「役人」「占い師」「大衆」比較2

ということで、前回に続き、迷走を続けながらさらに考察を進めてみました。

で、「汎用の考察が出来ないなら、まずは思いっきり具体的なシチュエーションに絞り込んで、結果を確認してみよう」ということで、以下の状況ごとの結果を計算してみました。

各シチュエーションごとの「役人」「占い師」「大衆」比較
その詳細

状況1)初手に「銀貨×2」を購入した後の3ターン目
状況2)1〜4ターン目に「銀貨×3、金貨×1」を購入した後の5ターン目
状況3)初手に「執事、銀貨」を買って、3ターン目に屋敷に2枚廃棄、
    4ターン目に銀貨を買った5ターン目(軽圧縮)
状況4)初手に「木こり×2」ではじめ、3、4ターンとも、「庭園+銅貨」を購入した5ターン目
状況5)緑(勝利点)まみれで、全カード24枚中12枚が勝利点の場合

それぞれ、シャッフル直後で5枚手札を引いた状況という設定です。
面倒なので、手札に引く5枚は固定で計算しています(表の詳細な状況を参照下さい)。
また、その手札を使って購入するカードも固定して考えています(ドローの際にシャッフルが入った場合に関係してきます)。

で、それぞれの状況で、次に引く5枚でのコインの期待値が、

状況1  :3ターン目  :アタック前(4.3)⇒役人(3.4)、占い師(3.8)、大衆(3.7)
状況2  :5ターン目  :アタック前(5.6)⇒役人(4.4)、占い師(4.7)、大衆(4.7)
状況3-1 :軽圧縮  :アタック前(5.8)⇒役人(4.7)、占い師(6.7)、大衆(6.3)
状況3-2 :        :アタック前(5.0)⇒役人(5.0)、占い師(6.0)、大衆(5.6)
状況4  :庭園プレイ :アタック前(3.6)⇒役人(2.9)、占い師(2.9)、大衆(2.8)
状況5  :勝利点過多:アタック前(3.7)⇒役人(2.9)、占い師(2.9)、大衆(2.6)

といった結果になります。数値が小さい方が効果が高いということになります。

占い師、大衆は、方法は違いますが、「山札の勝利点以外のカードを削る」(その分、山札の勝利点の密度が高まる)行為で、山札の勝利点枚数自体は変わりません。
それに対して、役人は「元の山札に触らず、別の勝利点1枚を山札に加える」(山札の勝利点枚数が1枚増えている)行為になります。

で、それぞれ山札の一番上は勝利点となります(大衆の場合、例外があり得ますが)。

序盤に役人の方が効果が高いのは、序盤の構成だと、占い師・大衆の非勝利点を削る効果より、勝利点を1枚加える方が効果が高いということでしょうか。
とりあえず、次のターンのドローでのコイン期待値のみを考えると、役人の効果が高く、占い師と大衆は同じくらいになりそうです。

あと、いずれの場合も、3ターン目(状況1)で0.5金、5ターン目で1金程度と、私が予想していたよりも、結構打撃力は高いですね。

で、状況3の軽圧縮の場合をみると(3-1が最後の屋敷を手札に引いて山札に勝利点がない場合で、3-2は山札に勝利点1枚の場合)、占い師や大衆の「デックを削る効果」が明らかに「次のシャッフルが近くなる⇒新しく買った強いカード(金貨)が山札に入る」ということで、逆に相手を利している形になります(特に占い師)。
そのため、明らかに屋敷を圧縮できる環境では、占い師や大衆は序盤は避けた方がいいという話になります。
で、序盤に買わなければ占い師は中盤以降も出番はないような気がします(大衆は、単純に3枚ドローが欲しくて買われることはありそうですが)。

また、他の場合も含めて、占い師の場合、分散(ばらつき)が大きくなる傾向があります。
例えば期待値が大衆と同じでも、分散は占い師の方が圧倒的に大きくなります。
で、当たり前ですが、その傾向は勝利点が山札に1枚といった「0でないけど低い比率」の場合に、最も大きくなっていきます。

で、勝利点密度が高くなるにつれ、大衆の効果が他の2枚に比べて高くなっていきます。

あと、勝利点過多になると、もともとの期待値が低いから、これらのカードは「効果はあるけど、効果自体は微妙(例えば3.0金が2.8金になるくらいとか)」かなと思っていましたが、数値を見る限り、結構食らうと痛そうですね(本来4金あって庭園が買えたはずの手札が3金になった、みたいなことは結構ありそうです)。


実はこうやって考えていて気付いたのですが、こうやって考え始めた原因となった最初の疑問というのは、

「占い師や大衆は【勝利点0%の山札】でも【100%の山札】でも効果が低い。では、どういった構成の山札に対してアタックした場合、効果が高くなるのか?」

というものでした。
そこで、【銅貨と屋敷のみで構成された10枚の山札】で「屋敷の枚数を0〜10枚に変化した場合、どう変動するか?」ということを検討してみました。

山札10枚で銅貨・屋敷の枚数を変えた場合の結果

ちなみに、シャッフルが入る場合を考えて、手札は山札とほぼ同じ構成で、銅貨を購入することとしました。
例えば、山札中の屋敷が3枚の場合、手札の屋敷は1.5枚でなく切り捨てて1枚としていますし、銅貨を購入することからも、シャッフルが入った場合、少し状況が改善する形になります。

【山札の屋敷、銅貨枚数】
【アタックがなかったときの次の5枚のカードのコイン期待値】
【各アタックを行った後のコイン期待値】
【アタック前の期待値に対する各アタック後の期待値の変化量】
【同じく変化率】
【山札から削れる枚数、役人が外れる確率、シャッフルが入る確率】
【手札の屋敷、銅貨枚数】

といったところをまとめてあります。

例えば、役人の場合、ヒットさえすれば(手札に勝利点があれば)、山札の1番上に新たな勝利点がのり、次のドローのうち有効なカードの枚数が5枚から4枚になるため、常に100%⇒80%となり、「-20%」になります(ヒットせずに外した場合は、変化なしなので、100%⇒100%で、差は0%)。
ちなみに、薄い青で塗った部分(小数点1位まででなく整数で示してある部分)は、結果がその数値で確定しているところになります。

変化量がアタックによるダメージ量と仮定すると、

役人:勝利点比率が少ないと外す確率が高くなる。勝利点比率が高くなると、外す確率は低くなるが、ダメージ量は逆にだんだん減っていき、勝利点100%だと0になる。

占い師:勝利点0%だと0で、勝利点30%(3枚)で最も高くなり、あとはだんだん低くなっていき、勝利点100%だと0になる。

大衆:勝利点0%だと0で、勝利点50%(5枚)で最も高くなり、あとはだんだん低くなっていき、勝利点100%だと0になる。
(表では屋敷4〜6枚で同じ「-0.8」となっていますが、四捨五入部分を確認すると、5枚の時のマイナスが一番大きくなっています)

銅貨と屋敷だけのこの構成だと、占い師は「屋敷3枚:銅貨7枚」の時が効果が極大で、大衆は「屋敷5枚:銅貨5枚」の時が極大といえそうな気がします。

まぁ、実戦で考えると勝利点が50%なんてことは、まずありえません。
というより、庭園みたいな特殊なプレイでない限り、普通は初手の30%からどんどん減っていくので30%でも高いと思います。

そう考えると、大衆に関しては、デックの勝利点が高くなるにつれ効果が高くなると考えてよさそうな気がします。
占い師に関しては、どちらかというと勝利点比率が低くなったときに効果が低い(特に序盤の軽圧縮に対して使うとマイナスになることさえある)ことに注意しておくべきでしょうか。
役人は、極端に勝利点比率が低くならない限り、まぁ、安定して働きそうといった感じでしょうか。

※今回の考察では、常に捨札0枚の場合で考察を行っています。そのため、「占い師」や「大衆」の処理中にシャッフルが入り、「その予期せぬシャッフルのせいで手札のカードが新しい山札に入らない」というシチュエーションは考察されていません。まぁ、手札に何があるかは全てのカードの配分に従った確率で、確率的には期待値は一緒で、分散が大きくなることになると思います。

※最後の銅貨、屋敷の結果についての注意ですが、「アタックの効果」はある意味「アタックの効率」×「デックの強さ」になります。つまり、勝利点比率が低くなっるとアタックの効率は悪くなりますが、通常はそれにともないデックが強くなっているので、「勝利点比率は低くなっているけど、アタックの効果は高くなっている」こともありえます。
前半の考察で、状況1(3ターン目)より状況2(5ターン目)の方が効果が、勝利点比率は低くなっているのに、アタックの効果(コインの差)が状況2の方が高いのは、そのせいだと思います。


まぁ、この辺の考察や計算は興味本位で行ったもので、これだけをもってこれらのカードの強弱や効果を比較しようとは考えていませんので、その点はご了承願います。
せいぜい、これらのカードを考察する際の参考材料程度になればいいかな、くらいに考えています。

ではでは。