「仮面−銀」は甘いのか?

ということで、仮面(舞踏会)ステロにおける初手の考察です。

初手の購入を「仮面(舞踏会)−銀貨」、または「仮面(舞踏会)×2」とし、その後、3〜4ターンを以下のアルゴリズムでプレイした場合に生じる各パターンとその発生確率を算出して比較してみました。

【3〜4ターン目のプレイのアルゴリズム
・6金に達したら金貨を購入
・3〜5金の場合、「仮面−銀」の場合は2枚目の仮面舞踏会を買い、それ以降や「仮面×2」の場合は銀貨を購入
・2金の場合は購入をパスする

・仮面舞踏会をプレイした場合、上家からは常に屋敷が渡されるものとする
・仮面舞踏会をプレイした場合の廃棄は、屋敷を優先し、屋敷が無い場合、購入に影響が無ければ銅貨を廃棄する。

・結果の評価が面倒なので、仮に「仮面舞踏会:2金相当」として、デック内のカード1枚あたりの平均コイン量を算出して比較することとしました。

ということで、結果は以下のとおりとなります。
別紙詳細は、4ターン終了時の状態(クリーンナップに5ターン目の手札5枚を引く直前)になります。

【仮面−銀貨】
金貨到達率: 27%
屋敷廃棄率: 78%

83%の場合は、4ターン目終了時に丁度山札0枚で、全カードをシャッフルした新しい山札から、5ターン目の手札5枚を引くことになります。

【仮面×2】
金貨到達率: 5%
屋敷廃棄率: 93% (そのうち35%は2枚廃棄)

特筆すべきは、3〜4ターンに仮面を連打した38%の5/7(27%)は、分割管理状態を維持しており、5ターン目以降も5/7の幸運が続けば、毎ターン仮面をプレイすることが出来ます。

仮面舞踏会を2金と仮定して算出した平均コイン量の比較では、「仮面−銀貨」が1.15コインに対して、「仮面×2」が1.18コインと、「仮面×2」の方が上になります。
仮面舞踏会を2コインとして平均コイン量で比較する方法が妥当かという検証は必要ですが、仮面舞踏会以外のデックの平均コイン量が1コイン程度ある状態であれば、2枚被る危険性を1枚廃棄できる利点で相殺と考えると、そこまでズレた評価ではないように思います。

単純に1〜4ターンにお金を買い足した場合、例え金貨を買えた場合(銀貨、銀貨、銀貨、金貨)でも、平均コイン量は16/14=1.14となり、仮面舞踏会の場合より低くなります。
結局、金貨を買えなくても、廃棄枚数が多くなる可能性がある分だけ、初手「銀貨×2」より、「仮面−銀貨」、そして「仮面×2」の方が若干有利ということでしょうか。

ちなみに、例えば初手「銀貨×2」(42%)と比べて金貨到達率が低いように見えますが、3〜4ターンの時点では、初手「銀貨×2」と初手「堀(2枚ドロー)−銀貨」では、「銀貨×2」の方が6金到達率は良くなります()。
5金到達確率は銀貨より堀の方が高くなります。

あと、仮面舞踏会の場合、手札を他プレイヤーにパスする分、単純な2枚ドロー・カードに比べると、結果が丸くなる傾向があります。
何かというと、3〜4ターン目に金貨に到達する場合というのは、どちらかというと偏った手札が来た場合で、「銀貨、銅貨×4」みたいに屋敷が入っていないパターンも多く含みます。そういう手札の場合に他者の仮面が入ると、銅貨が屋敷にかわり、6金に届かなくなります(今回の計算では、他プレイヤーの仮面舞踏会プレイは考慮に入っていませんが)。
今回の計算で、「堀−銀貨」より「仮面−銀貨」の金貨到達率が低くなっている理由は、2枚ドロー後(仮面舞踏会プレイ時)に「銅貨×6」になるパターンで金貨が買えない(銅貨をパスして屋敷を受け取るため)分となります。
誰かが仮面を打つまでは、各プレイヤーの手札は独立で、3〜4ターン目に誰かが仮面を始めてプレイした際に、その他のプレイヤーが手札に屋敷を1枚も持っていない確率は16%となります(初手に2枚カードを購入している場合)。
今回の計算では、上家から銅貨が流れてくるパターンや、他プレイヤーの仮面で自分が銅貨を流してしまうパターンが入っていないので、実際の確率とは微妙に違っているところはあります。

さて、余談が長くなりましたが。
検討の結果、仮の平均コイン量では初手「仮面×2」の方が高くなり、5ターン目のポジション(手札・山札・捨札状況)的にも、27%で分割管理に入る上に、底に沈む確率も「仮面−銀貨」の17%に比べ、「仮面×2」は2%と圧倒的に低く、結果を比較すると初手「仮面−銀貨」に対して、初手「仮面×2」の方が、明らかに良くなります。

結論としては、「仮面−銀」は確かに甘く、初手「仮面×2」でスタートすべきということになります。

・・・ここで筆をおくと、各方面から反論が飛んで来そうな。
上記結論に関しては、実は、「仮面舞踏会2枚でまわす、純粋な仮面ステロの場合」という前提条件がつきます。

実際に仮面舞踏会をプレイする場合、仮面舞踏会だけのステロでまわすより、「仮面舞踏会1枚を入れて軽圧縮を行いつつ、別のカード(もしくはカード群)をプレイする」という場合が圧倒的に多くなると思います。
そうなると、当たり前ですが、初手は「仮面×2」が選ばれることは少なく、併用するカードが5コストの強力なターミナル・アクションのような場合は、初手は「仮面−銀」になります。
※ちなみに、前回の中庭ステロに関する考察でも同じことが言えますが、そうなるとなおのこと、初手「中庭×2」より「中庭−銀貨」という結論になるかと思います。

ただし、併用するのが村系(+2アクション)を含むアクション連鎖の場合、初手「仮面×2」を考慮する余地はあるような気がします。

ではでは。