ギルド(Guilds) カード(疑)・レビュー

※誤訳を指摘いただいたStockpileの部分を修正しました(4/6)

一つ前の記事で、嘘か本当かわかりませんが(エイプリル・フールの可能性が高い)ギルドのカード・リストを転載しましたが、その内容でプロキシ(代用)カードを作って実際に遊んでみました。
その感想(考察)をザッと書いてみました。
現状では、話の種というか、ネタとして楽しんでもらえたらと思います。

【セット全体】コスト構成は以前からの噂どおり、2コストから5コストまで順番に2/2/4/5枚で、まぁ普通の構成です。
通常のアクション・カードが8枚、アクション−アタックが2枚、アクション−リアクション、勝利点カード、財宝カード1枚という点も、いたって普通の構成に見えます。

新システムとしては、コイン・トークが挙げられるでしょうか。
一部のアクション・カードや財宝カードの効果で獲得されるトークンで、一言で言うと「ターンを越えて持ち越せる(仮想)コイン」と言えるかと思います。
自分のターンの任意のタイミングで好きな量を消費することでき、消費した分だけコインを発生します。
件のリストの書き方だと自分のターンにしか使えないように見えますが、よく考えると他人のターンにコインを使う状況は現状(このカード・リストも含めて)ないように思うので、問題ないですね。

昔のMtGのSligh(スライ)理論ではありませんが、毎ターン、生じたコイン(仮想コイン、及びコイン・トークン)を全て使い切るようなプレイングを続けていく場合、コイン・トークンでコインを賄う必要はありません。
コイン・トークンを出すカードは、同額の仮想コインを出すカードより高コストに設定されています。
Slighのように発生したコインを毎ターン使い切るような動きを続けていく場合、より低コストに同額の仮想コインを出すカード(それこそ銀貨とか)がサプライにあるなら、そちらを使って動き出しを早くした方がいい場合も多いような気がします。

で、そういった動きになるかどうかは、個人のプレイングも大きなファクターですが、サプライ次第の部分も結構あります。
特に、使えるカードのコストがかなり偏ったサプライでない限り(5コストに碌なカードがなく、5金どまりだと銀貨を買うようなサプライとか)、序盤はほぼ使えるコインを使い切ってプレイすることが多くなると思います。
そう考えると、コイン・トークンを産むカードは、序盤には微妙なことが多いような気がします。

逆に中盤以降になるとコインが余ることも多くなると思います。
例えば、お金プレイで6金、8金と丁度よいお金を毎ターン引けるような強者にとっては、コイン・トークンを産み出すカードはコストが割高なだけのカードになるでしょう。
逆に、5金、7金が続いて、その後に10金を引いて歯噛みするような人にとっては、コイン・トークンを産み出すカードは、出力を均して安定させてくれる、非常に有益なカードになります。

普通の人であれば、1ゲーム中に1〜2回は「1金足りない」というのは体験することになると思います(しかも、前のターンはお金が余っていたりした上で)。
そういう時にサポートしてくれるのがコイン・トークンになります。
実際、コイン・トークンがあると、かなり安心・安定してプレイすることが出来ます。

また、無理してコイン・トークンを貯めてでも買いたい大物カードがある場合も、コイン・トークンを産むカードの出番がやってきます。

コイン・トークンの利点は、ターンを越えてコインを持ち越せることにあります。
そこから生じる利点は大きく二つのような気がします。

1)コインが余った時に次回以降に持ち越せて、各ターンの出力を安定させることが出来る
2)貯めたコイン・トークンを追加することにより、通常1ターンの出力では出せない金額を出すことが出来る

例えば、「5コストに買いたいカードがなくて、コインが余ることが多そうなサプライ」とか、「出力が安定しないけど+購入がないデック」、「2コストに有用なカードあるので、コイン・トークンを産むターンは、仮想コインや財宝カードが少なくても、その辺を買うことでごまかせる」「7コストにほしいカードがあるサプライ」とか、「白金貨があって明らかに白金貨が強い場」などでは、序盤でもコイン・トークンを算出するカードの評価は高めにしていいような気がします。
あとは、次に述べる「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求するカード」を使いたい場合も評価アップになるでしょうか。

その他のセットの傾向としては、追加効果の発生にコインの支払いを要求するカードが結構見られます。
で、ここで注意すべき点は、これらのコインの支払いを要求するカードのほとんどはアクション・カードで、つまり「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求される」訳ですが、だからといって「そのために財宝カードをプレイすることは出来ない」という点です。
闇市場みたいな例外をのぞけば、財宝カードをプレイできるのは、購入フェイズに限ります。

そのため、これら「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求するカード」の追加効果を楽しむためには、既にプレイしたアクション・カードから発生した仮想コインや、コイン・トークンで対応しなければならなくなります。

つまり「コイン・トークンを産むカード」や「アクション数を減らさず仮想コインを出すカード(市場のようなカードや、持続中の商船など)」、「仮想コインを出すカード+村系のカードの組み合わせ」のいずれか一つ以上はないとアクション・フェイズ中のコインの支払いは出来ません。

具体例であげると、ギルド以前で単独でどうにかしてくれそうなカードというと、

祝祭、市場、手先、寵臣、灯台、漁村、バザー、宝物庫、大市場、行商人、オアシス、従者、屑屋、秘術師
(他に条件付で、共謀者、鉱山の村、商船、都市、馬上槍試合、名馬、採集者、金物商、はみだし者 あたりでしょうか)

と、思ったより多くありません。
オール・カードでいうと10種類に1つもない感じです。
もちろん、村系と組み合わせればその他の仮想コイン・カードも使えるようになりますが、そうなると、少しハードルが高くなります。

つまり、アクション・フェイズ中にコインを用意できないサプライは、それなりの頻度で発生します。

ギルドがメインのサプライ(ギルドから5種類とか)、それこそ推奨サプライなら、コイン・トークンを出すカードもサプライに入ってくるだろうからソコソコ使えるけれど、オール・カード・ランダム場なんかになると使えないことが多いカードもあるような気がします。

実際にギルド5種類、その他5種類からのランダム・サプライで遊んでみた時でも、たまに、いわゆる「噛み合っていない」感じになる事のあるカードがありました。
まぁ、その辺は「噛み合った時にしっかり使って楽しむ」「使えなければ、そのサプライでは無視すればいい」となるでしょうか。

【個別カード】Merchant(商人) 2コスト アクション・カード+1カード
+1アクション
You may pay $1. If you do, +2 buys.

このカードをプレイした時に1コインを支払ってもよい
そうした場合、+2購入を得る

2コストのキャントリップとして考えると、こんなものでしょうか。
取り立てて言うところのないカードでしょうか。
オール・カード・ランダムだと、この1コインすら出せないサプライは結構な割合で存在するような気がします。
たまに他に+購入がないとこのカードがキーになる場合もありますが、それは「市場跡地(廃墟)」がキー・カードになる場合もあるのと同じようなものでしょうか。

Stockpile(備蓄品) 2コスト アクション・カード+1カード
+1アクション
_____
When you discard this from play, pay up to $3.
+X coin tokens equal to the amount you paid

このカードをプレイした捨て札にする時に、3コインまでを支払ってもよい
そうした場合、支払ったコインの分だけコイン・トークンを獲得する

備蓄できる状況なら、それなりに使えるカードですね。
ただ、このカード自体はキャントリップですが、このカードを使う前に仮想コインを産み出しておく必要があるところが少しハードルが高いでしょうか。
「Stockpile(備蓄品)−宰相」みたいなプレイ順番だと、備蓄することは出来ません。
一応、仮想コインでなく、コイン・トークンを消費してコイン・トークンを獲得することも可能ですが、意味がないですね。

逆に、市場なんかの入った引ききり系のデックなどでは、かなり役立ちそうな気がします。
上手く使えなくても、最低限キャントリップではあるので、そういったデックで上手くいけば儲けものくらいで買うのは十分ありでしょうか。
ただ、主な目的は余った端数調整になるので、はっきりした目的(例えば共謀者のお供とか)がなければ、キャントリップとはいえ余りたくさん買っても仕方ないような気がします。
仮想コインをコイン・トークンに変換するだけで、コイン量を増やす訳ではないので敢えて「強い」とは言いませんが、自身キャントリップな点も含め柔軟性が高すぎですね。
+購入が容易に準備できる環境だと、あっという間に売り切れそうな予感がします。

また、一度に得られるコイン・トークンが最大3つと、仮想コインの代償が必要ですが、得られるトークン量としては多いので、「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求するカード」を使用したい場合には、キーになる可能性はあるでしょう。

Gypsy Camp(ジプシーの野営地) 3コスト アクション・カード+2アクション
+1コイン・トーク

一応、「村」扱いなんでしょうか。
ドローがないので手札が1枚減りますが、代わりに「コイン・トークン」を1つ獲得できます。
コイン・トークンをその場で使ってしまえば「+2アクション、+1コイン」と一緒になるので、同じ3コストの漁村や2コストの従者の下位互換になるという話があります。
なので、他に村系のカードがあるようなサプライの場合、このカードの評価は、コイン・トークンをどう使う場なのかで変わってくるような気がします。
まぁ、評価に関わらず村系が他になければ(そして、+アクションが必要なデック構築をするなら)、このカードを使わざるをえませんが。

初手に買うかどうかという話であれば、最初に欲しいカードが5〜6コストのカードなら、それこそ銀貨を先にした方がいいような気がします。
7コストのカードとか、それこそ白金貨(9コスト)をどうしても最速で1枚確保したい場合は、初手からこのカードを買った方が早いかもしれません。

また、サプライのコストの並びが穴あき(5金出ても特に買いたいものがないサプライとか)の場合は、早めにこのカードを購入してもいい気がします。
逆に、どのコスト帯にも買いたいカードがあるようなサプライなら、通常の村と同程度の時期に買ったり、他に機能性の高い村があるなら、そちらを優先していいような気がします。

あとは、Stockpile(備蓄品)同様、推奨セットなどでは「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求するカード」の存在で、評価が微妙に変わることはあるでしょう。

Journeyman(職人) 3コスト アクション・カード +2コイン
_____
While this is in play, when you buy a card:
You may pay $1. If you do, gain a card costing less than the card you bought that is not a Victory card.
You may pay $1. If you do, put the card you bought on top of your deck.
You may pay $1. If you do, + 1 buy.

このカードが場にプレイされている間にあなたがカードを購入した場合、
・1コインを支払って、購入したカードよりコストが低く、勝利点でないカードを1枚獲得してもよい
・1コインを支払って、購入したカードを自分の山札の一番上に置いてもよい
・1コインを支払って、+1購入を獲得してもよい
※この書き方だと、追加でコインを払えるのは各効果につき1回ずつまでなのでしょうか?

このカードは、アクション・カードながら、追加効果が線の下の記述、つまり「このカードが場にプレイされている間」に効果を発揮となっているため、追加効果のためのコインを財宝カードで支払うことも可能になっています。
そもそもその効果自体も、「あなたがカードを購入した場合」となっているので、購入フェイズに使うことが前提になっています。

目玉は「値切り屋」効果、ついで「山札の上に載せる」効果になるでしょうか。
注意点は、山札の上に載せる効果は「購入したカード」だけが対象で、オマケで獲得したカードは対象にできないと思われることでしょうか。10金を準備して(このカード自体も2コインの仮想コインを算出します)、属州を買いつつ、1コインでオマケに金貨を獲得までは出来ても、残りの1コインでその金貨を山札の上に載せることは出来なさそうです(属州を載せることは出来そうですが)。
その辺は玉璽や望楼などと違っていますね。

値切り屋と同様に、低コストにコスト違いで欲しいカードが複数あるサプライ(「移動動物園−村落」とか「鍛冶屋−村」とか)では威力を発揮するカードになるでしょう。
あと、獲得するのが面倒なカード(大市場とか、抑留トークンを置かれたカードとか)がある場合にも使えそうです。
また、高出力のコンボ系デックに1枚入れても、凄いことが出来そうな気がします。

ただ、最初に目指すべきカードが明確で、そこそこ高コストの場合(例えば魔女とか)は、序盤は追加効果のための追加の1コインが出ないことも多そうですし、単なるターミナル・アクション(アクション消費)の2コイン・カードと考えると、初手としては微妙かも知れません。

ただ、そういう場でも、中盤以降は「使い勝手の少し悪い値切り屋」と考えれば、そこそこ使える場合は多そうな気がします。
今回のセットでは一番ソリッドなカードのような気がします。
Carpenter(大工) 4コスト アクション・カード+2コイン・トーク

コイン・トークン2つとなると、それを丸々持ち越したとするとかなりの効果となります。ある意味、ずっと持ち越せる商船とも言えます。
ただ、序盤(3〜4ターン)に買いたいものを買った後に2コインが余ることは、それ程ないような気がします("1コイン余る”なら結構ありそうですが)。
そう考えると、他に有力な3〜4コストのカードがあった場合には、初手は微妙かもしれません。

それこそ、高コスト(7コスト以上とか、どうしても早めにほしい6コストのカードとか)に欲しいカードがあるとか、5コストに買いたいものがなくて序盤でも結構お金が余りそうとか、機能性の高い2コスト(村落とか灯台とか)があるから「その辺買ってごまかして、コイン・トークン浮かせるのもありかな」といったサプライでなければ、積極的に初手から行きたいカードではないような気がします。
あと初手から買うとすると、早期から「アクション・フェイズ中にコインの支払いを要求するカード」を使いたい場合や、他に3〜4コストに買うものがない場合とかでしょうか。

逆に中盤以降+アクションが余り気味のデックだと、各ターンの出力を安定させる上で非常に役立ってくれ、安心の一枚になります。

Greedy Witch(貪欲な魔女) 4コスト アクション−アタック+2カード
You may pay $1.
If you do, each other player gains a curse.
Otherwise, you gain a curse.

あなたは1コインを支払ってもよい
そうした場合、他のプレイヤーは呪いを1枚獲得する
そうでない場合、あなたは呪いを1枚獲得する

プレイした際に1コインが払えないと自爆する魔女。
一応4コストと通常の魔女よりコストが低くなっていますが、例えば初手「Greedy Witch−手先」では無謀だし、「Greedy Witch−オアシス」でもチャレンジしようという人はあまりいないと思います。「Greedy Witch−漁村(仮想コイン的には灯台でも可だが、逆に相手に止められる可能性が出てくる)」でやっと候補にあがる程度でしょうか。それも「格上相手に無理してでも行く」といった状況以外では、あまりやりたいとは思えません。

そうなると、このカード自体は4コストであっても、使えるのはセット・アップが出来てからになるので、結局最速でも4-3スタートの魔女と同程度になるような気がします。
とはいえ、そこそこの利用方法(低コストのキャントリップの仮想コインとか)があり、さらに、呪いに対抗できる十分なカードがなければ、魔女である以上無視することは出来ないと思います。

ある意味、仮想コインでこのカードを使う場合は、デック構築の腕が問われることが多そうな気がするので、そういう意味では「いいカード」なのかもしれません。

ただ、仮想コイン頼みの構成だと、中盤(呪いが切れる頃)に運悪くプレイできない回が出てくる可能性は結構あるような気がします。
そう考えると、コイン・トークン中心の運用の方が安定性は高そうな気がします(回転するまでが遅いかもしれませんが)。
まぁ、その辺を考える必要があるのは、両方のカードが存在するようなサプライの場合だけでしょうし、その場合は、多分、両者の併用で運用することが多そうですが。

仮想コインやコイン・トークンがない世界(サプライ)だと、単なる自爆カードになりますね。

Reeve(代官) 4コスト アクション−リアクション
+2カード
+1コイン
_____
When another player plays an Attack card, you may discard this. If you do, +2 coin tokens and you are unaffected by that Attack.

他のプレイヤーがアタック・カードをプレイした時に、あなたはこのカードを捨札にしてもよい
そうした場合、コイン・トークンを2つ獲得し、そのアタックの効果を受けない

馬商人、物乞い同様、アタックに対してこのカードを捨ててリアクションするカードになります。そのため、堀・灯台以来の久しぶりのアタックからの完全防御となりますが、連弾でこられると(1枚では)全てを止めることは出来ません。
捨札にするため、リアクションした場合は手札が1枚減りますが、コイン・トークン2個もらってアタックを1回防いでいるので、十分な効果な気がします。

通常使用の効果は「+2カード、+1コイン」と、結構珍しい形のような気がします。
複数枚ドローに加えて、代償(捨札など)なしにお金が出るカードって、今までなかったような気がします。

序盤(3〜4ターン)に限っていうと、鍛冶屋よりもソリッドなカードのはずです。
例えば「Reeve(代官)−銀貨」の初手の場合、3〜4ターンだけでいうと、デックの平均コイン量が1.0金を越えていない分鍛冶屋より有利ですし、これは単純に有利不利は言えませんが、2枚ドローだと(底に沈まない限り)4ターン目にちょうど引ききってシャッフルが入らないので、(4ターンにシャッフルの入る)鍛冶屋に比べるとばらつきが少なくなります。

ただ中盤以降の効果で考えると微妙なところがあり、実際使ってみると、やっぱりどんどん微妙になっていく感じがしました。
そのため、プレーンな場だと、使うとしても初手に一枚切りで、それ以降は他のカードを使っていく感じかなと思います。複数枚買うとしたら、「堀」でさえドロー・カードとして求められている状況でしょうか。

リアクションもそこそこ、通常使用もそこそことなると、アタックによる荒れ場では活躍が期待できるでしょう。

Turnpike(関所) 4コスト 勝利点カード3勝利点
_____
When you gain this, you may pay $2.
If you don’t, place this card on top of your deck.

このカードを獲得した時に、あなたは2コインを支払ってもよい
そうしなかった場合、このカードをあなたの山札の一番上に置く

絶妙なコスト・バランスが見て取れます。
購入フェイズに4金で買ったらペナルティー(山札のトップに役に立たない勝利点が載る)、6金払えばペナルティーはないけど同じ3勝利点の公領より高い、4コストなので工房系で獲得できるけどやっぱり山札のトップに載るペナルティーあり(2コイン払えば回避できますが、アクション・フェイズなので、購入フェイズのときより、2コインを払うのはハードルが高いでしょう)。
工房系でも鉄工所は何となくトントンのような気分になるし、武器庫はどうせ山札に載ることを考えると、得した気分になるかもしれません。

とはいえ、機能性のない単なる勝利点なので、あんまり悪用とか場への影響とかはないような気がします。

Bribe(賄賂) 5コスト アクション・カードYou may pay $3.
If you do, +7 cards.

あなたは3コインを支払ってもよい
そうした場合、カードを7枚引く

7枚ドローは確かにすごいですが、通常の場(オール・カード・ランダム場)だと、「苦労の割りに」ということが多いような気がします。
まず、アクション・フェイズ中に3コインを用意するのが難しいですし、さらにBribe(賄賂)を使った後にアクションを残しておく必要もでてくるでしょう(アクション・フェイズに3コインを用意できる時点でお金ステロイドということはなく、それなりにアクション・カードの入っているデックのはずなので)。
まぁ、「7枚引けば属州(植民地)1枚くらいは買えるだろう」という話はあるので、+購入のない場だと、後が続かなくてもいいかもしれませんが。

アクション連鎖とかコンボ系が組めそうなサプライでないかぎり、セット・アップできるまでにゲームが終わっているようなサプライや、そもそも3コイン出すことが不可能なサプライも多そうな気がします。

効果としては、策士と比較して評価されることが多そうな気がします。
ただ、セット・アップの時点を考えると、明らかに策士の方が楽な場合が多いような気がします。
策士には追加のアクションも購入もあるけど、Bribe(賄賂)にはそれらがないわけですし。
とはいえ、その辺を比較する必要があるのは両者が一緒にサプライに登場した時だけです。
※多分、両者一緒にサプライに登場したら、まず「策士から入ってBribe(賄賂)でさらにドン」という構成が出来ないかを、まず検討しそうですが。

基本的には、市場系と研究所系に少々村を加えたようなアクション連鎖で、さらにトドメの一撃を加えるような場合に使うのかなと思います。
流石にアクションが残った状態で7枚引けると、色々なことが出来ます。

比較対象として策士ループと比較する場合、策士ループでは使えない財宝カードなどのカードも使えるのが特徴になるような気がします。

たまに盛大な花火をあげることもあるけど、夢(ロマン)カードという位置づけのサプライも多いカードのような気がします。

Guild Master(ギルド・マスター) 5コスト アクション−アタック+3カード
Name a card. Each other player reveals the top 3 cards of his decks, discards all the revealed copies of the card you named, and puts the rest of the cards back in any order he chooses.

カード1枚を指定する。他のプレイヤーは山札の一番上3枚をめくり、指定したカードがあれば全て捨札にする。残りのカードは、所有者が好きな順番で山札に戻す

メインはターミナル・アクション(アクション消費)の3枚ドロー・カードの部分になると思います。
その上でアタックの部分を考えてみます。

カードの指定については、だいたい「金貨」などの重要カードがコールされると思います。
そう考えるとアタック効果は、手札ではなく山札へのアタックということも含め、平均値としてはそれ程高くなさそうな気がしますが、当たった時の相手への心理的ダメージが非常に大きいような気がします。

2人戦だと、相手のデックを把握した上でそれなりに効果的なアタックが出来ることがありそうですが、4人戦だとピントを絞りづらくて難しい場合があります。4人戦で、一人しか集めていない「寵臣」とかをコールすると、個人攻撃になってしまうかもしれません。
特定のカードを集める戦略は、このカードがあると、やりにくくなるかもしれません。

あと他人任せですが、上手くいけば2枚以上山札にカードを戻すことになるので、井戸に願いを叶えてもらえるチャンスかもしれません。
Peons(日雇い労働者) 5コスト アクション・カード+3カード
You may pay $1.
If you do, +1 action

あなたは1コインを支払ってもよい
そうした場合、+1アクションを獲得する
※この書き方だと、1コイン払うかどうかは、カードを引いた後でいい?

このカードの特徴を把握する上で、比較対象として適当なカードを挙げるとすると厩舎なのかなと思います。
Peonsが既に算出された仮想コイン/コイン・トークンから1コインを消費して3枚ドローの研究所になるのに対して、厩舎は購入フェイズに1コインを算出する銅貨を捨札にして3枚ドローの研究所となります。

実際、Peonsと厩舎が同じサプライに登場した場合、厩舎の方が使いやすいことが多くなります。
Peonsを研究所として使うには、事前に仮想コインを出す作業を行なっておくか、虎の子のコイン・トークンを使う必要があるからです。
3枚ドローの研究所として使う場合、Peonsが厩舎より優先されるとすると銅貨を圧縮した上で、市場などで仮想コインが安定的に供給できるようなデックになるでしょうか。
あと、例外的に民兵のような手札破壊のアタックがある場で、安定的にコイン・トークンを算出できるデックを組む場合でしょうか。
そういった使いづらさがある分、厩舎は財宝カードを捨てれなければ何もしませんが、Peonsは1コインを支払わなくても3枚ドローはしてくれるのかなと思います。

また、この記述だと3枚引いた上で「アクションを引かなかったから、コインを払わない」といった柔軟な対応も出来そうですし。

基本的に3枚ドローのカードが弱いことはないと思いますが、アクション連鎖系などのデックで、追加の1コインを払えるチャンスが十分存在しているならば、さらに評価アップでしょうか。
Resale(転売) 5コスト アクション・カードTrash a card from your hand.
+X coin tokens equal to its cost.

手札のカードを1枚廃棄する
そのコストの分だけコイン・トークンを獲得する

パッと見、引揚水夫のコイン・トークン・バージョンにも見えます。
+購入がありませんが、余った分はコイン・トークンを持ち越して次のターンの買い物に使えば、「同じようなもんだろう」という気分になります(実際は結構違いますが)。

どうしても序盤にほしい高コストのカードがある(例えば策士があれば策士を使ってでもほしいような)場合を除けば、序盤の用途としては、それ程、引揚水夫とは変わらないような気がします(コインがあまった時にラッキーなくらいで)。
中盤以降は、工房系などとの併用で廃棄していいカードを準備しやすい環境だと、かなりの効果を発揮すると思います。
逆に+購入がない環境でのコンボ系とかだと、使いづらいことがあるかもしれません。
Wages(賃金) 5コスト 財宝カード1コイン(財宝カードとして)
+1コイン・トーク

結局、コイン・トークンを持ち越すことがどれくらいあって、それが次のターン以降にどれくらい役に立つのかというところが評価のポイントになると思います。
Wages(賃金)を使う度に、出てきたコイン・トークンもすぐに使ってしまうのであれば、Wages(賃金)はコストの高い銀貨でしかありません。
逆に言えば、コストを除けば明らかに銀貨の上位互換なので、5金で「金貨に届かなかった」といっているようなお金プレイ系のデックだと、良いカードのような気がします。

計画的に「引ききり総コイン量16金」みたいなデックでは有用性は低いかもしれませんが、お金プレイ系のステロイドなどのデックだと、「金貨を2枚買った後は、6金出ても、金貨よりもWages(賃金)を買う方が、結局デックが安定する」といったことはあるかと思います。
そういうデックだと、コイン・トークンが1〜2個あると、安心してプレイできます(7金で泣くことがなくなるので)。
以上です。