プレイの手順についての覚書

上級者のプレイLogを眺めていて、ぼんやりと感じたことを何となく書き留めてみました。
あまりまとまりのない記事ですが、個人の覚書程度と思って流してもらったら幸いです。

ドミニオンにおいて「“コストの高いカード(高いカード)”が“コストの低いカード(安いカード)”より強いとは限らない」というのは一つの事実で、「礼拝堂」や「中庭」のような2コストのカードなんかを見れば何となく理解できます。
そういうわけで、カードを購入(獲得)する場合に、購入可能な最も高い(コストが高い)カードを買うのが常に正しいわけではありません。
結局は、サプライや場の状況次第といえます。
例えば購入フェイズに6金あっても、金貨でなく中庭を買う方が強い(より勝利に近づく)ということも多々ありますし、似たような機能のカード(例えばドロー・カード)でも、鍛冶屋よりも、(鍛冶屋より低コストの)中庭の方が強い局面もあります。

逆に、高いカードが買える(獲得できる)時に代わりに安いカードを買うことは出来ますが、安いカードは買えるけど高いカードは買えない場合があるというのも事実です。
5金あれば、5金のカードでも3金のカードでも買えますが、4金しかない場合、3金のカードは買えますが、5金のカードは買えません。
そう考えると、高いカードを買えるのに安いカードを買う場合、「高いカードを買えるチャンスを1回使い損ねた」とも言えます。
「3ターン目に5金出た際に、現在のデックの状況を判断して5コストのカードでなく3コストのカードを購入」し、次の4ターン目に「(前のターンに必要な3コストのカードを買ったので、次は)5コストのカードを買いたいと思ったけど3金しか出なかった」となったら、「逆の順番で買っていれば良かった」と思うことでしょう。

何らかの最終形(例えば高いカード3枚と安いカード4枚)を念頭にデック構築をしている場合、「高いカードが買える際に安いカードを買ってしまう(または現在のデックの構成上、買わざるをえなくなる)」と、後で高いカードが足りなくなる危険性が出てきます。
そう考えると、逆に、その危険性を減らすためには、手札のお金が少ない際に、計画的に安いカードを確実に買っていくということも考える必要があります。

話が分かりにくくなっていますが、どういうことが言いたいかというと、例えば、

「最終形として村と拷問人を連打するデックを作りたいが、+購入の手段がない」といった局面で、
「初手を銀貨×2で始めた3ターン目に3金しか出なかった場合、銀貨でなく村を買うべきではないか」という話です。

ある意味、デックにアクション・カードが1枚もない段階で村を買うのは、「その時点のデックの強化」という意味では、全く意味がありません。その局面だけを切り出して議論すれば、間違いなく「悪手」とされるでしょう。
ただし、この後のデック形成の流れを考えると、ここで村を買っておけば、後に「5金出て拷問人も買えるけど、村の数が足りないので、村を買わざるをえない」という状況を避ける事が出来るかもしれません。

もちろん、銀貨でなく村を買った為に、5金出ずに4金止まりで拷問人を買えない可能性もありますが(分かりやすいのが、「この村が銀貨だったら拷問人が買えたのに」という場合)、代わりに、「確かに銀貨のおかげで5金出たけど、これが村の場合は拷問人を2回撃てるので、相手に打撃を与えつつ結局5金は出たね」という場合も出てきます。

結局は、リターンとリスクを測って選択するという当たり前の結論ですが、その場合に序盤であれば、「現在のデックが強くなる」ことより「将来的なデックの強さや完成形」をもう少し意識して考えてみようということです。

また、そうやって考える場合に、買ったカードが実際のプレイに影響を与えるのは、(例外も多いですが)次のシャッフル後になります。
また、基本的に、どこかの手札でたくさんお金を引けば、残りの山札からはお金を余り引かなくなるし、ずっとお金を引かなければ、どこかでまとまった金額を引くことになります(底に沈むとか、特殊なアクション・カードの処理だとか、それらを覆す要素は多いですが)。

分かりやすいのは2周目(3ターン目と4ターン目)ですが、例えば初手「銀貨×2」から「拷問人−村」デックを組む場合、3ターン目に3金しか出なかった場合、4ターン目に拷問人を確実に買えるので、3周目は拷問人が1枚入ったデックになることを考えて3ターン目の買い物をする必要があります。

さらに、もう一つ要素を加えると、序盤から中盤であれば、デックに強いカードを加えるたびに、次のシャッフル後の手札はより強く、お金の出る手札になるでしょう。
殆どの場合、1週目(初手)の1〜2ターンより2周目の3〜4ターン、2周目の3〜4ターンより3周目の5〜7ターンの方が平均的な手札の強さは高くなるでしょう。

上記の例だと、3周目は拷問人が1枚加わった分デックが強化される予定なので、2周目に銀貨を加えずに村を買っても、3周目に5金出る態勢になるだろうという予測が出来ます。

こういった考えを進めていくと、さらに序盤・中盤のデック構築途中の段階で、「現在の購入カードが、今後のデック構築のスピードへ与える影響」といったものも考えて、随時計画を微修正する必要が出てくるでしょう。
上記の「拷問人−村」デックの場合、拷問人と村を連打するためには、極論すれば銀貨などの財宝カードは必要ありません。
そう考えると、「村×2」という初手も候補としては考えられます。
ただ、そうすると2周目(3ターン目)以降に5金が出なくて拷問人が買えず、かえってデックの構築が遅れることが予想されます。そのため、初手は銀貨になります。
逆に、初手「銀貨×2」で始めた3ターン目に3〜4金の手札が来た場合は、既に拷問人を買うための5金がある程度の頻度で出る態勢になっているので、デックの完成のために「村」を購入するという流れになるかと思います。

こうやって書いていくと当たり前のことに思えますが、ちょっとサプライや状況が複雑になると、最終形など考えずに「とりあえず今購入できる範囲内で、現状のデックを一番強化しそうなカード」を買っていることが多いような気がします。

序盤・中盤の場合、デックの最終形を意識して、場合によっては、先を見越して「その時点では悪手」と思われるタイミングでも必要なカードを買っていく必要があるのかな、ということでしょうか。

取りとめもありませんが、とりあえず以上で。