基本セット・5コスト、6コスト

市場(いちば:Market)
基本セット・5コスト・アクション
+1カードを引く
+1アクション
+1カードを購入
+1コイン

ドロー、アクション、購入、コインの全項目が1単位ずつ詰まったカードで、器用貧乏といわれることも多いような気がします。
実際、便利で気が利いていますが、パワー・カードかと言われると何か違うように感じます。
大きな役割を2点挙げるとすると、デックの潤滑油としてデック全体の底上げをすることと、+購入で算出したコインを無駄なく使うことの2点になると思います。

キャントリップで+1コイン出るということは、市場以外のデックの構成に関係なく平均コイン出力を上げます(例えば銅貨10枚のデックでも、金貨10枚のデックでも、そこに市場を加えてから手札を5枚引いた場合の手札の平均コイン出力の上昇は+5/11となりますが、代わりに銀貨を1枚加えた場合、銅貨の山に対しては平均値の上昇、金貨の山に対しては平均値の低下となります)。
ぶっちゃけ初手5-2の場合、「市場−パス」と「銀貨−パス」での2周目(3〜4ターン)を比較すると、市場でカード1枚引ける分を差し引いても、「銀貨−パス」の方が有利な局面が多くなります(「市場−パス」だと5〜6金のカードが買えない確率や、3金出ないターンが出る確率が高いため)。
逆にある程度コイン出力が確保された中盤以降は、銀貨を加えるより市場を加えた方がコイン出力の面でも、1枚ドローの面でも有利になります。
そう考えると、デック構築の順番で前後する可能性はありますが、序盤で買うより、デックが出来上がっていく中盤以降に加えて行きたいカードになります。

逆に1ターンに20金、30金と出る状態になると+1コインの意義は薄れていきますが、キャントリップの+購入という点が活きてきます。
そこまで行かなくても、中盤に市場込みで7金、8金出た場合は、有用なカード2枚を購入するという選択肢も取れることになります。

議事堂(ぎじどう:Council Room)
基本セット・5コスト・アクション
+4カードを引く
+1カードを購入
他のプレイヤー全員は、カードを1枚引く。

関連の強いカード
+)民兵/村

非常に強いカードであるのは確かです。
ステロイドとして使っても強力ですし、アクション連鎖(エンジン)向けのドロー・カードとして使っても強力です。
+購入があるので、とりあえず議事堂を買ってプレイして、そこで出たお金で村を2枚買い足すといったプレイが出来るので、基本セット環境では鍛冶屋なんかよりもアクション連鎖になりやすいカードといえます。

他プレイヤーに1枚引かせるため、このカードがサプライにあるとゲーム全体のスピードがかなり速まることがあるので注意が必要です。特に4人戦で複数プレイヤーが議事堂を使う場合、顕著になります。

自分で使わなくても、下家のプレイヤーなどが民兵系のカードを使っている場合、他プレイヤーに1枚引かせるデメリットがかなり減るため、議事堂のポイントは高くなります。

初手5-2の5金で議事堂を購入した場合、特にステロイドを目指す場合、2金でパスせずに銅貨を買う場合があります(3ターン目に議事堂をプレイした場合の金貨購入確率が若干上がるため)。アクション連鎖に進む場合でも、2金の際にアクション・カードを購入することは、かなり2周目の議事堂の効率を落とします(銅貨のかわりにキャントリップなら、議事堂が底に沈むのを防ぐという効果がありますが、それ以外のカードの場合は特に)。
初手2コインでアクション・カードを買う場合は、そのリスクを十分に考慮して、それに見合うリターンが期待できる場合にのみ購入すべきです。

アクション消費で4枚ドローのため、ステロイドに組む場合でもアクション連鎖に組む場合でも、デック構築のバランスには注意する必要があります。

研究所(けんきゅうじょ:Laboratory)
基本セット・5コスト・アクション
+2カードを引く
+1アクション

アクション数を保ったまま手札を1枚増やすカードと言えます。
研究所をプレイした後に手札にアクション・カードがなければ、単なる2枚ドローのカード(例えば堀)を使っても同じ結果になります。
研究所のスペックを十分に活かそうと思えば、村などと同じで「プレイした後に手札にアクション・カードがある」ことが必要となります。
そう考えると、他のアクション・カードを獲得した後に、デックの潤滑油として購入するカードと言えます。
ただし村と違うのは、研究所をプレイした後に手札が増えている点で、研究所の後にプレイするのが「次の研究所」ということもありえます。
4人戦だと「デックを構築する時間があるのか?」とか、「十分な枚数の研究所が確保できるのか?」という問題がありますが、2人戦の場合だと4人戦に比べて両方とも融通が利きやすくなります。
また研究所も1枚、2枚だと「ちょっとデックの周りが良くなる」程度ですが、これが5枚、6枚と増えていくにつれ、研究所が連鎖する確率が飛躍的に高まるので、一つ次元の違う安定性を得ます。
そのため、2人戦では「研究所系をガメる」というプレイングが定番の一つになります(もちろん研究所側にサポートするカードがなければ、単純に研究所を買い続けるだけのプレイは、2人戦であっても大使館ステロなどの速いデックに打倒されることは往々にしてありますが)。

もちろん、十分な数の村と鍛冶屋(ドロー・カード)があれば研究所と同じことが出来ますが、デックを構築する上では研究所を連打する方が手軽な場合は多いでしょう(ただ、これらが全てサプライにある場合、「研究所で加速して村と鍛冶屋を揃えて引く」が最終形になることが多いでしょう)。

デックの潤滑油として特に組み合わせを指摘するカードはありませんが、あえて言えば、秘密の部屋系や地下貯蔵庫のような「手札が多いと効力を発揮する」カードとの相性がよくなると言えます。

鉱山(こうざん:Mine)
基本セット・5コスト・アクション
あなたの手札の財宝カード1枚を廃棄する。
廃棄した財宝よりもコストが最大3コイン多い財宝カード1枚を獲得し、あなたの手札に加える。

関連の強いカード
+)白金貨(植民地場)、ハーレム/冒険者

お金特化でその質を高めるカードになります。
短期視点でみると、鉱山をプレイして銅貨を銀貨に変えても、手札のコインは1金(金貨→白金貨の場合でも2金)しか増えていないことになります。
長期的に見ると、次のシャッフル後も元銅貨であった銀貨が(銅貨に比べ)+1金を出してくれることになり、効果が累積・蓄積していくともいえます。
そのため、序盤に買うか、引ききりデックに加えるなどして何度も使うことで効果が高まるカードであり、終盤に意味もなく加えてもほとんど効果がないと言えます。
植民地場(白金貨)では「金貨→白金貨」の変換が非常に強力なため(あと、銅貨を廃棄する点でも強い)、点数があがります。
ハーレムがある場合、終盤は金貨でなくハーレムを取ることを意識することもあるでしょう。
冒険者のような財宝カードを集めてくるカードとの相性もよくなります。

序盤〜中盤に「鉱山、銅貨、銀貨、××」という手札を引いた場合、銅貨と銀貨のどちらに鉱山を使うか迷う場合があると思います。大市場や巾着切りがあるといった外部要因を除いて考えると、属州を目指す場合は「銀貨→金貨」を、公領を目指す場合は「銅貨→銀貨」を優先すると効率が良い場合が多いでしょう。

祝祭(しゅくさい:Festival)
基本セット・5コスト・アクション
+2アクション
+1カードを購入
+2コイン

関連の強いカード
+)書庫系

「ドロー以外のほしい要素」が全て詰まったカードと言えます。
銀貨、木こりのほぼ上位互換という話もあります。
単純にドロー・カードと組み合わせると強力なことが多いですが、特に「祝祭自体にドローがない(プレイするとアクションは増えるけど手札は減る)」ことを補完する書庫系のカードとの相性は非常に良くなります。
デックによっては金貨よりも働いてくれるといった状況も結構ありますが、村と一緒で、祝祭プレイ後に使うアクション・カードがないと「銀貨でも同じ結果」となることもあり、デック内のバランスを考える必要のあるカードと言えます。

書庫(しょこ:Library)
基本セット・5コスト・アクション
あなたの手札が7枚になるまでカードを引く。
この方法で引いたアクションカードを脇に置いてもよい。(7枚には数えない−)脇に置いたカードは、このアクションの後、捨て札にする。

関連の強いカード
+)+アクションはあるけどドローのないアクション・カード/秘密の部屋系/避難所場/(対抗)民兵
−)その他の手札を増やす行為(他プレイヤーの議事堂、予言者含む)

書庫に関しては、幾らでも面白いカードの組み合わせはあると思います。
これは、各自で色々と考えてもらえたらとも思います。
祝祭、貧民街、村落など、幾らでもあります。
決まったときには、手札の枚数がウネウネと変化していくのが非常に楽しく、「村−村−保管庫−書庫−(以下略)」といった呪文を唱えられたら、それだけで1日幸せかもしれません。
村系と併せれば、とりあえずアクションをプレイして手札を減らしてから書庫をプレイということも出来ます。共同墓地がある分だけ、避難所場との相性もよくなります。
民兵系のアタックに対する対抗策にもなります。

逆に、単純に手札を増やすドロー・カードとの相性は悪くなります。
また、(アクション連打などの)手札を消費する手段がなければ、書庫を連発する意味はほとんどないので、その場合は単純に書庫を増やすのではなく、ステロイド気味にプレイするとか、さらにデックを構築するなどの必要があるでしょう。

書庫に関しては、各自でいろいろと悪いプレイを検討してもらえたらと思います。

魔女(まじょ:Witch)−アタック
基本セット・5コスト・アクション
+2カードを引く
他のプレイヤーは全員、呪いカードを1枚ずつ獲得する。

関連の強いカード
−)(対抗)仮面舞踏会、大使/庭園/交易人、望楼/呪いを廃棄できるカード(圧縮系など)/堀、灯台/秘密の部屋系、救貧院/都市/司教

対抗策をつらつらと書きましたが、これらのカードがあったからといって魔女が無視できるかはサプライ次第と言えます。
魔女自体に+2カードがありますし、堀などの対策も常に間に合うとは限らないし、圧縮カードを使うとしても圧縮スピードは呪いの分だけ落ちますし、ほとんどの場合は「自分も魔女を打ちつつ、対抗手段にも手を伸ばす」という展開になります。

ただ、仮面舞踏会と大使がある場合、魔女が駄目(使うと負ける)な展開は多くなるでしょう。
庭園がある場合も、庭園側に少しサポート・カードがつくと勝てない場合が多くなります。2人戦だと一方的に呪いを撒いた上にある程度3山切れまで時間があるので何とかなることもありますが、4人戦の場合は呪いを撒くのが複数だと互いに呪いで鈍化しつつ、「庭園、呪い、屋敷」の3山切れの心配も出てくるし、呪いを撒くのが自分一人の場合、残り3人は高速庭園となり、「呪い分でギリギリ30枚に届いた(3〜4人が庭園をプレイした場合、普通は30枚に若干届かずに3山切れで終わることが多い)」人に負けるでしょう。

対抗策がない場合、魔女(呪い撒き系のカード)を無視して勝つことはかなり難しいでしょう。
その場合、魔女をいかに早く獲得し、なるべく多く運用出来るかで勝負が決まることが多くなります。

ちなみに、魔女や海の妖婆のように全員に一律呪いを撒くカードの場合、堀・灯台・交易人のような対抗カードがある場合や誰かが呪いを直接購入したりしない限り、「全員で合計10回プレイした時点で、ちょうど呪いが尽きる」ことになり、受け取る呪いの枚数は最大でも10枚で、自分が受け取る枚数は「10枚−(呪いが尽きる前に)自分がプレイした魔女の回数」となります。

冒険者(ぼうけんしゃ:Adventurer)
基本セット・6コスト・アクション
あなたの山札から財宝カード2枚が公開されるまで、カードを公開する。
公開した財宝カード2枚を手札に加え、他の公開したカードは捨て札に置く。

関連の強いカード
+)(銅貨)圧縮、鉱山/坑道/(対抗)呪い場/(対抗)密偵系、役人、幽霊船、大衆、海の妖婆、占い師など

6コストであるため、どうしても金貨と比較されるカードとなります。
最低でも3金分、アクション消費であることを考えると4金以上の財宝カードを集めてやっと合格、と言われることが多いような気がします。
3金分以上を集めるためには、高額コインを獲得することも重要ですが、それ以上に銅貨の比率を減らすことも大切になります。
山札から財宝カードを探し出してきてくれることから、呪いや勝利点カードが増えたデックでは効力は高くなります。
圧縮が終わって金貨を加えた段階の礼拝堂圧縮などで、勝利点カードが増えた後のことを見越して冒険者が加えられることがあります。

山札をめくるということで坑道との相性も良くなります。
冒険者をプレイして坑道が捲れて金貨を獲得し、次にその金貨を冒険者がサーチしてくるといった循環が期待できます。
山札をめくって財宝カード以外を捨て札にすることから、山札のトップを腐らせるアタックに対しては小さな対抗策になりえますし、薬師や偵察員、医師などで山札のトップが腐っている時に、それらを一掃するのにも使えます。

次回は陰謀ではなく、ギルド、暗黒時代の方に移る予定です。