大使館と不正利得

Gokoの2人戦で大使館と不正利得があるサプライでプレイすることがありました。
2人戦だと片方が不正利得を一生懸命打っても大使館ステロの方が速そうな感じがしますが(捨て札3枚分だけ不用カードを容認できるので、大使館は他のドロー・カードより呪い耐性が若干高いはずですし)、例えば4人戦で3人が不正利得を打つ場で大使館が逃げ切れるのかという点に興味を持ちました。
そこでネドミ1人4面打ちで、ちょっと試してみました。

ネドミ4面打ち
※試行回数はそれぞれ4回なので、結果は個人の感想を越えるレベルのものではないと考えて下さい。
※4人とも初手は4-3(3-4)で「銀貨×2」スタートとしています。
※不正利得側は、8金出るときは常に属州購入で、不正利得が切れるまでは5〜7金で不正利得、3〜4金で銀貨、2金以下はパス、不正利得が切れた後や属州枚数が少なくなった場合は5〜7金は公領、2〜4金は屋敷というアルゴリズムでプレイしました。
※大使館側は、最初の5金以上で1枚目の大使館を購入し、後は状況に応じてとなります。なるべく2枚目の大使館は購入しない流れが望ましいですが、公領購入には早い時点で5金丁度が出た場合は2枚目を買うこともあります。
※大使館をプレイしながら不正利得も買うような混合プレイは今回の検討からは除外しています。

【1番手:大使館、残り不正利得】
大使館1人vs不正利得3人の場合で、大使館側に最も有利と思われる1番手でまず試してみました。
結果からいうと、「大使館プレイヤーは最下位にはならないけど、1位は難しそう」という感じでした。
大使館の1発目か2発目に属州が買えることもあって4回中最下位はありませんでしたが、1位もありませんでした。
1枚目の属州のところで金貨を買うプレイも1回やってみましたが、その分後で属州分を取り返せている気はしませんでした。

【1、2番手:大使館、3、4番手:不正利得】
そこで、更に2番手も大使館にして2対2でやってみました。
これなら大使館側がプレッシャーを跳ね除けて勝てるかなと思いましたが、4回やって1位は大使館側1回と不正利得3回と、この状態でも不正利得側が有利な感じでした。
結果を見ると、大使館側は不正利得分の呪い差分を詰め切れないといった感じでした。

【1番手:不正利得、残り大使館】
逆に1番手のみ不正利得で残り3人が大使館でやってみました。
これなら不正利得側は全く追いつかないだろうと思いましたが、以外にも1位は不正利得2回、大使館側2回と、不正利得が1番手であることを差し引いても悪くない結果に見えます。
理由としては、不正利得以外の残り3人が大使館を3〜5枚買って、その分の銀貨が不正利得側に入るため、中盤に不正利得プレイヤーも結構な頻度で8金に届いてしまうということがあります。大使館側は、大使館をプレイすれば10+金が余裕で出ますが+購入があるわけでもないため、そこで不正利得側と差がつくわけでもありません。
ほとんどの場合、不正利得を3枚前後配った段階で、不正利得プレイヤーも含めて8金に届くようになって、その後は不正利得で呪いを配る暇もなく、勝利点が買われていってゲームが終わってしまいます。
ドロー・カードが大使館以外だと、また違った結果になったことが示唆される結果でした。

以上の結果を考えると、(もちろんサプライの他のカード次第ですが)大使館と不正利得があるサプライの4人戦の場合、1番手は不正利得に走りつつ様子を見るのが良さそうという結論になりそうです。
で、ここまでだと試行回数も少なくて個人の感想としか言えないので、Geronimoo's Dominion Simulatorを引っ張り出してきて検証してみました。

Geronimoo's Dominion Simulator※Geronimooに元から搭載されている大使館と不正利得のアルゴリズムを少し弄ったものを使いました。
※順番、初手のコインはランダム、属州・屋敷場で10万回でシミュレーションを行いました。
※不正利得プレイの購入優先順位
 (1)「属州」
 (2)「不正利得」
 (3)「公領」
 (4)「(2山切れたなら)屋敷」
 (5)「銀貨」
※大使館プレイの購入優先順位
 (1)「(デック内の金量が14を越えたなら)属州」
 (2)「(属州が6枚以下なら)公領」
 (3)「(属州が4枚以下なら)屋敷」
 (4)「(大使館が0枚なら)大使館」
 (5)「金貨」
 (6)「(大使館が1枚なら)大使館」
 (7)「銀貨」

【不正利得1人 vs 大使館3人】
不正利得の勝率が27%で、大使館側は各プレイヤー21%と不正利得の勝率がやはり高くなります。多分、不正利得のアルゴリズムに、「属州枚数が少なくなったら、不正利得より公領優先」を加えると、もう少し勝率が良くなるような気がします。
ちなみに、不正利得を1番手に固定すると、不正利得の勝率は38%まで上がります。
ただし4番手の一人不正利得は勝率18%しかありません。1番手の大使館の勝率が26%なので、流石に手番差を覆す程ではないみたいです。
3山切れの確率が3割弱あるのが意外な気がします。大使館プレイのアルゴリズムを弄った方がいいのかもしれません。

【不正利得2人 vs 大使館2人】
不正利得側がそれぞれ41%に対して、大使館側がそれぞれ6%と圧倒的に不正利得側が有利になります。
大使館を1番手と2番手にしても、勝率はそれぞれ9%までしか伸びず、3番手の不正利得が50%、4番手が25%となります。3山切れの確率は9割となります。

【不正利得3人 vs 大使館1人】
大使館プレイヤーを1番手に固定しても、勝率は1%にしかなりません。不正利得側は2番手から順番に45%、27%、17%となります。3山切れの確率は99%となります。

【不正利得1人 vs 鍛冶屋3人】
不正利得1人 対 大使館3人の場合、大使館からの銀貨バラマキが悪影響を及ぼしている疑惑があったので、Geronimoo搭載の鍛冶屋ステロ3人と戦わせてみました。
結果、不正利得の勝率が62%で、各鍛冶屋プレイヤーは10%と、不正利得の圧勝となりました。
大使館の性能がないと、不正利得に抗しえないといったところでしょうか。

2人戦の不正利得と大使館
疑念が走ったので、2人戦の大使館と不正利得についてもGeronimooで検証してみました。
2人戦なので大使館側のアルゴリズムについて、(2)公領・(3)屋敷獲得条件の属州の枚数を4枚、2枚に減らして行いました。

その結果、不正利得78%vs大使館20%と不正利得圧勝という結果に。
ただ、3山切れ確率が48%というところが、ちょっと謎です。

ちょっと思うところがあって、大使館の(2)公領・(3)屋敷獲得条件の属州枚数を6枚、4枚に戻してみましたが、勝率は79%vs18%とあまり変化はありませんでしたが、3山切れ確率は7割まで上昇しているので、少し内容が変わっていることが見られます。

この結果をもとに考えて、不正利得と大使館のあるサプライで1番手が不正利得を取り、2番手も追随した場合、4番手のプレイヤーには夢も希望もないような気がします。
こうやって改めてみると、不正利得(IGG)って酷いカードなんだなということを改めに思い知らされた気がします。
ただ、大使館のアルゴリズムをもう少し賢くすれば、もう少し大使館側の成績が良くなる可能性はあるのかなという気もします。

ではでは。