プロモ・カード

GokoW杯や中堅杯のせいで少し間が空きましたが、ぼちぼち個別カード解説を再開したいと思います。
ある意味、知識量の差が最も現れるのはプロモ・カードなのではないかと思います。
そこで、基本セットの次にはプロモ・カードの解説に移りたいと思います。

公使(こうし:Envoy)
プロモ・カード・4コスト・アクション
あなたの山札の上から5枚のカードを公開する。
あなたの左隣のプレイヤーはその中から1枚を選び、あなたの捨て札置き場に置く。
残りの4枚をあなたの手札に加える。

関連の強いカード
+)ステロイド/村系カード(宿屋など)/地下貯蔵庫、秘密の部屋系/名品/銀行
−)手札を公開するカード(移動動物園、岐路、貧民街)/高圧縮/支配

ステロイドで使用する場合(村を使わない)と、村系と併用してアクション連鎖(エンジン)に使う場合で趣が少し違います。
ステロイドに使用する場合は、例えば鍛冶屋と比べると、序盤は鍛冶屋より効果が高いことが多いですが、終盤の失速は鍛冶屋より大きいカードになります。
鍛冶屋よりは少し公領を買うタイミングを少し遅らせて金貨を入れた方がいいかもしれません。

また、カードを指定する下家の立場からみると、ステロイドの公使に対するカードの指定については、まず間違えることはないでしょう(単純に一番金額の多い財宝カードを指定するだけ)。
引く枚数が5枚と多いため、あまりデックに他のアクションを加える余地もなく(だいたい2枚目の公使くらい)、ステロイドで使う場合、鍛冶屋以上に作業色の強いデックになるような気がします。

少数のキー・カード(というより属州場のステロイドの場合は金貨しかありませんが)に頼るより、デックの質が均質な方が公使の効果が高くなることから、属州場の公使ステロでサプライに名品がある場合は、金貨を買うより名品で銀貨をたくさんデックに入れた方がいい場合はありそうです。
あと、単純に枚数が増えることから、金貨よりも銀行の方が効果が高いことは多そうです(公使でめくれれば、即座に捨てられるでしょうが)。

村と併用してアクション連鎖(エンジン)に使った場合、かなり性格が変わります。
この場合、めくれた5枚から下家が1枚選択するのが難しくなります。単純に何が正解か分からないため、確率的に間違う可能性があります。
例えば「村、公使」とプレイされて、「村、公使、銅貨×3」がめくれた場合、他に情報がなければ公使が選択されそうですが、手札にもう1枚公使はあるけど村はない状態なら、村を選択することが正解になるでしょう。
アクション連鎖に使う場合、他に選択肢があるなら手札を公開する岐路や貧民街(あと移動動物園)といったカードを併用するのは避けた方がいいかもしれません(他に村の選択肢がないなら、仕方がありませんが)。

特に「村−公使−村−公使」といった感じで公使を2〜3発撃たれると、幾ら1枚ずつ抜いていっていても、かなりの枚数の手札になるため、結構色々出来ると思います。
村と公使だけだと効率がさほど上がらず、下手すると公使ステロの方が早くなりますが、そこに何か一味、二味、別の要素が加わるだけで酷いことになることが多いように思います。
工房などの公使や村が集めやすい環境(特に2人戦)では、注意が必要となります。

公使を使えば単純に手札が3枚増える(議事堂、狩場と同レベル)ので、村等と併用できるなら地下貯蔵庫や秘密の部屋系のカードもかなり有用となりえます。
また、宿屋や倉庫なども使いやすくなります。
逆に5枚引けないと効果が下がるため、大使館と同様に軽圧縮はともかく、高圧縮との相性がいいカードとはいえません。

また2人戦で支配のある環境の場合、相手に支配されると公使はスーパー・カード(5枚引いて、要らないカードを1枚捨てるカード)になるので、支配される展開が予想される場合は、優先度を下げた方がいいかもしれません。

また4人戦の場合だと、終盤に下家が1位で、自分が属州1枚買っても追いつかない3〜4位の場合に、「早く属州をなくして2位に追いつかれる前にゲームを終わらせる」ために、公使をプレイした際にわざといいカードを残してくれる可能性もあります。

闇市場(やみいちば:Black Market)
プロモ・カード・3コスト・アクション
+2コイン
闇市場のデッキの上から3枚のカードを公開する。あなたは公開したカードのうち1枚を即座に購入してもよい。購入しなかったカードは、好きな順番で闇市場のデッキの下に置く。
(このカードをゲームで使用する場合、ゲーム開始前に、サプライにない王国カードを1枚ずつ使って闇市場のデッキを作っておく)

関連の強いカード
+)書庫系、移動動物園/策士/禁制品、石切場、玉璽/品評会

くせの強いカードですが、それ以上にリアルでプレイする場合に準備が面倒なため、なかなか遊ばれないカードになると思います。
Gokoなどのオンラインでは処理事態はそれ程面倒ではありませんが、何が出てくるのかランダム性が高い(Gokoの場合は25種類で闇市場デックを作り、そこから3種類がめくれる)ため、そういう意味でも不満が出ることの多いカードだと思います。
誰でも10枚(一部枚数の違うカードもありますが)までアクセスできる通常のサプライと違い、闇市場デックのカードはその1枚しかないので、突如相手にだけ使える魔女や宮廷、馬上槍試合、村、圧縮カード、大使などが降ってきて、それらに蹂躙されると納得がいかないところがあります。
その他、闇市場デック内に、交易路、魔女娘、パン屋、廃墟や略奪品を使うカード、ポーション・カード、浮浪児、隠遁者といったカードがあると、これらのカードが大元のサプライにないのに、交易路トークンや災いカードなどが設置されるため、違和感のある盤面になることがあります。

Gokoなどでは、ゲーム開始時のLogに闇市場デック内のカードの一覧が示されるので、ゲーム開始時に致命的なものがないかは確認しておいた方が良いでしょう。
とはいえ、致命的なものがあっても、自分の闇市場でめくれてくれるとは限らないのがなんともいえないところです。
ただし、短期決戦が見込める場合は無視することも考えられますが、長期戦が必至のサプライ(例えば呪い場とか植民地場)で闇市場デックに致命的なカードがある場合(前記の例だと、サプライにない圧縮カードなど)、自分も闇市場に手を出さざるをえなくなります。

闇市場デックからのカード購入は「購入」となるため、例えば石工などの追加支払いは可能だし、義賊の購入時効果なども発生します。
ただし、アクション・フェイズ中に、闇市場デックのカード(サプライにないカード)を購入する為に、幾つか特殊なことがあります。

本来、財宝カードやコイン・トークンは購入フェイズにしかプレイできませんが、闇市場の購入の場合、闇市場のルールで「財宝カードのプレイ」が許可されています。ただし、このルール内にコイン・トークンの使用を許可する文面はありません。
そのため、闇市場デックのカードの購入にコイン・トークンは使えません。
また、アクション・カードからの仮想コインを利用したい場合は、闇市場をプレイする前にそれらのカードをプレイしておく必要があります。

またアクション・フェイズ中に財宝カードをプレイできることにより、闇市場デックに関係なく、幾つか面白いプレイングが出来ます。
例えば村があれば、「村−闇市場(財宝カードをプレイ)−書庫系カード」という流れで、財宝カードをプレイして手札を減らした分だけ書庫系カードで余分にカードを引けます。

また、策士ループは通常仮想コインで構成せざるをえず、財宝カードは邪魔でしかないのですが、闇市場があれば財宝カードをプレイした上で策士をプレイできるため、闇市場と策士だけで割合簡単に策士ループの構築が可能となります。
この場合、策士ループ構築の途中に、仮想コインを出すアクション・カードに寄り道する必要がなく、金貨などの財宝カードを投入できる点も大きな特徴と言えます。

その他に、石切場や玉璽の効果をアクション・フェイズ中に利用することが可能になります(護符は「購入時」なので、恩恵はありません)。特に石切場は工房系のカードなどがあると、劇的な効果を発揮する場合があります。
あと、闇市場デックからめくれるカードはサプライにないので、禁制品プレイで指定できません。闇市場使用時に禁制品がプレイされた場合、通常のサプライの一つを指定することになり、後の通常の購入フェイズには影響を及ぼしますが、闇市場の購入には影響しません。

へそくり(へそくり:Stash)
プロモ・カード・5コスト・財宝カード
2コイン

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あなたが山札をシャッフルをするとき、このカードを自分の山札の好きなところに加えることができる。

関連の強いカード
+)宰相、ゴミあさり、(名馬)/願いの井戸、秘術師/呪い場、長期戦
−)民兵/短期戦/植民地場

「銀貨4枚と勝利点16枚の山札から手札5枚を引いて属州を買える確率」はほとんどありませんが、この銀貨を全て「へそくり」に変更すれば、4ターンに1回は必ず属州が購入出来ることになります。
このカードの本質はそういうところにあり、デック内に恣意的にカードの偏りを生じさせるカードと言えます。

有名コンボとしては宰相(ゴミあさり、名馬)とのコンボでしょうか。
特にゴミあさり2枚とへそくり3枚のコンボ(100%確実にするなら、ゴミあさりか、へそくりをもう一枚必要)は、結構手軽な2種類コンボ(下手すると7ターン目くらいから発動する)にもかかわらず、外部の干渉がなければ毎ターン属州を購入できるので、この組み合わせは注意が必要になります。
逆に、これらのコンボの場合、民兵系に対して無力(手札は財宝カードのみになり、へそくりが2金であるため、3枚で8金に届かせるのは難しい)なので、その点には注意が必要です。

これらのコンボの要点は「山札をつくる回数を増やして、へそくりの効果を利用する機会を増やす」ことにあります。
そういう意味では、ドロー・カードなどのデックの回転率をあげるカードとも、相対的に相性がよいことになります。

デック内で金量を偏らせるということでいうと、呪い場でデック内のコイン濃度が低くなっている場合も「へそくり」は有用になります。
特に呪い場の上に3山切れがなさそうな長期戦サプライの場合、その分だけシャッフル回数も多くなるので、へそくりの利用回数が増えることになります。

へそくり使用に関連するルールですが、ドローの途中で山札がなくなってシャッフルが生じた場合(例えば残り山札3枚の状態で手札5枚を引く場合)、まずは3枚の山札を引いて、その内容を確認してから新しい山札を作ります。
そのため、「引いた3枚で4金あるから新しい山札のトップ2枚にへそくりを置く」「引いた3枚で4金に届かないので、山札の3枚目のところから、へそくり4枚を置く」みたいなことが出来ます。

また、置く場所をコントロールすれば、対戦相手の泥棒などのアタックを避ける位置において引いたり、あと願いの井戸や秘術師でドロー出来るようにしたりも可能になります。

銀貨相当のカードのため、植民地場では活躍し難いところがありますが、ゴミあさりとセットであれば、トップにへそくりを集めて金貨や白金貨を買い、ゴミあさりで白金貨をセットして「白金貨、へそくり*3」といった形で植民地には届きます。

囲郭村(いかくそん:Walled Village)
プロモ・カード・4コスト・アクション
+1カードを引く
+2アクション

                                                • -

クリーンアップフェイズの開始時、あなたの場に出ているアクションカードが、このカードを含めて2枚以下の場合、このカードをあなたの山札の一番上に置いてもよい。

+)ステロイド玉座の間
−)キャントリップ、持続カード、廃墟カード

まずルールの話から。
囲郭村を戻せるかどうかのチェックは、クリーンナップ開始時に場に並んでいるアクション・カードの枚数で行なうため、祝宴、島、抑留や行進の対象になったカードのように「プレイされたけど、場から離れた(廃棄された)」カードは数えられません。
逆に、前のターンにプレイされた持続カードは、数えられてしまいます。

では、カードの組み合わせなどの話を始めますが、以下の内容はどちらかというと「他にも村系カードがサプライにあって選ぶ場合」「デックに調整する余地がある場合」の話です。
囲郭村は戻せなくても常に村(+1カード、+2アクション)としての効果はありますので、どうしてもデック構築に村が必要で囲郭村以外にサプライに村がない場合、囲郭村を使えばいいという話になります。

大使館、公使などでステロイドをプレイする場合、村系のカードを1〜2枚入れたところで、メリットよりデメリット(カードをプレイしてドローした際に引いて腐る)の方が大きくなります。
囲郭村の場合、画策(あと、中盤の宝物庫)と一緒で、1度引いたら、自身を戻し続けることが出来ます。
囲郭村のみ、もしくは囲郭村とドロー・カード1枚までの場合は囲郭村を戻しつづけ、もし、ドロー・カードを2枚引いた場合(ドロー・カードによるドローも含む)は、囲郭村は戻りませんが、役目を果たしたことになります。
もちろん、囲郭村を買うために購入権を1回使用する前に、「ドロー・カードを1ターンに2回プレイする必要があるか?(特に大使館のようなカードの場合)」という検討は必要ですが、ステロイドに導入する村としては最上のカードの一つといっていいと思います。

アクション連鎖(エンジン)の場合、ステロイドの時ほど他の村に比べて優位性が高いわけではありませんが、やはり村系のカードとドロー・カードがそれぞれ分離してまとめて手札に来るといった事故が起こった際に、囲郭村なら2枚を次のターンに先送りにするという対処が取れるので、安定性が少し増します。
また、玉座の間のようなカードに対しては、囲郭村を戻し続けるプレイも念頭に置けば、普段より早めに投入できます。

逆に、場に並んでいるアクション・カードの枚数を数えるため、細かいキャントリップを並べるようなデック構成の場合は「戻せない」ので、他に有用な村があれば、そちらを優先した方が良い場合も増えます。
また、持続カードとの相性もよくはありませんし、廃墟がまかれる環境も得意とはしていません。
そういった環境では、「単なる村」と考えた方が良いでしょう。

総督(そうとく:Governor)
プロモ・カード・5コスト・アクション
+1アクション
次のうち1つを選ぶ:あなたは( )内の効果を得る:「すべてのプレイヤーは+1(+3)カードを引く。」;「すべてのプレイヤーは銀貨(金貨)1枚を獲得する。」;「すべてのプレイヤーは自分の手札からカード1枚を廃棄してもよい。廃棄したカードよりもコストが1コイン(2コイン)多いカード1枚を獲得する。」

関連の強いカード
+)民兵系/郎党/サー・マイケル/国境の村/4コスト(7コスト)のカード/支配

まず日本語カードに誤植があり、3つ目の改築効果は正しくは「廃棄してもよい」であり廃棄を強制するものではありません(実際のカードには「すべてのプレイヤーは自分の手札からカード1枚を廃棄し、廃棄したカードよりもコストが 1 (2) 多いカード1枚を獲得する」と、廃棄が強制と読める訳になっていました)。

全カード中で、ある意味最も問題のあるカードの一つと思います。
もともと強いカードで、下手するとこの1枚だけでゲームを決めてしまうことすらあるカードの上、プロモ・カードなので使ったことのある人とない人の経験量の差が開きやすいカードである上、使い方を知っている人と知っていない人で結果に差が開きやすいところがあって、単純に「総督の使い方を知っていた/知らなかった」の差だけで勝敗が決まることが多すぎるような気がします。

※以下、オンラインでの使用の方が多くなると思いますので、例外的に2人戦を念頭においた話になります。

さて、基本的な使い方としては、総督で「金貨を得て」・「引いて」・「金貨を属州に改築する」となります。
序盤は6金出ようがとりあえず総督を購入します。金貨がほしければ、後で総督の効果で獲得すれば良いだけです。
総督の効果としては、1回目は金貨獲得(今後、安定して総督を買うため)が多いですが、総督獲得レースに遅れている場合は、引いたり、銀貨を総督に改築というパターンも増えてきます。
総督を安定して買える金量があれば、総督獲得レースが終わるまでは金貨獲得の効果を使うことは少ないように思います(初手に男爵や馬商人みたいな有用な+購入カードを買っている場合は、多少話が変わってきますが)。

総督獲得レース中に相手が金貨獲得を連発した場合、こちらのデックには銀貨(3コスト)が増えるので、「総督で引いて、2枚目の総督で銀貨を総督に改築/購入フェイズに別の総督を購入」というパターンを目指します。
相手が改築効果を使用した場合に追随して総督を得るためにも、「銀貨×2」よりも「金貸し−銀貨」のような4コストのカードを交えた初手の方が良いことが多くなります(終盤なら、公領へのタネにもなりますし)。

総督が売り切れた辺りから終盤戦で、引ききり近くまで総督で引いて、手札に残っている総督達で金貨を数枚獲得して、次のターンは、総督で「引いて・金貨を改築して属州獲得・残った財宝カードで属州購入」で、一気に属州数枚を獲得します。
相手が総督を無視したプレイをした場合、1ターンに4〜5枚の属州が消えることもあります。

総督との組み合わせで非常に強力なのが民兵系のカードになります。
総督自体が+アクションのあるカードなので、連打した上で最後にターミナル・アクションを1枚使う余地があります。そこを民兵に当てれば良いので、議事堂−民兵なんかに比べると簡単に出来ます。
総督と民兵(幽霊船、辺境伯、ならず者など)がサプライに揃うと、ロクなことになりません。

また、総督のドロー連打から最終形ではほぼ引ききれるので、民兵系のカードは1〜2枚あればいいことになります。
馬上槍試合からの郎党(褒章カード)や、騎士のサー・マイケル(民兵騎士)などが獲得できれば、他にサプライに民兵系カードがなければ「自分だけ民兵あり」となって、それだけでゲームが決まるので注意が必要ですし、それらのカードは無理してでも獲る価値があります。

最終的に属州獲得のための改築を考えると6コストのカードが必要ですが、ほとんどの場合総督で獲得した金貨をこれに充てれば問題はありません。
ただ、相手の改築にあわせる場合は4コスト(公領)や7コスト(属州)のカードがあると重宝します。
獲得自体はターン・プレイヤーが優先なので最後に残った属州1枚を奪い獲ることには使えませんが、残り属州2枚のような場合、宮廷の属州への改築なんかは、相手の計算を大きく狂わせてくれるでしょう。
逆に自分が最後の詰めに入る前に、相手の手札に4コストや7コストのカードがどれくらいありそうかは考えてプレイする必要があります。
また、坑道や島などの特殊勝利点があると、微妙に計算が狂うこともありえます。

相手(の手札)のことを考えなければ、ドローに使う分の総督を使ってから改築効果に使う総督を使いたくなりますが、相手もこちらの総督の効果で引いた分の中に改築だね(4コストのカードなど)を見つけることもありえます。
ある程度、今の手札でその後のプレイングの見込みが立つ場合、先に改築をしてから引くというプレイングをした方がいい場合もあります。

6コストということでいうと国境の村がある場合はさらに速度が増すことがありますし、予言者などの金貨獲得装置も役に立つことがあります(村系がなくても、総督連打後にターミナル・アクションを1枚プレイする余地は常にあります)。

2人戦で、例えば総督を5枚/5枚に分けたような展開の場合、終盤は引きが普通なら2〜3枚の属州は1ターンに消えるものと考えておいた方が良いです。
そうなると属州が8枚しかないので仕掛けるタイミングは非常に重要になります。

基本、先手を取りたいです。
相手が先に仕掛けて属州2枚、自分が返しのターンで3枚取った場合、更に次の返しのターンに属州3枚を獲られたら敗けでゲームが終了になります。
互いに準備が完了している状態だと、自分ののターンに総督で引いた分だけ相手の手札も増えているため、相手がhageる確率はかなり低くなっているはずです。

「相手属州2枚、自分2枚、相手3枚」といった展開でも、属州残り1枚から属州3枚分の点数を詰めるのはかなり至難の業になります。
とはいえ、総督3〜4枚で先に仕掛けて息切れしても、「自分2枚、相手2枚、自分息切れ、相手3枚」でも結果は同じになり、仕掛けるタイミングは難しくなります。

仕掛ける際に考えるポイントは幾つかありますが、山札の総督の枚数と6コストのカード(金貨)の枚数は必ずキー・ポイントの一つになります。
相手のデックの状態も鑑みて、仕掛けるより金貨を仕込んだりすることを優先して、属州獲得は無し(または1枚程度)にして「残り属州枚数を詰めない」ことを選択した方が良い場合もありえます。

金貨獲得方法としては、青空市場のリアクションや墓暴き、盗賊による再回収というのも考えられます。
特に墓暴きは、村系を併用できるなら非常に有用(金貨を回収して山札トップ/総督などを廃棄して最後の属州獲得)といえます。

また、銀貨、金貨といった財宝カードの廃棄が激しいので、+購入もあって採集者も結構強いカードになりやすいでしょう。初手に買うと2周目に5金届かないので微妙ですが、逆に2〜3周目の3金は銀貨より採集者購入の方が強いことは多いでしょう。

5コストのカードは総督とコストが被るので獲得タイミングが難しいですが、前哨地(総督1枚引ければ何か出来る)、弟子(金貨をばらして6枚ドローすれば余分に1〜2枚の総督は引けるので、そこでばらした金貨分は補給できる)なんかも使いどころはあります。
総督がアクションを消費せずに何かやってくれるので、策士を挿してみるのもいいでしょう。

逆に改築などは総督と役目が被る上に、初手に買っても序盤の総督獲得を推進してくれるわけでもないので、微妙なところがあります。

支配に対しては、支配されたターンに使われると微妙(例えば金貨獲得を選ばれると、金貨と銀貨を獲っていかれる)という話はありますが、「相手が総督を使って自分が使わない」場合、ものすごいデック回転率の差になります。
どちらかというと、「総督も支配も使い、総督でドローを連打してから支配を打てば、支配ターンの手札が増えている」という認識でいる方がいいように思います。
ただしその場合は、自分のターンには改築効果を使いづらいところはあります。
「総督−支配」の場合、上手い人が相手だと「引ききってから改築効果」がとんできたら「支配はなさそう」と読めますが、微妙な相手だと「分かっていない」可能性もあって判断に迷うところがあります。
逆にのっけから改築をされると「後に支配が来るかどうか」わからないため、無理に改築しておくべきか、このまま自分のターンが来ることを期待して改築をしないかという判断に迷うことになります。
特に民兵系も併用しているような場合は、「改築(相手の動きを見る)⇒(総督で引いた後)相手が改築したら民兵、しなければ支配」という指針でプレイすることも出来ます。

抑留があると「総督に打っとけばいいか」と思いそうですが、総督に改築効果があるので完全には止まりません。
動きが遅くなるのは確かですが、それでも総督に行った方が強いことは多いと思います。
そうなると結局、相手も自分も総督に行くことになります。
そのため、2金余った際に抑留に行くのはいいのですが、例えば初手4-3で総督を止めるためにわざわざ抑留を買うのは微妙なことが多いでしょう。

植民地場でもやっぱり総督は強いカードではあります。
ただしプレイングとしては、相手が総督を放棄しているなら総督をあつめてから数ターンで属州を狩り集めるようなプレイングも出来ますが、お互いに総督を集める展開なら、総督の展開力を利用しながら植民地を目指すプレイングになるでしょう(最後には、白金貨⇒植民地の改築は出来ますし)。

結局、寵臣などと同じく慣れが重要なカードのように思います。
Gokoでは獲得が難しいプロモ・カード(冒険者モードで盾を集めてこないと購入できない)なので人によっては余り見かけないカードかもしれませんが、 少しは練習してみても良いかもしれません。