暗黒時代3

基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、プロモギルド、に続いて個別カード解説の暗黒時代編です。
今回は、暗黒時代0暗黒時代1暗黒時代2に続いて暗黒時代の個別カードの5〜6コストです。
※「関連の強いカード」の書き方が乱れてきていますが、その辺は気にせずに「関連のあるカード」程度の認識で見てもらえたらと思います。
※偽造通貨、伯爵の記述に間違いがあったので、修正しました。
【5コスト】
偽造通貨(ぎぞうつうか:Counterfeit)暗黒時代・5コスト・財宝カード

【能力】
1コイン
+1カードを購入
あなたはこのカードを使うとき、あなたは手札の財宝カードを2度使用できる。
そうした場合、その財宝カードを廃棄する。

関連の強いカード
+)青空市場/その他の金貨製造装置(坑道、予言者)/略奪品
−)石切場、護符、玉璽、隠し財産

財宝カードなので非常に使い勝手の良いカードと言えます。少なくとも初期のデックには銅貨が含まれているので、序盤に買って腐ることはありません。

偽造通貨を含む財宝カードをプレイする際の計算の仕方としては、
「全ての財宝カードのコイン量を合計した後に、廃棄する財宝カードのコイン量を足す」
方法で計算するとスムーズに行くかと思います。
特に、「8金出すために、どの財宝カードを廃棄すればいいのか?(銀貨?金貨?)」といったことを考える場合には、計算が容易になります。

比較しても余り意味のない話ですが、金貸しに比べると銅貨を廃棄した際のコイン出力も同じ上に、+購入はあるし、財宝カードなのでドロー・ステロなどでアクション数が切れた状態で引いても使えますし、銅貨以外の財宝カードも廃棄できるしと、かなり使い勝手が違います。

ルール的な話は長くなるため、今回は最後にまとめて行ないます。

ほとんどのサプライで単純に強いカードになります。序盤は銅貨を圧縮しつつ金量が出て、終盤は金貨などの高額コインを廃棄して金量を獲得しつつ+購入も付いてきます。
初心者には「サプライに偽造通貨があったら、最初の5金で偽造通貨を買いましょう」と指導しても問題ないのではないかと思ってしまいます。

銅貨圧縮(+購入)から、コンボ系のデックを組む際の相性は非常によくなりますし、移動動物園、救貧院などとの相性もよいでしょう。
高額コインを対象に出来ると強いので金貨製造装置(坑道+捨てる手段や予言者など)との相性はよくなりますが、特に青空市場は偽造通貨自身が金貨獲得のトリガーを引けるので非常に相性が良くなります。
廃棄置き場に財宝カードが増えることから、偽造通貨のあるサプライでは採集者も強くなりがちです。
逆に圧縮系のカードであることから、偽造通貨を使っていると破壊系(騎士、破壊工作員、詐欺師)や泥棒系のカードは苦手になることが多いでしょう。
破壊系でも盗賊は逆に廃棄した銀貨や金貨を拾えますし、墓暴きも同様に廃棄置き場の金貨を拾うのに使えます。

最後に、ルール的な話を。
財宝カードを廃棄せずに「1コイン、+1購入」の財宝カードとしてプレイすることが可能です。
対象にした財宝カードは廃棄されるので「(下線部に)このカードが場に出ているかぎり、〜」と書かれた財宝カード(石切場、護符、玉璽、隠し財産)に使用した場合、コイン量は1または2コイン増えますが、それぞれの効果(アクションカードのコスト−2など)は2回発生するのではなく、「発生しない」ことになります。
略奪品は略奪品の山に戻りますが「偽造通貨−略奪品」のプレイから7金が出ることになります。
借金、投機、禁制品、豊穣の角笛といったカードは、「このカードを使用する時〜」なので効果が2回発生し、その後に偽造通貨により廃棄されます。
豊穣の角笛の場合、偽造通貨で廃棄される前に種類数を数えます。1回目の獲得が非勝利点カードであれば、2回とも豊穣の角笛自身も数えた種類数で獲得します。1回目に勝利点カードを獲得した場合は、その時点でその豊穣の角笛が廃棄されます。それでも2回目の効果は発生しますが、(他に豊穣の角笛がプレイされていなければ)豊穣の角笛の1種類分が減るために、2回目に獲得可能なコストは1減ります。
(それ以前に愚者の黄金のプレイがない場合の)「偽造通貨−愚者の黄金」は、2回目の愚者の黄金は4金となる(2枚目以降のプレイとなるため)ので、「偽造通貨−愚者の黄金」のプレイから6金が出ることになります。
「偽造通貨−銀行」とプレイした場合、プレイした銀行自身も数えて2回分のコイン量が出ますが、1回目と2回目に出るコイン量は同じになります。銀行をプレイする前に他の財宝カードを対象に偽造通貨がプレイされた場合、廃棄した財宝カードの分は銀行のコイン量として数えられません。
不正利得の場合も、2回銅貨獲得の機会があります。
その他の基本財宝カードや賢者の石、埋蔵金、名品、王冠、ハーレムなどは単純にコイン量が2倍になるだけになります。廃棄されることを考えるとハーレムは対象にしづらいですね。
玉座の間のように「偽造通貨−偽造通貨−」と重ねがけでプレイすることも出来ます。
例えば「偽造通貨−偽造通貨−銅貨−銅貨」とプレイすると「+3購入、7金」となり「偽造通貨−銅貨、偽造通貨−銅貨」とプレイする(+2購入、6金)よりも偽造通貨が廃棄される分(+1購入、1金)が増えることになります。
また「偽造通貨−偽造通貨−」とプレイした上で、その後の財宝カードのプレイを1枚だけプレイして(または0枚としてプレイしない)、残りの財宝カードのプレイをパスすることも可能です。
ちなみに偽造通貨の対象に出来るのは手札からプレイされる財宝カードなので「偽造通貨−偽造通貨−投機」とプレイして残りの1枚分のプレイをパスした場合でも、投機でめくれる財宝カードを偽造通貨のプレイの対象にすることは出来ません。同様に投機で偽造通貨がめくれた場合、めくれた偽造通貨の対象にする財宝カードは更に手札からプレイする(もしくはパスする)ことになります。上記、「偽造通貨−投機」とプレイした場合、投機の処理を2回行ないますが、(そもそもめくれた財宝カード1枚毎に処理を行なうので間違いようがありませんが)偽造通貨ともう1枚財宝カードがめくれたからといって、もう1枚の財宝カードを偽造通貨の対象にすることは出来ません。

その他のトピックとしては、官吏と狂信者がサプライにある状態で、5種類以上のアクションカードと通常の財宝カード1種類以上をプレイした上で、手札に望楼を残した状態で「偽造通貨−豊穣の角笛」とプレイして、豊穣の角笛で1回目の獲得で官吏を獲得して「偽造通貨、豊穣の角笛、その他の財宝カード」を山札に戻し(山札のトップに偽造通貨、豊穣の角笛、その他のコインのでる財宝カードが来るように載せる)、2回目の獲得で狂信者を獲得しながら望楼で廃棄すれば3ドローがあるため、官吏で戻したうちの「偽造通貨、豊穣の角笛、その他の財宝カード」の3枚を引けます。また対象の豊穣の角笛が場から離れたため、偽造通貨による豊穣の角笛を廃棄する効果はフィズります(対象先がないため、効果が発生しません)。
再度「その他の財宝カード、偽造通貨−豊穣の角笛」とプレイし、官吏、狂信者を獲得して同様のプレイを行なっていき、官吏か狂信者がサプライから切れるまで繰り返すことが出来ます。繰り返すたびに官吏と狂信者がサプライから1枚減り、同時にプレイされる「その他の財宝カード、偽造通貨」の分だけコイン量と+購入が増えます。
例えば狂信者と官吏が10枚ずつサプライに残っている状態から発動すれば、狂信者と官吏の2山を山切れにした上で、購入で屋敷辺りを切らして一気に3山切れに持っていくことが出来ます。
まずここまで条件が揃った(「偽造通貨、豊穣の角笛、官吏、狂信者、望楼」が揃った上で5種類以上のアクションカードがプレイできるサプライ)上で、狂信者が余り買われていないことが前提となるので、正に夢コンボと言えますが。

狂信者(きょうしんしゃ:Cultist)
暗黒時代・5コスト・アクション−アタック−略奪者
【能力】
+2カードを引く
他のプレイヤーは全員、廃墟1枚を獲得する。あなたは手札の狂信者1枚を使用してもよい。

                                                • -

あなたはこのカードを廃棄したとき、+3カードを引く。

関連の強いカード
+)(廃棄時3枚に関連して)行進、弟子、改築系(墓暴き、拡張など)/大学/(対抗)破壊系(詐欺師、騎士、破壊工作員)カード
−)ブドウ園、庭園、念視の泉、収穫、品評会、移動動物園、死の荷車/交易人、望楼/圧縮カード、仮面舞踏会、堀、灯台

私が狂信者を説明する際には「呪いもどき(廃墟)をまく、研究所もどきのアタック・カード」と説明しています。
最後にアクションが消費され、他のアクションカードとは連鎖しませんが、狂信者自身の連鎖に関していうと、あたかも研究所をプレイしているかのように連鎖します。
理屈で言えば序盤のデックに2枚の狂信者が入っている場合の(廃墟をまく)速度は、(魔女2枚が被らなければ)魔女2枚が(呪いをまく)速度と同じであり、中盤に複数枚の狂信者をプレイする速度は、適切に村系のカードでサポートされた同枚数の魔女と同じはずです。
とはいえ、何も考えずに狂信者だけを買い続ける方が楽だし早くなることが多いでしょう。
中盤以降の速度は、感覚的には使い魔に近い(もしくはそれ以上の)感じがします。

狂信者にはアタックとしてかなりの速度で廃墟をまく側面と、研究所もどきのドロー・カードとしての側面があります。
ドロー・カードとして考えると廃墟が切れた後のことも考える必要があります。研究所もどきとして考えると、枚数が多ければ多い程強さを発揮することになります。
他に有用なドロー・カード (研究所系のカードや、村系+ドロー・カードの組み合わせ)があれば迷いますが、そもそもそういったカードがサプライになかったり、既にアタックのために狂信者をある程度買っている場合は、新たにデック構築を考えるよりも更に狂信者を重ねた方が早い場合も多くなります。

狂信者自身はターミナル・アクションなので、狂信者の連鎖を始める前に村系のカードを1枚プレイできるかどうかで、大きな差が生じることがあります。村系のカードがある場合はどのくらい村を入れるかでも悩むことになりますが、避難所場で+2アクションが共同墓地しかないとなると、共同墓地を引いているかどうかで大きな差が生じるのは切ない感じがします。

狂信者のプレイが明確にマイナスになりうる環境としては、サプライにブドウ園や庭園系(庭園、賢者の石)がある場合が考えられます。
また念視の泉は余り妨害にならない場合が多く、更に地下貯蔵庫などの手札枚数が活きるカードまでサプライにあると、簡単にマイナスになりえます。
収穫、品評会、移動動物園、死の荷車なんかも、逆用されることが多くなります。

狂信者を廃棄した際に+3ドローがあるので、終盤には改築系等と併せて利用することも考えられます。
行進だと最低7枚(2枚を2回引いて、狂信者廃棄で3枚。最初の4枚で別の狂信者を引いて連鎖できれば更に)は引いて+6コストのアクションが獲得出来ますし、弟子で廃棄すると8枚ドローになります。
大学で獲得して望楼のリアクションで即廃棄で3枚ドローみたいなことも出来ます。
ただし狂信者を廃棄すれば、その後の狂信者自身が連鎖する確率が減るので、終盤はともかく中盤はバランスを考えて行なう必要があります。

廃棄した際に保証があることを考えると破壊系(詐欺師、騎士、破壊工作員など)のカードには若干耐性があるといえるかもしれません。ただ、3枚引けてもデックの狂信者が減ればやはり痛いのは確かなので、狂信者があるからといって、これらの破壊系カードの点数は若干下げた方がいいかはわかりません(詐欺師は廃墟を呪いに出来るので更に評価が難しく、更に避難所場だったりした日には・・・)。

廃墟がきれることから都市は少し点数アップした上でデックが汚れるので点数ダウンし、デックが汚れることからゴーレムや吟遊詩人、狩猟団の点数は下がるでしょう。
伝令官や金物商(+アクションが生じやすい)に関しても、評価が変動するでしょう。

呪い同様、礼拝堂や仮面舞踏会などは対応策になりえますが、仮面舞踏会などは中盤の狂信者の速度に対応できるかは、その他の環境やプレイング次第と言えます。
堀、灯台以外に、望楼や交易人も対応策になります。4人戦の場合、狂信者が一番荒れ狂った一周に手札に交易人を引いていただけで勝ってしまうこともありえるでしょう。

狂信者は連打することが強みなので、大学がサプライにある場合は、一度しゃがむ(初手にポーション、2周目に大学で狂信者獲得は3周目)かどうかは、検討の価値があります(特に2人戦)。
逆に抑留がある場合、狂信者の点数は若干ダウンさせるべきでしょう。

2人戦の場合、序盤に忌避要因(圧縮など)があって狂信者の購入をお互いに避けた場合でも、中盤にデックの出来上がりに差が付いて自分が優位に立っている場合、そこから狂信者に手を出しても速度が早いので十分間に合って、しかも相手との差を拡げるのに役立つ場合があるので、途中からであっても、場合によっては考えてみても良いでしょう。

屑屋(くずや:Junk Dealer)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
+1コイン
あなたの手札1枚を廃棄する。

関連の強いカード
+)青空市場、封土、従者(+アタック・カード)/城塞/書庫系/共謀者/移動動物園/避難所場(草茂る屋敷)/(対応)呪い、廃墟系のアタック

最近、私の中で評価が急上昇中のカードと言えます。
以前は改良と比較して説明していましたが、最近は役割的には「交易場」(圧縮しつつ、そのターンの金量もある程度確保)の方が近いのかなと思います。
スピード・アップのために屑屋を複数枚投入した場合、すぐに廃棄したいものがなくなって屑屋で屑屋を廃棄する光景も良く見かけますが、その場合は多分、既に屑屋は十分に仕事を果たしている場合が多いでしょう。

屋敷・銅貨圧縮からコンボ系のデックとの相性もよいですし、移動動物園(被った銅貨や、場合によっては銀貨を廃棄できる)などとの相性も良くなります。

廃棄関連ということで青空市場、封土、従者(+サプライに強力なアタック)などが一緒にサプライがある場合は、有効利用できないか考える必要があります。また、城塞があれば、安心して複数枚の屑屋を入れ、圧縮の速度を上げることが出来ます。
+アクションで手札が減るという点では書庫系のカードとの相性は良くなりますし、アクションが連鎖することから共謀者との相性が良くなりますし、草茂る屋敷の廃棄時効果があることから屋敷場より避難所場の方が点数は若干高くなるでしょう。
もちろん、廃棄カードなので呪いや廃棄系のアタックへの対策になりますし、庭園などを目指す際には使うべきでないカードになるでしょう。

また+1ドローがあるので通常の圧縮カードよりはましとはいえ、民兵系のアタックを受ける場合には、若干使い勝手が悪くなるでしょう。
同様にプレイした場合に廃棄することが義務であるため、一応、ゴーレムや伝令官との組み合わせで予期せぬ廃棄が生じる危険がありますが、交易場などに比べれば危険は低いでしょう。特に伝令官をプレイする場合、どちらかというと屑屋などで圧縮をかけることは必須になるため(圧縮をかけない限り伝令官からアクションが連鎖する確率が低い)、序盤は屑屋を複数枚いれて圧縮を急ぐことが多いのですが、ある程度アクション比率が濃くなったら、全体のバランスを考えて屑屋で屑屋を廃棄したりして収束点を模索する必要があるという点で注意が必要と言えます。

山賊の宿営地(さんぞくのしゅくえいち:Bandit Camp)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+2アクション
略奪品の山札から略奪品1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)(略奪品との相性で)偽造通貨、採集者

基本的には「村+金量確保」となり、購入タイミング(他の5コストのアクションなどとの購入の順番)をよくよく考える必要のある村と言えます。
相性の良い組み合わせを考えると、村なので各種ターミナル・アクションとの相性は良くなりますが、その他、略奪品との相性から偽造通貨や採集者も上げられるでしょうか。
村であるため、襲撃者、略奪に比べると引ききり・コンボに使われることが多くなりますが、ある程度、山賊の宿営地を複数枚込みの引ききりデックが構築されると、特に+購入のない環境だと略奪品が余ってダブつくことがあります。そういった場合はデックの事故率を下げるため、略奪品の無駄撃ちを考えた方が良い場合があります。

建て直し(たてなおし:Rebuild)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
+1アクション
カード1枚を指定する。あなたのデッキから指定されたカード以外の勝利点カード1枚が公開されるまで、カードを公開する。
公開した他のカードは捨て札にする。
その勝利点カードを廃棄し、そのカードよりもコストが最大3コイン多い勝利点カード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)屋敷場、公領/盗賊、墓暴き/封土/坑道、青空市場/伯爵/倉庫、地下貯蔵庫、オアシスなど/馬上槍試合/(対抗)役人、占い師、大衆、密偵、海の妖婆、幽霊船
−)避難所場/特殊勝利点(公爵、品評会、大広間、貴族、ハーレムなど)/主に屋敷を対象とした廃棄カード(引揚水夫、再建、よろずや、交易人、隠遁者、弟子など)/偵察員

プレイングが結構特殊なカードと言えます。
建て直しがサプライにある場合、まず「屋敷場・避難所場」と「属州場・植民地場」の確認をする必要があります。
避難所場の場合、初期の勝利点が1コストの草茂る屋敷1枚のみとなるため、初手4-3スタートで初めから建て直しを目指すことは、屋敷場に比べると少なくなるように思います。避難所場でも初手5-2の場合は、「建て直し+屋敷(納屋廃棄)」から勝利点2枚状態で始められます。

建て直しを使う場合、序盤から建て直しに特化したプレイングと、中盤以降にサポートとして加える場合があります。

2人戦・属州場(特殊勝利点なし)の建て直し特化プレイングについては、いろいろなサイトでまとめられています。序盤の簡単な方針としては「まずは屋敷をなくす(全て公領に変換する)ことを優先する」となります(序盤は“公領”宣言で建て直しをプレイする)。デック内から屋敷がなくなり勝利点が公領と属州のみとなれば“属州”宣言の建て直しで常に「公領→属州」の変換が発生するようになります(残りの公領を全て手札に引いていなければ)。
逆にサプライから公領がなくなった状態で、デックに屋敷、公領、属州が混在していると“属州”宣言の建て直しで屋敷がヒットした場合に「屋敷→屋敷」の変換となり、“屋敷”宣言の建て直しでは属州がヒットした場合に「属州→属州」の変換となり、屋敷をなくして常に「公領→属州」の変換が出来るようにしている場合に比べて効率が悪くなります。
※ただし上記状態での“屋敷”宣言の建て直しは確実にサプライの属州を1枚減らすので、自分が勝っている状態では重要なことがあります。

後述の特殊勝利点の場合にも見られますが、複数の勝利点がデックに混在する場合、建て直しはその効果(プレイした際の結果)を制御しにくくなります。特に中間のコストの勝利点(公領など)が山切れになると、制御できないだけでなく効率も悪くなります。
属州場でまずは屋敷を優先して公領に変換する(公領を属州にするより優先する)のは、そのためと言えます。

序盤は5金出れば建て直しを購入し、中盤は公領を直接購入することになります。
建て直し特化をプレイングする時には、デック内の自分の勝利点の枚数と分布は覚えておいた方がいいでしょう。例えば屋敷2枚を公領に変換した状態で手札に最後の屋敷を引いているのに、建て直しを“公領”宣言でプレイするとデックが全て捨て札に落ちるだけになります。
また、ある程度はデック内の勝利点の位置を覚えていると都合がよいことも多くなります。
公領複数枚に、属州1枚、変換し残した屋敷1枚という状況(サプライに公領あり)で建て直しをする場合、通常“属州”宣言が多そうですが、山札にまだ屋敷が眠っている状態で手札や捨て札に属州があれば、“公領”宣言で最後の屋敷を公領に変換できます。

建て直し特化の場合、5金出すこと(建て直しと公領購入)と建て直しをなるべく使うことが重要になるため、倉庫や地下貯蔵庫のようなカードは有用となります。
また対戦相手が建て直し特化という場合、自分が建て直し特化どうかに関わらず、公領をめぐる争いは重要となります。建て直し特化の場合、直接8金は出にくいので、対戦相手が確保する公領の枚数が減れば、その分対戦相手が獲得可能な属州の枚数が減ると考えることが出来ます。

建て直し特化の場合、プレイの経過は大きく違いますが、勝利点の変動や速度は礼拝堂に似ているという印象があります。
そのため建て直し特化のプレイが獲得した公領を属州に仕上げるまでの時間内に、直接8金を出して属州を買い続けることの出来るデックを育てて属州や公領を買い続けることが出来れば、建て直し特化に十分対抗できます。
建て直しのあるサプライで建て直しプレイの流れに乗り損ねた場合は、中途半端に建て直しに手を出すより、8金出るようにデックを育てた方が良いこともあります。その場合、環境の速度が早く、また公領をカットして購入する必要があることから、概ねステロイド系のプレイングが正解になることが多いような気がします。
また建て直し自体は+アクションがあってアクション数は減らないので、序盤は触らなくても、公領がある程度確保できた場合、サポート程度の感覚で、そこからおもむろに建て直しを少々加えるプレイングもありでしょう。

属州場より植民地場の方が建て直しの効果は高くなる(属州→植民地は+4点)はずですが、ゲーム終了までの時間が長くなる分、「直接11金出るデック」を育てて間に合う可能性が、属州場の「直接8金出るデック」が間に合う場合よりも多いような気がします。
とはいっても環境(サプライ、各自のプレイング)次第なので、植民地場で建て直しに行くかどうかは、より検討が必要と言えます。

その他建て直しと関連の高いカードとしては、盗賊、墓暴きがあげられます。
これらのカードは属州獲得のために廃棄した公領を廃棄置き場から拾って再利用できます。
ただし墓暴きは公領が山札のトップに載る(次の手札に引いてしまう)ので、若干使いづらいところがあります(村があれば、村−墓暴き−建て直し−と、すぐに立て直せることもありますが)。

封土と一緒に建て直しがサプライにある場合、建て直しプレイ時に封土がヒットするような環境にすれば(例えば屋敷、封土のみデックで“屋敷”宣言で建て直しをプレイする)、建て直しをプレイするたびに銀貨が増え(建て直しの処理は封土を廃棄した後、サプライから別の封土を獲得)、ある程度銀貨が溜まったら、今度は逆に“封土”宣言で封土を保護しつつ封土を増やしていきます。デックにある程度銀貨があるため、封土や公領は十分購入できますし、属州を購入できることもあるでしょう。
避難所場の場合、草茂る屋敷は1コストなので、1回の建て直しで封土(4コスト)に変換出来ます。封土−建て直しプレイの場合も、盗賊、墓暴きは封土を拾えるためにキー・カードになります。

坑道をある程度デックに入れた後に“坑道”宣言で建て直しをプレイすれば、坑道が捨て札に落ちて金貨を獲得することが期待できます。
建て直しをプレイする毎に勝利点の廃棄が発生するために青空市場からの金貨獲得も期待できます。
建て直し特化の場合は坑道に寄り道する余裕はないので、坑道をいれてプレイする場合は建て直しはサポート的な使い方になると思いますが、青空市場の場合、ある程度金貨が獲得できれば、建て直し特化でも直接属州購入が期待できるようになります。

伯爵は直接公領を獲得できるので、序盤は圧縮して中盤以降の建て直しの回転率を高めつつ、中盤は直接公領を獲得したり、追加の建て直しのための+3金を提供できます。サプライや引き方によっては、伯爵による屋敷の廃棄もありでしょう。

馬上槍試合場で、建て直しで属州を速攻で獲得する(“屋敷以外”→“屋敷”宣言の2回の建て直しプレイで属州を獲得できる)プレイを見たことがありますが、これが本当に有効かは、褒章カードがどれだけ有効な場かによるように思います。
この場合、郎党が屋敷を獲得する件(建て直しの枚数を増やした場合、邪魔になる)は注意が必要です。また馬上槍試合から公領も獲得できるのですが、褒章カードがあらかた切れた後は、馬上−建て直しプレイをしている他プレイヤーの馬上槍試合に対して自分の属州を公開するかは考えた方が良い場合があります(公開すると獲得した公領が山札のトップに残るので建て直しで即属州になるけれど、公開しないと手札に引いてしまうので、その公領は建て直しの対象にならず、その後にプレイする建て直しで屋敷などがヒットする可能性が出てくる)。

山札のトップ・カードをめくることから、役人、占い師、大衆、密偵、海の妖婆、幽霊船といったアタックに対しては若干耐性が高くなります。役人や幽霊船は手札の勝利点を山札トップに戻せ、大衆も含めて山札トップの勝利点状況を確認した上で建て直しをプレイできるので、逆に喜ばれることすらあります。

山札をめくるということで薬師、(村+)航海士あたりとのコンボは考えられますが(地図職人は地図職人自身に要らないカードを捨てる機能がある)、建て直し場でそういった寄り道をしている暇はないことが多いでしょう。また偵察員は使いづらいでしょう(建て直しをプレイした後に偵察員をプレイすれば、次回の建て直しを引く率を上げてくれるでしょうが)。
賢者は、序盤は建て直しを引っ張って来てくれますが、中盤以降は公領、属州で止まる事が多くなるので微妙かもしれません。
建て直し特化の場合、もちろん5金は出したいですが、それ以上に建て直しをプレイすることが優先で、ある意味、建て直しがプレイできればそのターンは満足と考えると、中盤以降は民兵系のアタックの効きは悪くなりますし、建て直しプレイに前哨地を1枚足すのはありかもしれません(建て直しや公領と同じ5コストなので獲得タイミングは難しいでしょうが)。同様の理由で、呪い、廃墟系のアタックも中盤以降若干効きが悪くなるでしょう。

また引揚水夫、再建、よろずや、交易人、隠遁者、弟子などの「屋敷を廃棄する」ことが序盤の主目的のカードに関しては、建て直しプレイを目指す場合には使いづらいことになります。序盤から建て直しを使いたいなら、これらのカードは諦めるか、これらのカードを優先して、建て直しは使うとしてもサポート(屋敷は廃棄して、カットした公領を属州にする)とするかは考える必要があります。

また封土などの一部の勝利点を除いて、公領・公爵や品評会などの複数の勝利点をデックに必要なデックでは建て直しは使いにくくなりますし、大広間や貴族、ハーレムといった機能性のある勝利点がサプライにある場合は建て直しメインで貴族やハーレムはサポートに少々とっても最後は属州になってかまわないと考えるとか、これらのカードをメインとして建て直しは諦めるか、入れるとしても少量にするかといったバランスを考える必要があります。

建て直しが+アクションがあり(ターンの一番初めにプレイ可能)、また建て直し場は総じてスピードが速いこともあって余り発生しませんが、デックを引ききった(正確にはデック内の勝利点を全て引いた)後に引いた建て直しは、何もしません。
船着場を連打して引ききるようなデックの場合、中盤にサポートとして建て直しを1枚足すよりは、直接公領を買ったり、1ターンに属州2枚購入可能にするために更に金量を確保した方が良い場合があります。

地下墓所(ちかぼしょ:Catacombs)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
あなたのデッキの上から3枚のカードをみる。次のうち1つを選ぶ:「その3枚をあなたの手札に加える。」;「その3枚を捨て札にし、+3カードを引く。」

                                                • -

このカードを廃棄したとき、このカードよりもコストが少ないカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)坑道/改築系(行進)/(対抗)詐欺師、破壊工作員、騎士

強力なドロー・カードです。
ステロイドの一端としても、ドロー・コンボの一翼としても機能する一品です。

捨てることが可能なことから、坑道との組み合わせが考えられます。

一応廃棄時に獲得効果があるため、コンボ・デックに使っている場合の終盤にドローでなく改築系の種に使ったり(石工でばらせば庭園3枚取れるとか)、行進すれば6枚引いた上で次の機会に4コストのカードを行進で地下墓所に戻せるかも知れないし、詐欺師、破壊工作員、騎士などに廃棄されてもオマケが貰えるので若干耐性が高かったりしますが、参考程度に覚えておけばいいでしょう。

盗賊(とうぞく:Rogue
暗黒時代・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+2コイン
廃棄置き場にコストが3コイン〜6コインのカードがある場合、その中の1枚を獲得する。ない場合、他のプレイヤーは全員自分のデッキの上から2枚のカードを公開し、その中のコストが3コイン〜6コインのカード1枚を廃棄し、残りを捨て札にする。

関連の強いカード
+)封土、(建て直しの)公領/祝宴、略奪、鉱山の村、死の荷車/改築、鉱山系、司教など/街道、(村+)橋、王女/詐欺師、破壊工作員、騎士、海賊船
−)宝の地図、浮浪児/城塞、青空市場/秘密の部屋、物乞い/(注意)採集者

他に廃棄要素のない環境だとそれなりにアタック・カードとして機能しますが、他に廃棄要素がある環境だと、廃棄置き場のカードを拾うカードとなります(ルール的には廃棄置き場のカードを拾う場合でも、攻撃していませんがアタックになるので、馬商人や秘密の部屋でリアクションできますが)。

(他に廃棄要素がない環境で)アタックとして考える場合、城塞、青空市場や廃棄時にオマケのついているカード(地下墓所、狂信者、狩場)が出まわっていると嫌な感じですし、山札のトップを攻めるアタック・カードである以上、秘密の部屋や物乞いも苦手とします。
それ以外に、(自分に取って)いらないカードが廃棄置き場に落ちている環境も使いづらくなります。
盗賊をプレイした際に廃棄置き場に3〜6コストのカードが落ちていれば、そのいずれかを獲得するのは義務になります。中途半端に宝の地図を1枚獲得させられたり、盗賊をプレイする度に浮浪児を延々獲得させられるくらいなら、他の5コストのカードをプレイした方が有用なことは多そうです。

以下、廃棄置き場のカードを拾うという点で盗賊、墓暴きに共通の内容になります。

建て直しプレイ時の廃棄された公領獲得や、建て直しに限らず封土プレイ時の廃棄した封土の獲得は、ゲーム展開を根底から変えてしまう場合があるので(特に封土)、そういったプレイが予想されるサプライでは盗賊、墓暴きにも注意を払う必要があります。

略奪、祝宴といったプレイ時に廃棄されるカードは、盗賊、墓暴きで使いまわせることがあります。特に墓暴きは山札のトップに載せられるので、コンボ系の一環としては使いやすくなります。
鉱山の村について「鉱山の村プレイ(廃棄)、即盗賊、墓暴きをプレイして回収」ということも可能になります。
死の荷車の場合、死の荷車自身を廃棄してその後に盗賊や墓暴きで拾うことも考えられますが(死の荷車獲得時にオマケの廃墟も獲得することになりますが)、死の荷車で国境の村や宿屋を廃棄して盗賊や墓暴きで回収(獲得時効果が発生する)というコンボ的な動きも可能になります。
死の荷車に限らず、盗賊、墓暴きに加えて国境の村などがあり、さらに国境の村を廃棄する方法がある場合、少し考える必要があります。

その他、自分のプレイに限らず他プレイヤーのプレイの結果も含めて、改築系などのプレイや破壊系のアタックで廃棄置き場が豪華になりそうなら、それを狙って盗賊や墓暴きの点数はアップするでしょう。
コンボ系などで直後に盗賊や墓暴きをプレイできるなら、安心して金貨を属州に改築できるでしょう。また、盗賊自身も含めて詐欺師、破壊工作員、騎士、海賊船といったアタックがある場合、予期せず廃棄置き場が豪華になる可能性はあります。
採集者の場合、盗賊や墓暴きのプレイによってコイン出力がマイナスに変動することがあります。例えば、自分のターンに採集者で廃棄置き場にない銀貨を廃棄して即座に盗賊や墓暴きで拾えば、自分だけ一瞬の+1金を楽しめますし、他プレイヤーに廃棄置き場に1枚しかない財宝カードを拾われると、自分のターンの採集者の計算が狂うこともありえます。
あまりない展開ですが、採集者などで不正利得を廃棄して盗賊や墓暴きで拾いなおせば、他プレイヤーに呪いをまくことになります。

コスト依存の効果のため、街道や(村+)橋、王女の影響を受けます。
対戦相手の「街道−街道−玉座−盗賊」というアタックで属州が廃棄され、即座に対戦相手に拾われたりした日には、笑うしかないでしょう。

ルール的な話をしますと、「コストが3コイン〜6コインのカード」と書かれている場合は、ポーションをコストに含む錬金術師、賢者の石、使い魔、ゴーレム、支配は含まれません。
そのため、これらのカードは廃棄置き場にあっても墓暴きや盗賊で拾う対象になりませんし、盗賊や騎士のアタックでめくれても廃棄対象になりません。
逆にこれら錬金術師などのカードは「3コイン以上のカード」と書かれた破壊工作員の場合は廃棄対象となります。

墓暴き(はかあばき:Graverobber)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
次のうち1つを選ぶ:「廃棄置き場にあるコスト3コイン〜6コインのカード1枚を獲得し、あなたのデッキの一番上に置く。」;「あなたの手札のアクションカード1枚を廃棄し、廃棄したカードよりもコストが最大3コインまで多いカード1枚を獲得する。」

関連の強いカード
+)封土、(建て直しの)公領/祝宴、略奪、鉱山の村、死の荷車/改築、鉱山系、司教など/街道、(村+)橋、王女/詐欺師、破壊工作員、騎士、海賊船(ここまで盗賊と共有)
玉座の間、宮廷、行進/行商人(特に植民地場)/避難所場、従者+アタック・カード/青空市場/城塞/国境の村、宿屋/地下墓所、狂信者、狩場/(村+)秘術師/(対抗)廃墟(襲撃者、狂信者)
−)植民地場/(注意)採集者

かなり癖の強いカードとなります。
例えば廃棄置き場に「コスト3コイン〜6コインのカード」が1枚もなく、手札に他のアクションカードが1枚もない場合、墓暴きはプレイしてもなにも効果が発生しないカードになります。そのため初手から買われることは、まずないカードになりがちです。
墓暴きを使うには、墓暴きが活躍できる環境を整えてから(たまに勝手に環境が整うこともありますが)、使う必要があります。

盗賊と墓暴きは廃棄置き場からカードを拾うという点では似たような働きが出来ます。
※廃棄置き場から拾う際の動きに関しては、盗賊の項目を参照願います。

墓暴きと盗賊の一番大きな違いは、墓暴きが自分の手札を廃棄しながら高コストのカードを獲得することが可能な点になります(対して盗賊の場合は、他プレイヤーのデックから廃棄置き場へカードを引っ張ってくると言えなくもないですが)。

墓暴きのみを集めていって「墓暴きで別の墓暴きを属州に変え、次の機会に廃棄置き場に落ちた墓暴きを拾う」といったプレイも考えられますが、それだけだと、ほとんどの場合、スピードが足りないといった結果になりがちのようです。
また自分のカードを廃棄した後に、自分の別の墓暴きで回収する前に対戦相手の墓暴き(盗賊)に横取りされると、悔しい感じがします。

どちらかというと上手く使われている墓暴きのイメージとしては、引き切りデックなどに最終局面で加え、引ききった後に余った5コストのアクションを属州に変えて最後の属州獲得競争に勝つといった、最終盤での拡張に近い動きが多いように思います。

その他、墓暴き特有の話でいうと、玉座の間は1回目で廃棄、2回目で回収といった動きが取れるので、他プレイヤーに横取りされる危険なしに安心してプレイすることが可能になります。宮廷や行進だと話がややこしくなりますが、墓暴きの本質が「アクションカードを廃棄して拡張しつつ、廃棄したアクションカードを拾う」と考えると、他のアクションと比べて、墓暴きのプレイ回数を増やすカードは墓暴きプレイに取って有用と言えると思います。

改築系といえば行商人の話が出ますが、特に植民地場では行商人の墓暴きで11コスト(植民地)に届くので有用と言えます。ただし残念ながら廃棄した行商人は墓暴きで回収できません。また行商人以外に8コスト(+3で植民地の11コストに届く)のアクションが存在しないため、植民地場では微妙なことも多いでしょう。

共同墓地の分だけ避難所場では墓暴きは有利になりますし、従者と強力なアタック・カードのあるサプライなら、序盤から墓暴きをプレイする機会はあるでしょう。
盗賊とは逆に自身が廃棄することから青空市場や城塞は墓暴きと組み合わせてプレイすることが出来ますし、国境の村や宿屋は墓暴きの種に利用した後に再度墓暴きで拾って獲得時効果を楽しめますし、地下墓所、狂信者、狩場などの「廃棄時オマケつきカード」も墓暴きで廃棄すると属州を獲得しながらオマケを楽しめるでしょう。
山札のトップが確定できるので、「村−墓暴き(廃棄置き場から拾う)−秘術師」でそのカードを直ぐに手札に回収することが出来ます。

伯爵(はくしゃく:Count)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
次のうち1つを選ぶ:「カード2枚を捨て札にする。」;「あなたの手札のカード1枚をあなたのデッキの一番上に置く。」;「銅貨1枚を獲得する。」
次のうち1つを選ぶ:「+3コイン」;「あなたの手札全てを廃棄する。」;「公領1枚を獲得する。」

関連の強いカード
+)庭園、公爵、シルクロード/建て直し/坑道
−)民兵

これも癖の強いカードになります。
一般的には序盤に購入して廃棄に用い、中盤から+3コインや終盤なら公領獲得に利用されます。「大きな執事」と呼ばれることもあり、役割としては確かに執事に近い働きをすることが多いように思います。

またそういった一般的な動き以外に庭園や公領・公爵、シルクロード場で利用するといったことも可能です。
早々に伯爵を2〜3枚買って、庭園なら圧縮せずに毎回銅貨を獲得しながら公領(場合によっては庭園購入のための+3金)を得ればよいですし、公爵やシルクロード場なら、戻すか捨てるか銅貨を獲得するかは状況次第で、黙々と公領獲得(場合によってはシルクロードや公爵購入のための+3金)を得ればよいことになります。
庭園での動きは賢者の石でも応用可能です。

公領獲得から建て直しとの組み合わせも考えられますし、改良などがあるなら圧縮後に公領を改良して金貨を得るのも良いかもしれません。
捨てる処理を坑道に利用することも可能です。序盤に十分圧縮してから坑道を加えると、結構働いてくれます。

圧縮カードの常ですが、序盤に民兵系のカードがあると効率が悪くなります。
一応、村を経由して「村−伯爵(1枚戻す)−秘術師」や「村−伯爵(2枚捨てる)−書庫系のカード」といったことができることもあります。

ルール的に伯爵の廃棄で青空市場のリアクションを起動することはまず出来ませんので、注意が必要です。例外は下線部に”廃棄するとき、カードを引く”と書かれたカード(草茂る屋敷、ネズミ、狂信者)で、これらのカードの廃棄時のドローのタイミングは即時タイミングになっておあり、廃棄時リアクション(青空市場のリアクション)と同じタイミングとなります。そのため、ターン・プレイヤーが「廃棄時ドロー⇒廃棄時リアクション」の順に処理することを選び、廃棄時ドローの中に青空市場があれば、めでたくリアクションできることになります。

序盤の不要カード(銅貨、屋敷)が多い際に一気に廃棄するのは得意ですが、中盤にそこそこ有用なカードが増えてくると、廃棄に用いにくくなります。そのため、継続的に呪いや廃墟が送り込まれてくる環境での廃棄カードとして考えると微妙なこともあります。
ただその場合も、本当に環境がグダグダになっているなら「公領が獲得できればいいか」という話はあります。

はみだし者(はみだしもの:Band of Misfits)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
サプライにあるこのカードよりもコストが少ないアクションカード1枚をあなたが選び、そのカードとしてこのカードをプレイする。このカードはプレイエリアを離れるまで選んだカードとして扱う。

関連の強いカード
+)玉座の間、引揚水夫、死の荷車、男爵、移動動物園、貧民街、共謀者など/キャントリップのカード

ルール的にも面倒なカードと言えます。
例えば、「行進−はみだし者」とプレイした場合、行進で獲得するアクションカードのコストは6になります(はみだし者を“城塞”としてプレイした場合も)。また玉座の間、宮廷、行進の対象としてプレイされた場合、1回目と2回目以降のはみだし者のコピー元は自動的に同じカードとなり、途中で変更できません。
サプライにないカードはコピーできませんが、傭兵、狂人のような“サプライにない”とかかれた特殊なカードや、“山切れ”したカードを含みます。
プレイ中(場にある)限りコピー元のカードとして扱うので、例えば「行進−はみだし者(城塞)」とプレイすると、行進の処理後に手札に戻ってきます(なのに行進で獲得するカードは6コスト)。
逆に手札にある際は効果をコピーできるわけではないので、アタックを喰らった際にサプライに堀があっても手札のはみだし者でリアクションすることは出来ませんし、改築などで廃棄された場合にサプライに城塞があっても手札に戻すようなことはできません。
宝の地図の場合、はみだし者をプレイして宝の地図をコピーして、手札の宝の地図を併せて廃棄して金貨を獲得することは出来ますが、宝の地図をプレイして手札のはみだし者を廃棄することは出来ませんし、はみだし者2枚で宝の地図の金貨を獲得することも出来ません。
はみだし者で持続カードをコピーしたり、玉座の間や行進をコピー元としてその対象として持続カードをプレイした場合、次のターンまではみだし者は場に残ることになります。

はみだし者が活躍できるかは、サプライ次第のところはあります。
「特定の状況では非常に輝くけど、状況があわないと役立たず系」の4コスト以下のカード(玉座の間、引揚水夫、死の荷車、男爵、移動動物園、貧民街、共謀者、改築、村・鍛冶屋の村と鍛冶屋、坑道がない時の坑道を捨てるための装置など)がある場合は、チャンスといえます。5金出た場合ははみだし者を買い、5金出なかった時にそれらコピー元候補のカードを買うか考えれば良いことになります。
適合した状況でない場合に箸休め的に選択できるキャントリップ(願いの井戸など)があると完璧です。
ただしコピー先に考えているカードが「4人戦で他に村がないサプライの漁村」のような“明らかに山切れする”場合は、5金あっても、そのカードを直接買った方がよい場合も出てきます。
また、序盤は必要だけど終盤にはお役目終了なカードも、はみだし者で代用が可能なら検討して良いかと思います。

秘術師(ひじゅつし:Mystic
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
+1アクション
+2コイン
カード1枚を指定する。
あなたのデッキの一番上のカードを公開する。公開したカードが指定したカードの場合、それをあなたの手札に加える。

関連の強いカード
+)以下、参照

山札の2枚目を知る(準備する)必要のある願いの井戸や伝令官、浮浪者などに比べ、秘術師は山札の1枚目で良いので、取れる手段はかなり広くなります。

ザッとあげるだけで

秘術師連打の2枚目、浮浪者、真珠採り、願いの井戸、偵察員、密偵、薬師、地図職人、伝令官、見張り、金物商、吟遊詩人、へそくり、金貨袋(一部“該当せず”などで山札のトップに戻った場合を含む)

以下、あわせて村が必要ですが
中庭、航海士、開発、武器庫、ゴミあさり、伯爵、医者

他プレイヤーのアタック後の対応として
役人、密偵、海の妖婆、幽霊船、念視の泉、占い師、神託、(リアクション)物乞い

特殊な例として
アクション・フェイズ中に獲得した遊牧民の野営地や獲得したカードを望楼で山札に載せた場合、公爵夫人による山札トップの確認後、手札5枚以上のよろずやでの確認後

などが考えられます。
アクションを消費しないために村のない環境でも導入しやすく、寵臣(主に寵臣が山切れ後)や共謀者などとの相性も良くなります。

書庫系のカードと併用してプレイする場合、例えば手札に「秘術師、書庫」とあれば、書庫を打つ前に引いて嬉しいカード(祝祭など)を宣言し、引いても仕方ないカード(例えば銅貨と宣言した場合、秘術師の当たり外れに関係なく、書庫をプレイした後は一緒になる)の宣言は避けるようにしましょう。

略奪(りゃくだつ:Pillage)
暗黒時代・5コスト・アクション

【能力】
このカードを廃棄する。手札が5枚以上の他のプレイヤーは全員自分の手札を公開し、その中からあなたが選んだカード1枚を捨て札にする。略奪品の山札から略奪品2枚を獲得する。

関連の強いカード
+)盗賊、墓暴き/引き切りコンボ+購入(または略奪獲得カード)/行進、玉座の間、宮廷/青空市場
−)民兵系、寵臣/馬商人

効果としては強力なアタックですが使い捨てであるため、5金分の購入権(または獲得権)を使う価値があるかは考える必要があります。
逆に嵌れば1ターン相手を機能不全にできることもあるカードになります。

盗賊、墓暴きがあれば廃棄後に拾って使いまわすことが出来ます。

引き切りコンボで、通常の購入にプラスして毎ターン略奪を獲得できる場合(+購入や大学や祭壇のようなカードや前述の墓暴き、または街道+鉄工所など)、その後延々ロックされることになります。

略奪品の獲得のために略奪の廃棄は必須ではないので、行進、玉座の間、宮廷などでは4枚、または6枚の略奪品を獲得できます。行進の場合、6コストのアクションカードがサプライにあれば、更に獲得できるので非常にお得感が高くなります。
ただし、手札が4枚以下になったプレイヤーにはアタックの効果は及ばないので、注意が必要となります(総督や議事堂で手札が6枚以上になっていれば、2発以上食らわせることが出来ますが)。

一応、略奪が廃棄されるので青空市場でのリアクションが可能です。

名品ステロのようにデック内が均一なプレイに対しては効果が若干低くなりますが、キー・カードが明確なデックや、コンボ系の場合、ピンポイントで必要なパーツを抜いて、次のターンを機能不全にできる可能性があります。

手札が4枚以下になっているプレイヤーにはアタックの効果が及ばないので、他の民兵系のカードがプレイされている環境では使いにくくなります。
浮浪児、傭兵や寵臣が蔓延るような常時手札が減っている環境ではかなり点数が下がりますし、馬商人でリアクションされるとかなりガッカリします。
収税吏とはライバル関係で先にプレイした方が、後にプレイする方の効果を殺してしまうことになります。

騎士※(きし:Knights)
暗黒時代・5(4)コスト・アクション−アタック−騎士

【能力】
他のプレイヤーは全員、自分のデッキの上から2枚のカードを公開し、その中のコスト3コイン〜6コインのカード1枚を廃棄し、残りを捨て札にする。このカードによって騎士が廃棄された場合、このカードを廃棄する。

このカードを使用する各ゲームの開始前に、騎士の山札をシャッフルする。
騎士の山札は、購入や獲得できる一番上のカード以外はすべて裏向きにする。

関連の強いカード
+)盗賊、墓暴き(騎士も拾える)/街道、(村+)橋、王女/(注意)品評会
−)植民地場/秘密の部屋、物乞い/城塞、ネズミ、封土/狂信者、地下墓所、狩場/役人、名品、よろずや、行商人

以前は破壊工作員と似たカードに考えていましたが、破壊工作員よりもダメージが大きいことが多いカードになります。
デックの根幹になる5コストのアクションや金貨がヒットした場合に、破壊工作員は銀貨相当のカードが補償されますが、騎士の場合すっぱり廃棄となるのでデックが総崩れになることがあります。

またトップにめくれるカードによって展開がかなり変わることがあります。
サー・マーチン(+2購入)、デイム・ジョセフィーヌ(2勝利点)がめくれると、騎士購入がそこで止まることが多く、初期にサー・ヴァンデル(廃棄時金貨獲得)がめくれても同様のことが言えます。
逆に村のない環境だと、デイム・モリー(+2アクション)がめくれたら我先に買われるでしょう。

ルール的な話ですが、ポーションをコストに含むカードは、その時点で騎士の廃棄の対象外になります。破壊工作員の場合は、錬金術師のようなカードも廃棄の対象になります。

廃棄したカードは(騎士も含めて)盗賊、墓暴きで回収出来ます。
コスト依存のアタックであるため、街道などの影響を受けます。

騎士は10枚とも別々の種類になるため、品評会にとってはチャンスでありますが、逆に騎士のアタックで、騎士自身や品評会などもバタバタ倒れていくので、灯台などで十分防御を固めない限り計算できなくなります。この傾向は他の特殊勝利点、公爵、庭園、シルクロードなどでも言えます。

また騎士がサプライにあると礼拝堂などの高圧縮プレイはやりにくくなります。

逆に3〜6コストという制限上、金貨は壊せますが、白金貨には歯が立ちません。植民地場では点数が下がりますし、山札のトップを攻めるアタックである以上、通常の灯台などの防御以上に秘密の部屋や物乞いを苦手にするところがあります。
城塞、ネズミがいてもやる気はなくなりますし、封土も嫌な感じでしょう。狂信者、地下墓所(終盤なら狩場)が良く使われている場合も、騎士の点数は少し下がりそうです。役人、名品、よろずやなどの銀貨製造装置がある環境も威力が減りますし、行商人ラッシュの後もヒット率が下がるでしょう。

サー・マイケル(民兵効果)に関しては、攻撃能力は最も高く、民兵効果でゲームが長引けばサー・マイケルをプレイする機会も増えるといえますが、デイム・ジョセフィーヌ(2勝利点)やサー・ヴァンデル(廃棄時金貨獲得)同様、自分への寄与がまったくないカードとなりますので、初手5-2のような時に買うかどうかは考えた方が良いように思います。

デイム・アンナ(2枚廃棄)は、騎士場で圧縮して大丈夫か?という疑問はありますが、圧縮が進むにつれて騎士の相打ちの確率も高くなります。
2人戦で、対戦相手より騎士数で勝っているような局面では、相打ち上等で積極的に圧縮するのもありでしょう。


・サー・ヴァンデル(Sir Vander)
【能力】

                                                • -

あなたはこのカードを廃棄したとき、金貨1枚を獲得する。

・サー・デストリー(Sir Destry)
【能力】
+2カードを引く

・サー・ベイリー(Sir Bailey)
【能力】
+1カードを引く
+1アクション

・サー・マーチン(Sir Martin) ※4コスト
【能力】
+2カードを購入

・サー・マイケル(Sir Michael)
【能力】
他のプレイヤーは全員、自分の手札が3枚になるように捨て札をする。


・デイム・アンナ(Dame Anna)
【能力】
あなたの手札から最大2枚までのカードを廃棄してもよい。

・デイム・ジョセフィーヌ(Dame Josephine)
【能力】

                                                • -

2勝利点

・デイム・シルビア(Dame Sylvia)
【能力】
+2コイン

・デイム・ナタリー(Dame Natalie)
【能力】
あなたはコスト3コイン以下のカード1枚を獲得してもよい。

・デイム・モリー(Dame Molly)
【能力】
+2アクション

【6コスト】
狩場(かりば:Hunting Grounds)
暗黒時代・6コスト・アクション

【能力】
+4カードを引く

                                                • -

このカードを廃棄したとき、公領1枚または屋敷3枚を獲得する。

関連の強いカード
+)村系カード/(終盤)改築系のカード/(対抗)詐欺師、破壊工作員、騎士、盗賊

なんだかんだ言って4枚引けるカードは強力ですが、6コストということで狩場だけのステロイド・プレイは成り立ちづらいところはあります。
デック内のバランスを考えて購入する必要がありますし、やはり村系のある環境の方が安定して利用できるでしょう。

一応、廃棄時効果があるので、終盤に改築などの入ったコンボ・デックになっている場合は、狩場で引かずに狩場を廃棄することも考えてみる必要があります。

「改築(狩場)→属州獲得」で9点獲得できますし、「農地購入→手札の狩場廃棄」は11点獲得になります。
「石工(狩場廃棄)」で公領3枚の9点獲得や、シルクロードと屋敷3枚の獲得なども可能です。
狩場としてメインの役割ではありませんが、頭の片隅に置いておくと良いでしょう。

一応、詐欺師、破壊工作員、騎士などで破壊された場合も、オマケに公領を残してくれます。これは序盤では微妙ですが、終盤はありがたいこともあるでしょう。

祭壇(さいだん:Altar)
暗黒時代・6コスト・アクション

【能力】
あなたの手札1枚を廃棄する。
コスト5コイン以下のカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)5コスト(以下)の強力なカード/青空市場/公領・公爵/街道、(村+)橋、王女/(対抗)呪い、廃墟系のアタック
−)民兵

序盤に片方にだけ祭壇が買われ、研究所系や寵臣、総督、街道などのカードが延々獲得されていった場合、特に2人戦では追いつかないでしょう。
こういった枚数が増えるに従って効果が更に上がっていくカード(特にデックの回転力を上げる系のカード)のあるサプライでは、祭壇は強力なカードとなります。
特に2人戦ではその傾向が強くなります。逆に4人戦の場合は、直接そのカードを買わないと、祭壇で十分に獲得する前に山切れすることもあるので注意が必要になります。

序盤に獲得できると強力ですが、逆に、終盤になると公領獲得くらいしか使い道がない場合もあります。

建て直し場の場合、建て直しの獲得、公領の獲得、公領切れ後に公領に変換し損ねた屋敷の廃棄など、様々な役割を担います。
公爵場の場合、公領も公爵も5コストになります。

コスト依存の獲得のため、街道、(村+)橋、王女と組み合わせれば、効果が拡大します。

廃棄系なので青空市場も利用できますし、呪いや廃墟系のアタックに対する対抗策にもなりえます。
また民兵系のアタックに対しては、「祭壇で廃棄するだけ」のような状態になることも多いですが、逆に「民兵を喰らっても、1枚圧縮しながら5コストのカードを獲得できる」と考えると十分という話もあります。