繁栄1

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、プロモギルド暗黒時代0暗黒時代1暗黒時代2暗黒時代3
※「関連の強いカード」の書き方が乱れてきていますが、その辺は気にせずに「関連のあるカード」程度の認識で見てもらえたらと思います。

ということで、1年ぶりくらいの個別カード解説です。
何故、今の時期にという話もありますが(新拡張発売前で話題はいくらでもありそうですし、新拡張未対応の解説に意味はどれくらいあるのかという話もありますし)、取りあえず書きあがったから挙げてみるかという感じで。
今回は繁栄編1(〜3コスト)になります。

【追加基本カード】
白金貨(はくきんか:Platinum)
繁栄・9コスト・財宝(基本カード)

【能力】
5コイン

関連の強いカード
+)鉱山、収税理/停泊所、策士/隠遁者(狂人)、死の荷車、引揚水夫、肉屋

通常の植民地場であれば(荒れ場や3山終了サプライでなければ)、白金貨の影響はかなり大きくなります。ほとんどの場合、まずは「白金貨の獲得」が1番目の目標になります。
そのため、鉱山や収税理などのカードは属州場に比べれば強くなることが多くなります。
また、強引に9金出すために停泊所や策士のようなターンごとの手札の偏りを持たせるカードや、狂人や死の荷車、場合によっては引揚水夫や肉屋のような一撃カードの価値も高くなります(死の荷車はデックを汚すという点で、圧縮重要な植民地場に合わない点もありますが)。

植民地(しょくみんち:Colony)
繁栄・11コスト・勝利点(基本カード)

【能力】
10勝利点

関連の強いカード
+)屋敷、銅貨を廃棄する廃棄カード/白金貨を獲得出来るカード/コイン・トークン/停泊所、策士、隠遁者
−)特殊勝利点(庭園、公爵など)/銀貨製造装置(役人、探検家など)

「銀貨×5」の手札は属州は買えますが、植民地には届きません。植民地場の銀貨は属州場の銅貨と同程度の扱いで、銅貨、屋敷はそれ以下の単なるゴミ扱いになります。
属州場以上に1枚のカードの価値を高める必要があり、屋敷や銅貨を破棄できるカードは属州場以上に序盤での価値が高くなります。属州場に比べてその辺の感覚を切り替える必要があります。
属州場に比べて終了までの時間が長いことが多く、その効果も高いことから、他に廃棄するカードが無ければ初手から交易路(+0金の見込み)のようなカードで圧縮するようなことも、植民地場では当たり前のように見受けられます。
属州・屋敷場では「仮面舞踏会×2」スタートの仮面ステロと仮面1枚の「仮面・銀」スタートの仮面ステロを対戦させると仮面1枚の仮面ステロの方が勝率が良くなりますが、植民地場では勝率が逆転して仮面2枚の仮面ステロの方が有利になります。
また役人などの銀貨を獲得するカードの価値は下がります。

白金貨が非常に強力な局面が多く、属州場の金貨以上に「1枚目の白金貨が、更なる白金貨購入に繋がる」という場面が出てきます。
そのため、鉱山のようなカードの価値は属州場より高くなります。また、高額カードが強いということで、コイン・トークンを獲得するカードも強くなりますし、停泊所や策士のような「ターンごとの手札の枚数に偏りをもたらすカード」の価値も高くなります。そういう意味では、隠遁者は屋敷(避難所)を廃棄出来る上に狂人化して白金貨へ至る一撃を叩き出すと、植民地場でも高い評価になります。

1枚目の白金貨へ至るプレイングだとか、その後の勢いを維持するための圧縮ですとか、属州場に比べるとスキルの差が出やすいことが多いのですが、結果だけを見ると「運よく1枚目の白金貨を買えた(たまたま9金出ちゃった)プレイヤーがそのまま圧勝」と見えることも多く、傍から見ていると運ゲーに見えることも多いように思います。

最終の勝利点合計が属州場より高くなるため、相対的に特殊勝利点の地位が低下します。
対戦相手が安定して植民地を買えるようになると、特殊勝利点の点数では届かなくなることが多くなります。そのため、荒れ場(対抗策のない香具師や海の妖婆があるとか)や早期3山切れのような「植民地とか関係なかった」みたいな展開でなければ、これらのカードは無視されることが多くなります。
馬上槍試合などは、植民地場(白金貨がある)でも褒章カード自体は強いことが多く、属州獲得と植民地を目指す比率などが難しくなることがあります。

【3コスト】
交易路(こうえきろ:Trade Route)
繁栄・3コスト・アクション

【能力】
+1カードを購入
交易路マットにあるトークン1枚につき+1コイン。
あなたの手札のカード1枚を廃棄する。

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準備:サプライにある勝利点カードの山札の上に、トークンを1枚ずつ置く。そのサプライの山札からカード1枚が獲得されるとき、トークン1枚を交易路マットへ移動する。

関連の強いカード
+)植民地場/勝利点カード(大広間、島、貴族、ハーレム、坑道、シルクロード、封土など)/青空市場/城塞/(対抗)呪い、廃墟
−)民兵系/高圧縮/ゴーレム、伝令官

初期には1枚廃棄するだけでコインが出ず効率が悪いところがあり、どちらかというと終盤(特殊勝利点がなくても属州、公領、屋敷の3種類で3金にはなる)に活躍するイメージが高いです。
ただし大広間や島など序盤から獲得されやすい特殊勝利点があれば、その時期は早くなります。交易路マットは全員共通なので、自分が庭園や公領・公爵などに進まないとしても、誰かがそういったプレイングに進めば、自分が交易路をプレイする際に恩恵を受けることが出来ます。
植民地場の場合、他に銅貨・屋敷(避難所)の廃棄方法がなければ、使いにくくても初手から交易路が買われることはよくあります。
庭園プレイする際には使いよいカードではありませんが(1枚廃棄して2枚買うことになる)、シルクロード・プレイの際には使えるカードになることが多くなります。
封土は、封土獲得時点で交易路にも+1金で、後に交易路で封土を廃棄するチャンスがあるので相性は悪くなく、呪いや廃墟対策にもなりえます。
廃棄するということで青空市場との相性も良く、高圧縮をかける場合は城塞があるとサポートになることがあります。

手札から廃棄のため、民兵系を使われると困ることが多く、高圧縮をかけすぎると廃棄対象がなくて困ることがあります。プレイ時の廃棄は義務なので、特にゴーレムや伝令館などと併用する時は注意が必要です。

特殊勝利点がある場だと、1枚で5〜6金出るカードに育つことすらあるので、そういう展開が望める時には、特に交易路が適したデックでなくても中盤に一発として仕込まれることも多くなります。
交易路を使っているプレイヤーが「農地購入、銅貨廃棄で屋敷獲得で交易路マットに+2トークン」みたいなプレイをする風景もたまに見かけます。

ルール的な話では、騎士の中の勝利点(デイム・ジョセフィーヌ)や闇市場デック中の勝利点は交易路トークンの対象になりませんが、魔女娘の災いカードに坑道や大広間などが選ばれた場合は対象になります。また、闇市場デックに交易路が含まれる場合は、交易路マット、トークンが準備されます。

借金(しゃっきん:Loan)
繁栄・3コスト・財宝

【能力】
1コイン
このカードを使うとき、あなたの山札を財宝カードが公開されるまで上から公開し、その財宝カードを捨て札にするか廃棄する。他の公開したカードは捨て札にする。

関連の強いカード
+)植民地場/航海士、薬師、医師、中庭、官吏、ゴミあさり/救貧院、埋蔵金/坑道/(対抗)役人、海の妖婆、占い師など
−)ゴミあさり、役人、武器庫、収税吏、(リアクション)物乞いなど

特にデック操作を併用せずに借金をプレイし続けるとすれば、何がめくれるか(めくれないか)は、運任せとなります。
可能であれば、山札が残り少なくてキー・カードが山札に残っている場合や、借金をプレイするとシャッフルが入りそうな場合は、借金をプレイするかどうかを考えるようにすると良いと思います。

アクションを使わずに銅貨が廃棄できるメリットに対して、(キー・カードが流れたり、借金がプレイできない可能性も含め)運の要素が強くなるカードといえます。例えば2周目にどうしてもプレイしたいカードがある場合、初手に借金を買うかどうかは考える必要があります。
例えば「再建−借金」の初手で3ターン目に「銅貨×4、借金」という手札を引い場合、借金をプレイしないことはまずないと思いますが、「屋敷、銅貨」とめくれて銅貨を廃棄した上で4ターン目に「屋敷×2、銅貨×2、再建」という手札を引く可能性も、「再建、屋敷、銅貨」とめくれる(再建が流れた上でシャッフルが入る)可能性もあります。リスクを負って最高値を目指さなければいけない場合はありですが、アベレージが出せれば十分なんとかなりそうな条件なら「再建−低コストのキャントリップ」といった初手の方を選択することもあり得ます。
また、「圧縮するなら、なるべく早くから」ということで初手に買いたくなりますが、当たり前ですが初手銀貨購入に比べて金量が少なくなる(2周目に5金出ない可能性が高くなる)ことにも注意が必要となります。

銅貨を廃棄できることから植民地場や、コンボ全般との相性が良く、救貧院を使う場合や、埋蔵金を使う場合にも利用が考えられます。

財宝以外のカード(つまり勝利点カードや呪いも)を流せるので、薬師や医者プレイ後に溜まった勝利点を流したり、航海士で見た5枚を「(上から)いらない勝利点などのカード、銅貨、必要なカード」と並べてから借金をプレイすれば、5枚中に必要なカードだけを次のターンに引くことが出来ます。中庭や官吏で銅貨を戻して借金で廃棄したり、いらない勝利点を流したりするようなことも出来ます。
財宝カードなので、村がなくてもこれら航海士や中庭といったカードと併用できるのも一つのウリといえます。

捨てるということで坑道を流すのにも利用できます。借金と坑道だけでは効率が悪いですが、薬師などでサポートできたり、借金、坑道が揃っているのに占い師をプレイしてくるような対戦相手がいれば、考えてもいいでしょう。
また、対戦相手の役人、海の妖婆、占い師、大衆、密偵系などの「山札のトップを汚す」アタックに対しても、対処の一つになることがあります。
運の要素が入ってきますが、平均的には回転率はアップするとのも利点といえます。

逆に、自分の山札のトップに有効なカードを載せるカード(役人、武器庫、収税理、やリアクションの物乞いなど)とは相性が悪いことがあるので、その点は注意が必要となります。
ゴミあさりの場合、銅貨を山札に載せて確実に銅貨を廃棄することは可能になりますが、逆に有用なカード(金貨や強いアクション)を拾ってきた場合は借金をプレイ出来ないことになるので注意が必要となります。

望楼(ぼうろう:Watchtower)
繁栄・3コスト・アクション−リアクション

【能力】
あなたの手札が6枚になるまでカードを引く。

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あなたがカード1枚を獲得するとき、このカードを手札から公開してもよい。そうした場合、そのカードを廃棄するか、あなたの山札の一番上に置く。

関連の強いカード
+)封土/従者(+アタック・カード)/青空市場/避難所場(共同墓地)/手札を捨てるカード(村落、村+秘密の部屋など)、+アクションがあってプレイすると手札が減るカード(貧民街、改良、総督、大学など)/不要な獲得のあるカード(石工、開発などの改築系、ならず者、商人ギルド、死の荷車、隠し財産、埋蔵金など)/宝の地図、浮浪児/会計所/(対抗)民兵系/(対抗)呪い・廃墟まき/(対抗)詐欺師、抑留

「いろいろと悪用出来る(変な利用方法がある)カード」を挙げる場合に、まず筆頭に上がることの多いカードといえます。様々な方法があり、望楼がサプライにある場合は、一度立ち止まって「何か変な使い方がないか」をまず検討してみるといいでしょう。

「獲得」という領域の広い行為に対してリアクションするカードの上に、廃棄と山札の上に載せるという2種類の処理(リアクションしないを入れると3種類)があり、それぞれの獲得に対して選択的に別々の処理が出来、堀のようにリアクション後に手札に戻るため、本当にいろいろなことが出来ます。

とりあえず、封土、従者と同じサプライの場合は、注意が必要になります。
封土を購入できる場面(もしくは獲得でも可能)で手札に望楼があれば(プレイせずに残しておけば)、即座に封土を廃棄して銀貨3枚を獲得しつつ、その3枚を山札のトップに載せることが出来ます。次のターンは金貨や大市場を購入出来ます。
従者の場合は2コストなのでより容易といえます。従者の廃棄時効果でサプライにあるアタック・カードの1枚を獲得します。これは、6コストのならず者だろうが、ポーションをコストに含む使い魔だろうが可能です。しかも、獲得時に望楼でリアクションすれば、山札のトップに載せて、すぐに次のターンにプレイすることが出来ます。
青空市場と望楼が手札にある状態で何かを獲得すれば(それこそ、購入フェイズに銅貨や呪いを購入でも可だし、対戦相手からまかれた呪いや廃墟でも可)、「望楼でリアクションして廃棄→青空市場リアクション→望楼でリアクションして獲得した金貨を山札に載せる」ということが可能です。

書庫系の能力(手札を6枚にする)があるため、手札を捨てる村落や地下貯蔵庫、村があれば秘密の部屋系カード(秘密の部屋、保管庫、物置、馬商人など)と組み合わせることも出来ます。前哨地なども検討対象になるでしょう。
同様に+アクションがあってプレイすると手札が減るカード(貧民街、手先、オアシスなど)との相性も良くなります。特に改良、総督、大学などは、獲得したカードを望楼のリアクションで山札に載せ、望楼をプレイして引いて即座に利用できるため、非常に相性が良くなります。
属州場、植民地場による得意、不得意は見られませんが、屋敷場に比べると共同墓地の分だけ避難所場の方が活躍しやすくなります。

獲得時に廃棄能力があるので、不要な獲得がデメリットとしてついているカードと組み合わせることも考えらえます。
隠し財産をプレイして、屋敷を購入して獲得した金貨は山札の上に載せつつ購入した屋敷は廃棄したり、ならず者や商人ギルドで、獲得するトークンを増やすために購入した銅貨や呪いを即座に廃棄したり、石工の追加支払いで獲得したカードを山札に載せつつ購入した石工自体は廃棄したり、死の荷車を獲得した際に、廃墟1枚と死の荷車は山札に載せつつ、もう1枚の廃墟は廃棄したり、埋蔵金を獲得した際にオマケの銅貨2枚は廃棄しつつ、埋蔵金を山札の上に載せたりといったことも出来ます。
石工で屋敷を廃棄した場合、銅貨や呪いを取る必要がありますが、望楼が手札にあれば獲得時に即座に廃棄出来ます。開発で片方はほしいけど、もう片方はほしくない時とかも対応できますし、銅貨を改築や肉屋で廃棄だけする(元の銅貨を廃棄した後に獲得する銅貨や呪いなどを即座に廃棄する)ことも出来ます。

また+購入(または護符)がある場合などに、宝の地図や浮浪児を2枚購入(獲得)して、揃って山札に載せたりといったことも出来ます。
捨て札が肥えた状態で山札が4枚以上残っていて、手札に5金と望楼が揃えば、会計所を購入・山札に載せて次のターンに楽しむことも出来ます。

書庫系なので民兵などの手札を減らすアタックに対しては対抗になります。

獲得した後は対処できませんが、呪いや廃墟などのいらないカードをまくアタックに対しては、獲得時(アタック時)に手札に望楼があれば獲得後に即時廃棄で対抗できます。
獲得に対するリアクションのため、不正利得獲得時の呪いに対しても対応でき、交易人のような置き換えではなく獲得後廃棄のため、予言者の呪いに対応した場合(呪いを破棄した場合)も、その後のドローは出来ます。
また2人戦の場合で対戦相手が呪いや廃墟をまくアタックをプレイしてくる場合で、手札に望楼があり+購入が余っている場合(例えば手札に望楼を残して6金・2購入をプレイして、金貨を買って望楼で山札に載せたような場合)、余った購入分で呪いや廃墟を購入して廃棄しておけば、自分がアタックを喰らう回数が減ります。
獲得した呪いを廃棄すればいいので、抑留トークンが置かれたカードを購入してもダメージを受けないで済みます。

詐欺師にとっては望楼は天敵足りえます。対戦相手が望楼を買った場合は、相詐欺師には手を伸ばさない方が良いでしょう。対戦相手が望楼を手札に持っている時に詐欺師でアタックした場合、詐欺師が銅貨や屋敷にヒットすると、対戦相手の圧縮を手伝ったことになります(めくれた銅貨や屋敷が廃棄され、代わりに獲得される呪いや別の屋敷は望楼のリアクションで廃棄されます)。