アルティメット・ドミニオンについて

「我々の愛したアルティメット・ドミニオンは死んだ!何故だ!?」
ということで、ドミニオンも全205種類が揃ったところで一度「アルティメット・ドミニオン」をやってみようという話が出ることも多いのではないでしょうか。
そこで、アルティメット・ドミニオンの戦略について考えてみました。
ちなみに、アルティメット・ドミニオンというのは、正式なルール上の遊び方ではありませんが、サプライの王国カードを10種類ではなく、既存の王国カード全種類で遊ぶ、一種のネタ的な遊び方になります。

アルティメット・ドミニオンもある意味「固定サプライ」なので最適戦略が導き出されそうなものですが、大抵の戦略(特にアタックを絡めたもの)に関しては、何らかの返し技を引っ張ってくることが出来るので(なにせ全ての種類の王国カードが利用できるので)、いろいろと考えることはあるのではないかと思ったのですが...。

まず戦略を考える前に、セッティング、及びルールとしては、こんな感じでしょうか。

・全王国カードを机の上に並べる・勝利点、呪い、廃墟カードを人数に合わせて準備する
・全ての勝利点カードに交易路用のコイン・トークンを置く
・パン屋が存在するので、全員にコイン・トークン1枚を配る
・3コスト以下のカードの1種類を「災いカード」に指定する
闇市場は存在するが、闇市場デックは作らない
・白金貨、植民地、ポーションをサプライに加え、初期カードに避難所を用いる
・銅貨は60枚で有限とする
・山切れに関係なく、「属州」もしくは「植民地」切れで終了とする
イベントとして考えると、全王国カードを机の上に並べるのは必須とも言えます。
・・・とはいえ、見栄えよく並べると、大きめの会議テーブルとかでも下手すると並びきれないかもしれません。
実はネタとして単に戦略を考えるためだけにプレイするなら、プレイする度に、そのカードを初めに獲得するプレイヤーが責任をもって箱から取り出す(必要であれば、交易路のコイン・トークンも処理する)でも、問題はないではありますが。

プレイ人数に関しては、さすがに2人だと寂しいし、なるべく人数が多い方がいいけど5〜6人はあれなので、やはり4人が一番良さそうでしょうか。

魔女娘や闇市場に関しては、全ての王国カードがサプライにあるため、追加で災いカードや闇市場デックを作るための「サプライにない王国カード」が存在しません。
災いカードは3コスト以下の1種類をランダムに選べばいいでしょう。
闇市場デックには、それ用に別のセットから持ってくることも考えられますが(追加購入的な使い方や、売り切れた際の11枚目としてなど、全く意味がないわけではない)、闇市場デックなしで、単純に「アクション・フェイズに財宝カードを使えるカード」という位置づけでいいのではないかと思います。

白金貨、植民地、避難所に関しては使わなくても十分ゲームにはなりますが、アルティメットの理念(全部入り)から言うと、「採用」ということで問題ないと思います。
あと、このルールの場合は、銅貨などの財宝カードの枚数(例えば銅貨なら60枚なのか、陰謀との2セットで120枚なのか、無制限なのか)は決めておいた方がいいと思います。

サプライの種類数以外に通常のゲーム・ルールから変更した方がいいと思う点が1点だけあって、それは「3山切れで終了」は無くした方がいいと思います。3山切れありだと、セット・アップの苦労がまったく報われない「速攻で3山切れ終了」の展開が予想されます。

さて戦略を考えるとして、まずは初手に「何を買うのか?」という問題ですが、パン屋のコイン・トークンがあるせいで、全員が「5-3(3-5)」で購入可能なため、初手の格差(通常なら有り得る5-2と4-3の差)はかなり緩和されます。

(以下、ネタばれ注意で、字を白色にしています。読みたい方は反転させて読んで下さい)
(今後、アルティメット・ドミニオンを遊ぼうと思っている人は、ここで読むのを中止して下さい)











さて、アルティメット・ドミニオンの戦略を考えるにあたって、「望楼」と「石工」の存在は避けて通れないように思います。
多分、初手で「望楼×2+α」、3ターン目に「望楼と4金」の手札を揃えるのが目標となります。

まだ考え込んではいませんが、初手としては

5コイン: 石工+3コイン(望楼×2)
3コイン: 地下貯蔵庫

あたりかなという気がします。
初手が5-2(2-5)の場合、コイン・トークンを温存できます。

地下貯蔵庫の部分は、強気なら村落や物置という手も考えられます。
1番手なら地下貯蔵庫が1番安定しそうですが、遅い手番の場合、手札が減っていることを考えて、地下貯蔵庫や物置を避けて倉庫やそれこそ貧民街などの方がいいかもしれません。

3ターン目のプレイは、「望楼+4金」を揃えて「石工+従者×2」を購入・獲得しつつ、獲得したカードは望楼で全て廃棄して、次のターンに他のプレイヤーのプレイで妨害されなさそうなら「浮浪児・ならず者」を山札にのせます。
他のプレイヤーが寵臣など、プランを崩しそうなカードを既に仕込んでいる場合は、浮浪児を寵臣(トップ・カードによっては騎士)にしたり、2枚目のならず者にして山札にのせないなどの対応が考えられます。

手札に「4金+望楼」を揃えるプランとしては、「サーチ(地下貯蔵庫)⇒共同墓地⇒1枚目の望楼」「共同墓地⇒1枚目の望楼⇒サーチ(地下貯蔵庫)」といったプレイングになるでしょうか。共同墓地が引けること前提なら、地下貯蔵庫より物置の方が楽にプレイできます。
運悪く3金どまりだった場合、初手5-2なら温存しておいたコイン・トークンで4金に出来ます。

あんまりやりたくありませんが、「望楼×2、石工、2コイン以上」が揃ったら、石工で望楼を従者×2にばらして望楼で廃棄しつつ、さらにもう1枚購入フェイズに従者をばらせますね。

4ターン目は「浮浪児+ならず者」で傭兵を獲得しつつ、購入した従者を望楼でバラしてならず者に変えたり、村落や望楼などを効率よく追加します(もし石工が残っていたら、他人に利用させないためにも積極的に購入して、従者・村落などを獲得していくべきでしょう)。

あとは、行商人を大量に買ってバラしたり(白金貨に改良とか、石工が生き残っていたら都市やならず者にバラしたり)、都市を追加して「都市⇒ならず者+手札に望楼(呪いや銅貨を購入して勝利点を獲得しつつ望楼で廃棄)」あたりがプレイの指針でしょうか。
他プレイヤーの動き(騎士や手札破壊など)によっては、青空市場や坑道を加える手もあります(望楼廃棄や村落など、自分で利用できるギミックもある)。
石工、従者、村落、行商人、望楼、ならず、都市(、銅貨、呪い)あたりは、かなりのスピードで切れるのではないかと思います。

望楼が結構アタック耐性が高い(手札破壊、呪いばら撒きに対抗できる)こともあいまって、かなり隙のないプレイングになっているように見えます。
対抗するとしたら騎士あたりになりそうですが(破壊工作員だと行商人がならず者や都市にばける)、この場合も望楼での従者廃棄経由での獲得がメインとなり、そうなると自分もならず者を使う方が早いという話になりそうな。
また、デックがある程度完成すると、行商人などのせいで効率が落ちるし、墓暴き(行商人の植民地化用)や盗賊を入れられると壊しても回収されるはと、間に合わなくなる可能性もあります。

こうやって見てみると、やっぱり、望楼って駄目カードですね。