ドミニオンにおけるコンビ打ちの可能性について

もともと、ドミニオンMtGなんかに比べればカジュアル性が強く、ルールが不明瞭な点があることを置いておいても、そもそも公式競技戦になじまないカードがあることは言われていたかと思います。
実際、今度の日本選手権の決勝戦(代表決定戦)のランダム・サプライの勝負でも、「仮面舞踏会」、「大使」、「闇市場」、錬金術の全カードが禁止カードになっています。

そこで、身内同士2人が同卓になった場合に、どういったカードやプレイがコンビ打ちとして問題になりそうか、ちょっと考えてみました。
※対策として考えてみただけで、こういったプレイを推奨しているわけではないので、ご了承願います。

問題のレベルとして3つのレベルが考えられると思います。

1)明らかにイカサマ
例えば、自分がプレイした金貨を、捨て札に捨てたふりをしながら、机の下を通して相方に渡すとか。こういう、明らかにイカサマ・プレイは今回の考察からのぞきます。

2)競技的には問題だけども、摘発しにくいもの
例えば「通し」(サイン)があった時だけ、民兵などのアタック・カードを使うような場合です。
プレイの方針が、ゲーム外の情報(サイン)で制御されている事が問題ですが、摘発するのは難しいでしょう(サインを指摘しても、「たまたま」と言われればそれまでです)。

3)ルール上も問題はないもの
例えば、2)の例でも、「相方が灯台を使っている時のみ、アタック・カードを使う」となると、競技道徳的にはともかく、競技上では問題ないことになります。

まぁ、個別のカードで考えなくても、「理不尽なタイミングでのゲーム終了(例えば4位の状態で、続ければ順位が上がる可能性が高いのに、3山目を切らして、相方の1位を確定するとか)」というのはあるわけですが。

以後、個別にみていきますが、どうしても個別指定のアタック・カードやその類(上家や下家指定のものも含む)が多くなってきますね。
基本的に、相方を支援する側(麻雀のコンビうちでいうところの「お引き」)の立場で説明していきます。

○ほとんどのアタック・カード
少なくとも「通し」を使えば、相方の望むタイミング(堀があって自分はダメージを受けないけど他人は受ける時とか、書庫があるときの民兵とか)でアタックを使ったり、望まないタイミングは使用を避けることが出来ます。
他に、司教とか、坑道のある時の保管庫なども、似たような話は出てくるでしょう。

○仮面舞踏会
実際に日本選手権の決勝で禁止されていますが、相方が下家の場合、金貨などの強力カードや属州などの勝利点を流すことが出来ます。

○大使
これは禁止にされている意図が微妙にわかりづらいカードです。まぁ、属州を見せて属州を撒いたりすれば、かなり終了タイミングは調整できます。
流石に、「相方以外が堀とかの防御のリアクション・カードを出している際に属州を撒く」場合を考えているとしたら、迂遠のような気がします。

闇市場錬金術のカード
この辺は決勝戦で禁止になっていますが、イカサマというよりその他の理由によるものと思われます。
闇市場は運営上面倒なのと、運の要素が大きすぎる(闇市場から降ってきたカードでゲームが決まると目も当てられない)から
錬金術のカードは、出てきたときのサプライ設定が面倒(ポーション・コストのカードを3種類前後にするのか)だから(支配を禁止する余波で、他も禁止になった可能性も考えられますが)

○禁制品
大使よりも、こちらが禁止になっていないのは、ちょっと驚きました。
上家が相方の場合、常にサプライにないカードを宣言していれば、相方に対してのみ「5コストの+購入権つき金貨」のスーパー・カードになります。

○都市
これは、相方が一生懸命都市を買っている際に、関係ない山を枯らすことでサポートが出来ます。

○密輸人
相方が下家の場合、合図があった時は、属州買えるのに公領買うとかいったことは出来るような。

○詐欺師
例えば、序盤、相方の場合は「屋敷→手先、銅貨→銅貨」、その他のプレイヤー「屋敷→屋敷、銅貨→呪い」というルーチンでプレイするだけでも、結構なサポートになるような。
あと、終盤に相方から5コストのアクションをヒットした場合、公領に変換するなど。

密偵系(他に神託とか、念視の泉)
相方に対して、普通とは逆に(というより自分の山と同様に)、悪いカードは捨てて、良いカードをは残すことが出来ます。
コンビ打ちで考えると、終盤は、密偵は詐欺師以上に問題のあるカードのような気がします(詐欺師は勝利点関係のヒットでなければ、山札を1枚削る(だけ)とほぼ同等ですが、密偵の場合、元に戻すことが出来る分、選択の幅が広い)。
特に、密偵と念視の泉は連続使用可能(+アクションがある)なので、密偵特化で、自身は密偵を打つこと、相方のデック・トップを良くすること、他のプレイヤーのキー・カードを落としてデック・トップを悪くすることに専念されると、かなり頭の痛い状態になります。

○道化師
相方から、いいカードがめくれたら相方にあげて、銅貨などは自分がもらう。
まぁ、勝利点がめくれた場合はどうしようもありませんが。

○泥棒
複数めくれた場合に、安い方の財宝カード(というか銅貨)を廃棄することで、相方の銅貨圧縮手段として役立つ可能性はあります。
同種でも、金貨が一枚めくれた際に自分の手に入ることさえなく廃棄される海賊船や、そもそも銅貨を廃棄しない義賊では難しいですが。

他にも細かいのはいくつかありそうですが。

まぁ、こういった恐れがあるといっても大会サプライで、アタック・カードと対抗カード(リアクションや民兵系に対する書庫系など)を一緒に出すサプライを一つも出さないということはないでしょう(どちらかというと、サプライを作る場合は好んで出しそうな組み合わせのような気がします)。

実際、昨年の日本選手権では、2回の予選の両方とも1回戦には民兵と書庫が出ていますし、3回戦に密偵が出ています。

まぁ、ドミニオンの大会で、そこまでコンビ打ちを警戒してもしょうがないでしょうが。