暗黒時代2

基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、プロモギルド、に続いて個別カード解説の暗黒時代編です。
今回は、暗黒時代0暗黒時代1に続いて暗黒時代の個別カードの4コストです。
※「関連の強いカード」の書き方が乱れてきていますが、その辺は気にせずに「関連のあるカード」程度の認識で見てもらえたらと思います。

【4コスト】
金物商(かなものしょう:Ironmonger)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたのデッキの一番上のカードを公開する。あなたはそのカードを捨て札にしてもよい。捨て札にしてもしなくても、そのカードが…
アクションカードの場合、+1アクション
財宝カードの場合、+1コイン
勝利点カードの場合、+1カードを引く

関連の強いカード
+)工房系カード/複合勝利点(大広間、貴族、ハーレム)/秘術師、坑道
−)呪い系のアタック/避難所場

非常に強力な多機能キャントリップです。
序盤は4コストながらほぼ研究所以上として働き、デック内のアクション・カード比率が高まるにつれ変則的な村へと変化します。

※地下貯蔵庫のような不要な手札を利用するカードと併用せず、シャッフルが入らなければ
・屋敷がめくれて捨てる:3枚ドロー(最初の1枚、捨て札にした屋敷、屋敷がめくれた効果の1枚)と同等
・銅貨がめくれて捨てる:2枚ドロー(最初の1枚+1金得るので銅貨を1枚引いたのと同等)と同等
・(その他、参考例)呪いがめくれて捨てる:2枚ドロー(最初の1枚分+捨て札にした呪い分)

と言えます(屋敷や呪いは手札に引いても使い道がなく、捨て札に落ちても手札に引いた場合とかわりないとしています)。

貢物同様に実際にプレイしてみないと効果が確定しませんが、貢物と違って+1アクションがあるのでそこでアクションが途切れる危険はなく、また自分のデックのカードで処理するためにデックの方向性にあわせた結果が出やすい(デック内のアクション・カードが増えて+アクションがほしくなった頃には+アクションが出やすくなる)あたりが、貢物と違って非常に使いやすいカードになります。

デック内のカード・バランスで効果が変わるカードですが、2人戦などではあるだけの金物商と鍛冶屋系のドロー・カード数枚だけでもかなり強力なデックになります。
工房系の金物商を集めることが出来るカードがある場合は注意が必要です。
ただし、金物商自身もアクションなので金物商を多量に集めると金物商が村と化す確率が増えます。当たり前ですが村ばかりのデックは弱いので、そういう場合には生じた+アクションを利用するカード(上述の鍛冶屋など)を加えると効率が良くなります。

貢物同様で、デックに複合勝利点(大広間など)が入っている場合、金物商の効果もアップしますし、呪いがまかれると弱くなります(それでも呪いを捨てれば、2ドローに近い効果になりますが)。
また避難所場では(屋敷場に比べて)序盤の効果が落ちますが(納屋がめくれても捨てるだけ、共同墓地がめくれても2周目に+アクションが必要なことはない)、「屋敷場よりも効果が落ちるといっても、それでも十分に有用」となることが多くなります。

山札から何がめくれるかはデック内の各種類の比率で効果が変わるため、屋敷や銅貨を圧縮した場合や廃墟を撒かれた場合のようなアクション・カード比率が上がった環境では、金物商が村となる比率が高くなります。
その他、小技としては金物商プレイ後にめくれたカードを山札に戻す場合は山札のトップが分かっているので秘術師のプレイに役立ったり、捨て札にする点を坑道で利用できたりします。

吟遊詩人(ぎんゆうしじん:Wandering Minstrel)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+2アクション
あなたのデッキの上から3枚のカードを公開する。その中のアクションカードを好きな順番でデッキの上に戻し、公開した残りのカードを捨て札にする。

関連の強いカード
+)鍛冶屋などのドロー系カード/工房系のカード/秘術師、伝令官、願いの井戸、念視の泉/薬師/ゴーレム/会計所、隠遁者/坑道/共謀者/(対抗)幽霊船/呪い系のアタック
−)金貨などの高額財宝カード/廃墟系のアタック(襲撃者、狂信者)/借金、投機、冒険者、見張り、医者

アクションカードを引っ張ってくる山札操作としてはかなり強力なカードです。
ドミニオンを始めたばかりの頃に「初手に村(系のカード)を買うのは悪手」と習うことが多いかと思いますが、漁村や広場と同様に吟遊詩人もその教えを覆して初手に買われることの多いカードとなります。
初手に買う場合は3コストの優秀なアクションと併用ということが多いですが、単純に初手「吟遊詩人+銀貨」としても、2周目は吟遊詩人をプレイした際にキャントリップの上に更に山札が3枚めくれる(合計4枚山札を削る)ので地図職人(合計で最大5枚山札を削る)に近い働きをしつつ、2周目以降に買う鍛冶屋などのアクションカードのための準備を一歩早く進めていることになります。
4コストなので工房系のカードで集めることが出来ます。特に鍛冶屋のような4コスト以下のカードと、吟遊詩人と工房があるような環境では、乗り遅れて吟遊詩人の数を確保できないと敗北につながる可能性さえあります。

吟遊詩人と鍛冶屋などのドロー・カード複数枚のコンボは、それだけで強力なプレイとなりえます。普通の「村+鍛冶屋」に比べてアクションカードが繋がる確率が飛躍的に高くなります。全てのカードを引ききれなかったとしても比較的早い段階で「デック内のアクションカードは全て引き切って、山札は空、捨て札には吟遊詩人で落ちた銅貨や屋敷が積み重なっている」という状態には持っていけるので、アクションカードの回転率が非常に高くなります。
コンボ・デックを構築する場合、ある程度圧縮に力を入れてからデックを構築した方が早い場合も多いですが、吟遊詩人を使う場合は、圧縮が余り進んでいなくてもアクションカードを探し出してくれるという利点があります。そのため、圧縮前でもある程度デックが回ってくれ、また最低限の圧縮カードでも十分な速度で圧縮出来るため、その分余った購入を追加の吟遊詩人やドロー・カードに費やして更に安定性や、全カード引き切りにつなげることが可能、といった展開が期待出来ます。

注意点としては、全カードを引き切れるようになるまではプレイ途中のシャッフルについては注意が必要になります。吟遊詩人とドロー・カードでアクションカードを引ききって山札が空、捨て札に銅貨・屋敷が落ちているという状態で、全カード引ききれるパワーがないのに吟遊詩人やドロー・カードをプレイしてシャッフルを入れてしまうと、次のターンの手札が銅貨や屋敷のみの屑手札になってしまいます。プレイする時は山札の残り枚数には注意する必要があります。例えば吟遊詩人自身も、プレイすれば山札を4枚削る(1枚ドロー+3枚めくる)ことになります。

また金貨や白金貨も容赦なく流すことから高額財宝カードとの相性は良くありません。もちろん吟遊詩人プレイ後の最初の1枚で金貨を引いたり、吟遊詩人の後にプレイするドロー・カードなどで引く可能性もありますが、吟遊詩人で3枚めくれる際にめくれて捨て札に落ちる確率も結構あります。
デック構築の途中では、金貨より仮想コインを出すアクションで代用した方がデックが安定する場合があります。
ドロー・カードと併用して全て引き切る状態までもっていった場合は、その辺の問題も解消されます。

呪い系のアタックに対しては、呪いを捨て札に落として行くため若干耐性がありますが、廃墟を撒かれるアタックに対しては廃墟が山札に残る分相性が悪くなります。
アクションカードがめくれて山札のトップに戻る場合は、山札のトップを確認出来た状態になったとも言えます。アクションカードが1枚以上戻れば秘術師でドロー出来、2枚以上戻れば伝令官や願いの井戸で利用できます。
アクション以外のカードが山札から捨てられてアクションカードが山札に残るので念視の泉も即座に止まってがっかりする確率はかなり減ります。
薬師をプレイした後にプレイすれば、重要なカードを引きつつ、山札のトップの方に溜まっていた勝利点などを捨て札に落とすことが出来ますし、幽霊船で手札を戻さないといけない場合も、山札の2枚目以降は勝利点カードや銅貨などになるように戻せば、次のターンに吟遊詩人から入ればそれらのカードが捨て札に落ちるのでダメージが少なくなることがあります。逆に山札の最初の1枚はそのまま引いてしまうため、占い師に対しては特に対抗策になりませんし、大衆も2枚以上山札に戻る場合しか対策になりません。
ゴーレムをプレイする場合も、山札トップのアクションが何かわかっていればプレイしやすいことは多々あります。

逆に山札トップにアクション(一般的には有用なカード)が載ることから、その状態での借金や投機(次のターンに引くはずだったアクションカードを捨て札に流してしまう)や冒険者、見張りや医者(トップが廃棄したくないアクションなので使いづらい)との相性は良くない場合が多くなります。

銅貨や廃棄すべき屋敷や呪いを捨て札に落としつつ、必要な会計所や隠遁者をデックから掘り起こしていくため、これら会計所や隠遁者との相性は悪くないといえます。
また坑道を捨てる方法としても利用できます。ただし坑道から獲得される金貨は吟遊詩人と相性が良いわけではないので、最初から吟遊詩人と坑道を組み合わせるより、吟遊詩人(+その他アクション)デックがある程度出来上がってから、簡単な金量追加の方法として坑道を足した方が良い場合が多くなります。

行進(こうしん:Procession)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
あなたの手札のアクションカード1枚を2度使用してもよい。そのカードを廃棄する。そのカードよりコストがちょうど1コイン多いアクションカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)城塞/ネズミ/5コストのアクション・カード/国境の村(+5コストのアクション)/祝宴、死の荷車、略奪、抑留、島/地下墓所、狩場/墓暴き、盗賊/大市場(+5コストのアクション)/大広間、島、貴族/(対抗)廃墟
−)ならず者、商人ギルド、街道、浮浪児

プレイングも難しいですが、ルール的にも難しいカードと言えます。
例えば、「行進−はみだし者」とプレイした場合、コピー元(はみだし者でコピーするサプライにある4コスト以下のアクションカード)を選択した上で、そのカードの効果を2回プレイし(1回目と2回目ではみだし者のコピー元を変えることは出来ない)、その後、はみだし者を廃棄して「6コストのアクションカード」(コピー元のアクションカードのコストは関係なく、はみだし者の5コストを参照)を獲得します。また、もし「はみだし者」のコピー元が城塞だった場合、はみだし者が手札に戻りながら6コストのアクションカードを獲得することになります。

また「行進−持続カード」とプレイすると、次のターンに持続効果は発生するけれど場には行進しか残っていない(持続カード自体は既に廃棄されている)状態になります(以前、「廃棄された持続カードが墓暴きで拾われる」ため、廃棄されたアクションカードをマーカー代わりに場に残すことさえ出来ないという酷い場を経験したことがあります)。

行進の対象として2回プレイされたアクションカードは廃棄されて場に残らないため、カード中の下線部に「場に出ている限り〜」と書かれたカードは、その下線部の効果が発揮されなくなります。具体的にあげると「ならず者」(VP獲得部分)、「商人ギルド」(コイン・トークン獲得部分)、「街道」(コスト低減効果)、「浮浪児」(廃棄して傭兵を獲得する効果)といったカードの効果になります(似たような効果ですが橋のコスト低減効果は下線部の効果ではなくプレイ時に発生するので、行進でプレイしても「橋は場に残らないけれど」2コスト低減+2コイン+2購入が発生します)。

逆に祝宴、死の荷車(自身を廃棄する場合)、略奪、抑留などの「アクションの処理としてこのカードが廃棄されるけれど、効果の発生にその廃棄が必須でないカード」については、玉座の間と同様、これらのカードの効果を2回処理した後に、廃棄したカードの+1コストのアクションカードを獲得します(元になったアクションカードが行進の廃棄処理の前に廃棄されていても、関係なく獲得します)。
島も、島自身と手札の2枚のカードが脇に置かれた上で、5コストのアクションカードを獲得します。
※逆に例えば狂人のように「〜する。 “そうした場合〜”」と書いてあるような場合は、行進や玉座の間(宮廷)の対象としてプレイしても、2回目は指定の処理(山札に戻すなど)が出来ないので効果が発生しません。
鉱山の村の廃棄時の+2コイン(〜廃棄してもよい。そうした場合、+2コイン)も、行進で2回発生させることは出来ません。ただし、+2コインのための廃棄をしなくても行進によって廃棄され、+2コインのために廃棄しても行進による5コストのアクションカードの獲得は生じるため、廃棄のやり得とも言えます。

行進をプレイした際に、行進の対象となるアクションカードをプレイするかどうかは選択できます。この点が玉座の間と違うところで、例えば「行進−行進−ドロー・カード」とプレイして、手札が属州と金貨ばかりで唯一のアクションカードが交易場といった状態になっても、「2回目の行進のアクションカードのプレイをパスする」という選択が出来ます(行進でなく玉座の間の場合、交易場のプレイは義務となるため、金貨や属州を2枚潰して銀貨を獲得する羽目になります)。
「行進−行進」とだけプレイして、2枚目の行進を廃棄して5コストのアクションカードを獲得するだけとすることも可能です。
ただし行進の対象としてアクションカードをプレイした場合、+1コストのアクションカードの獲得は義務なので、サプライに該当する+1コストのアクションカードが存在していれば、必ず獲得する必要があります(複数候補がある場合は、もちろん選択できます)。
また「行進−(ポーション+2金のアクションカード)」とプレイする「ポーション+3金のアクションカード」を獲得することになります(サプライに該当するコストのアクションカードがあれば)。

アクションカードが廃棄されても特に気にならないゲーム終盤(後は野となれ山となれ状態)であれば、ほぼ玉座の間として使用することが出来ます。そのため、特に行進に向いたサプライでなくても中盤に行進を加えると良い場合があります。

逆に序盤から行進を運用しようと思っても、「廃棄したアクションカードの丁度+1コストのアクションカードと」いう条件は場合によっては厳しく、行進を上手くプレイ出来るかはサプライ次第のところが大きく、それなりに行進に向いたサプライでも技術的に難しい場合が多くなります。
今回はその辺の全体的な話は置いておいて、行進と組み合わせて効果の高そうなカードについてのみ言及して行きます。

城塞は何度行進で叩いても手札に帰ってきて5コストのアクションカードを簡単に提供してくれる優良な組み合わせと言えます。獲得した5コストのカードを利用する際に城塞は村としても役立ってくれるので、かなりプレイしやすいでしょう。行進よりも制約が多いですが、ネズミも似たような感じでプレイできる場合があります。

また玉座の間のように「行進−行進−アクションカード2枚」といった行進を重ねるプレイをすることもありますが、この場合2枚目の行進も廃棄されて、5コストのアクションカードを獲得します。
行進がサプライにある場合、サプライ全体のアクションカードのコストの並びに注目することになりますが、特に5コストのアクションカードとの絡みが多くなることが多いので、研究所などの優良カードがあれば行進が使いやすいことは多いでしょう。

国境の村+5コストのアクションがあるサプライなら、「行進−5コストのアクション」とプレイして、5コストのアクションを廃棄時に国境の村を獲得して、国境の村の獲得時効果で5コストのアクションカードを獲得しなおすことが可能となります。

カードが廃棄される際に効果が発生するカード(地下墓所、狩場)ともコンボが考えられます。特に地下墓所は4コストに有用なアクションカード(村系など)があれば、4コストのカードを獲得しつつ、次の機会にその4コストのカードを地下墓所に変えることが出来ます。

墓暴き、盗賊がサプライにあると、行進で廃棄されたカードを廃棄置き場から拾えるので、色々と変な状況が起こりうるので注意が必要になります。

大市場がある場合、大市場獲得の一手段として行進が使えることがあります。
終盤に行進をプレイする際に、獲得する+1コストのアクションはどうでもいいことが多いですが、大広間、島、貴族といった「アクション−勝利点」カードがサプライにあって獲得できる場合は一考の余地があります。

「行進−廃墟」とプレイすれば、廃墟を廃棄できます(ただし救貧院がある場合は、救貧院の獲得になります)。廃墟の廃棄のためだけに行進を取るのは微妙かもしれませんが、他の利用方法がある際の判断材料にはなるでしょう。廃村が輝く(+2アクションが発生する)、数少ない機会でもあります。

また、もちろん金貸しや香辛料商人のようなカードに関して、ほぼ役目を果たし終えた後に別のカードに変換するのにも使えます。

ゴミあさり(ごみあさり:Scavenger)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
+2コイン
あなたのデッキをあなたの捨て札に置いてもよい。あなたの捨て札のカードすべてを見て、その中の1枚をあなたのデッキの一番上に置く。

関連の強いカード
+)へそくり/玉座の間、宮廷/会計所/秘術者/(対抗)密偵系、役人、幽霊船、大衆、海の妖婆、占い師など
−)借金、投機/(コンボの場合)民兵系、仮面舞踏会

強化宰相。何故1コストの差でこれほどの性能差なのかと思わずにはいられませんが。
閑話休題。その辺は宰相とゴミあさりが同じサプライに並んだ時にでも考えればいいことと言えます。

コンボとしてはまず「へそくり」とのコンボが挙げられると思います。
へそくり3枚とゴミあさり2枚を集めれば、以後「ゴミあさりをプレイ、山札を捨て札にしつつ、もう1枚のゴミあさりを山札として載せる、手札を引く際(シャッフルの際)に山札のトップ3枚にへそくりを載せる」という作業を繰り返すだけで、外部からの影響(民兵など)がなければ毎ターン属州が買えます。手札の5枚目(「ゴミあさり、へそくり×3」の4枚までは確定)に2枚目のゴミあさりを引くとコンボが止まる可能性が出てくるので、機会があれば3枚目のゴミあさりか4枚目のへそくりを獲得しておけば、「(外部影響がなければ)100%毎ターン属州を買える」コンボとなります。

同様のコンボとして「玉座玉座−ゴミあさり−ゴミあさり」コンボというのがあります。これは玉座の間とゴミあさりを4枚ずつ集めて(100%を期すなら5枚ずつ)、毎ターン「玉座玉座−ゴミあさり−ゴミあさり」とプレイすれば(ゴミあさり4回分で次回の玉座玉座、ゴミあさり、ゴミあさりを拾う)、同様のコンボが出来ます(現在プレイ中のカードは山札に載せられないので、2セット分の玉座とゴミあさりが必要となります)。集める枚数は増えますが、逆にパーツが全て4コスト以下になるので、工房系のカードがあるとかなりのスピードで揃うことがあります。

どちらのコンボにしても、コンボを崩し得る外部要因(民兵など)がある場合、それを撃たれたターンにはほぼ対抗のしようがないという問題はありますし(手札が4枚まで固定されているため、また5枚目に属州を引いた場合を考えると仮面舞踏会がサプライにあってもちょっと避けたい)、8金しか出ないので植民地場では微妙ということはあります。
玉座の間でなく宮廷がサプライにある場合は毎ターン11金出せる可能性がありますが(「宮廷−宮廷−ゴミあさり−ゴミあさり−」とか、宮廷3回目に堀を入れれば、アタックからもガード可能になります)、パーツのコストが高くなるために準備に時間がかかります。

会計所にとっても非常に強力なパートナーとなりえます。
「村−ゴミあさり(山札を全て捨てて、会計所を山札に載せる)−村−会計所」とつなげれば、いつでも最大火力の会計所を楽しめます。
また村がなくても、山札の上の方で引いて役に立たずに捨て札に落ちた会計所を、ある程度捨て札が肥えた時点で「山札を捨て札にせずに、捨て札の会計所を山札のトップに載せる」ことで、次のターンに会計所の一撃が生じます。

こういったコンボを除いて考えても、ゴミあさりはデック中の強力なカードを使いまわす回数を増やすため、強力なカードと言えます。

例えば、2周目に被る危険性はありますが初手「ゴミあさり−礼拝堂」で始めれば礼拝堂を確実にプレイする回数が増やせるでしょうし、大使館のような強力なカードを使いまわすためにも使えます。
キー・カードと言えるような強力なカードのあるサプライで威力を発揮するカードと言えます。
2周目に5金出れば良いサプライ(無理に6金出さなくても、5コストに強いカードがある)ならば、初手「ゴミあさり−倉庫(地下貯蔵庫)」などで更にデックの回転率をあげるプレイが良い場合もあります。

ちなみに捨て札から山札に1枚拾う処理は義務ですが、山札を捨て札に落とすかどうかは、宰相と同様に選択(しなくても良い)となります。
そのため、「村−ゴミあさり−ゴミあさり」とプレイした場合、2回目のゴミあさりで山札を捨て札に落とす処理をパスすれば、山札に有用なカード2枚を載せることが出来ます。

また村が必要となりますが、「村−ゴミあさり−秘術師」とプレイすれば秘術師を確実に当てることが出来ます(ゴミあさりを2連打してアクションが残るなら願いの井戸でも可能)。
ゴミあさりを2連打出来るなら、次のターンのために宝の地図(浮浪児)を2枚載せることも可能です。
またその暇があるなら、不要カードを載せて原住民の村送りにしたり、見張りや医者、借金で廃棄したりするようなことも出来ます。
逆に山札に載せたカードを引く前に種類が対応しない借金や投機、ゴーレムや冒険者、賢者などといったカードをプレイすることになると、折角載せたカードが流れることになるので注意が必要です。
また、山札のトップにのせて次のターンの手札に引いたキー・カードも、寵臣が蔓延るような環境では流されることも多くなって、ガッカリすることが多くなります。

またシャッフルが頻繁に起きるので、コンボなどでドロー・カードと併用する場合、シャッフル問題(有用なカードが場や手札に多くあるのにシャッフルを入れてしまって、屑ばかりの山札を作ってしまう)にも注意が必要となります。ただし、ゴミあさりがある程度入ったデックなら、ゴミあさりを引きさえすればシャッフルは起きるので、そこまで気にする必要がない場合もあります。

宰相同様、ゴミあさりで山札を捨て札に落とす効果では坑道の効果は発動しません。ただし、(村+)ゴミあさりで山札トップを坑道にして、ピンポイントでオアシスやよろずや、借金、投機などで捨てることは可能です。
また宰相同様に、一応山札のトップを汚すようなアタック(海の妖婆など)に対する小さな対応にはなりえます。

死の荷車(しのにぐるま:Death Cart
暗黒時代・4コスト・アクション−略奪者

【能力】
+5コイン
あなたの手札からアクションカード1枚を廃棄してもよい。そうしない場合、このカードを廃棄する。

                                                • -

あなたはこのカードを獲得したとき、廃墟2枚を獲得する。

関連の強いカード
+)植民地場(白金貨)、馬上槍試合、宮廷/望楼/はみだし者/玉座の間、宮廷、行進/青空市場/城塞/避難所場(共同墓地)/庭園、ブドウ園/収穫、品評会/(対抗)襲撃者
−)吟遊詩人、狩猟団/支配

これも癖の強いカードですが、まずはルール的な話から。
このカードをプレイした際に「手札のアクションカードを1枚廃棄しない場合、このカード(死の荷車自身)を廃棄する」ことが強制されますが、死の荷車が廃棄できない場合に、他のアクションカードを廃棄することは強制されませんし、その場合(死の荷車、もしくはその他のアクションカードの廃棄がない場合)でも+5コインは発生します。
何が言いたいかというと、「玉座の間(宮廷、行進)−死の荷車」とプレイして1回目に死の荷車自身の廃棄を選択した場合、2回目(宮廷なら3回目も)は何も廃棄しなくてもさらに+5コインを受取ることが可能ですし、行進でプレイした場合は、その上で更に5コストのアクションカードを獲得します。
死の荷車を獲得した際の2枚の廃墟の獲得は強制であり、例えば詐欺師や道化師のような他人のアタックの影響で死の荷車を獲得した場合も廃墟込みで取らされることになります。

特に初手で購入する場合は2周目に死の荷車と廃墟を一緒に引けるかどうかで大きな差が生じます。初手の購入時に、可能であればもう一方のカードは倉庫などの山札操作カードと一緒に購入したり、そういったカードがない場合でも、もしもの時のことを考えて銀貨でなく低コストのアクションカードを購入するかどうかは検討してみる必要があるでしょう。共同墓地(アクションカード)が最初からデックにある分、避難所場の方が初手で購入しやすくなります。
初手に購入する場合は、1〜2回は他のアクション(廃墟)を廃棄して金貨などを購入して先手を取りつつ、中盤以降は使い捨てといった形が多いでしょう。
鉱山の村などと同様、終盤は死の荷車を維持する必要性はかなり低くなっているので使い捨てることが多くなりますし、金貸しのような役目を終えたアクションカードがある場合も使いやすくなるでしょう。

+5コインを使って先手を取るということで、白金貨や馬上槍試合での属州、宮廷などの強力な高コストのカードを先行して獲得する際に威力を発揮します。死の荷車がサプライにある場合は、そういったカードがないかは確認する必要があるでしょう。

その他のコンボとしては、望楼がある場合「4金+手札に望楼」の形で「死の荷車と廃墟1枚を山札に載せつつ、余った廃墟1枚は廃棄」といったプレイが出来るため、死の荷車が使いやすくなります。
また、死の荷車というよりはみだし者の効果というべきですが、死の荷車とはみだし者がサプライに並存する場合、はみだし者の威力が増すことが多いので注意が必要でしょう。

玉座の間(宮廷、行進)といったカードと併せて使うとお得なことがあります。
廃棄関連ということで青空市場もあれば美味しい事があるでしょうし(金貨を生み出したり、非常時には死の荷車の維持に使われたり)、引き切りコンボのような場合は城塞があると安定して市の荷車を運用できるようになります。

廃墟獲得で種類数を増やすということで、収穫や品評会などとの相性は良くなりますし、逆に吟遊詩人や狩猟団との相性は良くないでしょう。
ゴーレムや伝令官との相性も良くはないですが(めくれた際に勝手に発動するため)、最悪、死の荷車を廃棄すればいいので、交易場などの圧縮カードほどではないとも言えます。
支配がサプライにある場合、対戦相手が支配をプレイしてくるなら安易な+5コインを提供することになりかねません。

また廃墟で死の荷車を維持できるので、他プレイヤーが襲撃者をプレイしてくるような場合、それを逆に利用できることがあります(狂信者まで行くと、廃棄が間に合わなくなることもありますが)。

また変わったところで死の荷車獲得によりアクションカードが3枚増えます。そのため庭園やブドウ園との併用も考えられます(プレイすると1枚カードが減りますが、+5金あれば埋め合わせが十分できることは多いでしょう)。
こういった場合、プレイ人数によって廃墟のサプライの枚数が変わることには注意が必要となります。4人プレイの場合は廃墟30枚なので死の荷車が10枚全て売れても廃墟は10枚残り、他に襲撃者や狂信者がなければまず廃墟が切れることはありません。3人プレイなら死の荷車10枚が売り切れると同時に廃墟の山も切れ、2人プレイなら5枚の時点で切れて以後の死の荷車には廃墟が付いてきません。
2人戦では、こういった廃墟の山切れが3山切れに関係してくることがあります。

襲撃者(しゅうげきしゃ:Marauder)
暗黒時代・4コスト・アクション−アタック−略奪者

【能力】
略奪品の山札から略奪品1枚を獲得する。他のプレイヤーは全員、廃墟1枚を獲得する。

関連の強いカード
関連の強いカード
+)賢者、画策/(略奪品との相性で)偽造通貨、採集者
−)交易人、望楼/ブドウ園、品評会、庭園、賢者の石、収穫、移動動物園、死の荷車、採集者、念視の泉、都市/ゴーレム、吟遊詩人、狩猟団、道化師

略奪品(りゃくだつひん:Spoils)
暗黒時代・0*コスト・財宝カード

【能力】
3コイン
あなたはこのカードを使用するとき、このカードを略奪品の山札へ戻す。
(このカードはサプライには置かない。)

関連の強いカード
+)偽造通貨、採集者
−)詐欺師、泥棒/0コストであること

襲撃者の話をする前に、襲撃者で獲得する略奪品について話をしたいと思います。
略奪品は「襲撃者、山賊の宿営地、略奪」をプレイすることによってしか獲得することが出来ない、0コストの特殊な財宝カードになります。
※正確には他に泥棒で他プレイヤーから奪ったり、獲得ではないですが仮面舞踏会でまわって来たりする場合もあります。

財宝カードとしてプレイすると、(3コインを出した後に)略奪品の山に戻っていくため「使い捨ての金貨」と呼ばれることも多いようです。
3コインを出す効果は略奪品の山に戻らなくても発生するので、偽造通貨との相性がよい財宝カードになります。偽造通貨と略奪品から7金出ることになります。
また財宝カードとしてプレイする時以外は、通常の0コストの財宝カードとして扱われます。
採集者の出金量を上げるために廃棄されたりすることもありますし、詐欺師でめくれれば悲しく呪いに変換されます。
「使い捨ての金貨」と呼ばれることはありますが、0コストであるために賢者でスルーされたり、改築しても屋敷にしか届かないなどの違いはありますので、その辺りは注意が必要と言えます。

では襲撃者に話を移したいと思います。

このカードもサプライの影響の大きいカードといえます。
襲撃者をプレイしたターンは「金貨もどき(略奪品)」を獲得するとはいえ、そのターンの金量にはまったく影響を与えません。そのため、初手「襲撃者−銀貨」であっても2周目に5金出ない可能性が5割近くになります。
襲撃者は3周目以降の自分の金量アップ(及び他人への妨害)をもたらすカードであり、2周目の時点では一度しゃがんでいるカードと言えます。
そのため、5コストに序盤強力なカード(例えば交易場とか)がある場合は、初手に襲撃者を選択するかどうか考える必要があります。

特に組み合わせて面白いコンボというのも思いつきませんが、初手に賢者や画策と組み合わせて連打するプレイングが成功することもあります。ただし、ほとんどの場合「ある程度連打しながら、連打した後にどうするかを考えておく」必要があります。単純に画策を追加していけば勝てるわけでもありません。
呪いをまくアタックと同様に、複数プレイヤーが使用した場合は廃墟が山切れするので3山切れについて考える必要があります。

アタック・カードなので堀や灯台がサプライにあればアタック効果は減じる可能性が高いですし、地下貯蔵庫や秘密の部屋系のカードである程度対処できる場合もあります。
自分で使う場合のアタック効果について考えると交易人や望楼も苦手ですが、望楼の場合、自分の襲撃者で獲得した略奪品を山札の上に載せて直ぐに使用できるように出来るので、併用のプラスの方が高いこともあります。

特に悩むのが呪いをまくアタック(魔女など)と襲撃者が一緒のサプライにいる場合で、この場合も環境次第(その他のサプライや各プレイヤーのプレイングなど)としか言えませんが、特に追加の条件がなければ、一般的には呪いをまくアタックの方が有利な場合が多くなるように思います。

廃墟が自分のデックに混じるのはゴーレム、吟遊詩人、狩猟団などをプレイする際にはマイナスになることが多く、道化師をプレイする場合には他人のデックに廃墟が混入しているのはマイナスでしょう。
伝令官、金物商にとっても(良い悪いはデック次第ですが)影響があるでしょう。

その他、特にブドウ園や品評会で顕著ですが以下のカードがサプライにある場合、襲撃者のプレイは相手に利することがあるので避けた方が良い場合が多くなるでしょう。

ブドウ園や品評会、庭園の場合、単純に相手の点数を増やすことになり、賢者の石や収穫を使用している場合も相手のコイン出力を増すことになります。
移動動物園が発動しやすくなったり、死の荷車や採集者の廃棄対象を提供したりすることもあるでしょう。
また念視の泉に対してはそこまでアタックの効果がない上に秘密の部屋や地下貯蔵庫系のカードがあると逆用されますし、廃墟の山切れも都市を強化することになります。

城塞(じょうさい:Fortress
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+2アクション

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あなたはこのカードを廃棄したとき、このカードを手札に加える。

関連の強いカード
+)改良、再建、行進、引揚水夫、鍛造、弟子、その他の改築系カード全般/ネズミ、採集者、傭兵、死の荷車、交易路、屑屋、祭壇など/司教/共謀者/(対抗)詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊

廃棄しても手札に戻ってくるということで、改築・改良系のカードとの相性が非常に良いカードとなります。中でも改良や再建、行進といったカードとの組み合わせは強力です。
改良の場合、城塞を改良することで追加の改良を得ることが出来るので、速攻で大量に改良を得た上で、そのまま城塞を改良で叩き続けて大量の公領を一気に得て、あっという間に城塞、改良、公領の3山切れで終わったゲームを見たことがあります。
再建との組み合わせも、一気に5コストのカードを2枚獲得できる為に侮れません。ちなみに、再建の処理手順は1枚のカードを廃棄して+1コストのカードを獲得した後(つまり城塞を1枚目の廃棄対象にした場合、手札に戻ってきた後)に同じ処理をもう1度行なうことになるので、手札に城塞が2枚なく「再建と城塞1枚ずつ」でも、5コストのカードを2枚獲得できます。
行進と組み合わせた場合、サプライ次第ですが+アクションを得ながら5コストのアクションカードを得ることが出来ます。
その他、引揚水夫、鍛造、弟子、改築、拡張、墓暴き、肉屋、総督、開発、農地、石工、交易人といったカードとの組み合わせが考えられます。
ただし、これらのカードを使用する場合はカードを失わない(元のコストが4コストである)城塞を対象にするのを優先するのか、不要な屋敷などのカードの廃棄を優先にするのか、手順を考える必要があります。

またこういった積極的な利用だけでなく、ネズミ、採集者、傭兵、死の荷車、交易路、屑屋、祭壇、司教などといったカードを使用している際に、あらかた不要なカードを廃棄した後に、その効果を維持する為に城塞を利用することもあります。

アタック対策としても詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊といったカードは、山札から城塞が廃棄対象としてめくれた場合、手札に城塞が戻ってくるため、城塞がサプライにある場合はこれらのアタック・カードは使いづらくなります。

逆に廃棄に関するカードがないサプライであれば城塞はただの4コストの村となります。

また繰り返し廃棄する場合も1枚の城塞を繰り返し廃棄すれば良いため(ターミナル・アクションと併用する場合も、通常の村としての1枚と廃棄用の2枚あれば足りることが多い)、デック内の城塞の必要最低枚数は思っているより多くないことがあります。
プレイングに余裕がある場合は多めに城塞を買えばよいのでしょうが、余裕がない場合は城塞の枚数は考える必要があるでしょう。

その他細かい話になりますが、城塞はわざと廃棄することにより手札に加えることが出来ます。
例えば他プレイヤーの総督で銀貨を廃棄して城塞を獲得した際で手札に望楼があるような場合、望楼の効果で獲得した城塞を山札の一番上に送ることも出来ますが、廃棄すれば直接手札に加えられます。
また(村+)隠遁者をプレイした場合に捨て札置き場にある城塞を廃棄すれば手札に加えられますし、(村+)医者で城塞を廃棄対象に指定すれば山札から城塞を拾って来られる可能性があります。

他にトピックとしては、「城塞×4、司教×4」までデックを圧縮できれば、外的要因がなければ毎ターン12点を獲得し続けることが出来ます。ただ、この形が間に合う場合は、司教だけでなく他の圧縮カードで一気に圧縮してから最後に司教で圧縮する場合が多いように思います。

ネズミ(ねずみ:Rats)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
ネズミ1枚を獲得する。あなたの手札からネズミ以外のカード1枚を廃棄する(すべてネズミの場合は手札を公開する)。

                                                • -

あなたはこのカードを廃棄したとき、+1カードを引く。

関連の強いカード
+)改築系カード、改良、鍛造、引揚水夫、改築、弟子など/城塞/ブドウ園、念視の泉/青空市場/共謀者/秘術師、願いの井戸/救貧院/地下貯蔵庫、秘密の部屋系のカード/望楼、交易人/(対抗)詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊/呪い、廃墟系のアタック
−)伝令官、ゴーレム/移動動物園、吟遊詩人

ネズミに関して一言で説明すると「圧縮カードではなく、不要なカード(屋敷、銅貨など)を、それなりの速度でネズミに変えていくカード」と言えます。そのため、更にネズミを利用する改築系のカードなどがサプライにないと「単にデックにネズミが溢れて困るだけ」となります。
ネズミが屋敷や避難所、銅貨などより優れている最大のポイントを挙げろといわれれば「4コストである」ことになると思います。ぶっちゃけコスト依存で効果が増す改築・廃棄カードでなければ、つまり礼拝堂のような単に廃棄するだけのカードであれば、ネズミを経由せずに初めからそのカードで圧縮した方が簡単だろうということになります。

ネズミを利用する場合、組み合わせとしてあがってくるカードは、だいたい城塞と同じようなカードになります。ただし城塞の場合は「城塞を1枚引けばそれを繰り返し廃棄することが出来る」のですが、ネズミの場合は、「デック内に増殖したネズミを廃棄していく」ことになるため、廃棄時に1枚引けるとはいえ、そのコントロールはより難しくなります。ネズミの枚数が少なければ廃棄するカードと揃わなくなりますし、多すぎるとデックの運用を阻害してしまいます。

そういった面からも、ネズミと組みあわせて使いやすいのは改良あたりになると思います。またネズミを使いながら7コストを出すのは難しいですが、ネズミが4コストであることから鍛造(ネズミ2枚で属州)も面白い場合があります。
ネズミデックの場合4金出せる引揚水夫が重宝される場合もありますし、改築であってもネズミから金貨を獲得することが出来ます。
改良や、この後に紹介するカードとの組み合わせでネズミを使う場合、思ったより単純な処理で済むこともありますが、大抵のネズミを利用したプレイの場合、そのデック・バランスが難しいことが多くなります。
ただし、バランスを見極めてプレイできればStefのスーパー・プレイのような例もあるので、やりがいはあるかもしれません。

屑屋、採集者や祭壇のような「コスト依存でない廃棄カード」はネズミ利用の本質からは外れますが、ネズミの量をコントロールするためのサポートとしては重宝する場合もあります。

ネズミと城塞が一緒にサプライにある場合、城塞を1枚引けさえすれば、後は好きなだけネズミを安全にプレイできるので安定します。一気にネズミを増やし、ネズミ(城塞)である程度ドローした上で、揃ったネズミと改築系カードを利用することが出来ます。

デックにアクションが増えるということでブドウ園の得点源として考えたり、念視の泉の展開サポート(銅貨や屋敷を全てネズミに変えれば、一発の念視でデックの全てを引ききれる)に使うことも出来ます。

廃棄するということで青空市場との相性は悪くないですし、アクションを連打できるので共謀者とのコンボ、一種類のカードが増えることから秘術師や願いの井戸とのコンボといったことが考えられます。
また詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊といったアタックに対しては、ネズミが廃棄された場合は、手札が増えて美味しい思いが出来ます。
普通に採集者や傭兵、死の荷車、司教などの弾(廃棄要員)に使うことも考えられますし、単純に他プレイヤーのアタックでまかれた呪いや廃墟に対する対策としても考えられます(その後にネズミを対処するカードがないと、単に呪いがネズミに変わるだけですが)。
ただしいずれも、デックのバランス(どれくらいネズミを入れて、どれくらい対処カードを入れるかといったこと)が非常に難しい場合が多くなるため、気合を入れてプレイする必要があります。

ネズミの運用に失敗すると、手札がネズミだらけでお金も出なくて二進も三進も行かなくなることがありますが、そういった場合に地下貯蔵庫や秘密の部屋、救貧院といったカードは対処策になってくれることがあります(そこから更に根本的な打開策が必要になりますが)。

望楼、交易人はネズミをプレイし他の後に獲得するネズミを避けることが出来ますが、望楼は廃棄(サプライのネズミが1枚減って、ネズミ廃棄分で1枚ドロー)に対して、交易人は銀貨への置き換えになります。
ネズミがデックに増えるということで、伝令官やゴーレム、移動動物園、吟遊詩人は使いづらくなるでしょう。

武器庫(ぶきこ:Armory)
暗黒時代・4コスト・アクション

【能力】
コスト4コイン以下のカード1枚を獲得し、あなたのデッキの一番上に置く。

関連の強いカード
+)枚数のいる4コスト以下のキー・カード/街道、(村+)橋、王女/ブドウ園/秘術師
−)借金、投機

工房系のカードの一つですが、獲得したカードが山札のトップに載るため、次のターンにプレイしたいアクション・カードや財宝カードを獲得するのには良いのですが、庭園などの勝利点を獲得すると損した気分になります。

初手に買った場合、2周目、特に3ターン目に引いた際に、次のターンのコントロールがしやすいカードと言えます。3ターン目に引いた場合、「4ターン目に5金に届かないから銀貨を載せる」「青空市場を引く確率が高いから改築を載せる」といったことが可能になります。ポーション・カードがサプライにある場合に初手は武器庫から入って、武器庫を引いた際に、(次のターンにポーション・カードを買うために)ポーションを獲得するか考えるプレイングもたまに見かけます。
武器庫を引くのが4ターン目以降になる場合、武器庫で獲得するカードが手札に入る際にシャッフルが入るため、例えば先のポーションの例だとポーション・カードを購入するのは3周目以降になります。
そういう意味では初手に買った場合に、3ターン目に引くか、4〜5ターン目に引くかの差が大きいカードの1枚だと思います。

その他の工房系同様、街道や(村+)橋、王女があると、その適用範囲が劇的に広がることがあります。
またブドウ園がサプライにある場合、前半は武器庫で有用なアクションを集め、中盤以降は「武器庫を引く→ポーションを獲得して次のターンに確実にブドウ園購入」といったプレイが可能になります。
それこそ「武器庫で武器庫獲得」を繰り返して武器庫が切れたら「武器庫でポーション(→次のターンにブドウ園購入)」というプレイングだけである程度戦えてしまう場合もあります。

山札のトップが分かるので、村が必要ですが「村+武器庫+秘術師」で、武器庫で載せたカードを秘術師で回収出来ます。

逆に山札のトップに獲得したカードを載せることが活かせないカードとの相性は良くないことになります。例えば借金や投機のようなカードは、武器庫で載せたカードを流してしまうために、あまり相性は良くない場合が多くなります(逆に、武器庫でシルクロードを獲得して借金で流すとか、銀貨を載せて即座に投機で拾うといったプレイングも可能ですが)。
ネタとしては玉座の間や村などで武器庫を2連続でプレイできる場合でサプライに宝の地図や浮浪児があれば、結構簡単に揃えることが可能になります。

封土(ほうど:Feodum)
暗黒時代・4コスト・勝利点

【能力】
あなたのデッキにある銀貨3枚につき勝利点1を得る。(端数切り捨て)

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あなたはこのカードを廃棄したとき、銀貨3枚を獲得する。

関連の強いカード
+)交易人/望楼/名品/建て直し/その他の改築・廃棄系、礼拝堂/(廃棄系+)盗賊、墓暴き/役人、探検家、工房系、従者、護符などの銀貨獲得装置/隠し財産/浮浪者/(対抗)詐欺師、騎士、破壊工作員、盗賊、大使館

このカードを考える場合、「廃棄して銀貨獲得」「勝利点」のいずれについて利用するのか(勝利点の場合、両者のハイブリッドが多くなりますが)を考える必要があります。

単純に改築や廃棄材料として考えても銀貨3枚がくっついてくるので美味しい物件ですが、まずは交易人や望楼との組み合わせが一番にあげられるでしょう。

交易人であれば「封土を廃棄すれば銀貨7枚獲得」の上、その他にも銀貨を獲得できるので、その後に獲得する封土はそれなりの点数が見込めます。
手札に望楼がある状態で4金出せれば(もしくは封土を獲得できれば)、望楼で即座に封土を廃棄しつつ獲得した銀貨を山札に載せて次の機会に即座に利用できます。6金あるので金貨が買えますし、サプライにあるなら大市場でも買えます。
礼拝堂があるサプライなら、初手に「封土−礼拝堂」と進めて、後は何も考えずに圧縮していけば、圧縮が出来た時点で金貨が購入出来るようになっているでしょう。
建て直しも容易に封土を探し出してきて廃棄してくれますし(序盤は封土を廃棄して封土を獲得する動きをよく見かけます)、盗賊や墓暴きは廃棄された封土を拾ってこられるので、環境によっては大きな仕事をすることがあります。
また廃棄されても得るものがあることから、詐欺師などのアタック・カードへの牽制にもなりえます。

逆に封土を勝利点として考えると銀貨獲得装置(役人など)との組み合わせが考えられますが、特に交易人と名品は強烈なことが多々あるので見落とさないように注意が必要です。
いずれにしても銀貨が山切れする可能性があるので、その点に注意が必要と言えます。

その他、勝利点カードなので普通に隠し財産(獲得できるのが残念ながら銀貨でなく金貨なので属州戦略とのハイブリッドになりがちですが)や浮浪者との相性も良いです。