Villa

さて、Empiresの発売ですが、RioGrandeGamesのHPでは5月30日発売予定から「Will be Released」に変更になっていますね。順調に遅れているようです。
私がよく使っている(今回もEmpiresを発注した)お店では、6月6日(月)(変更の可能性あり表示)となってますね。
RioGrandeGamesの偉い人の発言だと、6/6(月)の週(6/6〜6/10頃?)に(向こうの)店頭に並ぶ可能性が高いみたいですね。
ルールpdfなどの公開も来週でしょうか。

さて、そのEmpiresですが、5月上旬頃からBoardGameGeekにて5回にわたってプレビューが行われ、既に偉い方々によってそれら公開されたカードの紹介がなされています。
原文はこちら
紹介は例えばこちら

いまさらプレビューされたカードの紹介を行うのも何なので、ここでは新カードの紹介というより、新カードの中で「これは?!」と思ったカードについて与太話をダラダラと展開していってみたいと思います。
まずは、[一見するとファン作成の同人エキスパンションにありがちな、“こんなカードあったら、すごく便利だよな”的なカードに見せかけて、実はちゃんとした公式なカードなんですよ]な【Villa】から行ってみたいと思います。

Villaは和訳すると邸宅や別荘のことで、カードとしては変形の村の一種になりますが、
獲得時にアクションが湧きつつ手札に入る(そこからアクション連鎖ができる)」
獲得したのが購入フェイズの場合、アクション・フェイズに戻る(そこからアクション連鎖ができる)」
という、“なんじゃ、そりゃー!?”な下線部効果を持っています。
※しかも、下線部の表記がVillaでなくThisなので、相続した屋敷(Villa)でもこの効果発生するのか・・・。

鍛冶屋を撃ってVillaを買って、アクション・フェイズに戻って次の鍛冶屋を撃ってVillaを買って・・・、と延々俺のターンができます。
ただVilla自体には、カードを引く効果がないので、延々俺のターンをするためにはドロー・カードが必要になります。
逆にドロー・カードがあれば(そして初回は4金、2回目以降はVillaから1金出るので3金分を引けていれば)、Villaが切れるまで、これを繰り返すことも可能になります。

・・・何となく、陰謀発売直後に鉄工所で鉄工所を獲得し続けて、デックが回らなくなる風景を思い出しました。
初回は、みんな楽しそうにVilla獲得し続けてあっという間に山切れした上で、Villaからアクションは湧くけどドロー・カードなくて生じたアクションを消費しきれず、デックが回らない光景が見れそうな気がしてきました。

色々おかしなことができて、例えば手札で鍛冶屋が2枚被ってても、「とりあえず鍛冶屋を撃って、Villa買って、次の鍛冶屋を撃って・・・」ということができます。
ステロイドで「上手くいったらもうけもの」くらいにアクション多めに入れておいて、被ったらVillaでごまかすという手も考えられます。大使館みたいな大味なカードも、少し使いやすくなりますね(Villaが売り切れるまでしかできないので、Villaが買える場合でも、そのままステロに殉じた方がよい場合もありそうですが)。
さっきまでステロだったのに、1ターンでVillaが多数ぶち込まれて、いきなりデックが鍛冶村に変貌していることもあり得ます。

序盤の工房系のカードの安定性がむちゃくちゃ高くなりますね。
平気で「鍛冶屋・工房」みたいな初手が取れます。被っても工房でVillaとってから鍛冶屋打てばいいし、鍛冶屋打って工房引いても、運よく4金引いていればVilla買って、アクション・フェイズに戻って工房から追加の鍛冶屋やVilla、銀貨などを獲得することもできます。

また、闇市場などでできるトリックのほとんどが可能で、「4金+よろずや」から、よろずやをプレイせずに、まずはVilla買って財宝カードをプレイして手札を減らしてからよろずやをプレイとか、「策士の持続ターンに、購入フェイズまで進めて大量に財宝カードをプレイしてコインを確保した後に、villa買ってアクション・フェイズに戻って次の策士をプレイ」とか、財宝フェイズに石切場をプレイしてからVilla購入でアクションに戻って工房プレイとか、といったことができます。
ドローがない分、(獲得時効果でなく)普通にプレイする場合も、書庫系との相性はよくなりますね。

Villa自体に+購入が付いているので、特にコストを下げる効果との併用が凶悪ですね。
何らかの方法で(例えば石切場2枚とか)、Villaのコストを3金以上下げれば、一瞬にして全てのVillaを購入することも可能です(その後、ドロー・カードがないと、ちゃんとデックが回るかは不明ですが)。
実戦ではタイミング的に難しそうですが、ドミニオン・パスルの世界ではVillaに+1トークン(特に+1購入)を載せた問題が横行しそうな気がします。

かなり変なことができそうなVillaですが、獲得時効果なので山切れしたらそれまでという話もあります。2人戦はともかく、4人戦はあっという間に山切れしそうな気がします。
基本、山切れしたら妖しげな動きは打ち止めとなるので、その辺のタイミングも難しそうです。

おまけに、【Enchantress】を。


『我々が愛したステロは死んだ!何故だ!』
村も有力なキャントリップもなく、サプライ9枚目まで「これ鍛冶屋ステロ一択だろう」みたいな状況で、10枚目にこいつが降臨すると、大変頭の痛い状況になりますね。
このカードが存在すると、ステロ(1ターンにプレイするアクション数が1枚や0枚を目指すプレイング)は窒息してしまいますね。

コンボとステロが競い合いそうなサプライに、Enchantressを加えた場合、ステロが死滅して皆コンボに走りそうですね。
終盤に入ると、Enchantressはコンボに対してかなり無力になるでしょうが、2周目などの序盤では、(銀貨相当になるならともかく)アクションの効果を消す(キャントリップに変える)ことは、対戦相手に与える影響は少なくないものがあると思います。2周目に5金に届かないとか、圧縮ができないとか、かなり致命的な影響を及ぼすことも多そうです。
そのためEnchantressを初手に買うという話は十分ありますが、その場合、自身に与えてくれる効果は如何程かということも考える必要があります。

プレイしたターンは自分に有効な効果がなく、次の持続ターンの頭に2枚ドロー(研究所2回、または村+鍛冶屋をプレイした場合と同じ手札状況)は効果としては弱くはないですが、持続カードなので仕方ないですが、(3ターン目に引けた場合は悪くないですが)4ターン目に引いた場合は、相手の2周目の動きを止めるという観点も含め、微妙な気がします。
初手「Enchantress・銀」で入って、逆に他プレイヤーのEnchantressで自分のEnchantressがキャントリップにされた場合、2周目に5金に届く確率は、それなりに削られますね。

複数枚プレイされても、2枚目以降は妨害として追加の効果がない点は民兵などと同様で、4人戦で2〜3人が打ち合ってくれる展開なら、自分は銀貨から入ってEnchantressは他人任せや、状況によっては後で足すといった方が良い場合もありそうです。

ではでは。