『やりこむ』ということについて

地元のゲーム・サークルで遊ぶ際に感じる不満として、「一つのゲームをやりこむことが少ない」というのがあります。

月1回の集まりで、だいたい10〜20人の集まりなので、毎回の集まりの際に、だいたい数作(多い時は10数作)は新作のゲームが持ち寄られることになります。
まぁ、それだけボードゲームの新作が常時出版される環境になったことは喜ばしいことではありますが、反面、普通に遊んでいると新作を『消費』するのに精一杯で、よっぽど気に入って誰かが強く主張しないと、同じゲームが2回、3回走ることは少ない、という状況になります。

ただ、あるゲームの面白さが1回でわかるかというと、だいたいは1回目は動き方の把握とかにとどまり、どうしても非効率なプレイをしてしまい、「次やるなら、こうするのに」と思う場合が多いような気がします(まぁ、たまに「このゲームは、ダメだ(面白くない、あわない)」と思うこともありますが)。

まぁ、囲碁、将棋や、コントラクト・ブリッジのような室内競技として伝統のあるゲームのように、全てのゲームをやりこむというのは、能力的にも、時間的にも無理ですが、気になったゲームは簡単な定跡がわかるくらいまではやりたいですし、ドミニオンのレベルで気に入ったゲームは、とことんやり込みたい欲求はあります。

また、自分的にはドミニオンに関してそれなりにやり込んでいるつもりでも、本当にやり込んでいる人達に比べると、やはり甘いのかなという気がします。

例えば、基本〜異郷までのランダム・サプライで100戦みたいなリーグ戦があれば、自分はそれなりの成績が取れるような気がします。
ランダムで出てくるセットであれば、サプライの中から選べる選択肢として2つ、3つ良さそうなルートがあっても、その選択の判断に迷うことはそれほどなく、だいたい慣れでプレイ出来るように思います。
個別の各カードの基本的な使い方とか、簡単なカードの連携(コンボ)に関しても、それなりには使えていると思います。
実際、isotropicでも、少しツイていれば上位の人(たとえばmanziさんとか)でも、勝てるときは勝てます。

ただ、逆に基本セットのみとか、基本+陰謀のみから、今回の日本選手権の午後の第4戦みたいな、どれを選ぶべきか判断に迷うようなルートが複数あり、しかも、周りのプレイング(正しい、間違えているも含めて)で、最良のルートが変動するようなギリギリの(より深い判断力の必要な)サプライばかりで試合が行われた場合、どこかで馬脚を現すような気がします。

また、例えば、今回の日本選手権のサプライを反省しようとか、そのサプライで何度かプレイしてみよう、ということをやったりもしていません。
そういうところ、やはり、自分はやっているようで、足りないところが多いのだなぁ、と思いました。

まぁ、競技としてのドミニオンを考えると、今でも自分の立場としては、「ランダム・サプライ」であるべきとは思っていますが(公正さとかそういった面で)、ギリギリのサプライを作って「よりやり込んだ人が有利なサプライ」でやるという考えも、納得はできます。

また、実際の選手権予選がその方向で作られたサプライを使用するのであれば、当面はそれに対応するのが戦略としても正しいことになります
(まぁ、自分の考えを主張して現在の制度を変える努力をするのも、別の方向性として必要には思いますが、それは置いておいて)。

逆に、受験なんかと同様で、「出題者の立場に立って、問題(サプライ)を考える」というのも、練習の一つとしては重要な気がしてきました。

最初は、「このカード」と「このカード」を一つのサプライに入れると対立するよなとか、コンボになるよなとか、ドッチがいいか迷うよなとか、「1番手が何を買うかで、展開がかなり変わるよな」くらいから初めてもいいと思います。
そして、考えたサプライで練習して、実際に「ギリギリ」のサプライになっていれば、いい練習になりますし、なっていなければ(穴があれば)、それはそれで一つの勉強になって、次のサプライを考える材料にはなるでしょう。

そうやって、ギリギリのサプライをこなしたり、考えることにより、ギリギリでドッチ(ドレ)がいいかわからなかったサプライも、やがて「はっきり正着が判る」サプライになるのだろうと思います(まぁ、その上で勝つには、少しの運も必要でしょうが)。

・・・まぁ、そのためには、サプライを考える努力や、それをプレイする仲間も必要になってくるわけですが。

まぁ、そうはいっても、そういうサプライを作るのも一朝一夕ではいかないところがあります。
ただ、濃いサプライを作るのは難しいとしても、まずは、かわりに既に各地の大会で使われたサプライを使って練習するという手はあります。

特に、日本選手権(予選)や木ドミのミニ・トーナメントなどは、主催者の「作成」サプライなので、まずはそれで練習するという手はあります。
ということで、次の項目では取り急ぎ、自分の知っている大会のサプライを集めてみましたので、濃いサプライで練習したいという方は、これらで練習してみるのは一つの手だと思います。

・・・まぁ、結局一番必要なのは、一緒に切磋琢磨してくれる「仲間」という話になるわけですが。