基本に帰ろう (その6) 鍛冶屋ステロイド3

ゲームが終盤にさしかかった頃に手札が6金や7金になった場合、公領を買うべきか、金貨を買うべきか悩んだことがない人はいないと思います。

ゲームのどのタイミングで勝利点購入モードにシフトすべきか?
今回のテーマもステロイド系特有の問題ではありませんが、ステロイドでは特に重要となる問題なのでここで説明したいと思います。

冒頭の金貨・公領問題に関していくつか考え方があると思いますが、例えば、こんな考え方もあります。

1)もはやゲーム終了間近で、現在の山札を引き切る前に、つまり『次のシャッフル前にゲームが終わるのが明らか』な場合

勝利点以外の購入(例えば金貨とか、アクション・カードとか)は、ありえない選択になります。つまり選択すべきは公領購入となります。

2)ゲーム終了まで少し猶予があり、『現在の山札が尽き、次のシャッフルが入り、その山札を引いている間にゲームが終わりそう』な場合

a)該当するカード(迷って買った公領、または金貨)を引く前にゲームが終了した場合
 この場合は、公領を買った方が良かったということになります。
b)該当するカードを引いたけど、その他のカードで既に8金あった場合
 この場合も、公領を買った方が良かったということになります(議事堂などで+Buyがある場合は別ですが)。
c)該当するカードを引いて、その他のカードが5〜7金の場合
 公領を買った場合、今回も公領を購入となり、合計6点、金貨を買った場合は今回属州購入で合計6点と同点です。
d)該当するカードを引いて、その他のカードが2〜4金の場合
 公領を買った場合、今回は屋敷購入となり、合計4点、金貨を買った場合は今回公領購入で合計3点です。
e)該当するカードを引いて、その他のカードが0〜1金の場合
 公領を買った場合、今回は勝利点は購入出来ず合計3点、金貨を買った場合は屋敷購入で合計1点です。

さらに次のシャッフルに行く前にゲームが終了するなら、結局、公領を買った方が良くなります。
つまり、6〜7金で金貨か公領を迷うのは、「あと2回以上シャッフルがあって、その山札からカードを引く」までゲームが続くと予想される場合のみとなります。

その辺のタイミングが読み切れるのなら苦労はしませんが、ある程度目安を立てることは出来ると思います。
例えば、毎ターン1枚カードを購入して10ターン終了時であれば、山札・捨札・手札の全てのカードをあわせると20枚となり、鍛冶屋2枚のステロイドなら1廻り(シャッフルから次のシャッフルまでの間隔)は3〜4ターンとなります。
つまり、終盤近くでシャッフルが入ったら、2廻りするには7〜8ターンかかることになります。

これって、「全員中級者以上のプレーンンな場の終盤」という条件を考えると、7〜8ターンあれば、その間に、かなりの属州が売れてしまうのではないかと思います。8ターンもあれば12枚全部なくなることも十分あると思います。
ということは、通常の流れで、皆が属州購入体制に入りつつある状況(例えば属州がぽつぽつ2〜3枚売れた状態)でシャッフルが入ったら、後は勝利点購入モードに移行しても、問題ないような気がします。
例えば全員が鍛冶屋ステロイド、またはそれに類するスピードでプレイしている場合、15ターンもあればゲームは終わるような気がします。
そこから逆算すると、7〜8ターンくらいには勝利点購入モードにシフトしてもいいような気がします。

ミニマル・ドミニオンによれば、鍛冶屋ステロイドで終盤3枚目の鍛冶屋購入が4枚目の属州購入確率を上げる可能性が指摘されていますが、実戦では3枚目を購入するようなタイミングは、既に勝利点(公領)購入モードに入っているはずなので、実際には買って報われることは少ないような気がします。

もちろん、実戦では場の状況を見て、例えば極端に遅れたプレイヤーがいるなら、更に金貨や3枚目の鍛冶屋購入といった手を打つこともありえます。
2廻り以上しないこと前提であれば6金の場合の公領・金貨は公領ですが、逆に2廻り以上しそうなら、公領と金貨の差は結構大きな差になります。

例えば、初手10枚に属州2枚、銀貨3枚、金貨4枚を加えた状態で、さらに金貨を1枚加えてシャッフルした場合(1枚平均は1.4金)、5枚の手札で8金以上となるのは41%、金貨でなく公領を加えた場合(1枚平均1.25金)は28%となります。
まぁ、そういった確率以前に、お金があふれる(1ターンに10金以上とか)ような事態でなければ、次の1廻りで3コイン分の購買力の差がつくことになります。
次の1廻りで終われば公領3点分を、購買力3コイン分でひっくり返せませんが、2廻り以上まわれば十分ひっくり返るでしょう。
まぁ、結局、終わるタイミングを読んで、それに対応したプレイが必要になるということです。ただ、多分、大半の人が思っているより、勝利点購入にシフトするタイミングは早くても大丈夫なのではないかと思います。

あと、状況が読みづらいときは、シャッフル直後なら勝利点購入で様子見、山札が尽きかけ(次のシャッフルが近い)の場合は金貨購入で様子見というのはありかもしれません。

あと、基本セット環境では、鍛冶屋+村のコンボが、鍛冶屋ステロイドを越えることはかなり稀な気がします(同等程度なら、それなりにありそうですが)。
周りが鍛冶屋ステロイドでプレイして15ターンくらいでゲームが終わるとすれば、ゲーム終了までの15回分の購入を割り当てていくと、例えばこんな感じでしょうか。

銀貨購入:1枚
金貨購入:3枚
村購入:5枚
鍛冶屋購入: 3枚
※勝利点(属州、公領)購入:4枚

で、屋敷3、銅貨7、銀貨1、金貨3、村5、鍛冶屋3の構成で属州4枚を購入しようと思うと、結構厳しいものがあります。さらに言えば、妨害手段がなければ、もっと早い展開(15枚も購入タイミングがない)もあり得ます。というより、よく数えてみると、上記構成でも16ターンになっていますね。

結局、鍛冶屋+村を展開するのに必要なのは、+buyのカード(稀に工房も)で自分の展開を早めたり、妨害手段(民兵などのアタック・カード)で展開を遅らせたりすることが必要な気がします。
で、この環境で使える+Buyというと、議事堂、祝祭、たまに市場といった感じで、これらを使うと、鍛冶屋+村とは別物になるような気がします。
実際、基本セットのみ環境で一番アクション連打がしやすいのは、議事堂からの議事堂+村と、祝祭絡みのような気がします。
で、鍛冶屋を使う人は鍛冶屋ステロイドで、アクション連打をしたい人は議事堂や祝祭を使うようになると思います。まぁ、勝てるのなら、どちらを選択してもいいのですが鍛冶屋+村になることは少ないような気がします。
で、妨害手段+工房となると、いわゆる推奨セットのFirst Playになるような気がします。

余りまとまりがありませんが、この項はこれくらいで。