序盤のドロー・カードによるシャッフルについて

※実際にあったプレイが元になっていますが、状況等に伝聞が混じっているので、架空のお話として扱ってもらえるとありがたいです。

大使館・保管庫・狩場と強力なドロー・カードの並ぶサプライで、3番手。
初手は銀貨×2から入ったのに、3ターン目は「銅貨×2、屋敷×3」という凄い手札で、購入はパス。
そして迎えた4ターン目は「銀貨×2、銅貨×3」の7金で、「何を買うのが正解か?」という問題です。
(山札は「銅貨×2」確定、捨札は「銅貨×2、屋敷×3」)
ちなみに、周囲の状況としては、上家が既に狩場を買っているのとします。

そこで選択されたのが「保管庫」で、その理由として「狩場を6ターン目に引いた場合、残り山札は3枚で、狩場を打つと、狩場のドロー中にシャッフルが入ってしまうので、狩場を避けて保管庫とした」とのことで、また「3ターン目の時点で、この状況は予測できるので、銅貨を買うべきだったかも」とのことでした。
※この辺、伝聞が入っているので、本当にそういう理由だったのかは不明です。

この理由に対して、違和感を感じたので、検討してみました。
以前、デックの分割管理の話の際にも書きましたが、序盤〜中盤頭において「ドロー・カードをプレイ中にシャッフルが入る」のは、それ程、危惧すべき事態ではないことが多いです。
※終盤のデックが厚くなってからは、全く話が変わります。

例えば、上記4ターン目の状況で「狩場」を買い、5ターン目に「狩場」を引かずに何かを買い、6ターン目に「狩場」を引いた場合、

手札:「狩場+4枚」(5枚)
山札:3枚
捨札:6枚(5ターン目の手札+5ターン目の購入カード)
(3ターン目に購入のパスがあるため、6ターン目のアクション・フェイズ時点での全カード合計は14枚)

となり、ここで「狩場」をプレイすると

場:「狩場」
手札:8枚(うち1枚は新たに出来た山札から)
山札:5枚(5ターン目の「手札+購入カード」の6枚で出来た新たな山札から1枚引かれた状態)

となります。
ドロー・カードをプレイして、そのドロー中にシャッフルが入っても、「手札+ドロー枚数(狩場の4枚)」が多いため、残りの山札はそこまで厚くなりません。
※ゲーム終盤に、「鍛冶屋、金貨×2、銀貨、×」といった虎の子が揃った手札で、残り山札2枚の状態で鍛冶屋をプレイしてシャッフルを引き起こし、鍛冶屋・金貨を次の山札に入らない状態にするのはありえないプレイです。
ただ、ゲームの序盤(中盤の頭)であれば、全カード枚数自体が少ないので、このようにドロー・カードでドローした後は、それ程山札が残りません。

特に、この状態の場合、5ターン目にドロー・カードを購入していれば、山札(5ターン目に購入したドロー・カード)と、捨札(狩場)に2枚のドロー・カードが分かれ、分割管理状態となり、かなり良い状態になるかと思います。こうなるのは、3ターン目に購入をパスしたおかげとも言えます。
・・・6ターン目に狩場の最後のドローで1/6の確率で5ターン目に購入したドロー・カードを引いたら、全ておじゃんですが。

状況としては、「鍛冶屋ステロイドで、3ターン目に鍛冶屋を引かずに4金が出た時」とかなり似た例といえます。

以上の考察より、3ターン目の購入はパスして、4ターン目の購入は「保管庫」より「狩場」かなという気がします。
※ちなみに、他プレイヤーが「狩場」を買っていなければ、6金出ていても、私は狩場でなく「大使館」購入でもいいのではないかと思っています。


●似たような問題で、「初手:保管庫で、2コストにロクなカードがない場合に、2金の際に銅貨を買うか」についても、考えてみたいと思います。

【銅貨を買わずにパスする場合】
・利点
(銅貨を買った場合に比べ)3ターン目に保管庫を引く確率が高くなり、底に沈む確率が低くなる(銅貨を買ったときの1/6に比べ、1/11と約半分)。
・欠点?
4ターン目に保管庫を引いてプレイした場合、ドローの途中でシャッフルが入る。

【銅貨を買った場合】
・利点
4ターン目に保管庫を引いてプレイした場合、丁度山札を引ききった形になり、その時点ではシャッフルが入らない。
・欠点
3ターン目に保管庫を引く確率が減り、底に沈む確率が高くなる。
また、運よく3〜4ターン目に保管庫を引いた場合も、銅貨1枚分デックが薄まっていて将来的な影響が考えられる。

検討の焦点になるのが、4ターン目に保管庫を引いた場合(その後のシャッフルの有無)になるかと思うので、そこを検討してみます。

−銅貨を買わなかった場合、
保管庫をプレイして出来る新しい山札は「3ターン目の手札+3ターン目の購入カード」の6枚で、そこから保管庫の2枚目のドローとして1枚を引きます。
5ターン目の手札は「3ターン目の手札+3ターン目の購入カード」のうちの5枚で、3ターン目の購入カードがドロー・カードでなければ、6ターン目の手札は「保管庫を含む全てのカードで出来た山札」から5枚となります。

−銅貨を買った場合、
4ターン目の保管庫プレイで山札を丁度引ききり、5ターン目の手札は「保管庫を含む全てのカードから出来た山札」から5枚となります。

細かい山札の枚数の違いはありますが、「銅貨を買わなかった場合」は保管庫なしの5ターン目を挟んで6ターン目に、「銅貨を買った場合」5ターン目に【保管庫を含む全てのカードから出来た山札から手札を引く】ことになります。

そうなると、「銅貨を買わなかった場合」の保管庫なしの5ターン目がどの程度のものなのか?という話が出てくるかと思います。
で、実は初手の1〜2ターンの時点で推測が出来ます。保管庫を4ターン目に引く場合の3ターン目の手札は、「2金:1/12、3金:5/12、4金:5/12、5金:1/12」となり、3〜4金の確率が5/6となります。
アクションが保管庫1枚の状態で、3〜4金で何を買うのか?というのは、サプライを見れば検討はつくと思います。それが銀貨の場合、5ターン目の手札は4〜6金くらいになると予想されます。
また、「保管庫(捨札)」と「3ターン目の購入カード(山札)」に分割される可能性が高いので、アクション・カードを入れるのには悪くないタイミングです。
例えば仮面舞踏会があるような場なら、さらに「銅貨を買わない」プレイが推奨されるように思います。

逆に銅貨を買う場合というのは、1ターンでも早く保管庫を使いまわしたい場合となります。ただ2周目に保管庫が底に沈む可能性を高め、銅貨でデックを薄めてまでとなると、そういうシチュエーションは(後で銅貨を圧縮できるサプライでの)大市場獲得競争とかぐらいしか思いつかないし、3〜4コストに十分なカードがあれば、大市場があっても「銅貨買わず」でいいような気がします。

※まぁ、そもそもこの議論は保管庫を4ターンに引いた場合の話で、3ターン目に引いたら、あまり意味のないものですが。

以上、考察に誤りがあったら、指摘してもらえると助かります。
ではでは。