繁栄3

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、プロモギルド暗黒時代0暗黒時代1暗黒時代2暗黒時代3繁栄1繁栄2

ということで、繁栄の続き(5コスト)です。

【5コスト】
玉璽(ぎょくじ:Royal Seal)
繁栄・5コスト・財宝

【能力】
2コイン

                                                • -

このカードが場に出ているかぎり、あなたがカード1枚を獲得するとき、そのカードを自分の山札の一番上に置いてもよい。

関連の強いカード
+)植民地場(白金貨)/闇市場
(注意)偽造通貨

なんだかんだ言って山札に載せる効果は有用で、玉璽自身が財宝カードなので使いやすいという話があります。
また玉璽の効果は購入時ではなく獲得時効果の上、山札に載せる効果は義務ではなく選択で、しかも獲得するカードごとに選択を変えられるため、かなり柔軟に対応できます。

隠し財産で獲得した金貨を山札に載せつつ、購入した勝利点の方は通常通り捨て札に落としたりできますし、値切り屋、国境の村のオマケで獲得したカードに対しても働きます。
名品の場合、追加支払いで獲得した銀貨4枚だけを載せるようなことも出来ますし、石工の追加獲得分だけを山札に載せたり、隠遁者プレイ後に玉璽をプレイし、何も購入せずに獲得した狂人を山札に載せることも出来ます。
また闇市場でプレイすればその後の工房などの獲得にも影響を及ぼすことが出来ます。

植民地場などでは、玉璽混じりのプレイで白金貨を購入し、その白金貨の力で次のターンも白金貨が買えてゲームが決まるというのも良く見かけます。望楼などでも同じことが可能ですが、玉璽自身が2金出ることもタイミング的に大きく意味を持つ場合が多いです。
また武器庫同様、残りの山札がある程度分かるなら、それにあわせて、例えば次のターンにドロー・カードを引くから村とか、宝の地図や浮浪児を引くからもう一枚追加といったことが出来ます。
護符や+購入があるなら、宝の地図や浮浪児を2枚セットで次のターンに送りこむことも出来ます。

獲得時効果は下線部効果(場にある限り)なので、偽造通貨、造幣所、官吏などで場を離れれば効果は発揮しなくなるので注意が必要になります。

禁制品(きんせいひん:Contraband)
繁栄・5コスト・財宝

【能力】
3コイン
+1カードを購入
このカードを使うとき、あなたの左隣のプレイヤーはカード1枚を指定する。このターン、あなたは指定されたカードを購入できない。

関連の強いカード
+)銀行/国境の村、値切り屋、石工
−)支配/投機/手札を公開するカード(岐路、貧民街、狩猟団など)

サプライによっては複数枚購入候補があるので、あまり禁制品を使って1種類を購入禁止にされても困らないという場合があります。特に、+購入や工房がないけれど何種類かあるコンボ・パーツを集めたいという場合は有用です。
終盤は属州を止められると困るという意見もありますが、最悪、10金出れば公領2枚を買えます。

禁制品プレイ時に、序盤であればだいたい対戦相手から、金貨や主要なアクションカードが止められますが、そう考えると銀行(金貨と同等のカード)などがあると、止めるカードを宣言する方も困ることになります。
またカードの獲得は禁止しないので、国境の村、値切り屋、石工といったカードがあると宣言に困ることになります。国境の村や属州などが宣言されるのでしょうが、本命の止めたいアクションカードや金貨は止まらなくなります。
弟子、引揚水夫や改築などの回り道がある場合に、とりあえず高コストのカードを購入するのにも使えます。

逆に寵臣プレイのような、キー・カードがはっきりしたプレイには適しませんし、2枚以上プレイするのは厳しいことが多くなります。
闇市場をプレイした際に財宝カードとしてプレイした場合、禁止宣言が出来るのはサプライのカードだけになるので、実は闇市場デックからめくれるカードの購入を禁止することは出来ません。

2人戦の属州場、残り属州枚数が少なく、このまま属州獲得レースを続ければ自分が勝つような状況の場合、禁制品プレイに対して止めるのは属州ではなく公領などの他の勝利点になる場合があります。
分かりやすいのが属州が残り1枚の状況で自分が8点以上勝っている場合、対戦相手に属州・屋敷と買われても、自分の勝利でゲームが終わるだけとなるため、対戦相手が買いたいのは、属州の次に勝利点の高い公領になります。

造幣所(ぞうへいしょ:Mint)
繁栄・コスト・アクション

【能力】
あなたは手札から財宝カード1枚を公開してもよい。公開したものと同じ財宝カード1枚を獲得する。

                                                • -

このカードを購入するとき、あなたが場に出しているすべての財宝を廃棄する。

関連の強いカード
+)植民地場、白金貨/愚者の黄金/救貧院/ハーレム/投機

どちらかというと、通常プレイ時の効果より購入時効果の方が大事なことが多くなります。
特に植民地場では銅貨を廃棄する方法になるために、より重要性が増します。
「3〜4ターン目に銅貨5枚の手札を引いた(造幣所で銅貨5枚を飛ばした)」は、それだけで勝因になることが良くあります。
植民地場の場合、他に財宝カードの廃棄方法がなければ「銀貨、銅貨×3」で造幣所購入で廃棄しに行き、さらにその後に2回目の造幣所購入に進むこともあります。
改築系がある場合、購入後すぐに廃棄されることも多いですが、白金貨や金貨をコピーできるようになれば、それはそれで大きいです。
ドロー・カードで手札を増やせば、なるべく多くの銅貨を廃棄することも可能です。購入時効果(購入フェイズに起こる効果)なので、鍛冶屋のようなターミナル・アクションで手札を増やしても(アクション数が0になっても)、この方法は使えます。

初手5−2の場合に造幣所を買うかどうかは、サプライ(2コストのカード)次第といえます。愚者の黄金があれば勝機ですし、2金出るカード(抑留や公爵夫人)や救貧院がある場合なども、考えていいと思います。
ただしそれ以外の場合は、結局、銀貨購入すらままならず、挙句に引き方によっては銅貨を購入せざるを得ない展開もあり得るので、あまり薦められない場合が多くなります(初手「造幣所−愚者の黄金」でも3〜4ターン目の引きが悪いと、非常にストレスを感じることはあります)。

通常プレイに関していうと、ハーレムや投機のようなカードもコピーできます。一応、不正利得の獲得にも使えますが(不正利得は獲得時効果なので呪いもまかれる)、シチュエーション的にあまりない(不正利得場で造幣所を買っている暇がない)と思います。

+購入がある場合には、購入時の財宝廃棄がそのターンの購入に影響を与えることがあります。
銅貨込みのプレイでも11金2購入あれば「造幣所購入(銅貨などの財宝カード廃棄)、大市場購入」とプレイ出来ます。
逆に、玉璽、護符、石切場などは、場を離れる(廃棄される)と効果がなくなるため、それらの財宝カード込みでプレイして+購入がある場合は、購入順番を考える必要があります。

大衆(たいしゅう:Rabble)
繁栄・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+3カードを引く
他のプレイヤーは全員、自分の山札の上から3枚のカードを公開し、公開したアクションと財宝カードを捨て札にし、残りのカードは好きな順番で山札の上に戻す。

関連の強いカード
+)(対抗)庭園、シルクロードなど/寵臣/ドロー・コンボ
−)見張り、医者、建て直し/農村、ゴーレム、賢者/秘術師、偵察員/借金、投機、冒険者、宰相、ゴミあさり/高圧縮/役人、占い師、海の妖婆、幽霊船など/破壊工作員、泥棒、詐欺師など

大衆の場合、占い師(勝利点と呪い)と違い、純粋な勝利点(坑道含む)、呪い、避難所(納屋・草茂る屋敷のみで、共同墓地は除く)のみが引っ掛かることになります。
複合勝利点も流される(捨て札に落ちる)ことになります。
ちなみに廃墟はアクションカードなので、呪いと違い流されます。
大衆のアタック効果は、山札の勝利点(以下、大衆の項では、勝利点と書いて主に純粋勝利点・呪い・避難所など大衆で山札に戻るカードを示すことにします)比率を煮詰めることにあります。アタックとして占い師は大衆と似ていますが、占い師は「勝利点カードを1枚を山札のトップに持ってきて、次のドロー1枚を腐らせる」とも言えます。

めくった3枚のうち選択的に勝利点だけを戻すわけですが、大衆のアタック効果が最大に発揮された状況というのは、例えば「めくれた3枚がキー・カードで流れ、次に引いたカードが勝利点だった」といった状況で、「めくれた3枚が勝利点で、絶望とともに戻す」という状況は、実はアタックとしては効果がなかったことになります(大衆を打つ前後で山札状況に変わりがない)。
勝利点が圧縮されて0枚のデックに対しては、山札3枚をめくるだけの運要素の高いアタックとなります(キー・カードが落ちるか、いらないカードが落ちるかは、デック内の確率次第。デックが回転する分、不利なことが多い?)。
また、あり得ませんが、デックが全て勝利点という場合は、3枚めくって戻すだけのアタックになります。
アタックとして最も効き目が高いのはある程度勝利点を含むデック(勝利点比率50%付近でピークになる)になりますが、勝利点比率の高い庭園デックでもなかなか半分を越えることはないことを考えると、勝利点比率の高いデック程、大衆のアタック効果を受けると考えていいかと思います。庭園、シルクロード、公領・公爵などでしょうか。
これらのデックは大衆が横行すると通常4金、5金届くプレイングでなかなか4金、5金に届かなくなるので、庭園などのプレイをあきらめるか、通常の庭園プレイよりも財宝カードやアクション比率を高めるプレイングをするかといったことが必要になります。
また、呪い場の大衆も、通常以上に泥沼となるでしょうが、大衆よりも呪いをまく方が優先されることが多いでしょう。ただ4人戦で3人に呪いをまかれて先行された場合は、自分は大衆に走るというのはありかもしれません。

以下、つらつらと大衆に対処するカードを上げていきますが、ほとんどが「書庫に対する民兵」のように逆に利用されるというより、「これらのカードがあると、被害を減らせる」というものになります。
「これらがあるから大衆を使わない」というより、「他にも+3ドローのカードがある際に比較する際の参考にする」という程度になるかと思います。

占い師の場合と同様、大衆をプレイした場合、見張り、医者やなどをプレイするプレイヤーに逆用されることがありますし、建て直しも山札トップの状況を確認してプレイ出来るために、対戦相手を楽にしてしまうことがあり得ます。
農村、ゴーレムはたまった勝利点をスキップしますし、属州・公領を買い始めるまでは賢者も同様といえます。
山札のトップが1枚わかれば秘術師が、2枚以上溜まれば浮浪者や願いの井戸の効率が上がります(引いているカードが勝利点なので、通常のヒット程、嬉しくはないですが)。2枚以上溜まれば、吟遊詩人や地図職人も対処の一環にはなります。
溜まっているのが呪い・避難所でなく勝利点なら、偵察員は完全な回答になりえます。対大衆のためだけに偵察員を買うことはないと思いますが、複合勝利点などがあって偵察員が買われている時は、大衆の点数は少し低くなるでしょう。
村などのドロー要素がなければ、借金、投機、冒険者、宰相、ゴミあさりなども対処となりえます。

礼拝堂などの高圧縮に対しては、屋敷を廃棄された後は、勝利点を買い始める終盤までは効果は低くなるでしょう。
ただし、序盤にこれらの圧縮カードを流せれば、大きなアドバンテージになる可能性があります(同様に、不要なカードを流して、底に沈んでいた圧縮カードを掘り起こしてしまう可能性もありますが)。
坑道の場合、山札トップに戻された上でよろずやや公爵夫人で捨てられたら、かなり屈辱的でしょう。

他プレイヤー、もしくは自分がコンボで併用して役人、占い師、海の妖婆、幽霊船や、泥棒などをプレイしている場合も、既に勝利点などが山札に載っている分だけ大衆のアタックの効率が悪くなったり、逆に大衆のアタックのせいで他のアタックの効率が悪くなる(その上、大衆で載せた勝利点が他のアタックで流されたりする)ので、互いに効率が悪くなることがあります。
大衆がサプライにある場合、詐欺師なども影響を受けます。
破壊工作員がある場合、恐ろしいコラボが発生することもあります(銀貨などが流されて、属州や公領が山札トップに戻される)。

大衆のアタックの意義がないわけではないですが、保管庫や物置、地下貯蔵庫は対処しやすいカードになるかと思います。
逆に、寵臣や村から始まるドロー・コンボや研究所連打には大衆のアタックが効きやすいところがあります。
ドロー・コンボのドロー部分は大衆が使われていることが多そうですが、この場合は「先に手札に大衆を引いてプレイし、対戦相手の大衆を流した方が圧勝する」というのを、たまに見かけることがあります。

投機(とうき:Venture)
繁栄・5コスト・財宝

【能力】
1コイン

                                                • -

このカードを使うとき、あなたの山札を財宝カードが公開されるまで上から公開し、その財宝カードを場に出す。残りの公開したカードは捨て札にする。

関連の強いカード
+)2人戦/航海士、薬師、医師、中庭、官吏/坑道/造幣所/金貸し、香辛料商人、ネズミなどの銅貨廃棄手段/銀行、へそくり/役人、武器庫、収税吏、(リアクション)物乞いなど/(対抗)役人、海の妖婆、占い師など/(対抗)呪い・廃墟/
−)禁制品/(注意)ゴミあさり、中庭

特に2人戦で注意すべきですが、銅貨を軽圧縮しつつ投機を買い集め、金貨を1〜2枚(植民地場なら白金貨)投入するだけで、毎ターンほぼ確実に属州(植民地)が買えるデックが出来上がります。投機が別の投機をよんで連鎖しながら、デックに1〜2枚の高額コインまで引っ張ってきてくれます。
航海士や薬師、中庭などで利用できるのは借金と一緒で、勝利点などのいらないカードを戻して流すのがメインとなります。
ゴミあさり、中庭などの場合、財宝カードであれば即投機で掘り起こしてプレイとなりますが、次のターンに回したい重要なカード(アクション・カード)を山札に載せた場合は投機をプレイ出来なくなるので、相性が悪くなります。
坑道を落とすのにも役立ち、その後は、投機がその金貨を引っ張ってきてくれるでしょう。

銅貨廃棄、投機増殖というコンセプトから、造幣所も購入タイミングがあれば(銅貨をまとめて引ければ)、良いカードになります。

山札のトップを汚す役人、海の妖婆、占い師などのアタックに対する対抗手段にもなりますし、自分の役人、武器庫、収税吏、(リアクション)物乞いなどで載せた財宝カードを即座にプレイするためにも使えます。
山札が呪い・廃墟に満ちていても、その中から財宝カードをサーチしてきてくれるので、冒険者同様、割合、呪い・廃墟にも耐性があるといえるでしょう。

プレイされる財宝カードの枚数が増えるので銀行との相性も良くなります。投機を先にプレイする理由はあまりないと思いますが、デックに銀行が入っている場合は、通常の銀行のプレイ同様、手札の財宝カードの最後に投機をプレイすべきでしょう。
デックの回転率が速いことから、へそくりも有用性は増すでしょう。

めくれた財宝カードは必ずプレイされるため、禁制品と投機を同居させるのは、出来れば避けた方が良いでしょう。どうしても同居させる場合は、禁制品が山札にある間は、財宝カードのプレイの最初に投機をプレイすべきでしょう。
また当たり前ですが、物乞いデックのような銅貨があふれているデックでは、投機は銀貨相当にしかならないでしょう。

都市(とし:City)
繁栄・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+2アクション
カードが1枚も残っていないサプライが1つ以上ある場合、+1カードを引く。
2つ以上ある場合さらに+1コインと+1カードを購入。

関連の強いカード
+)4人戦/ならず者、(商人ギルド)/石工
−)5コスト

都市が強いかどうかは環境的に山切れが起こりそうか、またデックのバランスという話になるかと思います。
山切れが起きなければ、5コストの重い村でしかありません(ただ、それでも他に村がなければ、使わざるを得ない場合もありますが)。山切れが起これば研究所の側面も出てくるため、様相が変わってきます。

単純にそうとは言い切れませんが、同じターン数で2倍の量が購入・獲得されると考えれば、2人戦に比べて4人戦の方が山切れが起こるタイミングが早いことは多いでしょう。
また2人戦の場合、対戦相手が都市をかき集めても(特に都市だけを買い続ける場合)、自分は都市やその他の山切れしそうなカードを不用意に購入・獲得しないようにすれば、山切れまでの時間をかなり引き延ばすことができます。その時間で、ステロなどのプレイで勝ちを決することができることも多いでしょう。
これが4人戦になると、1人が先行した場合に、残りの3人のうち1人でも「先行した1人に対しては不利でも、残りの2人より有利ならいいか」と思えば、先行したプレイヤーのプレイが実ってしまいます。2人目が買い始めると、あきらめて3人目、4人目が買い始めることも多いでしょう。
また漁村や共謀者のような人気カードが残り1〜2枚となった際に、2人戦であれば、都市を集めていない側のプレイヤーは山切れを避けるために残りの1〜2枚をあきらめることが出来るかもしれませんが、4人戦の場合、(山切れを誘発するとわかっていても)「自分のデックの都合上買わざるを得ない」という場面も出てきがちです。そういった点でも、4人戦の方が都市環境下での山切れは起こりやすくなります。
ただ逆に2人戦に比べて4人戦の方が終了までの時間が短くなりやすいので、山切れが起こった後の都市をどれぐらい楽しめるか?という問題もあります。

人気のあるカードがあれば単純にそのカードがなくなるでしょうし、その展開が見えていれば都市も人気が高くなるでしょう。石工などがあっても、展開は早いでしょう。
呪いや廃墟がまかれる場合も山切れが期待できますが、そういう環境の中で研究所の効果がどれくらい意味があるか?という話はあります。

また都市の場合、どのタイミングで山切れを発生させるかという話があります。
一般的に山切れは購入時となるので、都市の恩恵を受けるのは、山切れを引き起こしたプレイヤー自身ではなく、その次の手番のプレイヤーとなります。
そのため、2人戦だと最後の1枚を残して互いにジリジリすることもあります。
ただし、工房系(大学)や改築などによる獲得、詐欺師・道化師や呪いや廃墟をまくアタックなどの影響でアクション・フェイズ中に発生する(発生させることが出来る)こともあります。そういう場合、都市と他の村が手札にあるような場合などは、アクション・プレイの手順を考える必要があります。
また石工は(追加支払いでなく)通常効果で使っても1度に2枚のカードを獲得する(金貨を割れば都市を2枚獲得できる)ので、注意が必要な場合があります。

都市で有名なコンボといえば、ならず者とのコンボで2山切れの状態で都市とならず者を連打すると一気にものすごい点数が取れます。ソリティアだと1ターンに数百点(VP)とか叩き出せます。
ただし実戦(特に4人戦)ではそんなにたくさんの都市・ならず者をガメられることは少なく、2山切れの状態で都合よく自分のターンがまわってくるとも限らず(あっという間に3山切れになることも)、不安定なプレイングといえます。同様のことは商人ギルドでも考えられますが、商人ギルドは獲得したコイン・トークンは次のターンにしか使えないので、さらに不安定(次のターンが来る前にゲームが終わる)と言えます。
そんな時こそ前哨地でしょうか。

都市自体5コストとコストが重めなので、その辺を考慮して環境(山切れまでの速度)と自分のデック・バランスを考えて購入・獲得していくか考える必要があるかと思います。

保管庫(ほかんこ:Vault)
繁栄・5コスト・アクション

【能力】
+2カードを引く
好きな枚数のカードを捨て札にする。
捨て札にしたカード1枚につき+1コイン。
他のプレイヤーは全員、カード2枚を捨て札にしてもよい。そうした場合、そのプレイヤーはカード1枚を引く。

関連の強いカード
+)金貨/大市場/書庫系、移動動物園、救貧院/策士/坑道/(対抗)呪い、廃墟、銅貨
−)民兵

手札5枚(民兵などの外的要因がない)から保管庫をプレイすれば、残りの手札にかかわらず6金以上は出ます。つまり金貨や大市場が買えます。
さらに引いた2枚も含めて手札に金貨1枚、または銀貨2枚以上があれば、もしくは大市場をプレイしてから保管庫をプレイすれば、8金以上、つまり属州購入が約束されます。
初手5−2の場合を初め、保管庫ステロはかなり早くて強いステロイドのプレイングとなります。

またステロイドでなくても、コンボと組みあわあせることも可能です。
2枚ですがドローがありますし、村などと組み合わせて、都合のいいカードを捨てた上で書庫系や移動動物園、救貧院などを楽しむことも出来ます。
捨てるということで坑道との相性も良くなりますが、対戦相手にも利用される(対戦相手も手札から坑道を捨てれる)ことがあります。
属州場であれば、「策士−保管庫」ループは、かなり手軽で強力なコンボといえます。
これ一枚で5金以上確保されるので、公領公爵場でも使えます。
保管庫以外の手札が何であっても、民兵などの妨害がなければ6金出るので、呪いや廃墟、銅貨まきといったアタックに対しても、ある程度は耐性があります。

手札が減ると効果が減るので、民兵系などの手札を減らすアタックは苦手としますし、自身の手札を減らすようなアクション・カード(オアシスとか、採集者とか)との併用も得意とはしません。
保管庫を使っている場合、圧縮の意義はあまり高くありません。それこそ保管庫で引くカードが無い程圧縮すると、保管庫の効果が減る場合が多くなります。保管庫をメインにプレイする場合は、やっても軽圧縮にとどめる程度が有効な場合が多いでしょう。

香具師(やし:Mountebank)
繁栄・コスト・アクション

【能力】
+2コイン
他のプレイヤーは全員、呪いカード1枚を捨て札にしてもよい。そうしない場合、呪いカード1枚と銅貨1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)公領場
−)庭園系/会計所/交易人、望楼/呪いを廃棄できるカード(圧縮系など)/堀、灯台/秘密の部屋系/銅貨圧縮(借金、香辛料商人など)

アタックとしては最強位のカードの一つといえます。中盤以降不確定になってきますが、呪い1枚の魔女ですら強いのに、香具師は不用品2枚(呪いと銅貨)をまきます。
魔女などでは、よっぽどデック回転率に差がなければ仮面舞踏会や大使で返したり、礼拝堂などで十分対応が可能なことも多いですが、香具師の場合、特に4人戦で残りの3人が連打してくるような場合は、生半な対応では間に合わなくなります。
対処手段(圧縮手段など)がなければ、香具師を見た時点で公領場(属州に届かず、公領の点数でゲームが決まる)と思った方が良いでしょう。

魔女同様、庭園系のカードは対応策になりえますし、会計所も同様といえます(銅貨が捨て札に多く、まわりが公領どまりの中、一発入れば属州に届く)。