異郷3

これまでの解説:基本セット(2コスト3コスト4コスト5・6コスト)、繁栄(1234)、収穫祭、暗黒時代(総説123)、ギルドプロモ異郷1異郷2

異郷3となります。
あんまり一度に投稿すると文字数制限に引っかかるみたいなので、5コストの途中で一旦切らせてもらいます。

【5コスト】
街道(かいどう:Highway)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション

                                                • -

このカードが場に出ているかぎり、カードのコストは1コイン少なくなる(ただし0コイン未満にはならない)。

関連の強いカード
+)工房系カード(工房、鉄工所、武器庫)、密輸人、大学、隠遁者、護符、祭壇、盗賊、墓暴き、デイム・ナタリー、祝宴/+購入カード/改築系カード/破壊工作員、騎士、盗賊、(詐欺師)
−)引揚水夫、弟子、司教、鍛造、改良、再建、開発/行進、玉座の間、宮廷

コスト低減をもたらすカードであるため、コストに依存したカード(工房系のカード)に大きな影響を与えます。
また+購入のあるカードと組み合わせると大きな効果をもたらすことがあります。
逆にコスト依存のカードや+購入のあるカードがなければ、このカードの効果は行商人とほぼ変わらないことになります。

工房系の場合、街道を2発撃てば密輸人で属州を密輸したり、廃棄置き場の属州を墓暴き出来るようになり、4発撃てば工房を初めとしたほとんどの工房系カードで属州を獲得出来るようになります。
工房系のプレイで大事なのは、街道を1回プレイしてから工房をプレイすれば、街道自体を獲得出来るようになることでしょう。
とはいえ、街道4発というのはかなり手間がかかります。2人戦で独占できそうな場合などはともかく、4人戦などは街道が分割されて数が揃わなかったり、独占できても残り3人がステロイドなどの速いプレイをしていると間に合わない場合も多くなります。
コスト依存のカード以外だと、+購入のカードと組み合わせることが考えられます。
属州8枚を一度に購入するには64金・+7購入が必要ですが、街道を8回プレイすれば+7購入だけですみます。

また全カードのコストが下がるわけですが、低コストのカードはマイナスにならずに0コストでとどまります。そのため、「街道+改築」で呪いを銀貨に改築するようなことが出来ます。街道を10発撃った後であれば、改良で植民地以外の全てのカードを植民地に改良出来ます。
逆に引揚水夫、弟子、司教などをプレイする際はマイナスになります。鍛造の場合、「廃棄したカードのコストの合計と(丁度)同じコストのカード」を獲得するために常にマイナスとは限りませんが、注意が必要となります。
似たような例として、改良、再建、開発などは「街道−改良(銅貨)」といったプレイで、通常は銅貨を廃棄するだけ(もしくは救貧院の獲得)なのに、この場合は本来2コストのカード(王国カードになければ屋敷)を獲得する必要が出てきます。
プレイの順序などに注意する必要があります。

破壊工作員、騎士、盗賊といったアタックに関しても、本来と対象にするカードが変わります。属州場で街道を5発撃ってから破壊工作員をプレイするとピンポイントで属州(またはサプライにあれば行商人や王子)を狙うことが出来ます。
詐欺師は同コストへの変換ですが、例えば街道を2回プレイした後に詐欺師で屋敷がヒットすれば呪いに変換出来ます。属州場で街道を8回プレイしてから詐欺師をプレイすると、めくれたカードを好きなカードに変えることが出来ます(属州を呪いにするようなことも可能)。
他に賢者なども挙動が変わることになります。

街道のコスト低減効果は下線部に書かれているため、街道が場にあることで発動します。そのため玉座の間や宮廷で街道をプレイしても2倍、3倍にはなりません。「宮廷−街道」とプレイすると、下線より上の部分は3回繰り返されるので「+3アクション、+3ドロー」が発生しますが、場にある街道は1枚なので、コストは1しか下がりません。
行進にいたっては、街道が廃棄されるため、コスト低減効果は残りません。
橋と似ていますが、キャントリップである分では橋よりも使いやすいところがありますが、この点で橋とは違います(橋はプレイ時の効果なので玉座の間、宮廷、行進の対象としてプレイすれば、その回数分だけコスト低減効果も発生します)。

官吏(かんり:Mandarin)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
+3コイン
あなたの手札のカード1枚をあなたのデッキの一番上に置く。

                                                • -

あなたはこのカードを獲得するとき、あなたの場に出ているすべての財宝カードをあなたのデッキの上に好きな順番で置く。

関連の強いカード
+)豊穣の角笛、偽造通貨、禁制品/荒れ場
−)植民地場

カード2枚で3金を出すと考えると余り効率の良くないカードと言えます。
効果を考えると幾つか細かい組み合わせは考えられます。

・+購入がなく、毎ターン8金が余裕で出る状況でデックを安定させるため
・(村+)で貧民街や救貧院、見張り、医者、秘術師、移動動物園の動作安定
・揃わなかった宝の地図、浮浪児や愚者の黄金を次のターンにまわす
・屋敷を戻して借金や投機で流したり、村+で要らないカードを戻してゴーレムや冒険者、賢者、念視の泉で流したり、書庫で引けば官吏の分で損はしない?

ただし、ほとんどの場合が思考倒れで、実戦だと官吏を買うより他の事をやった方が早くなる場合が多いでしょう。
そのため、サプライの隅っこにひっそりと佇む事が多いように思います。

初手「5-2(2-5)」の際の購入候補として考えることもありますが、実際に購入されるのは「造幣所もある(造幣所で銅貨を廃棄した後の金量確保のため)」「荒れ場(呪い場など)が予想される」「大市場があって、早急に購入したい」といった場合くらいでしょうか。
1枚のカードの価値の平均が低く、6金すら出ない荒れ場では頼ることがあります。
あとゲーム終盤に「(公領ではなく)属州・植民地を買わないと」という場面で7金や10金の場合に、高額コインを次のターンに送り込むために使われることがあります。「金貨、銀貨、銅貨×2、屋敷」といった手札の場合、「金貨、銀貨だけ」をプレイして官吏を購入すれば、次のターンの手札は「金貨、銀貨+3枚」となるため、8金出ることが期待できるでしょう。

その他、+購入や特殊効果のある財宝カード(豊穣の角笛や偽造通貨など)と組み合わせると、前述の「狂信者、豊穣の角笛、望楼、官吏コンボ」のような変なことが出来る場合があります。官吏の「あなたの場に出ているすべての財宝カードをあなたのデッキの上に好きな順番で置く」効果は獲得時効果であって購入時効果ではないので、豊穣の角笛で官吏を獲得しても発動します。

「銅貨、銀貨、金貨、白金貨、豊穣の角笛」という手札を揃えれば、これらのカードをプレイして、豊穣の角笛で官吏を獲得することにより、官吏が尽きるまで毎ターン植民地を購入することが出来ます。
属州場の場合、白金貨のところをハーレム、玉璽、隠し財産、銀行、埋蔵金、へそくりなどの2金以上の出る特殊財宝カードに変えれば、同様に官吏が尽きるまで毎ターン属州を購入できます。

引ききって、金貨や白金貨を並べた上で+購入があれば、官吏を購入することでそれらの財宝カードを山札に戻して次のターンも属州や植民地を購入することが出来ます。特に偽造通貨が混じっていれば、それらのカードを数ターンにわたって利用できます。
例えば金貨4枚と偽造通貨が場に並んでいれば、この5枚を官吏で戻して、暫く13金2購入(偽造通貨で金貨を廃棄しない)で属州と官吏の購入を続け、最後は金貨を廃棄して16金2購入で属州2枚購入でゲームを締めることが出来ます。
偽造通貨が2枚あれば更に派手なことが出来ます。偽造通貨2枚と金貨5枚が並んでいるなら、偽造通貨2枚が次の手札5枚に戻るようにこの7枚を戻して、次のターンの手札は「偽造通貨×2、金貨×3」となり、金貨2枚を偽造通貨で廃棄して17金3購入(官吏と12金2購入)となりますが、次のターンの手札も「偽造通貨×2、金貨×3」となり、属州2枚を買って締めることが出来るでしょう。
また財宝カードをたくさんプレイしているなら、「8金以上出る5枚の財宝カードを2ブロック」みたいな形で2ターン以上に渡る金量をコントロールすることも出来ます。
引ききれるような状況であれば、官吏でコントロールするよりも再度引ききった方が良い場合も多いでしょうが、2人戦などで対戦相手のデックにアタック・カードや+購入などが入ってなく、毎ターン属州購入で十分勝てるような状況であれば、官吏でコントロールして確実に勝ちに行けば良い場合もあるでしょう。

厩舎(きゅうしゃ:Stables)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
あなたは財宝カード1枚を捨て札にしてもよい。
そうした場合、+3カードを引く、+1アクション。

関連の強いカード
−)民兵系/銅貨圧縮(香辛料商人など)

研究所の亜種で、アクション数は減らずにプレイ後に手札が1枚増えることになります。
手札から1枚捨てて3枚引く分、研究所よりデック回転率は高くなります。
ただしプレイ時に手札に財宝カードがないと発動しないため、財宝カードを完全に圧縮するようなアクション・コンボ・デックでは使えないカードとなります。

もちろん厩舎を使っていても、銅貨をある程度圧縮したほうがデックの周りが良くなることは多いですが、ある程度以上はデック内の財宝カードの比率に関して考えながらやっていく必要があります。
また、厩舎と捨てる財宝カードを手札に残す必要がある分、民兵系のアタックに対しては、先行きが分からない不安を抱えることになります。

大使館(たいしかん:Embassy)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
+5カードを引く
カード3枚を捨て札にする。

                                                • -

このカードを獲得するとき、他のプレイヤーは全員、銀貨1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)坑道/画策、隠し財産、偽造通貨、銀行
−)高圧縮

みんな大好き大使館。「最強のステロ」の名に恥じないカードと言えます。
属州場、植民地場、屋敷場、避難所場、2人戦、4人戦など関係なく戦えます。
大使館がサプライにある場合は、まず自分の取る方針が「大使館ステロに勝てるか?」ということを考えることになります。勝てないと判断したなら自分も大使館を取らざるをえなくなり、そうすると互いに銀貨が配られあうことになり、更にゲームの展開速度が速まるので、注意が必要です。4人戦で3〜4人が大使館ステロをプレイするような環境では、かなりハイスピード(まず10ターン+α)でゲームが終わる覚悟をした方が良いでしょう。

捨てるということで、坑道との相性は非常に良くなります。またステロイドでプレイする場合、大使館を使いまわせる画策や、財宝カード(隠し財産、偽造通貨など)との相性も良くなります。
ステロイド以外のコンボなどで使っても強いカードですが、その場合、真っ直ぐ大使館ステロをプレイしたプレイヤーに対して、コンボを組むために遠回りした時間分をゲーム終了までに回収できるかを念頭に考える必要があり、アタックなどで減速していない限り、4人戦だと「上手くまわった大使館ステロに追いつけない」という場合も多くなります。

大使館プレイの前後で考えると大使館は手札を1枚増やすカードと言えます(手札5枚の状態から大使館をプレイすると、プレイ後の手札は6枚となる)。手札6枚で8金というと「金・銅×5」とか「銀×2・銅×4」「金・銀・銅×3+α」とかでも8金です。
書庫のように民兵系に強いわけではないですが、特に弱いわけでもないです。最終的に10枚(ただし1枚はプレイされる大使館)のうち4枚の手札で戦えるのであれば、何とかなると言えます。
要らないカードを捨てることが前提として入っているので、不正利得などでガッツり呪われる場合はともかく、詐欺師や道化師などでちょっとデックが汚れる程度であれば対処可能なことが多くなります。拷問人などは捨てるカードを確保する為に、最終盤はあえて呪いを喰らう場合すらあります。

そもそもデックに全部で10枚未満のカードしかなければ、大使館はかなり効率の悪いカードになります。
礼拝堂などの高圧縮プレイとの相性は悪くなります(大使館に取って必要のない圧縮のために、余分な時間がかかっていることも含めて)。
大使館ステロはその他のステロに比べて運の要素が高くなるので(特に3周目ですが、シャッフル後の山札のどの辺りで大使館を引くかで、かなり変わる)、その辺は覚悟してプレイする必要はあります。

地図職人(ちずしょくにん:Cartographer)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
+1カードを引く
+1アクション
あなたのデッキの上から4枚のカードを見る。その中から好きな枚数を捨て札にする。残りを好きな順番でデッキの上に置く。

関連の強いカード
+)坑道/秘術師、願いの井戸、伝令官、浮浪者、医者、金物商、原住民の村、借金、投機、冒険者、収穫、ゴーレム/薬師/前哨地

デック操作としては非常に有用なカードです。
薬師や偵察員、航海士などの似たようなカードと違い、1枚ずつ選択して戻すか捨てるかを選べる点が大きな違いとなります。
主にデックが出来上がってきた時点で、安定性をあげるために投入されることの多いカードとなります。
単純に次のターンの手札内容の向上のためにも使いますが、地図職人+キャントリップでコンボを立ち上げる形も多く見かけるように思います。

捨てるという点で坑道との相性は良くなります。
最大4枚まで並べなおせるので、山札に戻すカードを確認した後で秘術師、願いの井戸などの様々な山札に対して何か処理するカードをプレイすることが出来ます。

薬師とはかなりかぶっているところもありますが、薬師メインでプレイしている際に地図職人を少量いれると、山札のトップにたまった勝利点を流すのに使えます。
前哨地などのプレイでも、前哨地ターンに書庫や寵臣をプレイできるようにセッティングすることが出来ます。

理想としては地図職人をプレイした後、山札から見る4枚に屑カードがあって捨てられる形なので(この辺は航海士などと一緒)、地図職人と屑カードを一緒に引くと(さらに地図職人をプレイすると有用なカードばかり見えて、単に戻すだけだと)悲しみに包まれることになりますし、そういった点では見かけと違い運の要素を含むカードと言えます。

値切り屋(ねぎりや:Haggler)
異郷・5コスト・アクション

【能力】
+2コイン

                                                • -

このカードが場に出ているかぎり、カード1枚を購入するとき、購入したカードよりもコストが少ない勝利点以外のカード1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)植民地場/弟子、引揚水夫、改築系など/国境の村/大市場、禁制品、(対抗)抑留/(注意)石切り場/シルクロード、庭園
−)荒れ場/民兵系/+購入

中盤のデック構築への寄与は凄いものがあります。金貨を買いながら研究所がオマケに付いてきたり、属州を買いながら金貨がオマケに付いてくるので購買力が落ちない、などといった光景を見ることになります。
高額カードがある程に強力になる傾向があるので、植民地場や7コストの強力なカードがあるような場では、より評価が上がるカードになるかと思います。
高額のカードを獲得できるチャンスが増えるということは、弟子や引揚水夫などのコスト依存のカードも使いやすくなるでしょう。

値切り屋プレイ時の追加獲得は義務になります。
例えば「値切り屋+1金」しかお金の出ない手札の場合、3金の銀貨等を買うと、2コスト以下のカードを獲得する義務が生じます。1〜2コストにカードがなければ(屋敷は勝利点なので対象外)、銅貨や呪いを獲得しないといけなくなります。かといって値切り屋をプレイしないと1金しかないので、出来ることがない状態になります。
そのため、民兵系のアタックや、呪いなどの荒れ場では比較的使いづらいことがあります。
また、この獲得義務は+購入で買った2枚目以降のカードにもそれぞれかかるので、+購入があっても使いづらい場面も出てきます。もちろん+購入分を使わなければいいだけの話ですが、そういう状況が予想され、また選ぶ余地があるなら、+購入があるカードより、+購入がない分その他の面で使いやすいカードを選ぶこともできるかと思います。

値切り屋の追加獲得は獲得であって購入ではないので、銅貨込みでプレイしている場合でも、値切り屋込みで7コスト以上のカードを購入した場合、値切り屋の追加獲得で大市場を獲得することが出来ます。
追加獲得で勝利点は獲得できませんが、国境の村を経由すれば公領を獲得することが出来ます。値切り屋込みの8金で「属州購入、国境の村獲得、公領獲得で一挙9点」というのは、異郷の推奨セットなどではよく見られました。
また禁制品で禁止されたカードも獲得できますし、抑留トークンの載ったサプライであっても、呪い獲得なしで獲得します。
そのため、値切り屋が見える場合は、禁制品の指定や抑留は高コスト(属州など)を対象にした方が良いことが多そうです。

追加獲得で勝利点を獲得できないためにあまり気にすることはないですが、石切り場などでアクションカードのコストだけが下がっている場合、例えば本来6コストのアクションカード(石切り場で4コストに低下)を購入した場合、5コストの財宝カードが取れなくなります。必要なければ石切り場をプレイしない方が良いこともあります。
その他、シルクロードなどの購入時におまけで銀貨を獲得できるため、シルクロードや提案などのデックで購入力維持のために役立てることが出来ることがあります。

不正利得(ふせいりとく:Ill-Gotten Gains)
異郷・5コスト・財宝

【能力】
1コイン
このカードを使用するとき、あなたは銅貨1枚を獲得して手札に加えてもよい。

                                                • -

このカードを獲得するとき、他のプレイヤーは全員、呪い1枚を獲得する。

関連の強いカード
+)公領/引揚水夫、改築系
−)(対抗)交易人、望楼/詐欺師/抑留/仮面舞踏会、大使、隠遁者、庭園系

「みんな大嫌い不正利得(IGG)」。ランダム・サプライの際に拒否されるカードを挙げてもらえば、ベスト5にはほぼ確実に選ばれるカードだと思います。
獲得時効果のため、呪いまきは堀などで防御することも出来ず、不正利得が10枚売れた時点で呪いも丁度山切れとなり、不正利得の残り枚数が少なくなると公領戦が始まり、不正利得・呪い・公領で3山切れ終了となります。
不正利得自体は公領獲得に対しては十分役に立つため、「不正利得に行かない理由」があまりなく、ゲームを破壊することが多い(「不正利得と基本カード以外、他のサプライはいらなかった」みたいな)問題児といえます。

2人戦ならともかく、4人戦で他の3人が不正利得にまっすぐ行った場合のデック汚染速度は信じがたいものがあり、なまなかな対処ではどうにもならないことが多くなります。
たとえ植民地場であっても、属州場と変わらない(不正利得、呪い、公領の3山切れ)展開も多くなるでしょう。

対抗手段として交易人、望楼が挙げられます。
特に交易人の場合、不正利得10枚が売れても交易人でリアクションした回数分だけ呪いが残ります。呪いが数枚残れば、不正利得と公領が切れても2山切れなのでゲームが終了しなくなるため、ゲーム終了までの時間がかなり稼げます。この時、屋敷が3山目になりそうな時は、抵抗勢力は屋敷に手が伸びるのをグッと我慢して、属州に届くデックを育てることが必要になるかもしれません。

呪いをまくアタックの場合、ほぼ不正利得に対して負け組になります。ただし、不正利得以外でまかれた呪いの分だけ、最後の方の不正利得は呪いが切れた状態になり、購入意欲を削ぎます。そういう状態で不正利得が2枚以上残ると(1枚だと、単に勝っているプレイヤーが、ゲームを終わらせるために買うことがある)、ゲーム終了タイミングに影響を与えることになります。多分、呪いをまくアタックをプレイした人以外の誰かに、思わぬチャンスが巡ってくることでしょう。
詐欺師あたりは、上手くいけば呪いをまきつつ、不正利得購入に後れを取らないため実戦で取りうるレベルになるかと思います。この場合、ゲームの終了タイミングが読みづらくなり、長引くと属州に届くプレイヤーが出てくるので、プレイングに注意が必要となります。

不正利得場で有効なカードは改築系のカードといえます。
5コストの改良などのカードや、4コスト以下でも改築や開発などは序盤の不正利得獲得に後れを取るので初手からは難しいですが、引揚水夫などは非常にフィットしたカードといえます。
引揚水夫は、序盤は屋敷を廃棄して不正利得を購入し、中盤は不正利得を廃棄して新しい不正利得を購入し、終盤は不正利得を廃棄して属州や公領を購入できます。
改築、開発なども、初手からは不正利得購入に後れを取るので難しいですが、中盤に3〜4金の手札を引いた際にデックに加えるのには悪くないカードです(不正利得を公領や金貨に変換し、呪いの屋敷への変換や廃棄にも使える)。
不正利得や公領とコストが被るためにタイミングが難しいですが、ゲームが長引きそうなら中盤に改良を入れるのも悪くないです。

不正利得自体が財宝カードで、購入(正確には獲得)すれば効果を発揮するため、鍛冶屋だの、記念碑だのといった普通の初手から不正利得に進めるのも特徴といえます。
抑留は、そもそも不正利得を購入する意欲を削ぐので不正利得場を止めることが出来るといえますが、不正利得自体は微妙とはいえ財宝カードなので「(抑留されたら)それ以降購入しない」ことにすればいいだけという話があります(それを見越して、不正利得より圧縮カードなどを買っているプレイヤーに対して後れを取る可能性がある、という問題はありますが)。

ちなみに不正利得の効果は獲得時効果なので、泥棒で他のプレイヤーの不正利得を獲得した場合や、鉱山、収税理、造幣所、街道+工房、(廃棄置場から)墓暴きや盗賊、国境の村のおまけなどで不正利得を獲得した場合にも効果は発動します。
また仮面舞踏会、大使、隠遁者あたりまで行けば、不正利得に対抗できると思います。
このクラスであっても、4人戦で残り3人がまっすぐ不正利得コースに行くと対処できずに殴り倒される可能性がありますが、普通はこの辺のカードがサプライにあれば、他にも日和るプレイヤーが出てくるはずです。
他のプレイヤーの動きを見ながらですが、一人でも減って不正利得が2人以下なら、十分対処できることが多いでしょう。

また、庭園系(庭園、賢者の石)は呪いまき攻撃の対処法として挙げられますが、この場合も、周りを見ながらとなります。
特に庭園の場合、公領だけでなく庭園も得点源となるため(3山切れが遠くなる)、ゲームが長引きやすくなります。そうなると1人がまっすぐ庭園、2人がまっすぐ不正利得に行って、軽圧縮などのちょっとした呪いへの対抗手段があると、属州に向かった最後の4人目の勝ち目が出るようなこともあるでしょう。

辺境伯(へんきょうはく:Margrave)
異郷・5コスト・アクション−アタック

【能力】
+3カードを引く
+1カードを購入
他のプレイヤーは全員カード1枚を引き、その後手札が3枚になるまで捨て札をする。

関連の強いカード
−)坑道/書庫系/移動動物園

議事堂を思い出させるカードといえます。議事堂のデメリット(他プレイヤーが1枚引く)を無くすために「(村−)議事堂−民兵」コンボというのがありますが、議事堂から引くカードが1枚減る代わりに、1枚でそのコンボを体現してくれるカードになります。
ドロー・カードとしても、アタックとしても及第点のカードといえます。
ただし、引ききりデックで連打するような場合は、対戦相手も3枚ながら整えた手札でプレイしてくることになります。
引ききりデックの場合、一部のアタックカード(密偵や海の妖婆など)と併用する際はプレイする順番を考えた方がいいでしょう。

民兵系の常として、坑道、書庫系、移動動物園は苦手とします。