ギルド_ファースト・レビュー4

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最後の5コストに移ります。

【5コスト】
パン屋(Baker)5コスト アクション・カード

+1カード、+1アクション
コイン・トークンを1枚得る
―――
セットアップ:ゲーム開始時に各プレイヤーはコイン・トークンを1枚得る。

Baker (Cost: $5 / Types: Action)
'+1 Card. +1 Action. Take a Coin token.

    • -

Setup: Each player takes a Coin token.

以前にも考察しているので、そこから追加で。
このカードに関して言うと、あんまり追加で書くことはありません。

このカード自体よりも、やはり「セットアップ時の1コイン・トークン」の方の印象が大きく、ゲーム中はひっそりと佇んでいる感があります。
ドミニオンの序盤は、基本は拡大再生産の動きとなるので(高圧縮などはちょっと違いますが)、そう考えると、セットアップで得たコイン・トークン1枚は、ほとんどの場合初手に使うべきだと思います。
ここでも、コイン・トークンは1ターン目でも2ターン目でも好きなタイミングで使えるおかげで、かなり展開が広がっているところがあります。
セットアップの効果に関しては、サプライ毎に考えるしかないのでここでは割愛しますが、今まで出来なかった新しい初手の組み合わせが出来ることもあって、やはり楽しいです。

肉屋(Butcher)5コスト アクション・カード

コイン・トークンを2枚得る。
手札のうち1枚を廃棄し、好きな枚数のコイン・トークンを支払ってもよい。もしカードを廃棄した場合、そのカードのコストに支払ったコイン・トークンの枚数を加えたコストまでのカードを1枚獲得する。

Butcher (Cost: $5 / Types: Action)
Take 2 Coin tokens. You may trash a card from your hand and then pay any number of Coin tokens. If you did trash a card, gain a card with a cost of up to the cost of the trashed card plus the number of Coin tokens you paid.

以前にも考察しているので、そこから追加で。
このカードを使う場合、常に「コイン・トークンの価値」と向き合う必要が出てきます。
他のコイン・トークンを獲得するカードと違い、このカードは「購入時に使用する」以外のコイン・トークンの使用方法を提示します。
「(仮想コインでは同じことが出来ない)コイン・トークンでないと出来ない」処理が存在するのは、このカードだけだといえます。

コイン・トークンの価値は序盤、中盤、終盤で微妙に変動しますが、2コイン・トークンというのは、1回の購入への影響を考えると結構大きな量となります。
ぶっちゃけると「肉屋(Butcher)」は、記述の後半の改築効果を完全に無視して、単に2コイン・トークンを産むカードとして使っても、そこそこ使えるカードになります。

序盤に「屋敷」をコイン・トークンを1枚使って「銀貨」にする改築なんかはやりやすいですが、コイン・トークンを2枚使って「銅貨」を2コストのカードに改築するかというと、躊躇うことが多いような気がします。
このカードの改築効果を考える場合、「購入時にコイン・トークンでしか注ぎ足せない引揚水夫」(処理自体はアクション・フェイズ中で、+購入分もありませんが)と考えるとわかりやすいかもしれません。
ルール上、0コイン・トークンの支払いを選んで、同コストや、それより低いコストのカードを獲得することも出来ます。
ただし、廃棄した場合、何らかのカードを獲得する義務がある点が「引揚水夫」との違いとなります。そのため、「呪い」を「銅貨」に変換して獲得した2コイン・トークンは貯めておくということは出来ても、2コイン・トークンを貯めつつ「銅貨」や「呪い」を廃棄するだけ(代わりのカードを獲得しない)ということは出来ません。
「肉屋(Butcher)」自身が5コストということもあり、「改築」のときのような「屋敷」→「改築」→「金貨」→「属州」というようなルートも設定しづらいところがあります。

ルール上ではコイン・トークンを11枚使えば、「銅貨」を「植民地」にすることも可能ですが、それだけコイン・トークンがあるなら、普通に購入フェイズに財宝カードをプレイした後にコイン・トークンを足して植民地を買った方が早いでしょう(+購入がなくて22コイン出る時に、「まず肉屋(Butcher)で植民地を獲得して、購入フェイズでも植民地を購入する」といったことはありえますが)。
「肉屋(Butcher)」を「引揚水夫」のようなカード考えると、その効率を上げるために廃棄出来るカード(例えば、買った瞬間に役目のほとんどを終えている不正利得みたいなカードとか、購入時にコストより安く買える行商人みたいなカードとか)があるかも、「肉屋(Butcher)」を使う際には考える必要があります。

「肉屋(Butcher)」自体はとりあえず有用なカードですが、プレイする際には色々と頭を使うカードになりそうです。

職人(Journeyman)5コスト アクション・カード

カード1枚を指定する。山札から指定したカード名以外のカードが3枚めくれるまで公開する。その3枚のカードを手札に加え、残りは捨札にする。

Journeyman (Cost: $5 / Types: Action)
Name a card. Reveal cards from the top of your deck until you reveal 3 cards that are not the named card. Put those cards into your hand and discard the rest.

以前にも考察しているので、そこから追加で。
このカードに関して言うと、あんまり追加で書くことはありません。
単純にドロー・カードとして考えると、やはり強力な1枚といえます。ただし、上手く使用するには、ある程度山札状況の把握が必要になってきますが。

商人組合(Merchant Guild)5コスト アクション・カード

+1購入、+1コイン
―――
このカードが場にプレイされている時にあなたがカードを購入した場合、その度にコイン・トークンを1枚得る。

Merchant Guild (Cost: $5 / Types: Action)
'+1 Buy. +$1.

    • -

While this is in play, when you buy a card, take a Coin token.


このカードを見て、まず似たカードとして頭に浮かんだのは「ならず者」になります。
下線部の部分の英文を比較してみると、

商人組合(Merchant Guilds): While this is in play, when you buy a card, take a Coin token.
ならず者(Goon): While this is in play, when you buy a card, +1 VP(token).

コイン・トークンとVPトークンの部分が違うだけで、残りの部分は全く一緒になります。
ルール的な話で言うと、「商人組合(Merchant Guild)」の場合も、コイン・トークンをもらう効果は「下線部」になるので、「ならず者」などと同様に、「玉座の間」や「宮廷」の効果で「商人組合(Merchant Guild)」をプレイしても下線部の効果は2倍、3倍になりませんし、「行進」の効果でプレイすると「商人組合(Merchant Guild)」が廃棄されて購入フェイズ時に場にないので、コイン・トークンをもらうことは出来ません。

プレイングで言うと「ならず者」がどういうときに極悪なのかを考えれば、すぐに答えが出ます。「重ねがけ」です。
例えば「村」2枚とあわせて「商人組合(Merchant Guild)」を3枚プレイした場合、購入権は4回になるので、最後は銅貨などをを購入して4枚購入すれば、得られるコイン・トークンは12枚になります。
残念ながらコイン・トークンを使用するタイミングは購入フェイズの開始時に財宝カードをプレイするのと同じタイミングで、「商人組合(Merchant Guild)」の効果でコイン・トークンを得られるのはカードを購入した際になり、また、+購入がある場合でも、カード購入を始めた後で財宝カードやコイン・トークンを追加でプレイすることは出来ないので、得たコイン・トークンをそのターンの購入フェイズに使用することは出来ません。
ただ、次のターンがくれば、何があっても属州が購入できることが確定していることになります。

この1ターンの遅れがある分、「ならず者」と似ているとはいえ、「都市」との相性はそれほど良くないという話があります。折角第2段階(2山切れ)の「都市」と合わせて「商人組合(Merchant Guild)」から大量のコイン・トークンを確保しても、次に自分のターンが来る前に3山切れでゲームが終わっている危険性が出てきます。
というより、6コストと5コストの違いというべきか、繁栄パワーというべきか、そもそも「ならず者」と「商人組合(Merchant Guild)」の性能を比較すること自体あまり意味のある行為ではありませんが、やはりこうやって眺めてみると、「ならず者」って破格の性能ですね。

まぁ、「ならず者」程ではないかもしれませんが、「商人組合(Merchant Guild)」も爆発的な動きをすることはあるので、サプライに出たときは悪さ(「重ねがけ」)が出来ないか、まずは検討してみたほうがいいでしょう。

予言者(Soothsayer)
5コスト アクション−アタック

金貨を1枚得る。他のプレイヤーは呪いを1枚得る。呪いを得たプレイヤーはカードを1枚引く。

Soothsayer (Cost: $5 / Types: Action-Attack)
Gain a Gold. Each other player gains a Curse. Each player who did draws a card.

カード名としては「占い師」の方が近いのかもしれませんが、既に収穫祭のカードに使われているので「予言者」などになるでしょうか。
呪い撒きの上に、金貨が獲得できるという、インパクトの大きいカードです。

「予言者(Soothsayer)」自体は、プレイしたターンは仮想コインなどは産出せず、逆に呪いを食らったプレイヤーは議事堂のときのように1枚引くため、その1周のターンだけを見ると、逆に他のプレイヤーとの差が付いています。
ただ、そんなもので「金貨」と「呪い」の獲得の差が埋まるかというと、まず埋まらないでしょう。

「呪い」を得るプレイヤーがドローするのは、次のシャッフル後はデックが汚染される分、かわりに今のうちに頑張れということでしょうか。
ルール的に言うと、実際に「呪い」を獲得したプレイヤーのみが1枚ドローします。「堀」などで防御したり、そもそも「呪い」が山切れで配る「呪い」がなくて、「呪い」を獲得していない場合は、ドローはありません。

強力なカードですが、そのターンには何もせず、効果が効力を発揮するのは次のシャッフル後と考えると、終盤には効力の落ちるカードということになります。

そういえば2人戦でしかプレイしていないので気づきませんでしたが、4人戦で皆が「予言者(Soothsayer)」をプレイする場合、毎ターンの手札が結構なことになりそうですね(アクション連鎖で連打されることは少なそうなので、議事堂の時ほどではないかもしれませんが)。
そこで民兵系のカードが挟まると、壮絶ないじめが発生するかもしれません(民兵買ったプレイヤーの下家が、死にそうな気がします)。
まぁ、中盤なら「呪いを捨てるだけ」になるかもしれませんが。