新プロモ・カード「王子」について

現在、アメリカではOrigins(北米の大規模ゲーム・コンベンション)が開催中(6/11〜14)ですが、そこでドミニオンの新しいプロモ・カードが発表されたみたいです。
最近のプロモ(囲郭村、総督)の流れからいうと、何か別のボード・ゲームの10周年記念とかとのコラボだと思うんですが、何のプロモなんでしょうね?
これで王国カードは全206種類になったわけですが、こういった感じでちょくちょくプロモを増えていけば210種類くらいまでは増えそうな感じですね。

【英語原文】
Prince (8cost/ Action Card /Promo)
You may set this aside.If you do, set aside an Action Card from you hand costing up to $4. At the start of each of your turns, play that Action, seting it aside again when you discard it from play. (Stop playing it if you fail to set it aside on a turn you play it.)

【私家訳】
王子 (8コスト/アクション・カード/プロモ・カード

このカードを脇にどけても良い。そうする場合、手札にある4コスト以下のアクションカード1枚も脇にどける。
各ターンの初めにそのアクションカードをプレイし、捨て札にされる時に脇にどける。(プレイされたターンにアクションカードを脇にどけることが出来なかった場合、それ以降のターンはプレイされない)

BGGのフォーラムなどで紹介され、ドナルドのFAQも掲載されています。
DominionStrategy.Comでも話題になっているみたいです。

例外はありますが、ざっくり説明すると、

・王子をプレイしたら、王子と一緒に手札の4コスト以下のアクションカードを脇にどける
・以降、毎ターンの開始時に、(王子と一緒に)脇にどけたアクションカードがプレイされる
・クリーンナップ・フェイズに、プレイされたアクションカードは捨て札にするのではなく、脇に戻す
(以下、毎ターン繰り返し)

となります。

つまり、(4コスト以下の)特定のアクションカードが毎ターン開始時にプレイされることになります。
毎ターン、鍛冶屋とか村が開始時にプレイされるとなると、かなり世界が変わりますね。


ドナルドのFAQの原文は最後に掲載しておきますが、気になったところを簡単にあげていきますと、

・王子と一緒に脇にどけたカードが、脇に戻ることに失敗する理由として、
「祝宴や島、鉱山の村(廃棄選択)、狂人のようなプレイ後に廃棄されたり、ゲームの脇にいったり、サプライに戻ったりする場合」「画策でそのカードが山札に戻った場合」は予想がつきましたが、「持続カード(持続中は捨て札にならない)」は結構目から鱗でした。
また一度脇にどけられた王子は、一緒に脇にどけたアクションカードがどうなろうと、以降ゲームが終了するまで脇に居続けることになります。
・脇にどけたカードは、脇にどけたターンにはプレイされない。
また、各ターンの開始時に強制的にプレイされ、プレイしないことを選択することは出来ない。捨て札に戻る代わりに強制的に脇に戻り、「捨て札にならない」時以外、脇に戻さないことを選択出来ない。
・別々の王子で脇にどかしたカードのプレイや、持続中のカードのターン開始時の効果は同タイミングで、複数ある場合、「そのうちの一つを選んで解決」→「まだ残っていれば、残りのうち一つを選んで解決する」ことを繰り返すことになります(最初の効果の解決時に、残りの効果の解決順番を決める必要はありません)。
・「玉座の間−王子」とプレイしても、王子を2回脇にどけることは出来ないので、2回効果は発生しない。逆に玉座の間を王子に込めると、毎ターン開始時に手札のアクションの1枚が2回プレイされますね。
・一緒に脇にどけるアクションカードは、王子をプレイするタイミングでコストが4以下であればよく、そのため、街道や橋などと併用すれば、本来より高いコストのアクションカードを脇にどけることが出来る(そのため、王子で王子を脇にどけるとどうなるかという、ルール議論も生じている)。
・褒章カード、傭兵、狂人のような0*コストや、ギルドの追加支払いのあるカード(石工の2+など)も王子の対象と出来るが、ポーション・コストを含むカードはどうやっても対象に出来ない。
・ゲーム終了時に王子や脇にどかしたカードは、島などと同様にデックに戻される。
・前哨地、支配などの追加ターンにも脇にどけたアクションカードはプレイされる。

某勢力では既に「王子−宰相」「王子−(プレイ時に街道+)会計所」「王子−画策(毎回、会計所使い回し)」といった話もされているみたいです。
というより、画策がサプライにあるとコストの制約が取っ払われて、毎ターン同じカードを戻せるようになりますね(ターン初めに画策の分の+アクションとドローももらえるし)。

例えば鍛冶屋あたりが込められればかなり強力ですが、例えば鍛冶屋ステロの場合に「鍛冶屋ステロの最中に8金でアクションカードを購入して」「運よくそのカードと鍛冶屋が手札に揃うことを期待する」かというと、普通に属州を買った方が早いでしょう。
そのため、ステロのカードではなく、コンボ時のカードになると思われます。
一度目標のカードを王子に込められたら、非常にデックが安定するでしょうね。

ターン開始時に勝手にプレイされるので、軽キャントリップであってもかなりな効果になります。例えば真珠採りが王子にこめられた場合、ターン開始時に+アクションと+ドロー(+山札操作)があるため、他の要因がなければアクション・フェイズの開始時は「手札6枚、2アクション」と、都市第2段階を1枚プレイしたのと同じ状態になります。村なら、「手札6枚、3アクション」になりますね。

しかし、毎ターン民兵が降ってくること確定の環境とかは非常にウザそうですね。
脇にどけたカードは強制プレイなので、傭兵みたいに廃棄するかどうか選択出来るカードはともかく、見張りみたいな強制廃棄のあるカードは使いずらいですね。

なんとなく、ちゃちゃと8金に届かせると強いという点で、馬上槍試合に近い感覚の環境にになりそうな気がします。

英語版はそのうちBGG Storeで$5で販売されそうですが、「日本語版は出るのか?」「出るとしたらいつ?」という疑問があります。
もしかして「ドミニオンの招待2014(全カード対応)」とかが出て、その付録とかだとうれしいのですが(付録がうれしいというより、本が出ることが)。

あと、「Gokoでの取り扱いはあるのか?」、「あるとしたら、いつから?」、あと「購入方法はどうなるのか?」という話があります(少なくとも、現時点では発売されていませんでした)。
以前も書きましたが、Gokoのプロモの購入方法はコインと盾の2種類があるわけですが、もし盾100個だと、現状、どうやっても一人の人が全カードを揃えることは不可能となるので、やめてほしいところはあります。


【FAQ:原文】
Here is the FAQ.

Prince has you play the same cheap action every turn for the rest of the game. The turn you play Prince, you set it aside with an Action from your hand costing $4 or less; then every turn after that you play the Action at the start of the turn, and then set it aside again when you discard it from play. If you don't discard the Action then you stop playing it with Prince; Prince at that point is just set aside doing nothing for the rest of the game. That won't normally happen but will happen for example if the Action is a Feast or Mining Village and you trashed it, or if it's a duration card and so it stayed in play, or if it's a Madman and was returned to its pile, or if it's an Island and was set aside, or if it's a card you put back on your deck with Scheme. In practice you will probably not choose to set aside Prince with a card that won't work well with it, and so will play the Action you set aside every turn from that point on. The set aside Action technically goes back and forth from being in play to being set aside each turn, but in practice it's easier to leave it sitting on the Prince and just announce resolving it each turn.

Prince has to be set aside to do anything; using Throne Room on Prince won't let you set aside two cards. The Action card you set aside has to cost $4 at the time you play Prince, but can normally cost more; for example you could play a Highway, then use Prince on a Laboratory. You do not play the set aside Action the turn you first set it aside with Prince. Playing the card each turn doesn't use up your normal Action play, and is mandatory; setting aside the Action when you discard it from play is also mandatory, you only fail to do it if the card isn't in play at that point. At the end of the game, Prince and the set aside card are returned to your deck before scoring. When you have multiple effects to resolve at the start of the turn - such as multiple Princes and certain duration cards from Seaside - resolve them in any order, and that order may vary from turn to turn; choose one to resolve, resolve it, then move on to another one, until they are all resolved. Cards which cost $0* such as Mercenary and the Cornucopia Prizes can be set aside with a Prince, as can cards from Guilds that cost $2+ or $3+ or $4+. Cards with a Potion in the cost cannot be set aside with Prince. Prince plays its Action on extra turns from Outpost and Possession. The Action card that Prince plays is in play after it's played each turn, so it will count for things like Peddler; Prince however remains set aside.