ゲーム・レビュー:ショコバ(Shokoba) その2

※途中の確率計算を手札9枚でなく10枚で計算していたので、修正しました(7/25)

(その1の続きです)
例題を出してみましょう。
4人のチーム戦で、自分がファースト・プレイヤーで、以下の状況の場合、何をプレイしますか?

場: 【7E、5、③、1】 の4枚
自分の手札: 【10、8、7E、⑥、5、3、②、2、①】 の9枚

私の答えは「【5】をプレイする」になります。
一見すると、「7Eをプレイしてエメラルドの1点を確保する」、もしくは「10で7E、3を取れば、手札の7Eと合わせて、ほぼエメラルドの1点を確保したうえで2枚取れる」がよさそうに見えます。

ただ、そうすると、場に残ったカードの合計値は10以下になります(開始時の場のカードの合計値は16です)。
つまり、次のプレイヤー(相手チーム)にショコバ(場のカードを全部取る:1点)のチャンスが与えられることになります。
で、チーム戦の序盤で一度ショコバが出ると、「次の自分のパートナーが何か1枚出す」⇒「相手チームが同じ数字を出す」⇒「自分が何か出す」⇒「相手チームが同じ数を出す」⇒・・・
と、下手をすると、この時点で5〜6点連続でショコバを取られる可能性があります。

実際に交流会でも同様の光景が見られました。で、その場では、「これって、ダメ・ゲー?」という空気が流れていました。
連続ショコバに加え、獲得枚数に差がついて、その1ゲームだけで10点近く取られ、ほとんど勝負がついてしまいました。
が、後になってよくよく考えてみると、「何も考えずにカードを取っていったプレイヤーが、ダメなのでは」ということに思いつきました。

例えばゲーム開始時の例題の場合、7Eを取ると、残りのカードの合計数値は【9】です。
場にも、自分の手札にも「9」は1枚も見えていないので、自分の次のプレイヤーが「9」を持っている確率は、

 1−23C927C9 =0.826...

約83%となり、次のプレイヤーが9を持っていないことを期待するのは、かなり見込み薄でしょう。
で、エメラルドの1点を確保しても、その後に連続ショコバを取られる危険性を考えると、あまり良い取引とは言えません。エメラルドの1点も、ショコバ1回の1点も、同じ1点です。
ショコバのボーナスはかなり高めの設定といえます。

ちなみに、同じ状況で場と手札で1枚見えているカード(例えば6とか)、2枚見えているカード、3枚見えているカードを、次のプレイヤーが1枚以上持っている確率は、

1枚見えているカード: 72.1%
2枚見えているカード: 56.4%
3枚見えているカード: 33.3%
(1枚も見えていない場合は 82.6%)

となります。まぁ、実戦のその場で、こういった細かい確率計算は出来ないでしょうが。
(3枚見えている場合は、最後の1枚を3人のうち1人が持っているので、すぐに1/3はわかりますが)

ルールやコンポーネントが簡単なため騙されそうになりますが、実はこのゲームは、ガチのゲームなのではないかと思います。
普通にプレイしようとすると、特別な7や、高い数字(10や9)のカウンティングは必須のような気がします。

・少なくとも序盤は場の合計が11以上になるようにする。
 ⇒チーム戦で序盤ショコバを取られると、その時点で、負けまで覚悟する必要がある。
・出来たら、場のどれか1枚取ったら10以下になる様にして相手プレイヤーにまわす。
 ⇒相手はカードを取れずに、場に加えるだけとなる。
 カード状況次第だけど、出来れば11や、それに近くなるようにした方が、いい場合が多い。
・で、序盤の小競り合いが過ぎ、中盤過ぎて、カウンティング次第では、場が10以下になるようにも切り込む。

カウンティングには、単純に出たカード以外に、自分の次のプレイヤーのプレイした(というより、しなかった)カードも、重要になってきます。
例えば、冒頭の例題の場合、

場: 【7E、5、③、1】 の4枚

であれば、「4」をプレイするのがかなり良さそうなのに、「5」をプレイしたということは、4がないのかも、と考えると、場の残りが【4】になる切り込み方は「あり」という判断になってきます。

あれ、・・・5をプレイした場合も、残りの合計が11だから、それ程悪くないかも。というより、その次の次の自分のパートナーの受けで考えると、こっちの方が(7、3、1、Xの方が、7、5、Xより)柔軟性高いので、いい手のような。
例題の設定を間違えたかも。
まぁ、置いといて。

例えば、この場札に対して、4も5もプレイしなかったら、その辺のカードを持っていなさそうとか。
特に、相手が取れそうなカードがあるのに、取れなかった時とかは、要注目かもしれません。
あと、中盤以降であれば、ショコバを食らっても、序盤程は連続されないでしょう。

で、一度相手にショコバを食らった場合、手札にある中で、次のプレイヤーが一番持ってなさそうなカード(特に情報がなければ、場やこれまでプレイされたカード、手札の中で、最も多い枚数見えているカード)をプレイすることになりますが、条件が同じなら、数値の小さいカードが有利になるような気がします。
もし、次のプレイヤーが同じ数値を持っていなければ、11を超すためには大きな数字を出さなければいけなくなります。

あと、中盤以降は、出来れば7になる組み合わせが出来るカードは出さない方がいい、といったことはあるかもしれません。

取り合えず、ゲームの意図に沿ったプレイをしようと思うと、こういったことは定石としてわきまえておく必要はあるような気がします。
逆に、そういったことを踏まえないプレイヤー間でプレイすると、全くゲームにならないところろがあります。
そう考えると、交流会などに持って行って、パッと出来るゲームではないような気がしてきました。

で、そういった定石をわきまえるようになると、先に11付近に押し込まれると、連続ショコバの時のように、何かターン・オーバーになるようなことががあるまで、片一方のチームが押し込まれる展開になるような気もしますが、どうなんでしょう。

カウンティングもしないといけないし、ガチでやる価値があるのか、疑問なところもあります。

まぁ、そういった展開から、「奴は○は持っていないはず」とか次のプレイヤーの手札を読んで、切り込むのが面白いのかもしれませんが。

これは、そういった定石を踏まえた上でもう一回プレイしないと何とも言えません。