基本に帰ろう (番外編) ドミニオンGUIのプレイ方針

基本に帰ろう(その4)で紹介したドミニオンGUIというフリー・ソフト(残念ながら、現在は入手できないようですが)について、そのCPUのプレイ方針について、参考になる点があるので述べてみたいと思います。

このドミニオンGUIですが、少なくとも基本セットのみ環境の練習用としては、かなり良くできたソフトでした。
このドミニオンGUIのCPUのプレイ方針において何が特徴的かというと、勝利点購入のタイミングが、かなり早いのです。
COMのプレイ方針ですが、デフォルトでは、COM3者はそれぞれアクション小、中、多(アクション・カードを取る頻度が少し違います)のプレイ方針を与えられています。
※基本的にアクション多は、基本セット環境では負け頭で、場を乱すことが多いです。そのため、アクション多をアクション中やランダム(アクション少〜多をランダムに選択)に切り替えて遊んだ方がいいと思います。

さて、このアクション小、中のプレイ方針ですが、じつは簡単に記述できます。
※庭園など特殊なカードがある場合は、一定確率でそのカード向けプレイをするようになっているので、以下は、特殊なカードがない場合の方針になります。

アクション小:
初手の2ターンに優先順位に従い、アクション・カードや銀貨を購入。
3〜7ターン目はお金(金貨、銀貨)を購入。
8ターン目以降、属州8枚が売れる、または2山が切れるまでは属州>金貨>公領>銀貨>屋敷の優先順位で購入、
それ以降は属州>公領>金貨>屋敷>銀貨の順に購入。

アクション中:
最初の7ターン目までは、優先順位に従い、金貨やアクション・カード、銀貨を購入。
8ターン目以降、属州8枚が売れる、または2山が切れるまでは属州>金貨>公領>銀貨>屋敷の優先順位で購入、
それ以降は属州>公領>金貨>屋敷>銀貨の順に購入。
※ちなみに、1〜2ターンと、3〜7ターンでアクション・カードの優先順位が違います。

ある意味7ターンが一つのポイントとなっていますが、下記を見てもらうと分かりますが、追加のドロー等が入らない場合、7ターン目終了時に3回目のシャッフルが入ります。
※もちろん、実戦ではドロー・カードなどによって、往々にずれますが。

ゲーム開始前: 初手の10枚のカードをシャッフル(0回目のシャッフル)
初手(1廻り目):1〜2ターン :2ターンのクリーン・ナップ時に1回目のシャッフル
2廻り目:3〜4ターン (※) :4ターンのクリーン・ナップ時に2回目のシャッフル
3廻り目:5〜7ターン (※) :7ターンのクリーン・ナップ時に3回目のシャッフル
※5,8ターンの手札には、2,3廻り目の山札で、最後に残っていた数枚のカードを含みます。

3廻り目まではデック構築、それ以降は勝利点購入に当てると割り切っているわけです。

一度、リアルでプレイしている際にカウントしてみてもらううと分かりますが、これは結構早いタイミングです。
で、自分以外のCOM3人がこのタイミングで勝利点を買い始めると、今までにない早さでゲームが終了します。
グダグダにならなければまず20ターン以内、Humanプレイヤーも同様の戦略をとり、妨害カードがなければ12〜13ターン位で終了することもあります。

今見直すと疑問点がないわけではありませんが、(Humanプレイヤーもある程度のレベルという前提なら、金貨>公領から公領>金貨の逆転は、属州4〜6枚くらいのもっと早い段階がよいのでは、とか)。

実際、ドミニオンGUIでCOMが強いのは、COM3人がこういった高速型のプレイをしているという点もありますが、私にとっては

「(プレーンな場で)全プレイヤーが高速型なら、こういったアルゴリズムで十分戦える」

ということを気づかせてくれる端緒になったところはあります。
まぁ、端的に言うと基本セットはステロイド(お金プレイ+α)が有利なことが多い世界ということかもしれませんが。

あと、実戦で参考にする場合、COMは7ターン目を境に機械的にプレイングを切り替えていますが、例えば初心者が入っていて場が遅くなりそうなら8ターン目でも金貨やアクションを買って少し構築型にシフトする、といった臨機応変な対応をすれば、より良くなるでしょう。