異郷 ファースト・レビュー(全体)

そのうち、異郷の各カードに関してもまた長い考察を始めると思いますが、まずは初見で感じたことをザッと簡単に。とりあえず、個別カードではなく、セット全体について。

何枚か、獲得時や購入時に即時効果を発揮するカードが存在しています。
ドミニオンの基本的な制約として、
「買った(獲得した)カードは、シャッフル後しか使えない(それまで、その効果を用いることは出来ない。宰相は、それに対抗する手段といえます。)」
「カードはランダムにシャッフルした山札から引くので、好きなタイミングに引けるわけではない(高圧縮とか、引き切りは、それに対する手段といえますが。)」
というものがあります。
求める効果を持つカードがあっても、すぐには手に入らず、また、いつ使えるか正確なタイミングも不明なところがあります。

即時効果のあるカードがサプライにある場合、「(金さえあれば)いつでもその効果を、事前の準備なしに、すぐに発動できる(購入フェイズ限定ですが)」ことになります。
即時効果のカードが場にある場合、その分だけ戦略の幅が広がるといえます。
とくにInn、ついでFarmlandあたりが影響が大きいような気がします。

また、これまで開始2ターン(いわゆる初手)は、最初の10枚から5枚ずつ引いて、アクションなしの購入のみという展開に決まっていたのに対して、即時効果により1〜2ターン目に動けるカードが何枚か存在しています。その分だけ、初手の展開にも少しバリエーションが出てきています。
Nomad Camp(ライブラリー・トップに載る木こり)による4-5スタートが良く話題になっているみたいですが、実はファースト・ブレイヤーが1ターン目にNoble Brigandを購入した場合(プレイ時だけでなく、購入時にも発動する泥棒もどき)、運悪く2-5スタートのプレイヤーがいると、最悪の場合2-3スタートという、とんでもない状況も発生しえます。

今回のセットでは、初見では「足を踏み外した」ように見えるカードが結構あるように見えます。ただ、実際使ってみると、そこまでではないという場合が多いような気がします。

ドミニオンで忌避すべきカードがあるとしたら、「そのカードを使わないと絶対勝てないので全員がそのカードを使い、他のカードには目もくれなくなるようなカード」とか、「単純に手番順や初手5-2や4-3の違いで勝者が決まるような環境を作るカード」みたいな、ゲームを極端化したり、単純化したりするようなカードになると思います。

確かに、「地下貯蔵庫とTunnel」「礼拝堂とFool's Gold」「労働者の村とHighway」みたいな組み合わせは、「明らかにそれはダメだろう」といった感じで、それにあたるような気がします。
ただ、組み合わせに関係なく常にダメなカードというのは無いように思います。

で、たまにそういう組み合わせが出てくる分には、それが「たまに」であれば、目くじら立てるほどでもないかな、と。
逆に、こういう組み合わせとかは、新セット・リリース時の話題として、多少はあった方がいいような気がしますし。

まぁ、ドミニオンの場合は、全員が合意するなら、それこそ、ゲームを極端化、単純化するカードがあるなら王国カードのランダム選択をする際に、そのカードのランダマイザーを抜けばいいだけ、という話があります。

異郷に関しては、強いカードが多いセットですが、問題とする程かというと、そこまでではなく、「基本〜海辺+収穫祭」と錬金術・繁栄の間くらいといった感じのイメージでしょうか。