ギルド_ファースト・レビュー2

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(プロキシは個人の責任の範囲内で使用ください)

ということで、個別のカードの考察に移ります。

【2コスト】
燭台職人(Candlestick Maker)2コスト アクション・カード

+1アクション、+1購入
コイン・トークンを1枚得る

Candlestick Maker (Cost: $2 / Types: Action)
'+1 Action. +1 Buy. Take a Coin token.

短期的に見ると「アクションを減らさず、手札を1枚減らし、1コインを得る」、つまり銅貨相当のカードとなります。
そう考えると、5-2の初手以外に序盤に無理して買う必要があることは少ないように思います。
宮廷や白金貨みたいな、高コストになるだけ早く確保したいカードがある場合でも、このカードでコイン・トークンを貯めるより、銀貨なんかを買ってより出力の高いカードや展開力のあるカードを買って、その後にこのカードを加えたほうが「急がばまわれ」的な展開になることは多そうな気がします。
逆に、デックにコイン・トークンを産出するカードが全く入っていない場合は、中盤に少し無理してでも入れたほうが、結果が安定することはありそうです。
+購入が役に立つかは、サプライ次第といえます。

注意点としては、その+購入を使って、このカードを大量に買うことは避けたほうが良いことが多いでしょう。
銅貨相当のこのカードの比率が増えた性でデック出力が落ちて、獲得したコイン・トークンをすぐに使う展開になると、このカードは単なる銅貨相当に逆戻りしてしまいます。
また、逆にコイン・トークンを大事にとっておいて、毎ターンの購入が低いレベルが続くのも、負けパターンといえるかと思います。
「1金足りない」際の調整用程度に考えて、多少入れておく程度が適切なバランスのように思います。

「アクションを減らさず、手札を1枚減らす」ところから、書庫系のカードとは相性が良くなります。

石工(Stonemason)2+コスト アクション・カード

手札よりカードを1枚廃棄し、そのコストより低いカードを2枚獲得する
−−−
このカードを購入する際に、コストを余分に払ってもよい。追加で払った金額と丁度同じコストのアクション・カード2枚を得る。

Stonemason (Cost: $2+ / Types: Action)
Trash a card from your hand. Gain 2 cards each costing less than it.

    • -

When you buy this, you may overpay for it. If you do, gain 2 Action cards each costing the amount you overpaid.

ルール的な覚書きとしては、通常プレイ時は「廃棄したカードより低いコスト」であれば、どんなタイプのカードでも獲得できますし、獲得する2枚のカードがコスト違いでも構いませんが、購入の追加支払い時の場合、獲得できるのはアクション・カードのみで、しかも「きっかり追加支払いした分のコスト」のアクション・カードのみとなります。
ただ、そのコストに2種類以上のアクション・カードがあれば2種類のカードを獲得することも出来ます。
また、通常プレイの手札から1枚廃棄や、2枚獲得、購入の追加支払い時の2枚獲得とも、選択ではなく義務となります。
あと、「0金の追加払いは出来ない」「追加支払い分と丁度同じコスト」であることから、0コストになったアクション・カード(「行商人」など)は追加支払いの効果では獲得できませんね。ポーションを追加支払いして「変成」を獲得することは可能みたいです。

サプライにもよりますが、通常のプレイよりも、購入時に追加の支払いをしてのアクション・カード獲得の方がメインの使用方法になることが多いような気がします。
通常のプレイの際の効果を考えると、結構使いづらいことが多いです。
廃棄したいカードといえば、屋敷(避難所)と銅貨がまず候補に挙がりますが、屋敷(避難所)を廃棄した場合、普通は銅貨2枚を獲得することになり、あまり嬉しい結果ではありません。
一応、銅貨(あと、呪いや廃墟)を対象にした場合は何も獲得しなくてすみますが、「石工(Stonemason)」と銅貨で手札2枚分が減った状態で購入となります。
もちろん、サプライによっては序盤であっても「銀貨を廃棄すると灯台2枚」みたいな有用な場面もありえますが、それも「石工(Stonemason)」が別のカードで、銀貨を廃棄せずにより有用なカードを買う場合よりも良いことは少ないように思います。
つまり、何が言いたいかといいますと、通常は追加払いからのアクション獲得の方がメインの目的で、あんまり2金丁度で購入したり、工房なんかで獲得するカードではないということです。

例えば5金払って「石工(Stonemason)」を購入すれば、3コストのアクションが2枚(例えば漁村など)が獲得できます。
どちらかというと、「石工(Stonemason)」がサプライにある場合、「2コスト余分に払うと、アクション・カード購入時に1枚おまけ(+さらにおまけの「石工(Stonemason)」)がつく環境」と考えてプレイした方がシックリくるかもしれません。
当たり前ですが、ステロイドではあんまり役に立たず、アクション連鎖を組む際に役立つカードといえます。
気合で「8金出して、石工(Stonemason)+大市場2枚」(この場合、8金に銅貨が混ざっても可)とかいったプレイもあり得ますが、基本は低〜中コストの(コンボ・パーツなどの)アクション・カードの掻き集めに使われることが多いと思います。
「石工(Stonemason)」が場にある時は、低コストのアクション・カードの組み合わせで面白いものがないかは、まず注目してもいいかもしれません。

「石工(Stonemason)」自体は、一応、銅貨(呪い、廃墟)の圧縮には使えるとはいえ、購入後は邪魔なことが多いので、+アクション・+ドローが豊富だったり、他に廃棄手段のある環境でなければ、一人のプレイヤーが「石工(Stonemason)」の追加獲得を利用できる機会はそれほど多くはないと思います。
そのため、2人戦だと「石工(Stonemason)」が尽きることは少ないと思いますが、逆に4人戦だとあっという間に「石工(Stonemason)」が切れつつ、おまけで取られる「漁村」や「灯台」辺りも切れと、すごい早さで山切れが起こることがあり得ます。
また、4金払えば「石工(Stonemason)」を3枚獲得できるので(「石工(Stonemason)」購入+追加支払い分で「石工(Stonemason)」2枚)、2人戦でも例えば「8金、2購入でいきなり石工(Stonemason)6枚取って、3山切れで終了」みたいな展開はあり得るので、少し留意しておいた方がいいかもしれません。

あとは、通常プレイについては、役目の終わったカード(金貸しとか、不正利得とか)や、詐欺師で変えられた公領なんかを有効利用するのには使えます。
「庭園」とは相性がいいはずですが、効果としては些細なので、サポート・カードどまり(「石工(Stonemason)」だけで「庭園」に行く理由にはならない)のような気がします。
どちらかというと、白金貨・植民地環境のような高コスト環境の方が、目が点になるようなプレイが多そうです(終盤に白金貨が属州2枚になるとか、行商人が宮廷2枚になるとか)。
まぁ、こういう時に行商人が大活躍するのはいつものことですが。

【3コスト】
医師(Doctor)
3+コスト アクション・カード

カード1枚を指定し、山札から3枚を公開する。公開したカードの中の指定したカードを全てを廃棄し、残りは好きな順番で山札の上に戻す。
―――
このカードを購入する際に、コストを余分に払ってもよい。追加で払った1金ごとに山札の1番上のカードを見て、廃棄するか、捨てるか、山札の上に戻すかを選ぶ。

Doctor (Cost: $3+ / Types: Action)
Name a card. Reveal the top 3 cards of your deck. Trash the matches. Put the rest back on top in any order.

    • -

When you buy this, you may overpay for it. For each $1 you overpaid, look at the top card of your deck; trash it, discard it, or put it back.

以前にも考察しているので、そこから追加で。

「医師(Doctor)」のみを使った高圧縮プレイは可能性がないわけではありません。
妨害がなければ、属州場で15ターンに24点(属州4枚)購入が可能なくらいのスピードはあります。
逆に「医師(Doctor)」を1〜2枚入れた軽圧縮プレイとなると、地図職人などの山札操作がない限り、「医師(Doctor)」で廃棄が期待できるのは「銅貨」くらいとなり、しかも時間がたってデックが厚くなるにつれ、その効率もドンドン悪くなっていきます。
屋敷などのその他のカードを廃棄したい場合は、山札操作か、(医師自身での圧縮や、その他の圧縮カードとの組み合わせで)圧縮がかかっていて山札の状況がある程度読めることが前提になると思います。
「医師(Doctor)」を銅貨宣言でプレイして、山札のトップに屋敷を戻した状態で追加の支払いをしながら別の「医師(Doctor)」を購入したりすることも考えられますが、高圧縮や別の圧縮との組み合わせでないと余分な「医師」自体を廃棄するのに苦労することになります。
白金貨・植民地環境や、呪い(廃墟は種類が多いので苦手)でグタグタになる長期戦環境での廃棄なら「医師(Doctor)」にタッチして軽圧縮も考えられますが、通常は、高圧縮に走るか、「医師(Doctor)」は使わないということになりそうです。

親方作品(Masterpiece)
3+コスト 財宝カード

1コイン
―――
このカードを購入する際に、コストを余分に払ってもよい。追加で払った1金ごとに銀貨を1枚獲得する。

Masterpiece (Cost: $3+ / Types: Treasure)
Worth $1.

    • -

When you buy this, you may overpay for it. If you do, gain a Silver per $1 you overpaid.

なんというか、「Masterpiece」というカード名の和訳に関して、辞書を引く限り「傑作」「名作」としか出てこなくて、違和感がありつつも、とりあえず「傑作」としていました。
ただ、その後調べ続けたところ「中世の職人組合(ギルド)では親方の人数に制限があり、親方になるには組合の審査を受け、その腕前を認められる必要があった。親方を目指す徒弟が、組合の審査を受けるために提出する作品をMasterpieceと呼んだ」とのことみたいで、その場合の和訳は「親方作品」になるみたいです。
どちらかというと、「親方作品」(組合に腕前を示すための作品)から、「傑作」「名作」といった意味あいに転じていったみたいです。

さて、カードの効果で考えると、「庭園」「公爵」「封土」と特殊勝利点に相性がいいカードが多いですね。
「公爵」プレイに進む場合は、序盤に6金が出ても、金貨を買うより3金追加支払いで「親方作品(Masterpiece)」を買った方が安定な気がします。

デックに追加される金量ということで考えると、例えば6金払えば7金(カード4枚で)、9金払えば13金(カード7枚で)となり、かなり効率よく増やせます。
同じ6金でも金貨を買った場合に増える金量は3金、9金で白金貨を買った場合に増える金量は5金です。
もちろん、総金量が増えても、金貨や白金貨の場合に比べ、銀貨で総金量を増やしているので、同じ金量を出すには余計にカードを引く必要が出てきます。
大量に引ける(十分引ききれる)エンジンは出来上がったけど、総金量が心もとない時に、一手で総金量を上げる際なんかには便利な手段といえます。
また、+購入のない属州場なら、「銀貨を大量に投入して、カード1枚あたりの平均コイン量を2近くにしておけば、それなりに安定して属州が買えるだろう」という場合もあります。
あと、ランダム・サプライにたまにある「5コストのカードがなく、5-2スタートで無理して買いたい3、4コストのカードがない(銀貨×2スタートであまり不満がない)」サプライでの5-2スタートの場合にも、利用可能です。

次は4コストで。