盾と矛 (アタック・カードとリアクション・カード)

一般的にドミニオンにおいてアタック・カード(攻撃)と、リアクション・カード(防御)がサプライに揃った場合、どちらかというと攻撃側が優勢で、防御はどちらかというと気休め的な場合が多いような気がします。

これは、防御(リアクション)カードは、アタックを喰らった際に運よく手札に引いていないと働かないため、思った程には防御できない点が大きいのかなという気がします。
これは、リアクションではなりませんが、民兵に対する書庫みたいな対策カードの場合も同じですね。

そういう意味では、呪い対策の場合は、堀のような「その時持っていないと働かないカード」よりも、交易場のように「いつかは呪いと揃って、呪いを消去してくれる」カードの方が、(実際の効率はさておき)心理的には受け入れやすいような気がします。

また、灯台なんかはともかく、堀のようなアクション消費のアクション(ターミナル・アクション)の場合、防御率を上げるために枚数を増やすと、自分のデック運用が詰まりやすくなる点もマイナス要因のような気がします。

逆に、攻撃(アタック)カードのほとんどは、とりあえず引いたら使えばよく、防御(リアクション)されようとも、自分に対しての効果(2ドローとか、仮想2コインとか)は最低限発揮してくれるため、その点でも、防御カードに比べてストレスを感じることが少なくなってるように思います。

で、その辺をもう少し詳しく(ちゃんと)検証するためには、他のプレイヤーがアタック・カードを購入して、自分が防御カードを購入した場合、どのくらいの確率で、アタックを食らった時に運よくリアクション・カードを引くことが出来るのかを検討する必要があるかと思います。

ただ実際のカード・セットで検討すると面倒なので、

・アタック側は、攻撃カード○枚を含む15枚の山札を持ち、
・リアクション側は、防御カード×枚を含む15枚の山札を持ち、
同時に山札から5枚を引いて公開し、
・攻撃カードが1枚以上あって、防御カードが1枚もなければヒット1回
(攻撃カードが同時に何枚出ても1ヒット)
・攻撃カードが1枚以上あるけれど、防御カードが1枚以上ある場合はブロック1回
・攻撃カードが1枚もない場合は、何も起こらない

という処理を山札が尽きるまで3回行ったとして、ヒット数やブロック数がどうなるかで検討してみました。

山札15枚ということは、だいたい6〜8ターン目の攻防に近いのかなという気がします。

攻撃カードと防御カードの各枚数の組み合わせごとの、ヒット数、ブロック数の確率は別表のとおりです。

攻撃カードと防御カードの枚数と結果の関係

※「2枚 対 2枚」の場合は、特別に詳細を下に記載しています。

例えば、攻撃カード2枚 vs 防御カード2枚の場合、約60%の確率で1回のヒットを食らいます。

2枚 vs 2枚でも、約6割で1回のヒットを受ける点をどう評価するか。
逆に考えると、ブロック数の平均も1回以上にはなっており、完璧な防御はできなくても、1回分は防御しているとも言えます。

まぁ、実際は、サプライを鑑みて、例えば通常なら銀貨や、場合によっては攻撃カードを買うところを、代わりに堀などの防御カードを買った分の差が、「3ターンに1回の防御」でペイするのかといったところを考えないと、ちゃんとした判断はできないわけですが。

あと、防御カード3枚の場合27%、4枚の場合55%で、3ターン全てに防御カードを1枚以上引く確率があります。
つまり、他のプレイヤーが幾らアタックを仕掛けてきても、防御カードの弾幕が張り続けられ、全て弾き返してしまいます。
まぁ、4枚買っても、半分近くの確率(45%)で穴の出来るターンが出来るあたりをどう考えるかという話もありますが、まぁ、繰り返しになりますが、ゲームの目的は「完璧に防御する」ことではなく、「食らっても、それ以上殴り返す」なり「食らったけど、他で頑張った分、よくデックがまわった」とかで勝っても、全然いいわけで、結局、他とのバランスの問題になると思います。

まぁ、結果は、何となく予想していた程度の数値のような気もします。
で、例えば「魔女」対「堀」だと、ある意味、魔女側は殴りっぱなしで、反撃を受ける要素がないため、とりあえず攻撃側(魔女)を目指し、2金余ったときに堀を加えるような形になりがちです。
あと、人数と、その分布によって、考えることも違ってくるでしょう。どちらかというと、この表は2人戦念頭で、4人戦では、また違った考えが必要でしょうし。

また、呪い系や詐欺師に対する交易人、詐欺師や泥棒などのライブラリー・トップを攻めるカードに対する秘密の部屋、詐欺師に対する望楼、(リアクションではありませんが)民兵に対する書庫、のようにリアクションが返し技(喰らったほうが、有利になるような)の場合、さらに話がややこしくなります。
こうやって書いてみると、結構、詐欺師って天敵多いですね。

4人戦で、2〜3人が初手に望楼や交易人を買った状態で、初手に詐欺師で突っ込む勇気は、私にはありません。
とはいえ、さっきの表を見てもらうと分かるように、
「15枚中アタック2枚」と「15枚中リアクション2枚」の対決だと

0回被弾(被弾なし)  33%
1回被弾        60%
2回被弾        7%

と、防御を固めていても運悪く2発喰らう確率もありえます。
まぁ、その辺の運は仕方がないと諦めるしかありません。

同じシチュエーションで100戦戦えば、例えば、魔女に対して交易人2枚で対抗したり、民兵に書庫で対応したりした場合、トータルの対戦成績は良くなるでしょうが、上記の結果のように100%勝てるというほどでもないので、単に1戦だけに注目すると、結構、(テクニック的には野暮ったく見える)攻撃側が防御側の手をすり抜けて、(運よく?)勝ってしまうこともままあり得ます。

が、3番手で「初手1ターン目に交易人を買って、さらに3ターン目にも交易人を買って、アピールして」「下家の4番手も呼吸をあわせて交易人を買ってくれた」のに、1番手がIGGを無造作に買って(2番手は1番手が通った時だけIGGを買って)、下家と二人ボコスカ喰らって負けた上で、「IGGは危険なんだから、(みんなで)買わないと一方的になるよ」とか(2番手はともかく1番手のプレイヤーに)言われた日には、どうしたもんだかと思ったりするわけです(今回の言いたかったことは、ほぼ、ここにあるわけですが)。

まぁ、その辺の運は仕方がないですよね。私は、「ついていること」を管理できるような実力者でもないですし。

愚痴が長くなりましたが、ではでは。