「異郷」日本語版発売記念:各カードへの一言コメント

※12/20 某所で、ほぼ全ての日本語カード名が確認できましたので、カード名(仮)を修正しました。

今日も今日とて帰ったら取りあえず「Isotropic(オンライン・ドミニオン)」を立ち上げるダメな生活を送っていましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、「異郷」の日本語版が出たので、今回は日本語版で初めて「異郷」にさわる人向けに、私の注目順に各カードについて一言ずつコメントしていってみたいと思います。
いつもダラダラと長く書くことが多いのですが、それだと読み飛ばされることも多そうなので、今回はそれぞれ数行の短いコメントを心がけてみました。

日本語名と英語名の対比表はこちら

不正利得(Ill-Gotten Gains、5コスト、財宝カード)
略して「IGG」(英語版の頭文字)。既にこちらで慣れ親しんでしまったので、改めて日本語名がわかってもピンときません。
本セット一番の問題児。魔女より早いスピードで呪いをバラ撒きます。
更に問題なのは、呪いを撒き切った時点でIGGと併せて2山切れとなることでしょうか。あと、公領が売り切れるだけで3山切れです。ゲームの展開として頭痛いです。
「交易人」とセットで出た時以外、「異郷のみ」環境では外した方がいいかもしれません。

シルクロード(Silk Road、4コスト、勝利点カード)このカードを軸に、木こり、工房系があって「シルクロード」「屋敷」以外に3山目の山切れ候補があれば庭園プレイに近く、そうでなければ公爵プレイに近くなると思います。
庭園、公爵同様、影響力の大きいカードで、将来的には庭園や公爵のようにプレイ方法が確立されると思いますが、当初はみんなに見過ごされる可能性も高いように思います。
一人立ちの場合はプレイが難しくなるので、他のプレイヤーが誰も関心なさそうな場合は、自分もスルーした方がいいかも知れません。

大使館(Embassy、5コスト、アクション・カード)
強力なカードです。「大使館」2枚をデックに仕込んで、あとはお金プレイするだけで勝てることも。
ただ、初手5-2(1ターン目)で買うかは、考える必要があるでしょう。
「異郷のみ」環境だと「坑道(Tunnel)」と一緒に出てくることも多く、「銀貨−銀貨−大使館−坑道(1〜4ターン目の買い物)」、あと「大使館」を打つだけで、かなりの勝率が稼げるでしょう。

愚者の黄金(Fool's Gold、2コスト、財宝−リアクション)
寵臣同様、一人が固めて持つと非常に問題が起こるカードですが、コストが安い点、更に問題になりやすいといえます。
慣れてくると(特に安い+Buy系がある場合)、序盤に4人で分けて終了ですが、他の人が見過ごして、序盤に一人の人が集めてしまうと、つまらないゲームになることも。
「異郷のみ」環境で、「愚者の黄金」がある環境で、「遊牧民の野営地(Nomad Camp)」や「香辛料商人(Spice Merchant)」からスタートするプレイヤーがいたら、要注意です。

国境の村(Border Village、6コスト、アクション・カード)
みんな大好き「国境の村」。(ゲーム数対比で)銀貨より買われている枚数が多いそうな。
取りあえず便利なんで中盤6金に届くと買っちゃいますが、最初に6金に届いた際に、金貨よりいいのかは考えたほうがいいでしょう。

値切り屋(Haggler、5コスト、アクション・カード)
「木こり」なんかの+Buyカードに求められていたのは、こういうことかなと。
2級品カードを2枚でなく、エース級と(準)エース級の2枚を獲得するカードといえます。
十分ゲームを決めてくれるカードですが、序盤(高額カードを買う購買力がない)や終盤(勝利点はおまけについてこない)には余り意味の無いカードなので、使用(というより購入)タイミングには注意が必要です。

よろずや(Jack of all Trades、4コスト、アクション・カード)
4-3(3-4)の序盤の一枚としては非常に満足の一品。
また、いろいろなアタック(手札破壊とか呪いとか)に対しても、浅く広く対応しています。
手札を減らすカード(地下貯蔵庫など)とも相性がいいです。

交易人(Trader、4コスト、アクション−リアクション)
ルール的に本セットで一番面倒なカードです。
あとこのカードが場にあると、IGGとかの呪いを撒くカードのやる気が凄い勢いで削がれます。
通常使用にしても、屋敷が銀貨2枚になって、かなりのモノです。
「異郷のみ」環境だと、「交易人」を手札に残しての「埋蔵金(Cache)」購入なんかも、ギミックとしては抑えておきたいところです。

厩舎(Stables、5コスト、アクション・カード)セットに一つはある研究所の変種です。銅貨を捨てる代わりに3枚ドローと、中盤以降は研究所以上の効率を発揮します。
ただし、銅貨を圧縮できる環境や、手札破壊のある環境では使いづらいかも。

宿屋(Inn、5コスト、アクション・カード)
スーパー・コンボ発生装置。山札が尽きる直前に買うと、(現在の手札と場のカードを除く)自分の持っている全てのアクション・カードを組み合わせたコンボが、次のターンに発動します。
また、中盤とかに打っても、山札のトップ近くで引いたアクションを再利用と、「宰相」的な使いまわしも出来ます。で、自身もドローと+アクションがついていて、コンボ発動しやすい能力を持っています。

辺境伯(Margrave、5コスト、アクション−アタック)
議事堂+民兵という夢のコンボを1枚でかなえるカード(ドロー枚数は1枚少ないですが)。
強力なはずなのに、本セット中では地味な感じ。何でだろう。
「異郷のみ」環境では、「坑道(Tunnel)」が場にあると、途端に使う気がなくなる(少なくとも序盤は)ことも多いですが。

坑道(Tunnel、3コスト、勝利点カード)
一応、「異郷のみ」環境でも、「大使館(Embassy)」を使うとか、「厩舎(Stables)」とかで引いて「宿屋(Inn)」や「オアシス」で捨てるとか、一応それなりに「坑道」利用の方法はありますが、あくまでそういったカードを使う際のサポートとして使ったほうがいいように思います。
あまり序盤から「坑道」利用のみをメインに据えてプレイすると(例えば、初手から「坑道」−「オアシス(Oasis)」スタートとか)、勝率は悪くなるような気がします。
どちらかというと、場にあると民兵などのアタック・カードの使用を控えさせる効果の方が大きいかもしれません。

画策(Scheme、3コスト、アクション・カード)
有用なカードを毎ターン使いまわせるカード。
使い方は村に近いところがあって、有用なカードと同時期に買うべきだと思います。
ただ、「画策」自身を戻せるので、安心感はあります(目的のカードと出会うまで使いまわせる)。

遊牧民の野営地(Nomad Camp、4コスト、アクション・カード)
初手の動きを変えるカード。微妙に使い勝手がいいのは確かですが、まぁ、木こりであることも確かです。
「愚者の黄金(Fool's Gold)」と一緒に出てくると「手番ゲー」「1ターン目4〜5金の人が勝つゲー」になることも。

街道(Highway、5コスト、アクション・カード)
夢いっぱいのカード。
ただし、工房系、祝宴や+Buyカードなどが無ければ、単なる5コストの「行商人」という話も。
また、それらのカードがあっても、自身5コストと結構重いので、思ったより上手く拡大再生産的にプレイするのは、難しいところがあります。

岐路(Crossroads、2コスト、アクション・カード)
初見で言われたほど壊れたカードではないと思います。+3アクションは衝撃的ですが、 (中盤、勝利点比率が減る) 普通のデックでは、それほど使いやすくはありません。
あと、引き方(勝利点と一緒に引くかどうか)によって効果の差が激しく、結構、運による差の大きいカードといえます。

香辛料商人(Spice Merchant、4コスト、アクション・カード)
謙虚なカード。「借金」同様、銅貨廃棄カードと考えれば、問題ないと思います。
逆に研究所ではないので、期待しすぎるのも良くないですが。
あと、異郷のみ環境だと、序盤の+Buy要因として、よく「愚者の黄金(Fool's Gold)」掻き集めのお供になっていることも。

埋蔵金(Cache、5コスト、財宝カード)
おまけの銅貨2枚は邪魔ですが、やはり3コインの財宝カードが手に入るのは魅力です。
次の金貨にもつなげやすくなります。特に銅貨廃棄の方法がある場合は、十分戦力となります。

地図職人(Cartographer、5コスト、アクション・カード)
多分、「航海士」に求められていたのは、こういう効果なんでしょう。
ドローの1枚が処理の一番最初という点を除けば、ライブラリー操作特化型だけあって、非常に高い操作能力を誇ります。
5コストなんで、あとは、どのタイミングで何枚購入するかでしょうか。
「異郷のみ」環境では、「大使館(Embassy)」と並んで、「坑道(Tunnel)」を捨てる最右翼カードといえます。

農地(Farmland、6コスト、勝利点カード)
使い勝手は良くありませんが、上手く使えると満足度の高いカードといえます。
購入時のみ効果が発動します。例えば、「農地」を購入して、4コストのカードを「農地」に改築しても、2枚目の「農地」は獲得なので効果を発動しません。
あと、購入時に手札が残っている場合、改築効果は義務として発生するので、属州が1枚残るような場合は、買いづらくなります。
前に買った「農地」や「国境の村(Border Village)」などの6コストのカードを改築するのが良さそうで、終盤だと、金貨+6金あるなら、属州を直接買う(6点)より、6金で農地を買う(合計8点)方が点数が高くなります。

官吏(Mandarin、5コスト、アクション・カード)
あまり使いやすくはないです。ただ、たまに「それでも単独で3コイン」、もしくは「獲得時の財宝カードを戻す効果」を使って活躍することがなくもないです。
獲得時と使用時の効果を混同しやすいので、そこは注意が必要です。

オアシス(Oasis、3コスト、アクション・カード)初見で思ったほどは悪くないですが、やはり「書庫、寵臣、共謀者、移動動物園」「呪いまみれで捨てるカードが多い」などの特殊な環境以外では、デックに1枚までかなという気がします。

開発(Develop、3コスト、アクション・カード)
初見のレビューから大暴落したカード。
いろいろとカッコいい使い方は思い浮かぶのに、実際使うとあんまり上手く行きませんでした。

義賊(Noble Brigand、4コスト、アクション−アタック)
「泥棒」に比べると、本来の用途(金貨を盗む)としては使いやすくなっています。
とはいっても、それでも普段使うレベルではないように感じます。

公爵夫人(Duchess、2コスト、アクション・カード)
アクション消費なので、初手5-2で買うものが無い時以外は、通常のデックでは使うことは無いと思います。
ただ、公領を買う際に常に獲得していけば、3山目として期待できることはあるでしょう。

神託(Oracle、3コスト、アクション−アタック)
アクション消費の点を含めて使いづらいですね。本セットで一番の外れカードをあげろといわれると、このカードのような気がします。

とりあえず。以上