工作員、詐欺師、騎士、盗賊/金貸し、借金、香辛料商人、交易人/司教

プレイ感覚は、「4コスト」、「勝利点の多いデックになる」ということで庭園に近いものになることも多いですが、+購入などのカードを使う第一目的が「デックを太らせる」よりも「購入力維持」にある点や、交易人などを使う場合に屋敷を廃棄しにくい、という辺りが違いになります。
他に特殊勝利点のない属州場でもシルクロード、公領、屋敷を柱にプレイすることが可能な場合は多いですが、低コストの追加勝利点、特に大広間や島のような機能性の高いカードや、坑道のようにコスト・パフォーマンスのよい勝利点があった方がプレイしやすくなります。
シルクロード・プレイには、シルクロードに参入するプレイヤーの人数や、ゲーム終了時までにかかる時間(シルクロードと屋敷と何かで3山切れに出来るか?)などが大きく影響します。
その辺は庭園プレイと同様ですが、庭園に比べると「シルクロードで何点取れそうか?」というところを把握するのが難しいところがあります。
庭園同様、植民地場では早期の3山切れが見込めなければ力不足になることが多く、2人戦では対戦相手にシルクロードをカットされながら属州を買い占められると圧敗することもあります。
避難所場では勝利点1枚からのスタートであることを考えて決断する必要があります。

岐路、交易路、隠し財産、伯爵、公爵夫人、浮浪者といったカードは、サプライにあれば勝利点を購入・獲得するプレイには有利と言えます。ただし、交易路はシルクロードをプレイするプレイヤーだけでなく全員に恩恵があり、隠し財産がある場合は、序盤に6金に届くプレイを取るという事になります。
遊牧民の野営地、木こり、橋、男爵などの+購入カードは、シルクロードを買いながら銅貨購入などで4〜5金は出るデックを維持する為に役立ちます。それなりに購入候補(シルクロード、公領、屋敷など)があるため、序盤の禁制品購入も悪くない場合が多いでしょう。
購入力維持のため、役人、探検家、よろずや、隠遁者といった銀貨獲得カードも役に立つでしょう。ただし、よろずや、隠遁者は屋敷を廃棄しづらいので、その分は差し引いて評価する必要があります。購入量維持という意味では、値切り屋(シルクロードを買いながら銀貨を獲得)もこのカテゴリーで上げられると思います。

シルクロードや勝利点を獲得する方法として鉄工所などの工房系も挙げられます。6金かかりますが祭壇を確保できれば、シルクロードや公領を獲得できます。
勝利点カード比率が多くなるため、民兵系のアタックがなければ秘密の部屋、地下貯蔵庫、物置、保管庫、オアシス、馬商人といったカードも有用性が高くなります。
4〜5金の購買力を維持すればよいと考えれば、初手物乞いからのシルクロード路線という選択肢もあります。

序盤に活躍どころが少ないですが(屋敷を廃棄しづらいため)、改築は終盤に銅貨や銀貨を屋敷や公領に換えられますし、石工は銀貨を屋敷2枚にしてくれますし、開発は銀貨をシルクロードと屋敷に変えてくれます。勝利点カード比率が高くなれば偵察員もその分だけ効果が高くなるはずですが、シルクロードと同じ4コストなので購入タイミングが難しいでしょう。

島、大広間、坑道ほどではないですが、その他の特殊勝利点があっても役に立つでしょう。
6金に届けば貴族、ハーレムは嬉しい存在になります。
庭園や公爵の場合、シルクロードのサポートにこれらの勝利点を買う場合よりも、庭園や公領・公爵風にプレイして、庭園が切れた場合や、公爵デックで4金しか出なかった場合にシルクロードは良い追加勝利点になってくれるでしょう。

庭園場ほどではないですが、秘密の部屋系などで購入力維持に気をつけてプレイしている場合は、普通のデックより呪いや廃墟に耐性はあるでしょうし、民兵系のアタックにしても中盤以降は捨てるカードに困ることは少ないでしょう。
ただし幽霊船や大衆、占い師のような「次に引くカードを劣化させる」アタックに対しては弱くなりますし、破壊工作新、騎士、詐欺師などのシルクロードを破壊するアタックも胃が痛くなるでしょう。盗賊の場合は、自分も盗賊を使えば壊されても拾えますが、自分が盗賊を使っている余裕は少ないでしょう。
購入力維持のために銅貨ですら大事になることが多いため、金貸し、借金、香辛料商人といったカードをプレイする余地はデックにない場合が多いでしょうし、屋敷を廃棄しづらいために交易人をプレイする余裕もない場合が多いでしょう。銅貨も屋敷も廃棄しづらいとなると、他プレイヤーが司教をプレイする場合は、そのVPトークン分のビハインドをそのまま背負うことになります。

遊牧民の野営地(ゆうぼくみんのやえいち:Nomad Camp)
異郷・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを購入
+2コイン

                                                • -

このカードは、獲得したときにあなたのデッキの上に置く。

関連の強いカード
+)庭園、賢者の石/愚者の黄金/ポーション・カード

獲得時に山札のトップに置かれるため、1ターン目に購入すれば、2ターン目にアクションカード(遊牧民の野営地)をプレイできることになります。初手「4−3」であれば上手くいけば(確率40%)で「4(遊牧民の野営地購入)−5」スタートになりますし、残り60%も「4−4」の上で銅貨が底に残るため、2周目の購入確率が少し良くなります。
例え「3−4」からの2ターン目の購入であっても、2周目(3ターン目)に底沈みせずに確実に銀貨相当カードをプレイできるのは、確率的には良手であることが多くなります(もちろん、1ターン目に購入したカードや、今後のプレイ方針次第ですが)。
また初手5−2の場合で5コストにも2コストにロクなカードがない場合、初手を「遊牧民の野営地購入(銀貨相当)−4(最悪でも3)」に修正する為に1ターン目に購入される場合があります。2−5の場合は、あきらめましょう。

その他の考え方としては木こりとほぼ同じですが、やはり獲得時に山札の上にのる影響がかなりあり、「残り山札にアクションカードが残っていなくて将来的に+購入がほしいから、ここで遊牧民の野営地購入」とか、「将来的に+購入はほしいけど、ここで遊牧民の野営地を獲得しても、次のターンにターミナル・アクションが被るだけだから見送り」とか、コンボ・デックで2金、または+購入がほしい時に「鉄工所で遊牧民の野営地を獲得して、即座に研究所で引いてプレイ」などといった展開が可能となります。

よろずやよろずや:Jack of All Trades)
異郷・4コスト・アクション
【能力】
銀貨1枚を獲得する。
あなたのデッキの一番上を見て、そのカードを捨て札にするか、そのまま戻すかをする。
あなたの手札が5枚になるまでカードを引く。
あなたは手札から財宝以外のカード1枚を廃棄してもよい。

関連の強いカード
+)属州場、避難所場/+アクション付きでドローのないアクション/(村+)秘密の部屋系、圧縮カード、前哨地/(対抗)民兵系、役人など、呪い・廃墟
−)植民地場/ドロー・カード/(対抗)司教、保管庫

屋敷を廃棄しつつ、銀貨獲得して、手札が5枚まで引くので、そのターンの購入もある程度保証され、民兵系や呪い・廃墟系のアタックに対する対抗手段にもなりと、非常に有用なカードとなります。
それこそ、属州場でよろずやがサプライにある場合、「よろずやステロに勝てるプレイングがあるか?」という点から初手の検討が始まるとすら言えます。

書庫系カードの一枚になるため、手札枚数は減るけれども+アクション付きで何かするカードと相性が良くなります。初手でよろずやと組み合わせられる3コスト以下に絞っても「地下貯蔵庫、手先、灯台、原住民の村、停泊所、村落、岐路、従者、蝋燭職人、貧民街、漁村、倉庫、見張り、オアシス、採集者」辺りが上げられ、初手で組み合わせられない4コスト以上にすると広場、祝祭、改良、屑屋、秘術師、建て直し、大学なども含まれます。
村(避難所場の共同墓地含む)と組み合わせると圧縮カード(鍛造など含む)や、秘密の部屋や物置、馬商人もといったカードも組み合わせ候補にあがります。前哨地このコンボも考えられます。
廃棄カードとして考えると、廃棄対象が限定的ですが、青空市場との併用も考えられますし、廃棄するカードとして考えると封土や従者を廃棄するカードとしても考えられます。
銀貨製造装置として考えると、礼拝堂や公領・公爵プレイにも使えますし、庭園やシルクロード・プレイにも使えなくはありません(屋敷が廃棄しづらいですが)。

書庫系カードとして考えると民兵系カードの対抗策になりますし、役人などの山札トップを汚すカードに対してもそのカードを捨て札に落とすことで対抗でき、呪いや廃墟も廃棄できます。役人や海の妖婆の場合、山札トップにある屋敷や呪いを廃棄するか、捨て札にしてドローを優先するのかを選べます。
まさに「よろず」に対応するカードと言えます。

銀貨の立ち位置が微妙となるので植民地場では使うかどうか考える必要がありますが(それでも屋敷廃棄と序盤の銀貨獲得のために初手に1枚は買われることはある)、属州場では非常に高い性能を誇ります。
屋敷場でも避難所場でも使えますが、どちらかというと共同墓地との連携や草茂る屋敷の廃棄分、避難所場の方が序盤から派手に動ける場合が多くなるでしょう。
また、他人がよろずやを使っている場合、司教や保管庫は使いづらくなるでしょう。

苦手とする環境としては、研究所や船着場、策士のような手札にカードが溢れえるプレイを目指す場合や、議事堂が横行するような環境で、書庫同様、途中からよろずやの効果は低くなるでしょう。
ただし、その場合も「屋敷廃棄と序盤の銀貨獲得のため」に初手には買われることが多いでしょう。

あと、ここで言うべきことではないかもしれませんが、村落と並んで「オンラインでプレイする際に処理ミスを引き起こすことの多いカード」の筆頭と言えます。